ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
悪VS悪!
ドッピオに貸与された”キング・クリムゾン”の未来予知と、鉄分を操る”メタリカ”が、激しく火花を散らす。
人知を超えた異能と、極限まで駆動する智慧の無差別格闘。
覚悟と意志、殺意と明晰を極めた者だけが生き残る、真昼のドッグ・イート・ドッグ!
そんな感じのボスVSリゾット、激戦の第二章である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
作監に田中宏紀を迎え、スムーズに動き回る迫力の作画…は、あくまでピンポイントの起用。
悪党が喉笛を狙い合う緊張感、振り絞られる漆黒の勇気と知恵、ドッピオに芽生えた覚悟と自律。止め絵のクオリティを最大限活かした、技アリの演出。
スーパーアニメーターの技量に頼りすぎない、エピソードの空気、キャラクターの味わいをしっかり生かした名エピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
喉笛からハサミが飛び出し、足がぶった切られる。血みどろベチャベチャのグロテスクが凄惨さを加速させ、マフィアの頭を取り合う闘いの意味をズドンとぶちかます。
麻薬を止める。良いように利用される娘を守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
”公益”や”善”に目が向いた黄金の主役ではなく、タフな魂を持ちつつそれを我欲に向ける悪党同志の闘いだからこそ魅せれる、凄惨な美しさ。
足を止めて喋ってるシーンが多いのに、ダレず緊張感が維持される工夫の効いた魅せ方。
パワーとテクニックが同居し、非常に印象的なバトルとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
Bパート頭で挿入される暗殺チームの回想も、彼らを覚悟と結束のある『もう一つのチーム』として描いてきたアニメ版の足跡とばっちり噛み合い、とても印象深かった。
絆があった。誇りがあった。だが皆、犬のように死ぬ。
画面の外に追いやられていた”主役”が、ラスボスの策略に利用される形で終わらせる決着といい、無慈悲で乾いたマフィアの薫りがぐっと匂い立つ、素晴らしいエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
悪VS悪の命の取り合いは、ピカピカした倫理が排除される分、どす黒い凄みがやっぱ出るな…超面白い。
今回はとにかく一枚絵の強さ、それを活かす演出とアイデアが冴えていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
荒木先生のタッチを上手く取り込みつつ、要所要所でグンッと自己主張してくる絵の強さ。とにかく”凄み”がある、引き込まれる。
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ドッピオのスネオヘアーを、未来予知のスクリーンとして生かし、闘いの前提を視聴者にも分かりやすくする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
「見えた未来は変えられず、しかしその過程と介錯を捻じ曲げることで、死を敵に押し付けることが出来る」という、バトルのルール。
それが頭にスッと入るからこそ、ドッピオの奮闘も刺さる。
今回かなりの時間、ドッピオとボスのおもしろ会話で画面が固まってんですけども、声優さんの熱演、奇っ怪なカメラアングルで上手く”揺れ”が起きて、全然退屈しないんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
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真上からの空撮、あるいは傾いだ不安定なアングル。視覚から視聴者を揺らして、ハラハラドキドキさせる。バトルの天秤、ドッピオの不安と闘志に共鳴させる演出が、かなりズバッと来てました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
リゾットの透明化描写も、死角から襲いかかる不気味さとかすかな希望がよく出て、素晴らしかったです。
と思えば、ギューンっと動かす時は動かし、気持ち良いカタルシスを生み出す。メスをぶん投げるときのやりすぎ躍動は、”田中歩き””田中なびき”という呼称すらある作監の腕力を感じさせ、パワーが有りました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
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ドッピオはボスの代理人として、現実のリスクテイカーとして、携帯電話(蛙)ごしの指示から離れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
『俺がやられてるんだから、俺がやってやる!』という意志は、”スパイス・ガール”を目覚めさせたトリッシュにも通じる
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ボスからの指示を伝える蛙を起き、自分の意志で運命に立ち向かうように見えたドッピオ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
しかし蛙は”センサー”であり、リゾットの足を切り裂いたあとドッピオは不安そうに”携帯電話”を探す。あまりに小さい”煙草”でも、『超小型高性能の携帯電話』として認識される、認知の歪み。
ドッピオは結局”父”の長い影から抜け出すことは出来ない。魂の躍動、支配を裏切る覚悟を見せつつも、あくまでボスの”Double”である役割に殉ずる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
その”犬の首輪”こそ、リゾットと暗殺チームが切り裂きたかった呪いである。この決戦は、飼い犬と野良犬の殺し合いなのだ。
リゾットはチームの”頭”に相応しい知恵を巡らせて、ドッピオの能力、その正体を探っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
回想シーンが暗殺チームに確かにあった絆、怒り、希望を強く思い出させてくれた。
暗黒の中、リーダーを見据える同志の視線
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恐怖に縛り付けられ、犬のように生きた二年間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
トンデモない死に方をした仲間の仇、虐げられた恨み。
その正当な怒りを閉じ込め、悪党にもある友情を抱えて、叛逆を決意した男達。リゾット・ネェロはその先頭に立った。
歩む度、友は倒れ、今は一人。だが、一人ではない。
どす黒い我欲を抱えた暗殺チームが、どこか主役と通じる躍動を秘めている。それが正しい結末にたどり着かないとしても、一瞬見せた黒い輝きには引き寄せられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
ドッピオの自立にも似た、ゴールにたどり着けないと知りつつ魅せられる、悪党の熱量。そういうモノが、今回色濃い。
『浮かれたやつから死ぬ』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
その予言通り、チームの連中はみな死んだ。リゾット自身も、勝利を確信した瞬間後ろから撃たれ、命を落とす。
足や腕をぶった切られた程度では終わらない、ギャングスタの殺し合い。それを終わらせるのは、油断と確信か。
ドッピオは一度捨てた”携帯電話”と掴み直して、ボスの指示に従う。肉体をぶっ壊されるピンチに、薄暗い床下から這い出してくる怪物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
ドッピオの頭を切り裂く剃刀、苦痛の呻きは、その脳内から染み出してくる”父”と重なる。
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ボスが表に出てくるということは、ドッピオという人格が(一時的に)消滅する、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
正体を隠すための煙幕、便利に使われる代理人。しかしドッピオにも自我があり、誇りがある。そのことが強敵・リゾットに勝機を掴む道糸となった。
ボスはそれを称賛しない。暴力的に這い出し、乗っ取る。
体を切り裂いているのは”メタリカ”の能力だが、そこには腕を切り落とされたトリッシュと同じような魂の痛みがあるように、僕には思えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
ドッピオにブチャラティはいない。不当と異常を放置していてはいけないと、憤る存在はいない。だから、ドッピオはボスの”Double”のままだ。
メスをぶん投げることで、ボス=ドッピオは敵の敵を味方につける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
スタンド攻撃に晒されたと勘違い(であり、真実でもある)したナランチャが、”エアロ・スミス”で背後から刺す。
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リゾットの目に映る”エアロ・スミス”は、鋼鉄の無慈悲な殺し屋だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
ブチャチームを主役に進む普段の物語のような、燃える熱血、正義の裁きはそこにはない。
唐突に現れて、後ろから刺す。”死”のリアリズムそのもののように、冷たい機械の死神。
一歩離れてみれば、ブチャチームもそういうもんで。何しろギャングスタで、街はボーボー燃やすし、飛行機は盗んで落とすし、悪党以外の何物でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
そういう客観的な悪逆を自覚してなお、黄金の光に向かう意志はしかし、身内にしか理解されない。外から見れば、鉄の死神。
そういう冷たい客観性を作品に取り込み、コクと奥行きを出す上でも、この主役の横殴りは良い結末だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
彩度を落としたグリザイユなカラーリングも、リゾットを切り裂いた”死”を強く感じさせ、パワーが有る。アニメ五部はパレットの大胆な変更を、いいタイミングで使うよなぁ…。
見えた”死”を、勝利に書き換える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
ドッピオの奮戦が主役っぽいのは、過程を大事にするジョジョイズムにしっかり則っているからかもしれない。
頭をぶち砕かれる未来は、返り値の迷彩へと変化できた。
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それは”父”の囁きに膝を屈した結果掴んだ未来だが、もしボスが表に出ていたら、”キング・クリムゾン”で過程をふっとばして結末だけを手に入れていただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
ドッピオがボスでありながら、ボスではない無能と意志を有しているからこそ、過程を書き換えリゾットを殺させる戦略が機能する。
醜悪な結末主義で他人を踏みにじるラスボスが、妙に主人公っぽい知恵と勇気、運命を諦めない覚悟で勝利する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
そういうネジレ(が、結局ドッピオを開放しない皮肉)も、このバトルの面白さだと思う。
変化の兆しは、悪党にもある。だが、それを掴むことは出来ない。
ジョジョの”悪”は凄まじいスタンドパワー、どす黒いエゴイズムをぶん回しつつ、妙な人間味というか、理解不可能な怪物に落ちきらない手触りを持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
暗殺チームの絆、ドッピオの奮起、ボスの智慧。上手く使えば、もっとたくさんの人を助けられれそうな輝きは、主役と似ている。
だがそれは決定的に道を間違えていて、実りのある未来にはけして届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
自分のために誰かを踏みにじり、悪なるものに盲目的に膝を屈する。あるいはそれを拒絶するために、別の誰かを踏みつけにする。
そここそが、主役と悪役を分ける分水嶺なのだろう。悪と善は似ていて、しかし決定的に違うのだ。
ボスの策略に利用される形で、その窮地を救ってしまったブチャチーム。背後から撃ち殺したリゾットだって、不倶戴天の敵だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
誰もが誰かの喉笛を狙う悪の荒野で、巨魁なる”真紅の王(キング・クリムゾン)”は不遜に立つ。
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このラストカットのキマリ具合、マジ最高ですわ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
血に塗れ、野望を叩き落とされた挑戦者と、狡猾に生き残った王者。このどす黒い影に、主役たちは挑むのだ。うおぉぉ! むっちゃアガるぜ!
リゾットとの血闘を導火線に、ラスボスの”凄み”が強調されるエピソードでした。来週も楽しみ。
しかし君らは、なんで周辺警戒でピリピリしてるときもそんなにセクシーなのかね…。もう体のライン、ひねりがムンムンオーラ出しちゃってるじゃん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年4月19日
こういう油断したショット見れるのも、主役を真ん中に据えないからこそか
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