pet：第7話『リベンジ』感想ツイートまとめ

petを見る。
親殺し、自分殺しの血の池地獄から、司を蘇らせたヒロキ。しかし司のダメージは大きかった。
一方大陸では、ロンが”社長”の宿願を果たすべく暗躍していた。メイリンの”蝶”が羽ばたく時、心が壊れ人が死ぬ。
ベビーの叫び声は外に漏れることなく、その涙を拭うものはいない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

そんな感じの、加速していくさらなる地獄、pet新章開幕である。
マッッッッジでガキが泣いてるのは許せねぇからよ！！！（開幕の挨拶）
自分の心の中の子供を、どう扱っていいか判らねぇ大人共のカルマに、弱いガキを巻き込んで権力争い、銭稼ぎしてんじゃないよホントに！！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

すいません、つい…。
大陸の方の事情にも切り込んでいく今回、ロンの道具になってるメイリンの描写も多いわけだが、ほーんとただの子供な彼女がワンワン泣いて、でもそれは心の中のことだけだから表には出なくて、立ち向かうことも出来ないまま便利に使われてて…スゲーキツかったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

柔らかい部分があろうとも、自分で人生を選べる（その責任も自分で背負う）連中がカルマに飲み込まれていくのはまぁ飲めるんですが、子供は流れに抗うパワーが全然ないからね…。
だからこそ誰かが手を差し伸べなきゃいかんのだが、それやった林さんは”子”に潰されちゃったからなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

そんな司の親殺しを、ロンが憎悪し警戒している様子も描かれ、情が背中を刺し愛が憎しみに変わる厄介さ、自分への愛情が他人に敷衍していかない不自由が、色んな所で軋んでいます。
誰もが他人の辛さを、己のものとして引き受ける優しさと強さを持つなら、こんなに寒い世界じゃないのになぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

さてお話は、第3話の親友殺しを生き延びたはずのボンから始まる。
あの催眠血の池地獄は、今回の”仕事”のための仕込みであった。サイコダイバー達は超常の力で、幾重にも罠を仕込み、自分の望む状況を手に入れていく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

ロンはメイリンの”蝶”のイメージを使うことで、都合よく記憶を書き換え、後の惨劇の仕込みを済ます。
”蝶”は儚い存在で、自由に飛びすぎれば太陽に炙られ、落ちてしまう。
林の”風”、司の”水”、悟の”ドア”…ペットは皆イメージの中に、自由を夢見る。でもそれは、”会社”という檻の中の自由でしかない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

ボンのタニが”砂場”なのも、幼馴染が撲殺されたバンカーのイメージが強く焼き付いているのだと思う。
あの惨劇が、イメージで心を捻じ曲げられた結果だと知らないままに、ボンは”会社”の都合のいい人形へと変えられ、祖父を殺すことになる。
それが『自分のため、家のため、父のため』なのがキツい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

後に社長も修羅の顔で『親を殺されたお前の顔が、ずっと見たかった！』と吠えるけども。
自分の親を愛していたから、それを殺した相手に親を殺させるっていう、出口が一切ない修羅界があらゆる人を飲み込んでいる。司も親殺ししちゃったしね…。
愛情というプラスが、殺意というマイナスに繋がる逆接。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

それが、あらゆる場所で口を開けている。
ヒロキの頑是ない純情を、司はのし上がるために利用している。自分が何を話しているか、子供に理解されないように北京語を使っている。
でもそうやって成り上がりたいのは、林さんとの約束を果たすためだ。もう一度、愛する人に出会うためだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

そんなに焦がれたヤマ親を、司は自分の手で殺してしまった。帰ってきても、その腐った感触は彼を傷つけ、ジワジワと殺していく。
全てがネジ曲がり、愛が愛として順接で発露できない、不自由な世界。そこから飛び出すイメージすら、誰かの便利な道具でしかない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

その一番中心で苛まれているのが、自分を表す言葉を持たない…林さんが与える前に奪われてしまったメイリンである。
オメーロンよー…何も感じない便利な道具扱いしてっけどよー！　キッチリ人間潰して辛くて辛くて泣いてんじゃねーか！！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

メイリンのタニに、迷い込んだ一匹の蝶。それは林さんのヤマの欠片だ。誰かが側にいて、声を聞いてくれるという希望だ。
『いつか必ず、おじちゃんは戻ってくる』
その約束は、潰されてしまった林さんには果たせない。彼女は燃え上がる世界の中、蝶を夢見て泣き続けるのだ。マジ辛い…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

ヤマを分け与えられる前のペットは、他人の地獄を吸い上げてしまう。そこに鍵をかけることで自分が生まれ、世界に立つことが出来る。
でも、自分と他人の境界がハッキリしていなくても、炎は熱いし涙は辛い。表に現れなくても、メイリンはずっと泣いている。林さんを待っている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

その不自由な状況を、便利に使ってるロンと会社がマジで許せねぇけども、彼らもまた肉親の情を欲得に一滴混ぜ合わせて、マフィア稼業を続けている。
親を殺されるのは許せねぇ。だから、お前の親を殺してやる。泣いてるガキを、復讐の道具に使い倒してやる。
『だから』で繋がってない、ケダモノの逆接

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

それしか人間には許されていないと考えると、非常にしんどい。カルマの話だなぁ、つくづく…。
車から車、シャッターからシャッター。日本と大陸を行き来しながら、ロンは謀略を進めていく。”会社”のルールを自分のモノに出来た大人と、それに反逆する子供。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

髪を染めなきゃいけない”次の仕事”の後、物語のクライマックスはロンと、会社の本丸にペットたちが対峙する話になると思うが、今回の接触はその前哨戦だと思う。
鍵が緩く、他人のイメージをすぐ受け入れてしまうヒロキは、メイリンの幻蝶を視認する。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

その共鳴、風の子供と水の子供が出会ったことが、何らか幸福に繋がってほしいという想いが、非常に強い。
親を助けるために必死になって、血の池に飛び込んだガキ。
涙を誰にも拭ってもらえず、押し付けられた地獄で泣き続けているガキ。
そういうのがさぁ…酷いまま終わるのはちょっと耐えられんよ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

まぁ作品世界のルールが厳しいので、全てが焼け野原になって終わるエンディングも覚悟しなきゃいけないのかも知れないが…ヒロキとメイリンはキツいな…。
そういう終りを迎えないためのトリガーとして、『司だけいればいい』はずのヒロキが、名も知らぬ子供を気にかけたことは大事な兆しだと思いたい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

仕込みを済まし、社長は念願の復讐を果たす。
ただ殺すのではなく、自分が背負った地獄を再演し、より厳しく取り立てる異能の決着。
裸になれば武器は持てない。嘘も付けない。
そういう常人の価値判断は、”会社”には通じない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

ボンの親父さんが息子を結構気にかけていて、親友をぶっ殺されれたことに言及する『良い父親』な描写が、奇妙な殺戮の残酷さ、世知辛さを強調している。
社長もまた、『良い親』を殺されて、菩薩の仮面に修羅を秘めた怪物になってしまったのだろう。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

社長が潰し屋とペット、ベビーを便利に使い倒して、闇社会でのし上がりたかった理由…果たしたかった悪夢は終わった。
でも、経済体としての”会社”はもう、心を書き換える異能を手放せない。暴力と我欲を加速させながら、毒蝶は今後も羽ばたいていくだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

むしろ思いを遂げたことで、枷を失った凶暴さは鋭さを増し、ペットたちをさらなる修羅場に追い込んでいく予感もある。
ペットたちが生み出された、巨大な復讐劇は終わった。でも、物語は終わらない。愛憎のカルマは様々なものを巻き込みながら、延々と転がり続けるのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

その運命の車輪に、司も巻き込まれている。コントロールを失い、綺麗なものを血に染め上げながら、それでも生き続けている。
司が初めて林さんのヤマを分け与えられた時の、最上の思い出。それも、山の彼方、自由に繋がっていた。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

それが今は血と蛆虫に汚れて、すっかり憔悴している。そら、親殺したんだからな…。
ヒロキはそこになんとか寄り添おうと、不器用に食事を作り、手を差し伸べる。でも司は彼の純情を利用し、野望の階段を上がる意志を捨てない。
そうしようと思った約束は、自分で砕いてしまったのに。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

メシも食わず、縄張り意識と闘争心だけを燃やす闘魚。
『ベタは別の水槽で飼う』という基本すら知らないまま、熱帯魚をやろう、普通の人間として生きようとしているヒロキの無知が、非常に痛い。
彼をこういう状態で保つことが、便利に使える”ペット”の条件なんだろうなぁ…ヤマ親の教育が悪いッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

自分と司にも通じる夢を壊して、達成された”会社”の仕事。
その手触りがずっと残っているから、ヒロキは頑なに仕事を拒絶する。普通に生きようとする。
その熱い涙を、司は利用し、受け流し、はぐらかす。信頼に意味などないと、冷たく突き放す…
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

と思わせて、ペットだけが可能なイメージの繋がりで、会社の手が届かない”水”を、二人は共有する。
司は水で作られた裸になって、自分の思い、未来の野望を言葉にしていく。しかし、それは全てではない。
裸になればすぐさま、安全と率直が生まれるわけではない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

社長血みどろの復讐劇も、裸で行われたのだ。
それでもヤマ親が自分に寄せる信頼を、ヒロキは心地よく受け取る。
何しろ、愛しているのだから。それだけあればいいと、心に思い詰めるほどに。
司にとって、林さんはそういう人だった。だが、だからこそ潰した。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

この逆説を、ロンは警戒する。
社長の甥として、”身内”への情を理解しているのに、他人の心は書き換えて潰し、メイリンの涙は見ない。
心を書き換える修羅達は皆、愛を持っている。
しかしそれは方向と視界が限定され、すぐさま無理解と暴力に繋がってしまう、脆く儚いものだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

それが『間違った愛』だというほど、僕は正しさのことをよく知らないし、心の鍵がかっちりかかっているわけでもない。
エゴとアガペが背中合わせに張り付いてしまっている、人間の初期不良。それを真っ直ぐ見据えつつ、いろんな形の歪みと純粋を掘り下げていく物語は、虚心に群像を見据える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

司は憔悴した夢の果てに、『全てをやり直す』瞬間を夢見る。そのためには、悟が邪魔だと。
『…何言ってんだオメー！』って感じだが、彼が掴みたいものが林さんとの満ち足りた関係、自分で壊した過去だとすると、そらまぁ邪魔だよね…。
なんでこんな事に…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

ヒロキの不器用なホットケーキを、悟は『旨そう』だという。誰かが誰かを思って、必死に差し出すモノの意味を、ちゃんと判る人間なのだ。
そんな男たちが、ヤマ親と子供をめぐるカルマの渦中にいる。
共存できない闘魚は、闘ったから死んだのか。それとも、目の前にあるエサに気づけないから死んだのか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

美しい外見と闘争心が加速するように、品種改良を重ねられたベタが、林さんから繋がる子供たちのメタファーなのは非常に的確で、哀しいことだ。
誰かの楽しみのため、争わされる美しい魚。
炎の暑さに耐えかねて、一人で泣き続けている蝶。
皆、檻の中にいる。
…凛として時雨、良いOP作ったなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

彼らが髪を黒く染め、飛び込む水槽はどこなのか。そこに閉じこめられた愛憎は、どんな衝突をもたらすのか。
狂いきった愛の歯車が軋みつつ、運命の車輪が回る音を聞き続けるような、胃の痛いエピソードでした。
とりあえず、メイリンには幸せになって頂きたい。マジで。切に。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

ロン周辺を濃く描いたことで、大陸本家もまた”親”への情に縛られ、だからこそ他者を虐げる、あまりに人間的な人間であることが判ってきました。
愛があれば残酷が許されるわけじゃないけど、心のない獣などこの世にはいない。情を知っているのに、それがひどく狭く、歪んでいってしまう哀しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

そういうものがベットリと、キャラクター全てを縛っている息苦しさが、ザワザワと広がるお話でした。
いやー…しんどいな、つくづく。
その重たさがサイコダイブの異能を通し、人間の業を描き切ろうとする意欲と誠実に支えられている所が、この話の強さだと思います。
次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月19日

映像研には手を出すな！：第7話『私は私を救うんだ！』感想ツイートまとめ

映像研には手を出すな！　を見る。
”ロボVS怪獣（仮）”、放映の日は近づく。
音響、美術、アフレコ。新しい可能性を取り入れつつも、根っこになるのはアニメーション。
万物の動き、その個別の輝きに魅せられたアニメーター、水崎ツバメ。
彼女は何故、”動き”に取りつかれたのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そんな感じで、水崎氏のオリジンを彫り込み、彼女が（そして彼女の思いをアニメートするアニメ制作陣が）”動き”をどう捉えているか、バリバリ進行するプロジェクトの中で見せるエピソードである。
陽気で充実してて、ちょっと空気読めない。そんな彼女の表面から、更に奥へと理解が深まるいい話だった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

水崎氏が熱量と誠実を込め、家庭環境や個人史込で”動き”について語ることで、視聴者のアニメーション・リテラシーも上がる。
最高の仕上がりで”動き”の教材…目の前のアニメーションも付いてくる。『アニメってこういうモノなんだ！』という、学習の喜びまで付いてくるのは、貪欲な作品である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

お話は水崎氏の現在と過去から始まる。デカすぎる家で1人、隠れるように積み重ねる作画。
その視線の向こうにあるのは、祖母と強く接触した幼年期であり、瞳に焼き付いた”水”の動きだった。
自在に形を変え、美しく流動する持続性。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

それはただ不思議で美しいものではなく、自分を育み愛してくれる人との繋がりをも意味している。
おばあちゃんが生み出した”動き”だからこそ、水崎氏は”それ”と出会えた部分は、かなりあると思うのだ。
母の夢…を叶えたい父のエゴに押される形で、滑り込んだ児童モデル教室。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そこでは骨格と筋肉と重力が生み出す、”人”の動きを教えていた。
どのような構造が動きのブレ、駆動するパワーを生み出し、美しさを規定していくか。水崎氏のアニメーター・アイは、表面的な振る舞いだけではなく、その奥にあるものへと眼差しを向けていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

人、世界、構造。
パット見の印象が何処から生まれでてくるか、徹底的にマニアックに掘り下げ、スケッチし、脳と指に刻んでいく。
この歩みは、第1話冒頭で描かれた浅草氏のオリジンと、全く同じである。彼女たちはアニメの絵空事ではなく、それを生み出す現実にまず、惹かれていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

アニメの語源たる”Anima”は躍動する命だ。
そういうモノで満ち満ちた現実世界と、それを取り込んで暴れまわる想像力が面白く、好きだからこそ、彼女たちはアニメーションに向き合う。
割と古い意味合いでのヒューマニスト（人文主義者）なんだな…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

水崎氏が書き溜めたスケッチは、ただ紙の中で大人しくしているだけではなく、老いに弱った祖母を立たせ、共に歩かせる。
人がどう動くのか。水がどう踊るのか。
祖母が教えてくれた興味は、水崎氏の集中力によって研ぎ澄まされ、愛する人の最後の日々をしっかり支える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

正直このシーン、ありえないほど号泣してしまって困ったわけだが。
車椅子に自分も乗っかって、おばあちゃんが見ている世界、可能な動き、襲いかかる不自由を体験、理解しようとする少女。
彼女の中で、動きと人生は強く連動している。動きを学んだから、おばあちゃんは立てたのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ゆらゆらと、ペアダンスのように進む二人の歩み。
それは想像界へと驀進する、オタクチックな”動き”への拘りが生み出した、非常に幸福な現実だ。
彼女はそういうふうに、内側に進みがちなものを外側に広げて、誰かに繋げうる資質を持っている。
細やかな作画技術以前に、その世界認識こそが才能だろう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

放任主義の両親は、老いたる母にも遠い。
そんな冷たい環境で、水崎氏がおばあちゃんに寄り添うことが、彼女が見つけた”動き”が再動させた『自分の足で進む』という実感が、どれだけ祖母の魂を救ったか。
”動き”へのコダワリは、その助けとなりうる。その実感が、おそらく彼女の原点だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

自分が”動き”オタクであることで、おばあちゃんは幸せだった。私の”好き”は間違ってない。
そう確信できる客観性が水崎氏を突き動かしているわけだが、それは浅草氏の未熟な自我に比べるとかなり固い。
ここは二人のアニメーションオタクを分ける、結構大事な分水嶺だと思う。雑な言い方すると”大人”だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

孤独にならざるを得なかった彼女は、一人でやることになれている。モデルとして、世間の目に触れ合う経験値が多いのも、自我の確立を助けたのだろう。
そうした自分の強さは、空気の読めなさとかコダワリの強さとか、何でも自分でやりたがる抱え込みグセとか、マイナスにも繋がっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

人の魂の根っこにあるものは、容易に変え難く、長所にも短所にもなりうる。それがなければ、情熱も動き出さない。
そんな厄介な資質を、時に他者とぶつかり合いながら、どうより善く発露させていくのか。群像劇たるこのお話は、そういう集団成長も見据えてて進んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

さて、オタク集団に飛び込んだ”四人目”、音響の鬼・百目鬼くんを取り込むことで、映像研はさらなる可能性を手に入れる。
音源でキャッキャ出来るオタク三人と、扉の外で冷静に構えるプロデューサーの距離感が良い。遊んでんじゃねぇんだぞ！！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

百目鬼くんは仕事バリバリやる映像研イズムにスッと馴染み、音響方面から『いいアニメ』に必要な要素を、率直に語っていく。
自分の専門分野と、そこから生み出される要求を適切に言語し、ミスもロスもなく箕内に伝える能力は、四人全員共通だよな…端的にいうと、コイツら仕事ができる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

しかし外部と繋がる時は色々難しく、舞い上がったロボ研アフレコに四苦八苦し、色んな手管で現状をすり合わせようと頑張る。
”監督”として、どういう音を集めてどういうスケジュールで組み立てるか、自分なり考えて百目鬼くんと共有している浅草氏が、頑張ってて良いね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

かくして確立された制作体制のなかで、プロジェクトは進行し、女達はラーメン食って噛み付いてバキバキに仕事しまくる。
やっぱモンタージュで『はい！　やってます無茶苦茶！』と教える演出、俺好きだ。
そしてイチャイチャしおって…金浅は”ある”ッ！
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/7D0Kemwyr0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そんな”仕事”の一貫として、美術スタジオとの打ち合わせ、すり合わせもあるわけで。
身勝手なクリエイティビティとプライドを抱えた、厄介な眼鏡を相手に、浅草氏は汗ダラダラで要求を伝える。”監督”の仕事が苦手でも、ちゃんとやろうとする。
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/FMfpbbbQSF

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

このとき彼女が、胸の前に何も抱えていないのが”動き”を伴う内面の表現だと思う。
水崎氏が求めるものは、彼女が画面の外に出ていたとしても、このアニメ全体（あるいは敷衍して、アニメーション表現全体）に及んでいるのだ。
自分を守る鎧を外し、相手のキッツい当たりを受け止める。必要な指示を出す

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そういう”大人”な領分に、浅草氏は頑張って踏み出そうとしている。苦手だから汗も吹き出る。しどろもどろで、指示も穴だらけだ。
でも、笑う気はない。あまりに眩しくて、少し涙は出る。
ホント…浅草氏は自分の柔らかな幼年期を活かしつつ、ゆっくり大きくなって…それを縦長女が静かに後押ししてて…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

見てくださいよ、この後方腕組み監督者っ面！　”面”っていうか監督者で保護者で親友なんだがな！！
設定と動きと音響。自分の興味分野に取り憑かれたスペシャリストは、外部から客観でプロジェクトを見る人がいないと、無限に時間を使う。
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/etJDSU0Ac0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

頭の中にあるものを形にする。世に問う。
その時、ディレクターやマネージャーやプロデューサーと呼ばれる職能が何を果たし、どうオタクのケツを蹴っ飛ばすべきか。
金森氏の状況把握、マネジメント、人心掌握は色んなことを教えてくれる。新社会人必携、”映像研”で仕事が判るッ！！！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

まー実際、個人でスケッチブックに夢溜め込んできた本物のオタク共は、誰かに預けて共同作業ってのは慣れていないと思う。
金森氏は自分ひとりの力が及ばず、集団でなければ戦えない”何か”を経験したから、俯瞰で仕事を見る眼が育ってるんだろうか？　気になるよなぁ～。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

水崎氏のコダワリが作業をせき止め、プロジェクトのボトルネックとなる中。
不意の雨が、世界を満たしていく。水に包まれた女達は導かれるように、暖かな水の集まる場所…銭湯へと進んでいく。
制服という鎧を外した、更に踏み込んだ付き合い。
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/sOBOFXFE9D

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

これが第一話で運命が集結した秘密基地、その先で行われるのは、全く正しい劇作である。
雨、そして湯船。”水”との出会いからアニメーションに取りつかれた水崎氏の話をするのに、絶好のシチュエーションでもある。
こういう舞台づくりの端正さが、作品の土台を支えてる印象だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

お母さん相手にも”ワシ”な浅草氏の報連相とか、『今日はお友達？』と聞かれた後、三秒の沈黙に込められたあまりにも強すぎる金森氏の感情とか。
色々味わえるいいシーンである。
”友情”という、生っちょろいアマチュアワードで自分たちを規定したくない気持ちが、ある気がするなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

放任と言われつつ、水崎氏の経験は結構幅が狭い。ハイソでリッチな文化以外触れていないので、下町情緒に毎回目を輝かせる。
新奇なものを遠ざけるのではなく、好奇心でキラキラしながら観察、分析、理解していくのは、浅草氏と共通した強み。
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/cBmmRIz3l6

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

紅白市松のロッカーがシャレオツで良いが、女体は細っこく、油っ気がない。
それが良い。
オスに見せるためではなく、風呂入るために脱いでいる”生活”としての裸体は、非常にこの作品らしい。
同時に心を素っ裸にして、お互いの過去や思いを晒し、共有するための裸体でもあろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

変化する”水”に包まれながら、水崎氏は自分の原点、作画のコダワリについて語り、共有していく。
動きで救われるもの。自分が救い得たもの。そのコダワリと歴史が、確かに繋げたもの。
親睦はビームバリアの妄想と、ザリガニ食い放題で深める！
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/kGnROst0Rf

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

マージでマッカチンをバリバリ噛み砕いている女三人のタフさ、ツルンとしていない独特の表情が素晴らしく良い。ケーキとかじゃねぇワケよ。
アニメ作りまくりの青春なんだが、合間合間の休息や交流が濃度濃く楽しそうで、『良いじゃん…』ってしみじみ思えるの、青年期の物語としてスゲー強いよな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ジャージ姿とマッカチンでブーストされた想像は、来たるべきアニメーションへと繋がり、必要な”動き”への想像を無限に広げる。
もはやそれは、ただの夢ではない。動き、音が付き、色が塗られ、背景がある。”アニメーション”になりうる夢だ。
©2020 大童澄瞳・小学館／「映像研」製作委員会 pic.twitter.com/9CqeOpmeas

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

お風呂で温まってお腹いっぱいになると、すーぐ眠っちゃうベビーちゃん。
それを水崎氏がウケながら背負い、三人分の荷物は金森氏が持つ。
『今、アタシ達青春のど真ん中』
声高には語らないが、全ての演出がそう吠えていて、素晴らしい仕上がりだ。葉先に垂れる雫の、叙情性が凄い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

かくして親交を深めた映像研は、細部に拘る水崎氏の苦悩を、別の角度から爆破していく。
『目を養ったら？』という浅草市の提案を金森氏が受けたり、SEで作画を補うメソッドを水崎氏が飲み込んだり。
自分の領分を強く持つ少女たちも、変化を重ねる
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ロケットを教材に語られる、芝居としての”動き”、キャラクターとしての静物、そこに込められた祈りと救済。
『”オネアミスの翼”クライマックス5億回見たー！　庵野のセル九枚重ね！！』と思わず早口になってしまったが、まぁロケット打ち上げはアガるよ
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

”動き”に意思を込め、しっかり見る。しっかり描き、しっかり演じる。
祖母が投げた水の”動き”に取りつかれた少女は、アニメーション・マニアになることで、祖母の最後をしっかり支えられた。
動きで救われた私は、動きで救う。自分も、その先にいる誰かも。そのために、ペンを取る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そういう水崎ツバメの、アニメーターとしてのぶっとい根っこがよく見えるエピソードでした。はー…隙きになっちまな…。
正直浅草氏、金森氏に比べると人間としての”顔”がちと遠い印象でしたが、この一話でグググッと、毛穴まで見えるほど接近してくれた
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

世界と連動する自分、創造力に繋がった現実を常に見据え、それをより善く発揮できるよう考えをひねる浅草／水島の思考法は、アニメオタクというより工業デザイナーに近いかなー、と思ったりする。
想像の世界にしかないものに、ふたりとも興味がないんだよね。麻酔薬としてのアニメを必要としてない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

興奮させてくれる現実を、より良い形で表現できる想像。それを現実にするためのアニメーション。
そういう相互作用を、どう形にしていくか。彼女たちが選び取ったのが”設定”であり”動き”で、それが混ざり合って映像研のアニメになっていく。
キャラの魂が話運びに入ってんだから、そら面白いわな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

バリッバリにオタクを題材にしつつ、いわゆる”オタク”の属性にされがちな内省性、逃避性を思いっきり蹴り飛ばし、震えながら己を世に問う。
存外陽気で前向きな話で、同時に薄暗い部分へも暖かな視線を向けていて、そのバランスと力強さが、面白さの根っこにある感じです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

とにかく言いたいこと、描きたいもの、形にしたいものが山ほどある、エネルギッシュな変人達。
その奮戦が報われるか、花と散るか。勝負の文化祭が迫っています。大きな波乱も待ってそうですが、さて映像研、どう乗り越え何を作るのか。
非常に楽しみです。いいアニメだなぁオイ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ドロヘドロ：第6話『キノコの山は食べ盛り／はじめてのケムリ／マンホール哀歌（エレジー ）』感想ツイートまとめ

ドロヘドロを見る。
カイマンの過去を探るべく、煙の屋敷に殴り込みをかけたニカイドウ。激戦は痛み分けに終わり、二人は”ホール”へと戻る。
そこで聞いた、心の過去。マンホールの下で、魔術ワナビーが育てる哀歌。
ゴミ溜めの街に、涙雨が降り続いている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そんな感じの、偶数回は三本立て、ドロヘドロ第六話である。
真実の一端を掴んだと思ったら後戻りし、どん詰まりかと思えば前に進む。カイマンの記憶探求を軸に回る混沌が、ある種の方向性を持ちながら行きつ戻りつ、地道に進んでいることがよく判る回だった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

今まで見るだけだった”路地”の奥、マンホールの底に踏み込めた第3エピを見ても状況は進んでいるのだが、立ち込める煙で見通しは悪く、混沌の次には別の混沌が待っている。
軽いノリでぶん回される暴力と、微かに湿った哀愁もジワリ、滲んで、相変わらずこのアニメは巧い。
多分毒なんだが、止まらない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

お話はニカイドウ殴り込みの結末を描くところから始まる。
ノンキに善良に、メシを作ってニカイドウの帰りを待つカイマン。『何やってんだよー！』という叫びを追いかけるように、暴力と顔が強い女達は殴り合う。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

能井はバトルマニアの喜悦に夢中で、ニカイドウは勝ちが第一目的じゃない事実を見据えている。片目をえぐって視界を塞ぎ、その隙に栗鼠を探し、カイマンの過去を探る目的へと近づいていく。
単身ボコボコにされつつ、友のため死地を走るニカイドウの誠実が、血塗れで滲む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

愛。友情。狂った世界の中で一番高値の宝石を、何も持たない白紙のカイマンはそれと知らず、しっかり握り込んでいる。
トカゲ男の喉に潜む栗鼠は、自分を殺した”仲間”に凶相を押し付ける。
利己と純粋が錯綜する混沌の只中で、ニカイドウは飛ぶ
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

栗鼠の両手をとって、相対する煙ボスとニカイドウ。片方は友情のため、片方は組織の利害のため。
どちらにしても、栗鼠それ自体を思ってくれる存在はいない。あるのはぶっ殺された記憶と、他人に情を寄せない冷酷…この世界のスタンダードだ。
みな、そのリズムと踊る。おかげでシッチャカメッチャカだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ダブルチェックの状態で、煙ボスは相手の素性を知ろうとして、ニカイドウはノータイムで暴力をぶん回す。
マスクが壊れ暴走した煙ボスは、コミカルな”死”を自分の城に撒き散らしていく。
クールに見えるボスだって、一皮剥けば凶気そのものだ
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

栗鼠は元”仲間”を、恨みと疑念を込めてあっさり見捨てて、キノコの苗床にする。
藤田はぐったりした恵比寿を心配し、心先輩は下半身をエノキに変えられながら、能井に希望を託す。
ニカイドウの乱入で始まった、この大混乱。存外、色んな連中の”情”を見せる鏡になってる気がする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

カイマンがのんびり”椎茸”に舌鼓打とうとした所で、ニカイドウは背中にキノコを生やし、死にかけで戻ってくる。
白紙の記憶にふさわしく、あまりに気軽にやってきた魔法界。その対価はあまりに大きく、シリアスなものだった。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

今のところは痛み分け。お互い太い友情アリ、狂った暴力性アリ。
栗鼠の存在だけは確認できたけど、それが過去にどう繋がるかは確定できないまま、カイマン達の第一回マジカルツアーは終わる。
キスの構図なんだが、湿り気ないのが心能井の良いところだよなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

あわや身内全滅の大暴走から、人よりキクラゲをまず心配する心ボスの描写は、理性的で理想的な上司に見える彼もまた、十分この世界の住人だと教えてくれる。
綺麗で正しい”マトモ”なんてのを探しても、どこにも見つからないのがこのお話。全ては歪み、傷つき、再生し損なわれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

行ったり来たりを繰り返しているようで、少しずつ前に進んでいるのもまた、この話の特徴で。
たとえばカスカベ博士が病院に腰を落ち着け、カイマン陣営に知恵を付けてくれるのも、魔法界旅行の副産物だろう。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ベビーフェイスで吹き散らかす、苦い煙。それは街の過去、心の過去に繋がって、彼がまだ魔法使いではなかった時代を語っていく。ここのサブタイの出し方はセンス満点、非常に良い。
心もまた、死から蘇り、決定的に歪んでしまった存在であることが、過去語りから見えてくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

”ホール”が今のような実験場ではなく、人間がモルモット扱いされていなかった時代…と書くと、ヒューマニティを担保する黄金期のように見えるが、魔法使いに抵抗する”町内会”は人非人の集団だ。
この町では、あらゆるモノがそうなるしかない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

心先輩が魔法界に行かず、狂った心臓マスクをかぶらず、バラバラのツギハギでもなかった時代。
魔法使いの首を掲げて、”町内会”が練り歩いていた時代。
狂気は昔っからこの街のデフォルトで、しかし小さな暮らしと幸せ、親子の情があり…それはバラバラに砕かれてしまう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

今でも愛用するネイルハンマーに、ズタズタになってしまった心と情を叩きつけて、心先輩は掃除屋になった。
おそらく殺人道具としては非効率的な、釘打ちの道具。それを継続して使っているのは、ツギハギにしても治らないものの代理だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

『そろそろ楽しくなってきたぜ！』ってのがある種の強がりであり。真っ赤な涙を垂れ流しながら、殺し殺されするしかねぇ状況を心先輩は飲み込んだ。
”ホール”じゃ命もノリも軽いが、そこでバラバラにされるものに痛みがないわけではなく、壊されたら終わるほど生易しくもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

取り返しがつかないほど壊れてしまっても、壊れたなりに続いてしまうタフな悲劇。
それを生存するために、心先輩は自分の腕を切取り、カスカベ博士はマッドな好奇心で彼を助ける。
腕が動かなかろうが、餃子食ってパワー付けて、生きていく。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

幼年期ニカイドウが非常に可愛らしいが、それを追っかけるように輪切り死体（死んでないから”輪切り生体”か）が押し寄せてくるのが、このお話らしい。
可愛さもある。友情もある。それで覆い隠せないほどの悲惨と崩壊と再生がある。そういう話。
輪切りにして、なお活きる。心先輩の煙には、執念が滲む

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

『すぐ腐るよ』と注意された腕が、能井との出会いで繋ぎ合わされ、機能を回復したのだとしたら。
真っ赤な復讐心をそのままに、溢れる殺意を乗りこなせる足場が、二人の出会いにはあったのかな、とも思う。
生き延びて殺したのは心先輩の強さ。
それをツギハギに繋ぎ合わせるのに、能井の存在はデカい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

カイマンが過去を奪われたことで今のカイマンになったように、心先輩は過去を砕かれ、ツギハギに繋ぎ直して今の心先輩になった。
記憶も情も存在していようが、白紙に漂白されようが、凄くろくでもないものと、妙に温かいものを生み出してくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

かつてツギハギ少年を救った医師達は、彼と殺し合いをするトカゲ人間からメシを受け取り、その噂に大きく、心先輩はクシャミをする。
親が惨殺されても。両腕をバラバラにしても。血の涙を流しても。
狂ったまま、どっこい生きてるのさ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そんな繋がりと、記憶喪失のカイマンは無縁…のようでいて、縁は色んな場所に繋がっている。
今までは見るだけだった”路地”の奥へ、攫われたニカイドウを助けるために、カイマンは踏み込む。
そこには確かに、友情がある。死体と巨大ゴキブリも
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ぶっ殺すべき魔法使いでしかないニカイドウに、冷たく染み入る”ホール”の雨。
その只中を疾走しながら、カイマンは記憶と真実に一つ近い場所へ踏み込む。
何かが判るわけでもない。誰かが救えるわけでもない。老廃物を宝石と崇め、どこかへの希望を最後に燃やし、死ぬ命があるだけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

巨大ゴキブリ・ジョンソンくんと破茶滅茶やってるあたりは、いつもどおりのバイオレンスコメディであるけども、ニカイドウを攫った男に対峙したあたりで、画面の湿り気がグッと濃くなる。
ただ、この狂っちまった世界から、どこかへ出たかった
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

”扉”で自由に行き来する心先輩たち魔法使いや、カスカベ謹製の悪趣味ドアで魔界トリップキメたカイマン達とは違い、ホールの狂気に飲み込まれた男には出口がない。突破していくのに必要な、スタイルも暴力もない。
それでも、どこかに行きたかった。当たり前の幸福がある、雨の降らない場所へ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

あるいは記憶を無くす前のカイマンも、おんなじような事を考えていたかも知れない。街に適応して、超暴力をぶん回すタフな悪漢だったかもしれない。
どっちにしても、壊れて白紙になった記憶の上、今のカイマンは、ガスマスクに涙雨を貯める。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

血みどろのツギハギで『面白くなってきたぜぇ！』と、修羅のように嗤うしかなかった心先輩と、同じように。
カイマンは降りしきる悲劇の雨を避ける傘を持たず、涙を真っ当に流す機能も持たない。
色んなものがぶっ壊れて、しかし決定的な終わりには至らず、壊れたまま続いてしまう物語。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そこから退場した男は、街の狂気に対抗できなかったモブであり、『壊れてハイおしまい』の普通人だ。
この話の主人公たちは、死んだ程度、壊れた程度では終になれない。魔法に彩られながら、人生は続く。
あるいは友情こそが、心の破片を繋いでくれる最後の秘薬…というと、メロウが過ぎるな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そんな感じの、痛み分けと男二人の過去のお話でした。
心先輩のオリジンが見えることで、彼がぶん回す風通しの良い狂気、どこか爽快な暴力が裏打ちされて、ジワッと哀しみが滲んだ感じがしました。
当然あの街にも情とか痛みとかあって、でもその大切さを誰も鑑みてはくれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

カイマンも大事な友だちを攫った男に、なにか感じ入った様子を見せる。回想するべき過去、自分を支える土台もないまま、トカゲ男は雨の中を彷徨っている。
その歩みが、いつも戻ってた”振り出し”の奥へ進んだ。
骨折り損で終わったように思える魔法界襲撃も、知らぬ場所で何かを繋げ、何かを暴くか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

そんな混沌の本道に、凄惨な哀しみが染み渡るエピソードでした。
このしっとりした空気から！　次回はみんな大好き野球回だよ！！
Web予告の段階で、MAPPA渾身の作画が唸っており、期待が膨らみつつ、『力点そこ…？』とも思いつつ。
それが……ドロヘドロ！　マジ楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月18日

ID:INVADED：第8話『DESERTIFIED 砂の世界』感想ツイートまとめ

ID:INVADEDを見る。
井戸の中の井戸に囚われた本堂町。
彼女の救援作戦を行うために、二人の名探偵が砂漠の世界に投入される。緩慢な死が襲い来る地獄で、酒井戸と穴井戸は一歩ずつ、親交を深めていく。
そこに待つのは、地獄か罠か真実か。
答えはいつでも、井戸の底に。
…本当に？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

そんな感じの名探偵S With ションベン臭い服 IN 砂漠！　なお話。
大量の物語的鬼札を切り、スペクタクルのラッシュで押し込んできた前回に比べると、間延びしたマッタリ進行…にも思える。
無意識の生み出す異常な世界の冒険にも、人は慣れる。恐ろしいことだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

しかしミステリと同じくらいこのお話を既定する、オルタナティブなジャンル…”寓話”として見ると、なかなか味わい深く、示唆に富んだ話だとも言える。
これは作品全体のテーマ性とかモチーフとかだけでなく、キャラの微細な内実、それが噛み合って生まれる関係性と対比にも及ぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

足取りを緩めてじっくり、一見本筋と関係がなく思えるネタをこねくり回すことで、見えてくるものがある。
それは今後物語が加速した時、大事な足場になって僕らを支える…かも知れない。
酒井戸と穴井戸の、奇妙なふたり旅をマッタリ追いかけたかっただけかも知れない。その視点でも面白いのは良いこと

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

さてお話は、あんま名探偵っぽくな穴井戸、幾度目かの死から始まる。
聖井戸や酒井戸は足を止め、俯瞰で世界のルールを覗き込むことを常態としているが、穴井戸は把握を早々に諦め、二分前後で死ぬ。
自分を突き動かす衝動に対し、そこまで耐性がないのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

というか、衝動の方向性が違う、というか。
穴井戸は世界を自分の足で進むことを優先し、警察系名探偵は世界を把握することを優先する。
それが名探偵の資質を持った連続殺人鬼と、連続殺人鬼の資質を持った名探偵の分水嶺…かも知れないし、その壁は存外薄いかも知れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

未だパイロットとして機能せざる、アナアキの未完成。それはミズハノメという基底システムが要求する資質と、彼の性質が噛み合っていない、というだけかも知れない。
黙秘を続ける百貫さんは、『全てが罠だ！』とだけ叫ぶ。井戸の景色だけが、世界の全てではない…
©IDDU／ID：INVADED Society pic.twitter.com/DZgu00ihz0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

かも知れないし、そうではないかも知れない。
今回は徹底的に思考の種を蒔くエピソードで、それを刈り取るのは今後の話になる。
しかし疑念や伏線を蒔いておかないと、物語の花は…特にミステリは成立しない。
ミズハノメは果たして、信頼できる語り手か。そこも引っかかっとく部分だろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

そういう目線で見ると、何でもかんでも暗号に見えてくるのでそれも善くないけど。パラノイドに陥ると、ミステリ読むのしんどいんだよなぁ…。
冒頭の井戸端で、国府くんだけ一人離れてる理由とか色々勘ぐりたくなってしまう。こういう疑念を加速させるために、葬儀場で裏切り者の話したんよな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

さておき、まーた同僚が連続殺人鬼になった松岡さんが採取した思念粒子により、名探偵達はコンビで砂漠に投入される。
名探偵が多すぎて、謎はたった一つ。名探偵をコンビで投入すれば答えを読み間違えた愚か者が、必ず生まれる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

アナアキの指摘は、今後加速する物語の中で刺さるだろう。ホント舞城、DCD大好きだな…。
この後の砂漠の世界で見るように、キャラがたった名探偵が沢山いる状況は面白い。名探偵 VS 名探偵のシチュエーションも。
推理合戦をやりつつ、名探偵失格の愚か者を作らないためにはどうすればいいか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

ミステリは色んな答えを出してて、断片的な真相を複数の名探偵がつなぎ合わせて一つの答えに至るとか、過ちに見えた答えが真相を別角度から観察した結果だったとか、全ての真実が同時に真実であり得るような無茶苦茶な状況を作るとか、推理に合わせて世界のほうが変わるとか、まぁ本当に色々ある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

酒井戸、穴井戸、聖井戸。既に三人の名探偵が顔を見せているこの物語が、果たしてどういう結論を目指しているのか。
情け容赦なく”失格”の烙印を押す結末含め、今回は最終的な推理伽藍をおっ立てるための青写真を、視聴者にそれと知られず焼き付ける話…な気がする。サブリミナル的、というか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

同時に今回、答えらしい答えは色んなものに出ない。
時計泥棒が盗んだのが本当に時計かも、時計泥棒が誰であるかも、カエルちゃんの死の謎も、推理らしい推理はほぼない。
あるのは名探偵二人、緩慢な死の中での道行きである。白紙の探偵だからこそ、色々見えるものもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

二人は記憶も名前もなく出会い、一人のカエルちゃんを観測することで自分たちが”名探偵”であることを思い出す。
自分も他人も知らない同志、距離のある間柄。それが一歩ずつ進む中で繋がっていく（ように見える）のが、今回の話だ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

酒井戸は沈思黙考の書斎派、穴井戸はとにかく前に進む行動派。手を差し出すのも穴井戸からだ。
”名探偵”が明晰なる殺人鬼のある種の真実を抽出する、彼らが潜る”世界”と同じような構造を持っているとすると、この対比はなかなか面白い。
酒井戸≒鳴瓢は謎を前に立ち止まり、穴井戸≒アナアキは進む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

二人だからこそ強調される差異は、多分結構根本的なものだ。
酒井戸は犠牲者であるカエルちゃんに膝を曲げて寄り添い、穴井戸は立ったままだ。
行動にはキャラクターが宿る。行動がキャラクターを浮き彫りにする。真実が少なく、日常が多い今回、読むべき謎は、いつもとちょっと違う場所にある…か？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

まぁサスペンスとグロテスクの奥に、キャラを理解らせる微細な仕草がたっぷり仕込まれていた物語ではある。
そういう人間という謎がちゃんと描かれているから、僕はこのお話に前のめりになっているし、展開されるサスペンスを上滑りさせないグリップもまた、そこにある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

例えばションベンまみれの上着を、酒井戸はガッツリ顔面に密着させ、穴井戸は距離を開けてかぶる。
娘と妻の復讐のため殺人者となった鳴瓢は、汚れることを恐ない。既に血に塗れているのに、排泄物がなんぼのもんじゃい。
そういう刑事根性が、アナアキにはない。
©IDDU／ID：INVADED Society pic.twitter.com/ptZOeT0aES

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

酒井戸が足を止めてカエルちゃんを見つめるところを、穴井戸は先に進み、しかし酒井戸に追いつかれてしまう。
穴井戸の焦った行動主義は、沈思黙考の速度よりも”遅い”のだ。
思考よりも早く迸る稲妻は、この世界にはない。そう考えると、鳴瓢の”世界”で鳴り響いていた雷鳴は、鋭敏過ぎる知性でもあるか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

世界の構造を思考する手がかりすらない、広漠とした無限の砂。そこで酒井戸は天を見据え、足元が疎かになって流砂に飲まれる。
地獄にハマってもがく彼に、地獄の歩き方を教えるのは実行主義者・穴井戸だ。
穴に落ちきるまでには時間がある。焦らず、静かにとびだせ。
©IDDU／ID：INVADED Society pic.twitter.com/aN7JqRNZou

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

自分の頭に空いた穴に落ちたアナアキ…その転写たる穴井戸は、地獄の歩き方を応用して、流砂から酒井戸が抜け出すヒントを与える。
それは多分、ミズハノメの奥にある陰謀、鳴瓢の中でなり続ける雷鳴からサヴァイブする未来への寓話でもあるのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

衝動に押し流されるまま、頭に吹く風に押されるまま進んでも、深い井戸に落ちるだけ。
絶望に囚われつつ生存するためには、落ち着いて周囲を見ることが必要。
これは語ってる穴井戸の流儀というより、酒井戸のスタイルだったりもする。闇雲に進んでも、井戸からは出れないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

しかしそのスタイルを取り戻すためには、真逆な実行主義者の助けが必要だった。
穴井戸は手を差し伸べないし、一緒に落ちるリスクも侵さない。しかし知恵は出す。
あくまで最終的にはたった一人、地獄は飲まれたり出たりするものだ、とでも言いたげな立ち回り。その奥に、僕はアナアキの人格を幻視する

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

だんだんアナアキの頭部に開いたドリルホールに見えてきた流砂の先に、二人は進んでいく。
お互い凸凹のスタイルを噛み合わせ、元刑事と殺人犯という現実も忘れ、一歩ずつ、一歩ずつ。
穴から出れば忘れられる、一瞬の共闘。でもそれは、砂漠の幻影ではない。
©IDDU／ID：INVADED Society pic.twitter.com/GAUubriAwc

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

はずだ。若鹿くんが視聴者の代理として『ブロマンスは良いから、ミステリやれよ…』と呟くのは、このアニメらしいユーモアで好き。
いや、一生キャッキャでも良いんだけどさ…ここでボーッとしてても、本堂町くんも百貫さんも帰ってこれないしね…
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

世界の謎も時計泥棒の正体も、カエルちゃん殺害事件も置き去りにして、名探偵は井戸の中の井戸に潜る。惹き寄せられる。
全てがそうであるように、既に定められているという直感。
謎は解かれるためにあり、名探偵はそのために存在する。ミステリを既定する根本原理。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

混沌を名付け、秩序をあるべきものに戻す根源的な快楽へ、酒井戸は奉仕し続ける。そしてそれよりも、犠牲者や犯人や犠牲者でもある犯人にたどり着き、声を聞き隣り合うことを重視している。
イドの中のミズハノメに、疑問なく座る全自動。鳴瓢の愛と殺意は、名探偵システムに突き刺さったノイズなのか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

そこら辺も、今後掘り上げるネタなのだろう。酒井戸が一人ではなく、井戸から引っ張り上げるバディとして穴井戸がいる（反転すると、聖井戸が一人で潜り、帰ってこれていない）意味とかね。
今後も孤独と他者性、人間の根源についての話になると思う。いつもの舞城じゃん…（歓喜）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

という感じの、寓意性の高い男男砂漠旅でした。
名探偵適性の高い酒井戸を”勝ち役”にするのではなく、流砂という現実への対処を穴井戸に任せることで、二つの視点、スタイル、名探偵が並び立つ構成になっていました。
あくまで仮想の夢なんだが、描かれたキャラクター性が今後の現実で、どう生きるか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

そこに、露骨な布石である今回の真価も現れてくると思います。まぁ二人でキャッキャしてるだけでも面白いがな！　ションベンまみれだがな！！
今回の英字サブタイは、『奈落から逃れようとするほど、より深く囚われてしまう』と言ったところ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

”a hell hole”は鳴瓢のイドで鳴り続けている不条理な雷鳴であり、そこからはみ出す殺人衝動であり、ミズハノメというブラックボックスに仕組まれた謀略であり、他者の脳髄に潜るシステムそれ自体でもあるのでしょう。
そこから抜け出し、何かを掴むヒントが描かれるエピソードだったのかな、と思います

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

かくして命綱を握るバディを置き去りに、酒井戸は井戸の中の井戸へと落ちていく。
深く、もっと深く。既に定められていた真実に向けての旅路は、地獄への一方通行か、天へと帰還する遍歴か。
予断を許さぬサスペンスは、砂漠の休息を経て更に加速していきます。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

虚構推理：第6話『合理的な虚構』感想ツイートまとめ

虚構推理を見る。
人々の興味を吸い取り、闇を彷徨く想像力の怪物。
人知を超えた鋼人七瀬を殺すためには、適切な虚構を”提供する必要がある。紗季は”語り”の達人、琴子と協力し、必要な言語兵器を捏造する闘いを開始する。
その決め手となりうる件の末裔、九郎は何処か冷えた眼で、己と事件を見ていた

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

という感じの、VS鋼人七瀬本格始動のエピソード。
法で裁くのでも、頂上能力で消し飛ばすのではなく、事実と真実を前提として必要なだけ大衆を納得させうる”物語”を掴む。
変化する条件のなか、琴子はいかな虚構を重ね、都市伝説に勝利を収めるか。その過程で、何かが壊れた人々の魂がどう変わるか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

そういう勝負とお話のフレームが、鮮明になるエピソードだ。
ヌシさまのお話を事前にやったのは、事実を知っていようが、真実に辿り着こうが解決にはならず、各員の認識と興味に応じた”物語”を適切な場所、語り口で提供することで”勝つ”作品独特の枠組みを、視聴者に事前提示するため、というわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

嘘っぱちの虚構だろうが、死人は出るしそれは戻ってこない。九郎の不死性が例外なのであって、彼はそれを背負う結果、どこか人の理から外れた冷たさを背負うことにもなる。
条理と正義をしっかり背負っても、想像力の怪物には勝てない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

顔のない匿名希望で始まった物語は、顔を潰された寺田さんの死体で終わる。
虚構を捏造し怪物を歩かせる、古くて新しいロジックに対しては、英明で正しいことはなんの力も持ち得ない。法が人間社会のスタンダードであっても、むしろだからこそ無力だ。
ならば、そこから外れた連中が立ち向かうしかない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

そういう主人公サイドの唯一性を強調するための、いわば生贄になった寺田さん…いい人だったのに。
むしろいい人だからこそ、街を侵す怪物を無視できず立ち向かい、死んで噂を強化するハメにもなる。
『スタンダードな英雄譚、真実はいつも一つな正統ミステリは、ここにおいてってくださいね』って話ね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

アバンとヒキを寺田さんで挟み込む形の今回、間にはみっしりと語りが詰まる。
事実がそのまま真実になり得る、近代理性の勝利した世界。その背後で息を潜めている、複数の事実が絡み合う中性的世界観。
そのロジックを、一般人代表の紗季さんを壁役に、琴子が喋り倒す回だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

近代社会から外れた理を武器に変える知恵の神と、その恋人。二人は人間としてどっかズレてて、どっか壊れている。
散々色濃い面倒っ面してるのに、足には触る。『九郎くんキミさぁ…』って感じだ。義足側ってのが更にね…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

11歳の時に片目片足を捧げ、積極的にぶっ壊れていった琴子はこういう接触を気にしない。むしろ好んで惹き寄せる…だけかと思ったら、ラストで九郎の非人間性、その上に乗っかってる自分たちの関係に、少し寂しい表情を見せたりもする。
彼らの恋、その真実と虚構が何処にあるかも、この話の焦点なのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

『マトモや妖怪な幽霊』という、一行で矛盾している文言。
それは日常的にモノノ怪に触れている琴子にとっては、ごく普通のカテゴリーだ。そこからはみ出した鋼人七瀬を、どう殺すか。
重要なのは語り（あるいは騙り）、いかに説得力ある嘘を積むかだ
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

匿名希望の無責任で、加速する鋼人七瀬という物語。
生前スキャンダルで”アイドル”という人気商売を追われた七瀬かりんが、その死を誰かに略奪され、大人気都市伝説として堂々闊歩している皮肉を、どう略奪し返すか。
面白くもない事実を告げた所で、娯楽を求める顔のない怪物たちは止まらない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

重要なのはもっともらしく、面白く、適切で安全な物語をしっかりでっち上げることだ。
WHOとWHYをしっかり埋めて、納得できるロジックを積み上げ、真実と関連した嘘で飾り立てる。
『面白い話をします！』と吠えれば、皆が喜ぶ物語が訪れるわけではない
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

ここら辺はこのお話の中身と外側がシンクロする部分で、WHYとWHOを追いかける文学ジャンル…推理小説に（一応）位置するこのお話が、これから捏造するストーリーはミステリ的な審美眼で試されることになる。
作品の内部でも、作品の外部でも、面白い、納得できて、意外性に満ちた物語に飢えた有象無象

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

それが琴子が紡ぐ物語の相手である。
それは超常と日常、法務執行者と知恵の神の間を行ったり来たりして、協力したりほっぺをつねったりすることで生まれてくる。
物語解決をめぐる駆け引きが、恋の鞘当とシンクロする構造でもある。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

ベットの上で押したり引いたり、すったもんだを繰り返すことで二人は対等の視線、高さ、力関係に落ち着くことが出来る。
軽味を宿したコメディは、現実担当と超常担当どちらが優位を取るか、それを探るある種の遊戯でもある。相手はマジで無茶苦茶だが、負けるな紗季さん…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

恋もオカルトも一時休戦、目の前の事件のための情報提供を飲みこんだ紗季さんの口から、”事実”が語られる。
警察は無能ではなく、洗える情報は徹底的に洗っている。動きようのない事実から、最も確からしい結末を拾う理性の語り。近代のスタンダード。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

野放図に思える匿名の想像力も、そんな社会の基底に乗っかっている。闇の奥に何があるか、我々はある程度知っていて…その上で、面白い物語を無責任に求め続ける。
物語る人の本能を、ハックして生み出された鋼人七瀬。その母体である七瀬かりんの死は、『自殺に限りなく近い事故』である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

これは掟破りのオカルト裏取りで、あっという間に確認される。警察が絶対に聴取できない相手に、スルッと情報を聞き出せる神様の特権。
それを行使する直前、ベッドの上のフラットな関係性から琴子が離れ、”帽子”をかぶり直しているのは面白い。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

あくまで事実と真実、目に見えるモノを信じて生きてきた紗季さんは、幽霊証言者を見てマジビビリする。
そういうふうにしか生きれないから、境界線を超えらないから、九郎と別れることになったのだ。
しかし彼女が立ち向かうべき敵は、中世のルールを使いこなし、近代のセキュリティホールを狙ってくる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

いわばフォークロア・ハッカーとも言うべき相手に、物質と理性でガッチリ固めた社会インフラ…”警察”は無力…とも言い切れない。
琴子自身が言っているが、彼女が振るう認識論的解決は、『事実は真実であり、一つしかない』ことを前提に安定している現代社会に、しっかり乗っかっているのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

つまり基本的には”近代＞中世”なのであって、歴史の風が生み出したこの結果は簡単には覆らない。
堅牢で強固だからこそ隙間があり、鋼人七瀬はそこから這い出した、古くて新しい物語的バグ、とも言える。
琴子が古いやり方を活用して潰した後、平静な日常を取り戻し守るのは紗季さんの仕事なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

件と人魚のキメラである九郎は、そんな紗季さんが足を置く場所からはみ出している。だから、二人はもう寄り添えない。11歳の時、目と足を捧げて”域”を超えた琴子こそ、その隣に相応しい。
…んだが、ちんちくりんだし、性格極悪だし、昔の女と一般社会に未練はあるしで、話はそこに落ち着かない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

鋼人七瀬を巡って綱引きされる、虚構と現実、想像力と理性、真実と物語。
そこに女と男と女の、どうにも煮え切らない恋と人生が噛み合っている所が、この話独特の面白さを生んでいると思う。
七瀬の物語がオチた時、多分恋にも一つの結論が出るのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

さて、幽霊の語る事実（≒琴子の領分）は警察がたどり着いた事実（≒紗季の領分）と重なる。真実はいつも一つ！
しかしそれをシンプルに叩きつけても、物語を求める大衆、鋼人七瀬の発生母体は満足しない。
これを前提に、ディテールを埋め、緩急を付け、表情を読んで、どんな物語を差し出すか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

それが琴子の勝負所だ。
幾重にも重なる、街灯と月。偽物と本物の明かりを、人は判別しない。面白ければ、手元が明るければ何でも良いのだ。
人を納得させるに足りる、状況を収めるに足りる”語り”の技術。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

知恵の神の仕事は、ただ見るだけでは足らない。収集した情報をいかに整理し、統合し、適切なタイミングと語り口で物語に再整形していくか…”作家”としての技量が問われるわけだ。
なかなかに勝ち筋は細いが、腐れ縁の二人はその困難も飄々と、奇妙な硬さも宿しつつ乗りこなしていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

二人のカップルとしての描写が、仲が良いようでいて不自然であり、硬さの中に情があるように描かれているのはやはり面白い。
人間でありながら埒を超え、怪物に混じりつつ人であり続けようとする。
そんな二人の、不器用で嘘まみれの、本気のダンス。その距離感がよく見える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

動物園にデートに言っても、語るのは件の能力の詳細。
枝条分岐した未来を観測によって束ね、都合のいい未来を掴み取る。制限あり、対価は命とシビアな能力だが、九郎は人魚の不死性と、どこか壊れた精神性で使いこなす。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

リーディング・シュタイナーもビックリなインチキ能力について語りつつ、日常の慶事である大学合格に微笑み、祝福する。
知恵神とキメラにとって、異能と日常は切り離せるものではなく、人間性と怪物性はいつでも同居している。
つーかマモは、可能性の枝切り能力を持った青年とつくづく縁があるね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

まるで普通のカップルのように、自転車二人乗りで坂を降りていく。そこで見据えるのは不確かな未来…鋼人七瀬との闘いと、過去との未練、九郎の感情だ。
それは全て同じ場所に乗っかって、解決を待っている。細い糸をたぐり、答えを掴む瞬間を。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

可能性を生み出す琴子の”語り”と、それを確定した事実に書き換える九郎の予言。
二人は運命の番のように、能力の相性がいい。しかし九郎の思いは掴みそこねた過去、壊れてしまった紗季さんとの恋に、まだ後ろ髪を引かれている。
それを睨む時、九郎の死角で琴子は、結構怖い顔をする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

自分が手を添えなきゃ、九郎が手を伸ばしてくれなきゃ掴めない、超常の解決。
そこに紗季が…近代理性の住人が介入する余地は少ない。話の主役はあくまで私なのに、視線はどうしても九郎が掴みそこねたもの、境界線の向こう側に彷徨ってしまう。
その未練も、殺して蘇らせることが出来るか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

九郎は人魚の肉で生死の境界を、件の肉で過去と現在、事実と観測の境界を超えてしまっている。
常人が体験することすらない超越は、彼が望んで手に入れたものではなく、妄執に取り憑かれた家族に押し付けられたものだ。
九郎の精神もそれによって、人間と怪物の狭間に追い込まれている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

儚い人間性、当たり前に胸でうずく恋を抱きしめるように、琴子は背中を掴む。後一日の猶予を、楽観的に夢見ながら。
それは簡単に破綻する。寺田さんの死と、将来の破談が重ねられているのはうまい演出。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

かくして噂は独り歩きし、人を殺した。その事実が薄暗い期待感を煽り、面白い物語としての”鋼人七瀬”は強化されていく。
他人の死は、最高のエンターテインメント。そういうどす黒い人間性から、一番遠い真面目な人だったのに…だからこそ死んじゃうんだなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

紗季には告げなかった、二人だけが共有する”事実”。
九郎に繋がった3人目の女の存在を暗示して、物語は続いていく。顔のない噂は、顔のない書き込みで方向づけられ、現実をのし歩く。
その越境を、片目で境界を見定める神は放置できないのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

という感じの、宣戦布告なエピソードでした。
琴子は現実の七瀬かりんの死、虚構を用いた鋼人七瀬殺人事件に加えて、九郎くんの心に住まう二人の女とも闘わんといかん。おひいさまも大変だ…。
その筋道が、作中のロジックを喋り倒す過剰で一気に説明される回だったかな。正直、ちょっとネーム多いね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日

とまれ、寺田さんという犠牲者が出たことで状況は待ったなしだ。
嘘っぱちは独り歩きし悪を為す。ならば、同じ虚構で殺しましょうってのが、中世を継承した語り部の仕事である。ついでにロマンスにも勝ァつ！！
次なる惨劇を回避するべく、残された時間は少ない。虚構推理の行方はいかに。次回も楽しみ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月17日