GRANBLUE FANTASY The Animation Season2：Extra2『カボチャのランタン』感想ツイートまとめ

GRANBLUE FANTASY The Animation Season2を見る。
秋と冬との境目に、地獄の釜の蓋が開く。
それは諸聖人の祝日。普段は隠れし死霊たちが、大手を振って街を歩く祭り。
父なき家を守る母と、その思いを継がんとする子。かぼちゃのジャックの魔法は、どんな夢を描くのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

そんな感じのヴィーラさんおつかれッ！　ハロウィン特別編！！　である。
一期DVD特典のハロゥイン回を、特別編として地上波放送する形。この線の細さ…陽気なBGMの使い所…『やっぱり一期と二期、そうとう違うアニメなんだなぁ』と再確認。こんだけルック違うのに、コア同じなのは凄い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

お話の方は知らない女が知らない女二人を率い、知ってるルリアとイチャイチャしながら人情噺に切り込んでいく形。
アニメしか知らんので『誰よその女ども！　グランくんを返してよッ！』って感じではあるが…一期最終回で、家禽パワーでゴリゴリ押し込んでた人…ですよね？（おぼろげな記憶を再生）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

幽霊フェリちゃんと、オン・オフのスイッチが激しいカリオストロをお供に、楽しくはしゃぐルリアが可愛かった。ルリアの可愛さだけは、どれだけ世界線が揺らいでも、主役の性別と課金量が変わっても同じ…。
脳が完全に”グランくん”になってるので、ジータ軸の話にチューニングするのに時間かかったな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

しかしやっぱり、背景から立ち上がる世界観の作り込みは素晴らしく、生者と死者、現し世と魔界の境界線があやふやになる特別な日として、ハロゥインを描くエピソードがジワリジワリと染み込んでいった。
こういう角度からハロゥインを取り上げるアニメも珍しいので、感心しつつ楽しい。本来こっちよね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

本筋も西洋お盆としてのハロゥインに乗っかって、星晶獣・かぼちゃのジャックを探しつつ、親一人子一人の健気にそっと手を差し伸べる展開。
ジャックとちびっ子魔女たちが、一夜の魔法を駆け抜けるシーンの児童文学っぽさが、凄く良かった。
©GRANBLUE FANTASY The Animation Project pic.twitter.com/DKMy1VZtze

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

話としては二期第一話と同じで、主人公一行がクエストの途中で袖摺りあった小さな事件を、真摯に解決していく話。
帝国とやりあったりはしないし、顔つきの仲間が増えたりもしないけど、こういう話をやると一行の善良さが裏打ちされるので、結構好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

小さい話をやると、それぞれ個別の文化と生活を持った空島を旅している感じも、より濃厚に感じられるしね。
ハロゥインを島独自の文化として描いたのは、一つ一つの文化圏が寄り集まって形成される大空陸を、肌で感じられて良かったな。こういう、世界の広さが見えるエピソードは好きだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

ヒューマンドラマの方も、死人の心残りと前に進む意志をクッキーに込めて、手堅くも温かい感じ。
遠くに去っていった人に名残を残しつつ、当たり前の日常を積み重ねている人たちが、死者と出会い直す特別な日。
”ハロゥイン”に敬意を持った作りを、伊瀬茉莉也芯のある少年演技がしっかり支える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

まだまだ未熟なんだけども、父のいない世界を自分なり受け入れて、前に進もうと顔を上げている少年の背筋。
今回のお話を支えていたのは、そんな小さなプライドと清潔感だと思った。
シナリオゲストがしっかり立ってると、話がグズグズにならんから良いわな、やっぱり。敬意を持てるキャラだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

それは生者を見守る死者、それが帰還する特別な日に、しっかり目配りをして話を作っているからでもあり。
ジャックの魔法で蘇った死者が、それでも生者と言葉は交わせないのが良かった。
生き死にの境界線が揺らいだとしても、乗り越えられない一線はあるのだ。その上で、再開は救いになる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

騎空士一行はそれぞれの宿命を抱えて、再び空に漕ぎ出していく。島に残る人たちは死者の祝祭を胸に抱えて、当たり前の日々へ戻っていく。
マレビトと定住者。主役とモブ。その交錯点が、このお話だったのだろう。世界観の広がりといい、正しく優秀な”番外編”であった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

清涼と寂寥を上手く混ぜ合わせ、いい具合に本編とは別の空気を吸えた今回。何しろ制作会社違うからな！
この”一回休み”をどう生かして、グランくんの青春王道踏破に繋げていくか。”霧の島”が舞台になるっぽい次回、なかなか楽しみです。
アニメしか知らんなりに、結構グラブル楽しんでるなぁ自分…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

プレイレポート 19/11/09 TNX『わが愛しの二重身』

昨日の夜は、シェンツ先生オリジナルのNOVAを遊んだよ。カゲムシャシナリオだッ！

シナリオタイトル：わが愛しの二重身　システム：NOVA-X　RL:シェンツさん

田中くん：”Mr.シルエット”影乃あやめ：16歳女性：クロマク◎ミストレス●タタラ　亡き父のハンドルを背負い、顔なきフィクサーを演じる少女。自分を持ち得ない虚しさを抱えつつ、自分自身のスタイルを模索する、凶暴なるアドレサンス。
コバヤシ：”水面の月影”パラセレネス：外見可変：カゲムシャ◎クロガネ●シキガミ　とある大魔術師が最後に作成した、”模倣”を根源とする人形。創造主が去った世界で、人間のマネをしながら生きながらえている。哲学する機械、詩を編み上げる夢。人を模倣するイデアの鏡である。

つーわけで、カゲムシャとそのバディが情と業渦巻くミッションに挑むシナリオに挑んでまいりました。いやー、面白かった。
スタイルを貫くNOVAにおいて、カゲムシャはスタイルを宿主に預け、スタイルを持ち得ないことを特異性としています。その空白に何を込めるかは、かなり人によって変化のある、エモいスタイルだと想っております。
今回のシナリオはそういう特異性に、ガッチリ向き合ったシナリオでした。ニューロエイジの芸術、ハイランダーの”服”など、世界観に向き合ったネタもウルトラライトなシナリオの中にしっかり刻まれていて、食べごたえと情動十分。
神業を使ったギミックも、カゲムシャにしか発動不可能な説得力に満ちていて、非常に良かったです。PL2人という絞った構成が、テーマを深く強くシナリオに刻む鋭さを生み出していて、非常に明瞭でした。軽さは強さ。

僕は模倣する機械という、かなりエッジなキャラを投擲。スタイルを持ってない、流されるままの道具存在としてシナリオに入ってしまったので、ぶっちゃけ序盤はかなり迷走してしまった……。

のですが、良いシナリオとゲスト、そしてもう一人のキャストにしっかり助けられて、自分のスタイルを見つける物語を走り切ることが出来ました。本気で振り抜いても受け止めてくれる面子だったので、凄く趣味に走ったロールプレイを、久々に楽しんだ気がする。面白かった。
田中くんはこっちが好き勝手にやる余地を優しく用意しつつ、自分のコアもしっかり掴んでロールして、シナリオと僕にトスも上げつつと、上手さと熱量の同居した良いプレイを見せてくれました。非常に助かった。

というわけで、とても楽しいセッションになりました。カゲムシャは癖が強いけど、NOVAでしか出来ない表現やテーマ性を持っている、とても面白いスタイルだなぁ…。
とても良いセッションでした。同卓していただいた方、ありがとうございました。

スター☆トゥインクルプリキュア：第39話『えれな大ピンチ！ テンジョウ先生のワナ！』感想ツイートまとめ

スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
美星中の太陽に迫る、偽物の黒い星。
策士テンジョウがそろりと、その笑顔に忍び寄る。
欺瞞の仮面など捨てろ。お前の胸から湧き上がる、黒い真実を叩きつけろ！
その叫びは、一体どこからやってきたのか。
太陽はなぜ、笑顔を信じるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

そんな感じの、えれテン創世記（ジェネシス）第一章なスタプリである。
そろそろ終盤戦が見えてきて、凄い勢いでノットレイダーが”人間”になってきてるスタプリ。
敵幹部でも比較的目立たない方だったテンジョウさんも、えれなをマッチアップ相手に、ゴリゴリと過去と感情を掘り下げられていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

前回アイワーンの過去を描写する形で、瞳を隠し均質化されたノットレイダーが、それぞれの顔、それぞれの悲しみを背負った一個の人間であることが強調されていた。
今回のテンジョウ先生襲来も、そんな鏡合わせの一貫と言える。スタプリ最終盤は、歪んでしまったもう一人の自分との対峙に回すか…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

さて、そんなテンジョウ先生の鑑となるえれな。
ここまでプリキュアチームの”姉”として”母”として、非常に瑕疵のない立ち回りを続けてきた。
朗らかな人格、持ち前の明るさ。色々デコボコした人格のひかララ、”家”の檻が重たいまどかに比べると、どっしり安定感のある…逆に言えば起伏の少ない立ち位置

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

えれなというカウンターウェイトが乗っかっていることで、サマーン星由来の成熟と未成熟のアンバランスを暴れさせるララとか、独自の知性を社会と青春に衝突させるひかるとかが、存分に思春期出来たというのは、間違いない。
ここでえれなまで揺れたら、チームに安定感が欠けてしまうわけで。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

しかしそういう仕事を果たすために、えれなは自分の悩みや傷に存分に浸る、年相応の”子供”として十分に振る舞えていない感覚が、僕の中にはあった。
人格者、年長者としての責務を立派に、自然に果たすえれなに頼もしさと敬意を覚えつつ、太陽も己の陰りを語って良いのでは、と想ってはいた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

そんな、充足の中の物足りなさを、テンジョウさんと向き合うことで今回のエピソード、しっかり埋めてくれた感じがある。
第11話でカッパードさんがひかるに対して果たした、陰りを押し付けることで自分の中の光を際だたせる仕事を、この終盤でやってくれた、というか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

テンジョウさんは身体的にも雰囲気的にも、大人で余裕で策士である。
えれなは彼女が化けた教師に、真っ直ぐな憧れの表情を見せる。”妹”であるひかる達と向き合ったときは、なかなか見せれない顔だ。
そんな幼い光が、テンジョウさんの闇を際だたせ、苛立たせる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

カッパードさんとひかる、アイワーンとユニを見ても判るように、ノットレイダーはプリキュアの影である。
運命のボタンがかけちがって、なにか大事なものを失ってしまった元・正義。
自分が失ってしまったものだからこそ、苛立ち、否定し、心を惹きつけられる様子は、これまでの幹部描写でも濃かった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

テンジョウさんにとってそれは”笑顔”のようで、記憶の中の短髪の彼女は、非常にシリアスな表情で欺瞞の影絵芝居を見下している。
具体的に何があったかは（まだ）解らないが、それがコミュニケーションを阻害する嘘でしかないと思い詰める”なにか”が、彼女を変えた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

カッパードさんがひかるの不屈と希望を、アイワーンがユニとの思い出に強く執着するのは、それが失われているからだ。
あまりにも大きく、喪失した後の虚無がポッカリと胸に穴をあけるほど、強く突き刺さったもの。それが”悪”を駆動させ、戻れない道に踏み込ませていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

テンジョウさんは多分、笑顔が真実のコミュニケーション・メディアであってほしかったのだと思う。
しかし、（彼女の）現実においてそうはならなかった。だから、希望が失われた虚無を打算で埋めた。
所詮他人はコマ。心からの笑顔など、何の力もありはしない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

そう自分に言い聞かせることで、崩壊してしまった世界観をなんとか再構築させる。反転した信念を支えに、世界を否定していく。
ノットレイダーはそんなふうに、かつての自分に”NOT”と言い続けている気がする。その視線が向かうのは、現実の光をけして諦めない戦士、プリキュアである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

テンジョウさんはえれなの笑顔に、人と人が分かり会える可能性への信頼に強く惹きつけられ、えれな自身がそれを否定するように仕向ける。
傷つきおとなになってしまった自分と同じように、笑顔は欺瞞のツールでしかないのだと、それが世界唯一の真実なのだと証明したい。そういう欲望が、彼女を焼く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

しかしえれなは、孤独や疎外といった感情を既に乗り越えている。
それは太陽たる彼女の周辺に確かにあって、しかし家族との触れ合い、己への内省によって、もう一つの側面へと目が向けられているものなのだ。
影は、たしかにある。私も、その只中にいた。
それでも、笑顔はみんなを繋げる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

えれなの周囲を取り巻く感覚は、ひどくありふれていてつまらない。宇宙規模の大破壊やら、故郷の消失なんていうドラマチックな悲劇とは程遠い。
でもその小ささが、彼女の人間味、当たり前の苦しさを乗り越えて”太陽”で居続けようと、己の在り方を決めた強さを支えるような気がする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

”英語スピーチ”という、言語メディアを通じ人と繋がる手段が今回のテーマなのも、上手くえれなとテンジョウさんを繋げていた。
えれなは異質な自分と他人を見据えた上で、母のように父のように、異質なまま繋がれると信じている。違うことは、喜びに通じるのだと学んでいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

それはテンジョウさんが信じたくて信じきれなかった、信じていたからこそ否定したい、現実の一つの形だ。
テンジョウさんを取り巻く世界は暗い。暗くなるだけの理由が多分あるのだろうし、暗くあり続けるように、テンジョウさん自身が振る舞っているのもあろう。
それもまた、現実の一つの形だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

大人で成熟しているように見えるえれなだって、そんな世界の暗さに傷つき、思い悩んだことがあった。
美星中の太陽は生まれた時から輝くから、太陽たり得ているのではない。世界の薄暗い場所を、小さな少女の視線でしっかり見据えて、それでも輝くものを信じるから、笑顔で居続けるから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

天宮えれなは笑顔のサンフラワーなのだ。デカい…人間がデカいッ！！　そらー、まどか先輩も一生『えれな…素敵です！』しか言わんわ。あの月は太陽が好きすぎ。
さておき、えれなは自分の中の薄暗い体験を踏まえ、それを乗り越えた経験を言葉にすることで、より説得力のあるスピーチを完成させる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

世界はキレイなものだけじゃない。薄暗い感情だって、そこにはある。
そんな現実の陰りをえれなに思い出させ、『でも、だからこそ』と未来への希望を鮮明にさせたのは、テンジョウさんの誘惑であった。
望まず、教師として決定的な示唆を与えてしまう辺り”鏡”だなぁ、と思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

闇に沈んだ、自分の世界観を壊さないために。
多分かつての自分に似てる、えれなの笑顔を消すために。
テンジョウさんはえれなに強く惹かれ、自分と同じ諦めに飲み込まれるよう促す。多分、寂しいのだろう。
その働きかけは、陰りを乗り越えて輝きを選んだえれなの、一歩ずつの成熟を鮮明にした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

やっぱ無条件に輝く無敵のヒーローより、当たり前の傷を飲み込んで希望に目を向ける人のほうが、親近感が湧く。
失敗や迷いを知っているからこそ、現在進行系で悩む”妹”たちにも、より温かい対応ができる。
そこら辺の裏打ちが、テンジョウさんを相手取ることでなされた感じがする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

えれなは自分を裏切り、嘘をついたテンジョウの一撃を、真正面から受け止める。感謝すら言葉にする。
あなたにとっては嘘でも、私にとっては見落としていた影に目を向ける、大事な光だった。
自分を害そうとした悪意に対し、このリアクション。やはり天宮えれな…背中のデカいプリキュア…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

ある意味、コケティッシュで醒めたテンジョウさんより、えれなのほうが”大人”とすら言えるかも知れない。
影を見据えてなお、光を信じようとする。嘘を知ってなお、笑顔で居続けようとする。
それは何も知らないまま、お人好しでいるのとは違う。選択の重さが、確かにそこにはある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

えれなは自分に執着するテンジョウさんの仮面、その下にある寂しさをじっと見据えていた。
ここを機転に、グッとその心に踏み込む道が、スタプリ最終盤引かれていくか。いやはや、非常に楽しみである。
この導火線を活用すると、えれなもテンジョウさんも見事に語りきれる。そういう予感はあるんだよな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

違うからこそ、断絶の向こう側を想像する。イマジネーションを、コミュニケーション・メディアとして活用する。
これはスタプリ全体を貫く、大きなメッセージでありテーマだと思う。
テンジョウさんは、えれなとは違う。人生経験の量も、受けた傷の深さも、生まれた場所も姿形も、何もかも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

でもそれが、全てを拒絶し否定する材料にはならない。
沢山のものが違うからこそ、どこかに繋がり会える接点…ユニとアイワーンなら悪への接続であり、失われたものへの郷愁であったわけだが…を見つけ、それを手がかりに繋がっていけるという、希望と歩み寄り。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

それを掴み取るべく、それぞれ形の違う、形にならないトゥインクルイマジネーションを探しているのだろう。
ユニのイマジネーションが、アイワーンへの”許し”であったように。
憧れと憐れみを込めて、じっとテンジョウさんの焦燥を見据えていたえれなの思いは、”敵”に向かっていくのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

今後の爆裂に期待が高まる、終盤戦の出会いエピソードであった。
ぶっちゃけこのタイミングで敵幹部とコンタクトするのは、異例も異例な構成…なんだけども、全くもって遅くはない。
むしろ待ってたのさ…こういう爆弾をな。つーかテンジョウさんの感情がデカいんだが！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

テンジョウさん、コマちゃんコマちゃん言いつつ部下を道具扱いしてる感じ少ないし、根源的には情動の人なんだと思う。
そういう自分を押し殺して”悪”をやってるからこそ、かつての自分に似てる小娘が、笑顔笑顔でキラキラするのは許せねぇ。私と同じ色に染まれ…人生を諦めろッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

この巨大感情爆弾が、どんな焼け野原を、そこに咲く一輪の花を生み出すか。
非常に楽しみであるが、来週はララの宇宙人バレつー大ネタである。
次回予告ラストカットの爆裂エモ力だけで、全国三千万人のひかララクラスタが”死”を予感しただろう。映画版でもう、俺達の情動はズタズタなのにな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

敵性宇宙人の発見と摘発は、冬貴オヤジの職責でもあるので、まどかサイドにもデカい話になりそう。
第35話で『ララにとっての学園生活』を描けていたことが、絶対効いてくるんだろうなぁ…終盤の有機的な構成ヤバいなスタプリ…。
情動死確定エピに向け、心臓を鍛えて来週を待ちます。マジ楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月10日

歌舞伎町シャーロック：第5話『立合いはフライングぎみッ』感想ツイートまとめ

歌舞伎町シャーロックを見る。
妹一筋と思いきや、溢れる情けで損を引き受け、鯔背に悪徳の街を駆けるシスコン探偵。
その名をルーシー・モーンスタン。
その懐に忍ばせた、札束二つで買えるもの。
塾の年会費、妹の笑顔、白星、化粧廻し。薔薇の刺繍のきれいなおべべに、複雑怪奇な人生と来ます。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

そんな感じの、ルー姉さん個別エピである。
情報の圧縮率と見せ方が異常に巧いのが、ミステリを扱う上での長所になっているこのアニメ。
冒頭一分で姉妹のオリジンを見せきってしまう手際は、まさに流石の一言である。
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/enqSZftmD8

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

明るい家族の肖像、貧困と孤独が燃える青森、そこから抜け出した瞬間の光、歌舞伎町のピンクのネオン。
明暗をスパスパと行き来する、幼い姉妹の未来。『頬に大きな黒子のある父親は、確実に再登場するのだろうなぁ…』などとメタを読みつつ、侠気に溢れた姐さんの気っ風が気持ちいい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

この世のゴミ溜め、悪徳が行き着くイーストは行き場のない者にとっては救いでもあり、また弱者が食い物にされるジャングルでもある。
そこで触れ合った関取の人情を、支えに姐さんは性悪妹に取り憑かれても健気に、真っ直ぐに生きてきた。気持ちのいい女（ひと）である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

さて、もしかすると探偵長屋で一番真っ直ぐな姐さんは、人の不幸を見過ごせない。モリアーティーが娯楽のように楽しむ飛び降りの、腰を掴んで引っぱり上げ、事情を聞いて二百万ポンと出した。
デカい荷物抱えて、高校生何をしてたのか。覗き部屋からも解らない。
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/u7yfj5vcE9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

それは後の伏線として、文丸が二人を下敷きに河津掛けの形になって、土が付いていないのは（偶然かもだが）面白い。
200万の命金は、巡る巡って彼の化粧廻しになる。姉さんは憧れの人にそれを預けることで、かつて守られた綺麗な夢を守ることになる。文丸の将来もまた、土付かずで守られる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

ポンとくれてやった200万に、追加でさらに札束二つ。
バンスがズッシリ肩に食い込むが、姉さんは我利我利亡者に汲々とはせず、近江山の訴えにどっしり耳を傾けることになる。
恩人を疑いすらしない善人の隣で、変人探偵が酒と肴を一緒に啜る。
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/ke4nfQnchb

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

盗み聞きで大体の絵図を書いちまって、あっという間に事件を整理してしまうのはさすがの名探偵、格が違う。
しかし犯人が判ることが、姐さんにとっての事件解決ではない。今回はルー姐さんにクローズアップすることで、探偵長屋それぞれに”事件”がどういう意味を持つのか、掘り下げるお話でもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

こうして五話も付き合うと、トンチキな変人にも捨て去った哀しみがあり、くすぶる夢があることは判ってくる。
事件の筋を追えば、好きな落語にしがみつける。不気味な笑いは、シャーロックが抱え込んだ人間性の軋みなのかも知れない。
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/hYHsB1STgr

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

真っ当なあり方じゃあ、到底高座には立てないヘボ噺家。
事件を肴に一席ぶつことだけが、シャーロックが夢に浸れる唯一の方法であるのならば、イーストは似合いの席だ。
貧困に追い立てられ、姉妹二人”そこ”に流れ着くしかなかった姐さんの、けして阿婆擦れぬ善良さもまた、この街を居場所にしている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

饅頭一つ見ただけで、サゲも聞かずに話を読み解く辺りは、流石に探偵長屋の住人。
己の思い出をぶつかり稽古、ひたすらに真っ直ぐぶち当たる姿は、さっぱりと命金を渡してしまう侠気に通じるものがある。
花から流れる血潮は、赤心を写して紅である。
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/zPHguR2mUz

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

かつて自分を守ってくれた近江山は、やっぱり真っ直ぐにしか生きれない男だった。
星を買うのに魔が差して、並ぶ黒星が真実の証。どうにも使い切れなかった二百万を、姐さんは思い出料としてさっぱり預け、桃色の闇に消える覚悟を決める。
薄汚れた街に、爽やかな風が吹いた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

貸し付けた親分も、娘っ子の股油で金庫を潤す外道ではなくて、夢を売る夜の蝶としてルーをデビューさせる。
女の装いに身を包んだ男と、男の格好で輝く女。いかにもイーストらしい転倒のなかで、200万のおべべがイタズラに舌を出す。
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/WUE5bwE2Xr

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

枕事を持ちかけられたらまた厄介そうだが、その拗れもまたイーストの風か。
流れ着いてこの世の果て、ドタバタしつつも人情は消えず、よく似塗れつつも妙に爽やかに、ルー姐さんの人情芝居は転がっていく。
願わくば、超新星ホスト・ルーの未来が明るいことを。気っ風が良いからモテるだろ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

つまらんつまらんと近江山を腐していたギャンプル探偵も、悪態の奥で”なにか”を期待していたのだろうか。
その性根が腐りきっているか否かは、彼の個別回を待たなければいけない。
今はとりあえず、新しく昇る文丸に期待を込めて、200万の錦絵、腰に巻いていただこう
©歌舞伎町シャーロック製作委員会 pic.twitter.com/XeCEsBYE4r

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

幕下に落ちて引退を決意した近江山が、姉さんの心意気を文丸に預け、門出を祝う化粧廻しに二百万。
非常にキレイなサゲである。妹が勝手に薔薇のドレスに変えたのと同じく、自分の惚れた相手に”服”を買う形になっているのが、鯔背で良い。汚れた白星買うよりも、よっぽどさっぱりした使いみちだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

姉さんのニンが見える非常に良いエピソードなのだが、ミステリが一つ。
近江山への慕情は、幼い日の恩義の焦げ付きと判った。歌舞伎町に流されて男装を覚えたというわけでもなし、姉さんはなぜ、男の装いをしているのか？
謎は深まるばかりである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

『そんなもの、ジロジロ覗き込んで答えを出すもんじゃないよ』と言うつもりで、姐さんのセクシュアリティに答えを出さないのであれば、これは誠に上品で良い切り返しだと思う。
もう少し引っ張りたいからか、そこは特に理由なしでいいからか。まだまだ見守りたいところである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

しかしシャーロックも余計な聞き耳立てて、近江山の胸板に姐さんの赤心を届ける道を整えた辺り、存外シスコン探偵を難からず思っているのか。ただただ、目の前の謎をネタに一席ぶちたいだけなのか。
ここも、なかなか後を引く謎である。ワトスンくんの果たされない依頼もね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

というわけで、ルー姐さんの気っ風、ゴミ溜めにもどっこい生きてる人情を見せつつ、そこかしこに今後のネタを仕込んだリッチなエピソードでした。
ここ迄無情な殺人ばかりが続いたので、姐さん大損ながら心意気が守られた今回の事件、変わり味ながら非常に爽やかで、面白い味わいでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

探偵が駆け回るイーストも変態と業突く張りだけでなく、寄る辺なき者たち最後のアジールとしての”風”を見せてくれて、魅力が深まったと思います。
業と情とが渦を巻く、東の果ての桃花源。次回、見る夢は桃色か、血の色か。なかなか来週が楽しみになる、豊かなエピソードでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月9日

ハイスコアガールⅡ：第18話感想

ハイスコアガールⅡを見る。
夜の渋谷は風雲乱舞。ビデオゲームも地域構想も、恋の鞘当てを前にただの前座に過ぎない。
流されるまま大人の国に迷い込んだ、純情ピコピコボーイを奪い返すべく。
日高小春、勝負の一大決心。た、助けてガイルさんッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

そんな感じの、恋のソニックハリケーン乱れ飛び、ハイスコⅡ第3話である。
トレンディドラマみたいな強すぎる引きがマジで印象的だが、ゲームばっかりやってれば満足だった少年時代が終わろうとしている鼓動を、”あの頃”の渋谷と一緒に描く筆が強いエピソードとなった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

今までの筆運びだと、ゲームとキャラの人生はシンクロしていた。ゲームが上手くいけば、人生の問題も解決していった。
しかし今回の渋谷決戦、10タテしたところで状況は変わらない。ゲーム内の勝敗と、ゲーム外の厄介事が切り離されて進行する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

仮想と現実を繋ぐ没入感、特別性こそがこのお話のコアだと僕は思っているわけだが、背丈が伸び性を知り大人になっていく少年たちのドラマとしてみると、一旦そこを切り離す必要がある。
永遠に静止した電子のネバーランドとは、違うドラマが現実では流れている。ハルオも例外ではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

この物語はラブコメディであるから、成熟は恋と性の形を伴って現れる。
変化していく世界を、まだ自分ごととして引き受けられない（引き受けたくない）ハルオより先に、自分の足で現実に立ち、肉体を引き寄せる戦いに挑むのは不屈の愛戦士・日高小春である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

ハルオはとにかく流されるばかりで、現実にうまくコミットできない。渋谷勢でもなんでもないのに大将にされ、いつもの服は引っ剥がされる。
初心な果実を狙うコギャルの舌なめずりにも、全く気づかぬネンネちゃんである。
しかし、世界を全く認識していないわけではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

変わっていく世界、子供ではなくなっていく自分への戸惑いを、ハルオはまだ言語化すら出来ていない。
自分が何に戸惑っているのかすら解らないまま、『ゲームに夢中な子供』からはみ出さないように、大人になりかけの女の子が仕掛けてくる誘惑に、気づかないよう気づかないふりを続けている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

その防衛戦をヘタレ根性なし無責任と罵るのは、まぁ判る。日高戦士の捨て身の戦いを見た後だと、子供の残酷さが突き刺さる。
しかし子供時代にしがみつきたいハルオの夢、電子のネバーランドにとどまりたい願望を、全部否定してしまうのはあまりにも残酷だとも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

子供のままじゃいられないけど、大人になるってなんだろう。さっぱり解らないまま、世界は勝手に加速して、大人な自分が求められる。
理不尽に対抗できる強さ。愛を受け止められる靭やかさ。
そういうものが大事だってのは判ってるけど、どこから引っ張り出せば良いのか解らない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

一足先に勇気を振り絞り、エロティックな誘惑に踏み込んだ日高さんだって、大人になるのは怖かった。関係が変化するのは恐ろしかった。
それでも、好きだから。震えを握りしめ、大胆にメッセージを送ることにした彼女の成長に、ハルオは全く追いついていない。報いてもいない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

その残酷なギャップが夜の渋谷に炸裂するのが、今回のお話である。
序盤散々に暴れまわり、何の成果も生み出せていない真が、身体年齢的には日高さんより”上”なのは面白い。
大人への旅路は、時間が勝手に進めてくれるベルトスクロールアクションではないのだな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

渋谷 VS 溝の口の対抗戦を、スカッと終わらせ夜の渋谷。ゲームが介在しないリアルファイトを、日高さんはエロティックに誘惑する。
水に触れる指先。いたずらに誘う足先。め、メタファー！！！
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガールⅡ製作委員会 pic.twitter.com/AXEtLMtPVO

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

指先を濡らす雫が性的興奮の暗喩であることは、過剰ではなく正当な読みだと思う。
日高さんは濡れている。ハルオに対して興奮し、愛おしく思う身体成熟を持て余している。
それは健常な成長の一側面で、怯えるものでも、バカにするものでも、遠ざけるものでもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

少なくとも日高さん自身は、自分の中で渦を巻くエロティックな欲望に向き合い、それを誰にぶつけるかしっかり見据えている。
それはハルオにとっての”大人”のように、不鮮明であやふやな影ではない。自分と同じ顔をした、コントロール可能な、制御しなければいけない自己像だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

気恥ずかしさに堂々向き合い、自分の願いを貫くために誘惑する。日高さんは幻想に逃げず、真っ向勝負を仕掛けてくる。
ハルオはそれを受け止めきれない。どうすればいいかわからない。ゲームは何も教えてくれない。
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガールⅡ製作委員会 pic.twitter.com/ODernCoS2u

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

日高さんが差し出してくる恋愛のコードを、解読する文法がハルオの中にない、と言ってもいいだろう。
それはゲームばっかりやってたから、ではない。何も選択しないで良い子供時代の気楽さに、どうしてもしがみつきたい弱さと切実さがあるからだ。
そしてそれは、日高さんも同じである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

判っていても止まらない。そういうダイナモの強さがあればこそ、恥ずかしくても誘う。あなたを求めるわたしの疼きを、しっかり言葉にする。
日高さんは一足先に、自分に向き合う率直さ、真実の欲望を受け止める強さを手に入れた。でもそれは、純情ピコピコボーイにはあまりにも強すぎる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

結果として、日高さんのフラストレーションはクライマックスを迎えない。性で繋がる関係性、そこから生まれる変化を許容できるほど、今のハルオは強くない。
ズルズルと地面を引きずる傘の音は、少女のいらだちそのものだ。
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガールⅡ製作委員会 pic.twitter.com/JdkJ3qfR4r

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

誘惑に答えないこと。Insert Coinと点灯してるクレジットに、スタートボタンを押さないこと。
それが『お前には魅力がない』というメッセージを含んでしまうことを、ハルオは知らない。NOを突きつけられる（形に、結果としてなった）日高さんが、どのように傷ついたかも、鮮明にはわからない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

溢れかえるような切実な肉欲、愛すればこそ渦を巻くエロティシズムは、ハルオにはまだ遠いのだ。
でも、日高さんには無視できない現実で、そのギャップを抱きしめるために、彼女は踏み込む。飾りのない本音を思い切り叩きつけて、少女のように涙する。
遠回しな誘惑が聞かないなら、それしか手はない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

ハルオは鈍感だが、残酷な男じゃない。目の前で泣きじゃくる女の子が、何に傷ついているかは分からなくても、傷ついていることは判る。
成熟のギャップに戸惑いつつ、望まれるまま『ぎゅっと』しようとした、その時。
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガールⅡ製作委員会 pic.twitter.com/OCmdWlY58r

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

『やっぱり”大野晶”なんだよなぁ…』と、全世界2億人が呟いたことだろう。俺は呟いた。
溢れる涙と恋心の背後で、スッと差し込まれる純情の残影。ハルオの視線が一体どこに向いているのか、ハルオに夢中な日高さんは気付けない。
余りに残酷な構造を、一発で視覚化した見事な三角関係である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

あまりにもトレンディドラマ過ぎて、脳内で小田和正が歌いまくっていたけども。
流されるまま渋谷にたどり着いたハルオは、日高さんに抱きしめられることで普段の服に着替えた。
でも、もういつもの景色じゃない。ピコピコな夢だけが辺りを取り巻く時代は、終わろうとしているのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

そこで一番に瞳を貫くのが誰か。溢れかえる欲望を受け止めてほしいのは誰か。
日高さんのエロティックに対しそうであったように、ハルオは自分の真実と、まだ向き合えない。答えを出せない。
それでも、世界は勝手に加速して、気持ちは勝手に転がっていく。恋を止めるチャレンジャーはどこにもいない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

大野さんが”家”に縛られた、自由のない子供であるという状況設定が、ここで効いてくる。
恋に対し堂々向き合える成熟は、子供を縛り付ける理不尽に対抗する強さに成りうる。
何も分からねぇまま”ゲーム”を奪ってくる”大人”に、ゲームキッズのまま、ゲームキッズだからこそ対抗しうる強さ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

それは、ゲームばっかりやってちゃ手に入らない。ゲームから受け取ったものを拳握りしめ、決断とともに叩きつけることでしか、世界は揺らいでくれない。
そんなこと、ハルオもわかっているのだ。それでも、踏み込むのは怖い。選ぶことは怖い。
普遍的な思春期の震えが、渋谷を世界の中心に変えていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

むせ返るような日高さんの純情と、それに抱きしめられつつ別の女を見るハルオの視線。檻から抜け出して、あまりにも生々しい成熟を見つめる少女の瞳。
大人と子供、決断と怯えが複雑に交錯する、渋谷の朝。青春はいま、まさに臨界点である。
さーどうなってしまうのか。えつこのED入りも完璧だ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

日高さんのエロティックな描写が、非常に良かったと思う。
それは気恥ずかしさをまといつつ、勇気と真正さで思い切り突き出された、ハルオに対してだけの誠実な誘惑だ。
そういうものが、世界には確かにある。ゲームではあんま描かれないけど、ナイーブで熱い身体性が、そこにはあるのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

それを受け止める土台が、今のハルオにはない。プレイするなんてもってのほかだ。
しかし、それと向き合わない限り、ハルオの物語は終わらない。愛も性も成熟も、日高小春もそこに実際あるのだ。
ピコピコ純情ボーイは、余りに難しいゲームとどう向き合うのか。視線の先にある黒髪の純情を、どう解すか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

思春期の”性”というものに、凄く真正面から堂々向き合ってる話なのが、この物語の（沢山ある）良いところかな、と思う。
エロいことはみんな考える。悪いことだとも言われるけど、ちょっと待てよ。そこには身を切るような切実さと、踏み込むことへの怯えが、たしかにあっただろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

日高さんの成熟と、ハルオの未熟。そのギャップを血が出るほどに擦り合わせつつ、この時代しか持ち得ない青臭さと熱量で”性”に向き合うお話でもあるのだと、今回のエピソードはしっかり宣言できた。
ゲームばっかだと身体性が薄くなるからね…エロスで補うのは大事。日高さん頑張った。エロかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日

まだまだ話数は残っているのに、話のテンション的には”最終決戦（ファイナルファイト）”な感じだ。
さて、話はどう転がっていくのか。幼年期と成熟とゲームを巡る構造も、まだまだ描ききってないしね…。
頂点を越えて更に熱くなる、ゲームと僕たちの青春。
マジで面白い。来週も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月8日