かくしごと：第1話『かくしごと／ねがいごと』感想ツイートまとめ

かくしごと　を見る。
後藤可久士は、下ネタ満載のマンガで一世を風靡した漫画家。
誰よりも大事な姫に仕事がバレないように、悪戦苦闘のハイテンションである。
稼業の苦楽を笑いに変えて、今日も一日楽しく過ごす。漫画家あるあるホームコメディ、今着弾ッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そんな感じの、下ネタとあるあるとホッコリとシャレオツが交錯する、非常に久米田先生っぽいアニメである。
一見シャフトと思うけど、制作は亜細亜堂。過去作のエッセンスをいい感じに引き継ぎつつ、独特の手触りと間合いもある。
笑いと日常のバランスも良好で、スルスル嫌味なく見切れた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

凄く貪欲なお話で、娘を異常に愛し心配するダディの強張りコメディあり、小学生のノンビリした世界描写あり、妙な強張りで世界を切り取るブラックな気配あり、随所で冴えるオシャレなセンスありと、なかなかよりどりみどり。
色んな面白さが、テンポよく繰り出される気持ちよさに繋がってる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

色々ありすぎると筆が迷いそうだが、”親子愛”という軸は非常にはっきりしているので、結局ホッコリで落ち着く。
可久士のハイテンションな行動は、全て姫の幸せのため。これがブレないし、姫の行動と描写は愛されるのに十分なほど可愛らしい。
軸がぶれないので、色々乗っけても安定して面白い。明瞭だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

久米田先生のもう一つの強み、アーバンでお洒落な雰囲気を渋谷という舞台、草薙の美術、”君は天然色”という選曲が強く突きつけてくる所も良い。
この独特の色彩、過ぎ去っていく季節の風…EDがマジで良い。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/U1yvY3j3QZ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

透き通った質感の懐メロは、綺麗であると同時に何処か寂しい。何かがもう終わってしまっていて、それを思い出しながら追いかけている質感がある。
久米田作品は暴走ギャグやりつつ、ハイセンスなシニカルが長い影を落とす。そういう味わいを、上手く焼き付けたEDだとも言える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

この寂寥は、アバンの未来編にも生きている。
あんなに明るく楽しそうな、親子二人の生活。それは10年後の世界では錆び、消え去ってしまっている。
鍵のかかった仕事場に、残滓だけが残った父の仕事。
一体なぜ、姫は一人きりなのか。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/AUuGbXK2BH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

本編がほっこり温かいほどに、それが崩れてしまった未来は寂しく、滅びだけが持ちうる美が何処かに宿る。
このギャップで明暗を作る構造は、なかなか面白いと思う。背景のリアリティレベルも、ちゃんと上がっている所がグッド。
未来編にどれだけ尺を使って、どういう使い方するかは今後の楽しみだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

本編の方は神谷浩史のアッパーテンションが、いい塩梅に温度を上げてくれるコメディメイン。
思い込みが激しく、過剰に突っ走る主人公の一挙手一投足が、いい塩梅に笑える。
んだが、ただの道化と描かないのが良い所。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/rdFcmA8jqv

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

可久士パパンは本当に姫ちゃんが大事で大好きで、だからこそ暴走してしまう。
そんなパパの愛を、仕事への屈折した思いとか、呑気な小学生の日常とかと交えて、色んな角度から照らす。
一本調子なようで、結構色彩豊かなお話なのだ。そしてその足場を、親子の情が分厚く固めている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

漫画家マンガという題材以上に、娘への愛情を優しくスケッチする筆先が、作家・久米田康治の私小説めいた味わいを与えて、なかなか良い。体温がある。
『愛娘モデルのキャラ、クレイジーに出来ねぇだろ！』とばかりに、姫ちゃんが適切に可愛らしいのもグッド。ちょっと不思議っ子なのが良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

話しが転がる場所を多数用意してるのも周到で、可久士の職場、姫の学校、渋谷という街、二人の自宅と、色んなステージでコメディは踊る。
その多彩さを、草薙がいい感じにかき分けているのもグッドだ。あらゆる場所に、独特のストーリーと匂いがある。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/MclZh4enOs

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

Bパートの小学生探偵団の冒険も、商標をギリギリコスるスタバネタあり、都市伝説化してる親父あり、ドタバタして面白かった。
『思い込みで突っ走る』という笑いの構造は、小学生も可久士も同じなのだな。姫だけ冷静で、美術もクリアでパキッとする、と。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/bOX4cyCtqj

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

小学生独特の面白い世界は、コミカルであると同時に懐かしくもあって、もっと見たくなった。
漫画家あるあるでコスる笑いも、いい塩梅に邪気がなくて楽しい。
いや、『藤田先生はハゲネタイジられ過ぎだから、むしろ生やそう』はエグいけどさ…。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/cesz1MYeZM

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

とまぁ、色んな場所に面白さと魅力を用意して、それを差し出す筆を毎回変えて楽しませてくれる、多彩な作品である。
ネタのテンションだけで勝負してると飽きるのも早いが、色んな角度から楽しめそうだし、一個一個のキレも良い。なかなか面白いクールになりそうだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

とにかく姫ちゃんがエンジェリックベイビーであり、優しく可愛い女の子なのが素晴らしい。
『この子のためなら、なんだってやっちゃる！』という可久士の決意（笑いの源泉）に、スッとシンクロできる書き方になってんのよね。
© 久米田康治・講談社／かくしごと製作委員会 pic.twitter.com/jh542fhqnH

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そんな姫ちゃんに一生懸命なパパンのことも、素直に好きになれる。主役を好きになれたら、作品も好きになれる。
作品を自分に近づけさせるサイクルが自然に、力強く回っていて、出だしでやるべきことをしっかり駆動させている第一話だと思った。
俺は来週も、パパと姫ちゃんが見たくなったよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

全体的に善良な作りなんだが、滅びの未来がいい具合の影を伸ばし、作品全体を〆てもいる。
アッパーテンションな笑いで駆け抜けつつ、作品全体に漂う青の鮮明さ、渋谷を抜ける風の爽やかさもちゃんと伝わる。
なかなかしっかり作られた、良い第一話でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

ここからパパと姫ちゃんの楽しい日常を回して良し、過去と未来のリンクを掘り下げてもよし、色んな方向に書け出せるのも強い。クセの強い担当やアシスタントも、話を盛り上げてくれそうです。
色んな面白さを届けてくれそうで、期待の高まるスタートとなりました。次回も楽しみ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

追記　しかし”胡桃沢耕史”いうても、今の人は殆ど知らんのだろう。流行作家という職業も、沙羅双樹の花であるな。

かくしごと追記
『艶笑譚を書いてると子供が偏見の目で見られるので、職業を隠す』というモチーフが妙にセンサーに引っかかるのだが、昔胡桃沢耕史氏のドキュメンタリーを見た記憶が影響しているっぽい。
彼の筆名は清水正二朗から変わっているが、実子から取っているほどの子煩悩なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

性と表現が今ほど開放的ではない時代、洒落にならない偏見が家族にも伸びたようであった。
姫ちゃんを大事に大事に愛する可久士の姿が、脳のどっかで微笑む老作家に重なったのが、あの第一話が妙に刺さった理由なのかも知れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

Bang Dream! 3rd season：第10話『ボーカルは……星……』感想ツイートまとめ

BanG Dream! 3rd Seasonを見る。
『アンタだけいてもしょうがない』
RASリーダー、チュチュの言葉がパレオに突き刺さる。
バラバラになっていくバンド、離れていく心を繋ぐために、六花が走る、マスキングが吠える。
そしてレイヤが踏み込んだ一歩とは！
一体、どうなってしまうのか！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そら鳰原さんのところまでチュチュ様がたどり着いて、心が通い合いイイ感じのBGMで魂の抱擁カマしてHappy End…に決まっとろーが！！
そんな感じの、ガチンコバンドリ塾である。”ガチンコ”もう二十年前ってマジ！？
おっさんの述懐はさておき、RASの崩壊と再生が色んな角度で積み上がるエピソードだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

三期のRASは六花加入の迷いと突破、加入後のハイクオリティ攻勢で一旦上げ調子にして、チュチュの勝負主義とメンバーのズレ、空回りと擦過傷で下げ調子に。
そして前回大爆発と、負の人間関係ドミノを倒していった。
今回は一回ドミノを倒したからこそ生まれた更地に、正のドミノを作る準備になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

あるいは、一個ずつドミノタイルを立てる行為自体が、誰かの思いに支えられ、決意を込めて踏み込むポジティブな行動である。
それを積み重ねることで、RASは『チュチュだけの最強のバンド』から『メンバー全員のバンド、世界で唯一の居場所』になっていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そのためには過ちも、過ちに見えるものの中にある真実や正しさも、しっかり照らす必要がある。
衝突や逃避やすれ違いといった、ネガティブな行動もまた、より善くなっていくための必然として描かれているので、自分はそこまで辛くなかった。
…嘘辛い。早く超仲良くなって欲しいよ～。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

この”仲良く”というのも、バンドごと人間ごとに色んな現れがある。
ポピパのように明るく楽しく、友達の延長線上でバンドやる方向性もあるし、Roseliaのように音楽一直線の歩みを友情で支える道もある。
そしてRASのように、実力者だからこそ音でぶつかり支え合うスタイルもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

どれも正解で、間違いなんてものはない。
そして完成し安定したように見えるものも、生きている以上揺らぐ。それは一期のおたえを見ていれば判ることだ。
その一個ずつを飲み込み、乗り越えることで見えるもの、手に入るものがある。それは別の時間、別の相手との試練に悩む仲間に、手渡すことが出来る

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

RASという今ものがたりの渦中にあるバンドと、ポピパという既にある程度の物語を終えたバンド。
その垣根を超えて交流されるものが、バンド内部でしか…あるいはバンドを同じくしていても繋がれないものへ、踏み出す大事なきっかけになる。
今回は、そういう描写が非常に多い。Continuesを感じる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

さてお話は、怒りの大脱出をカマすマスキングから始まる。
遠く離れていく背中に、『どうなってまうんや…』とつぶやく六花。気持ちは視聴者も同じである。
自分が作った物語的状況で、視聴者が起こすだろう反応。これをキャラに覆い焼きして。物語に引き込むレトリックが鮮明だ
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/PEUOQBOj16

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

六花一人では、バラバラになったRASは繋ぎ止めれない。RASだけでは、RASの問題は解決できない。
同時にバンドの問題は、最終的にはバンドが解決するしか無い。
Roselia…というか友希那さんの一見クールな対応は、作品世界のルールを最初に示している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

優しい優しいあこちゃんが心を痛めても、他人は話を聞き、見守るくらいしか出来ない。
でもその思いやりがなければ、状況は決定的に悪化していく。
RoseliaがRASを、湊友希那がチュチュを、個人的に救い得ないことは、第7話で明示されている。それは”バンド”の問題なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

しかし踏み込まないことを選んだ友希那さんが冷たいとか、そういう話ではない。まぁメガトン級の口下手ではあるんだけどさ…。
特定のスタイルを選び取り、それに惹かれ合った唯一の仲間。混ざり合い、影響し合うことはあっても、決定的な部分を譲れないからこそ生まれた繋がり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

友希那は”Roselia”であることに強い意志とビジョンを持っているし、だからこそチュチュの誘いを蹴った。
私だけの音楽が欲しい。演奏しないからこそ、最高のメンバーで世界と闘いたい。
チュチュの願いは、湊友希那が叶えるものではない。
”RASの湊友希那”あるいは”Roseliaのチュチュ”はありえない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そういう壁があるからこそ、バンドのプライドとアイデンティティは保たれる。その分別には、強い意味がある。
友希那はそう考えて、あえて踏み込まない選択を選んだんだと思う。
バンスト一章ならまだしも、今の湊友希那は世界の広さ、バンド以外の価値を認めた上で、一意専心を選んでるからねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

さて、Roseliaは問題解決のテーブルから降りる。
チュチュ様は”チュチュ”というキャラクターを維持する猫耳ヘッドフォンを外し、六花は道を探して迷う。
ここでトスを上げるのが、ポピパの”星”たるボーカル・戸山香澄である。散々泣いて迷ったからこそ、見える未来。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/leom78bxyJ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

一個上の友達として、バンド活動の先輩として。
香澄はミッシェルあんパンと一緒に、自分の経験を手渡していく。
ぶつかっても、涙しても、”バンド”が大好きなら絶対大丈夫。ポピパも、辛いこと苦しいこといっぱいあって、六花の好きな『楽しいポピパさん』なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

自分の夢だけ見て全力疾走してたパンクスが、こうして誰かの暗闇に星を掲げ、導きとなる。
物語の蓄積が感慨深い。そういう存在に、香澄もなっちまったんだよなぁ…。
六花は香澄の前向きな視線を受け取ることで、瞳を開けて”RASのギター”たる自分を思い出す。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

それは”自分がギターであるRAS”がどういうバンドなのか、思い出す行為でもある。
圧倒的な技量と熱意を持った”個”が、お互いの本気で鎬を削る。ハンパな相手じゃ潰れちまう音も、アイツラが相手なら…。
遠慮なし、容赦なし。それが気持ちいいから、三期第三話のサブタイは『帰らん！』なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

物分りよく黙ってるんじゃなくて、思いをぶつけ届ける。
駆け出していく六花の勇姿を、香澄は眩しそうに見つける。
そこにたっぷりの愛情と、少しの寂しさが滲んでいるのが良い。いつも走っていた時代は、身の丈と心が立派になるにつれ、だんだん遠くなるのだ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

六花はマスキングの私的領域…『ごきげんよう』で呼び合う超お嬢様学校へ迷わず突入する。後輩ちゃん達がちんちくりんで可愛いねぇ…。
どう考えても色恋沙汰のヤバ発言を、口を封じて一笑い。ラブコメの空気を上手く使って、重さを抜く運びがありがたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

今のRASじゃ、絶対に掴めない夢の舞台。
武道館を前に、制服の二人はお互いを語り合う。
熱い思いが攻撃性として発露してしまうマスキングを、六花は落ち着かせ、方向づけていく。序盤で引っ張られる側だった六花が、今度は引っ張る逆転は見てて気持ちがいい。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/DVKyFSzrpi

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

縁石に腰を下ろした距離感が、六花の止められない思い出ジリっ、ジリっと詰まって炸裂する。
日常の微笑ましい一コマ、二人が”バンド”になっていく過程として活用されていた『お嬢のまかない』を、思いを届ける武器として使い直す。
やっぱこういう、細かい表現の圧縮率がこのアニメ高いわな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

バンド存亡の危機に、熱いラーメンがどうのこうの急に言い出すズレ方。
それが”朝日六花”なのだとずっと積み重ねてきたから、ここの歩み寄りに嘘がないと感じられる。
本気になるほどなんかボケて、飾らぬ方言剥き出しになっていく女。それがRASのギターだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

立ち止まらず、駆け抜けていく。『疾走こそがマスキングの生き様』と伝えるように、六花が差し出したヘルメットをマスキングは受け取る。
バイクっていうフェティッシュを、マスキングの描写は非常に爽やかに、パワフルに生かしていると思う。速いだけでなく、『二人で乗れる』のが大事よね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そして香澄→六花→マスキングと繋がった思いのリレーと並走して、もう一つのラインが繋がる。
ガラス越しの視線を、たえちゃんの私的領域に向けつつも、そこに踏み込まない（踏み込めない）レイヤの過剰な成熟（つまりは未熟）
その足踏みへ、おたえは強く踏み込む。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/vmxzy8Spsw

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

ここでおたえがレイヤの起爆剤になるのは、二期を回収する展開で非常に良い。
”RASのHANAZONO”にはなれなかったけど。
私は結局、ポピパのギターだけど。
友達だから、助けになりたい。助けてくれたから、答えたい。
そういう素朴な善良さを、花園たえは持っている。優しい子だよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

レイヤの悩みを受け取った時、ぽけーっと空を見上げたおたえの心にあったのは、やっぱり”ポピパのボーカル”だと思う。
香澄と出会い、何が生まれたのか。何をしてくれたのか。
燦然と輝く星に導かれてきたのは、六花だけではないわけだ。
苦しいことも溢れる涙も、全てに意味があった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そう思える場所へ、必ずあなたも、あなたのバンドもたどり着ける。だって、私達は星の向こうへ、一緒にたどり着けたから。
そういうエールが、トンチキなおたえ語と星のキャンディには詰まっている。レイヤも、その真意を受け取る。一瞬掴みかね、ぽけけーってするのが可愛い。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/0OZgWcXFI9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

かくして踏み込んだ先で、問題は（まだ）解決しない。
自動扉前のやり取りは、RASメンそれぞれの性格と資質が見えて興味深い。
マスキングはとにかく真っ向勝負、レイヤは環境を生かして回り込む知恵がある。
チュチュが自閉しようとしても、外部のコンシェルジュは扉を開ける権限を持つ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

ここでレイヤが、鎧塚さんという裏口を見つけなければ、チュチュ様は飢えていた。パレオ抜きでは生命維持すら危うくなる、脆い生物なのだ。
…つうか、主人と従者ごっこを続ける中で、人間の一番大事なものを鳰原れおなにあずけちまってる、ってことなんだよなぁ…ズブズブのズブじゃん！（知ってた）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

他人の頭を押さえつけて、自分のスタイルで押し通る。
チュチュのスタイルが暴走して、色々ややこしいことになっとるわけだが。
そうやってひた走った道は、運命のバンドメンバーにも、その他色んな人にも繋がってしまっている。門は完全に閉ざされていない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

しかしチュチュ様は、自分を守る壁を高く設定しすぎて、周囲も自分もよく見えなくなっている。
一回目のアタックで、その壁を崩すことは未だ出来ない。パレオのいないステージは、形だけ成立する。
黒髪の”鳰原れおな”は、遠く鴨川で己のいないバンドを見据える。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/FGdqAX2c8E

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

どうにもクリティカルな場所に届ききれない、私達のバンド。
マスキングは不器用な情熱を叩きつけ、チュチュは壁の向こうに閉じこもる。そのどん詰まりを見据えて、レイヤの視線が鋭さを増す。
おたえのあめちゃんが、踏み込む勇気の特効薬だと判る演出が良い。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/LwG5g0MRmh

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

ボーカルは星。おたえの謎掛けを、このときレイヤは考えていたんだと思う。
自分は戸山香澄のように、情熱で皆を導くスタイルは出来ない。湊友希那のように、圧倒的なヴィジョンでバンドを作り上げもしない。
ボーカルであっても、リーダーではない。センターでもない特殊な立ち位置。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そこに甘んじていたから、私達のバンドは崩れかけている。マスキングの不器用さも、ロックの及び腰も、チュチュの壁を乗り越えられないなら。
私が変わるしかない。
そのためのロケット燃料を、たえちゃんは託してくれた。
レイも絶対、誰かの星になれるよ。
そういうエールを。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

それが鴨川まで突き抜けるロケットになるまでには、チュチュの壁の向こう側を描く必要がある。
ようやく見えた、渇望の根源は挫折の痛み。
形だけを与えられる愛情をぶち抜いて、自分を認めさせる意志が、RASを求めた。
んもー！　完全にネグレクトじゃん最悪なんだがっ！！
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/UftK0UuLvx

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

バックボーンが判ることで、チュチュの音楽的審美眼の鋭さ、求める水準の高さにも納得がいった。
最もシビアな場所で掌が傷だらけになるほど努力してきた経験は、学生レベルの自己満足を許さない。
やるのなら、世界を貫くほどの音楽を。それに答えてくれる仲間を、本気で探し求めていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

形だけしか見てくれない両親への、反抗心と愛着。音楽以外の道で闘うことも、本物の愛を諦めることもチュチュには出来なかった。
今までの迷走に得心が行くと同時に、非常に辛い描写だった。
そら、勝ちたいと思うわな。勝って自分を、”チュチュのバンド”を認めさせたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

クラシックに打ち込んだ”玉出ちゆ”が勝てなかった過去を、猫耳ヘッドフォンと”チュチュ”というキャラクターで乗り越えていく。
他のバンドが基本、制服を衣装に着替えることで自己を探す道なのに対し、RASはキャラクターを背負うことで現実の被膜を突破していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

バンドネームが軒並み『覆うもの』なのも、真綿のような愛で窒息死しかかってる現状を、仲間に刻んだものなのだろう。
突破しきれていない自分を認めた上で、それを超えていく。そのために、特別な名前と装いが必要だった。
”チュチュ”は、闘いのための名前だったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そうすることでしか戦えない玉出ちゆの小さな身の丈と、立ち竦まずネコ科の猛獣になろうとした背伸びが痛ましく、愛おしくて辛かった。
いまチュチュは、ヘッドフォンをつけていない。己の求めた愛を掴めず、勝つことも出来なかった過去に戻りかけ、シェルターに閉じこもっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そこに踏み込むことでしか、私達のバンドは進めない。
星のエールを受け取って、レイヤが鏡の前に立つ。
ここでプロデューサーとしてのチュチュの仕事に、ちゃんと敬愛を見せてくれたことが本当に嬉しかった。
鏡の壁はチュチュとの距離を遮るだけでなく、自分を反射もするのだ。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/lOnHho0IGP

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

過去形のように語る。『終わりにする』という言葉に、強く反応する。
チュチュはRASを終わりにしたくはない。でも、そうするために鏡の壁の外側に出ていく勇気が、自分では生み出せない。
なら、物分りの良い”大人”の顔を投げ捨てて、想いを言葉にする新しい自分を掴む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

ここも他のバンドとは転倒している所で、少女たちがバンド活動を通じて世界を知り、己を知って”大人”になっていくのに対して、レイヤは過剰な成熟を振り千切って、感情の赴くままぶつかる強さ…”子供っぽさ”を獲得していく。
成熟と未熟は簡単に分割できるものでなく、時に境界を超え混ざり合うのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

状況を冷静に、穏やかに受け止めていけるレイヤの資質は、例えばおたえの悩みを前にしたときのように、彼女の美質だ。
でもそれは鎖にもなって、自分を縛っていた。
誰かに求められるまま輝くのではなく、時には己の望みを強く輝かせ、誰かを導く身勝手な星になることも、ボーカルの強さだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

レイヤはおたえがあめちゃんに込めたエール（それはおたえが、香澄からかつて受け取ったものでもある）を燃料に、壁を明けて等身大のチュチュを見る。
ビジネスに長けたプロデューサーでも、強気なバンドリーダーでもない、13歳の一人の少女。
その手のひらを掴み、手繰り寄せる
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/yw71dKx8EL

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

ここで強引に扉を開けるのではなく、チュチュが扉を開けるまで待ってくれる所が、レイヤの成熟…その善き側面だなぁ、と思う。
自分は自分、他人は他人。そういう世界の真理を、同年代の子達よりひと足早く、プロの世界で学んできているのだ。
でも今必要なのは、そこから半歩踏み込むこと。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

パレオを傷つけたチュチュのエゴに怒りつつ、”私達のバンド”を取り戻すために、マスキングと六花を追う。
先行する情熱に解決を任すのではなく、全員で未来を掴む。
それが、和奏レイの求める未来だ。恐らくチュチュが心の何処かで求め、たどり着けなかった未来でもあろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

自分をぐいっと引っ張ってくれる掌から伝わるのは、形だけの愛ではない。
本気で実力を認め、情け容赦なくブツカリあえる間柄だからこそ、過ちを正し一緒に走る。
チュチュがそういう関係を求めていたからこそ、RASのサウンド、バンドのスタイルもバチバチだったのだろう。音に戻ってきた感じがある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

同時に親にされたようにしか他人に接せられない、子供の限界点と切なさ、危うさが滲んでもいて、やっぱり俺はチュチュを嫌いになれない。
それしか知らないから、勝負にこだわった。手に取れる結果で、己を証明したかった。
でも、そのままじゃない。誰かと触れ合い混ざり合うことで、変化は生まれる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

レイヤの踏み込みは、その証明でもあろう。
”たえちゃん”は今でも、とても大事だ。でも今は、自分のバンドのために、繋いだ小さな手のひらのために。
ここでレイヤの根本にあったおたえをブッちぎるのも、それを見ておたえが満足そうなのも、最高に風通し良いんだよな…。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/XMcTJ9uNW4

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

特別な誰かを選んだから、絆が消えるわけじゃない。思い出も、胸から溢れる温かいものも、嘘になるわけじゃない。
レイヤはチュチュを選び、おたえはポピパを選んだ。
結果だけ見れば断絶にも見えるものが、その実非常に強い繋がりと、それに支えられた輝く未来を照らしている。とても豊かな書き方だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

一方、青春の方向音痴どもは富士山を睨んでいた。目的地、千葉なのに…。
しかし夕日は強く輝き、RASの未来を照らしている。
壁は開き、差し出された手をボーカルは強く掴んだ。
これからやってくる夜に、星は必ず光り輝く。
チュチュパレ大勝利の未来が、来週全てを焼け野原に変える！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そういう確信の矢を、明日へと解き放つエピソードでした。いやー…丁寧に地固めするねぇ…。
おたえとレイヤの関係性に一つの決着を付けつつ、成熟を飛び越えて未熟に燃え盛る話運びが、非常に良かったです。
ムッツリ顔で黙って言うこと聞いてれば、”大人”になれるわけじゃないのさ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

愛情と豊かさで飾った、首を締め付ける愛。
チュチュの過去はほんとキツくて、同時に納得もいって、かなり情緒をグチャグチャにされた。
自分にも他人にも、”出来る”の水準が高いのはクラシック由来、と。音が出た、曲が弾けたで満足できる青春バンド物語は、最初から遠いわけね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そこで『普通の女の子』になれない才気が、ある意味チュチュの不幸であり、大きな壁だったわけだが。
レイヤが鏡に己を写し、強く踏み込み手を握ったことで、13歳の少女もようやく大切なものを裸眼で見れた感じもある。
チュチュ様…アンタはパレオにズブズブのズブなんだよッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

百人中百人が『知ってた』と言うだろう結論に向けて、RASは鴨川まで突っ走る。受け取ったエールを、青春のロケットに積み込んで。
その熱量は、黒髪の少女に届くのか。パレオのいないRASなどありえないと、壁をぶち抜き”バンド”になれるのか。
極音速まで加速した物語の、決着は近い。次回も楽しみ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

追記　『人は断絶に包囲されているが、そこから学び、また繋がることは出来る。より善くなっていくことが出来る』という信念を、あらゆるストーリーの中で何度も何度も言い続けているのは、ガルパのとても良い所。

バンドリ追記
レイヤは”大人”の仮面を投げ捨て、チュチュの領域にズケズケ踏み込む無遠慮で状況を突破していく。
でも同時に、人がどうあるべきか、想いをどう伝えるべきかチュチュに的確に教え、彼女の手を取って導いてもいる。
”大人”でなくなることで、”大人”の責務を最善に果たす。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そうすることで、13歳の少女でしか無いチュチュが自分では抱えきれない弱さに、ぶっとい芯棒を入れて支えてやることも出来る。
『ガキがヘロヘロに腹空かしてるなら、温もりで満たしてやるのが年上の責務だろーが！』っていう、責任論の最上の形にもちゃんと答えててとても良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

んで、レイヤは『年上だからチュチュに教えなきゃ』みてぇなスケベは考えてない。
むしろ対等の仲間、自分が守られる立場だったからこそ、生まれてしまった歪みを思いっきり爆破して、突破力に変えていこうとする。
ここも”年齢”ってパラメーターで仲間を見ねぇ、レイヤの美質が出てて良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

でも御簾の奥で弱ってるお姫様ちゃんを、発破かけつつちゃんと守んなきゃ、傷つかない場所へと引っ張り上げなきゃって博愛もあんだよね。
正しさと優しさ、強さと勝手さのバランスがススっと取れてしまう所が、レイヤのキャラクターだなぁ、と思う。
事象の視力が鋭く、物分りが異常に良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

追記　過ち傷つけることも、選択を伴う人の尊厳であるのならば、狭小な『正しさ』の暴力ですべて誤りと切り捨てず、むしろ実際にある”それ”の上に新たにより善い、連続性のある自己と関係を作っていって欲しいと僕は創作（の延長線上にある現実）に常に望んでいるし、多分このアニメはそれに答えてくれる。

バンドリ追記
まぁチュチュの話なんスけど。
庇護され全てを肯定される存在を”子供”とするのなら、母親の残酷な全行程はチュチュをそこに閉じ込め窒息させていく。
しかし彼女の才覚は、飛び級とプロデューサーとしての社会参加を一足飛びに可能にする、鮮烈で過剰なものだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

実年齢（と身長）を飛び越えた”大人扱い”を可能（あるいは必要）とするチュチュを、一番身近な人が”子供”に閉じ込める。一番認めて欲しい人に一番認めて欲しい手段で正統に判断されない。
このジレンマがRASを結成させ、自分がなれなかった（と考えてる）本物のプレイヤーを集めさせたのなら。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

RASメンバーは母の愛で砕かれてしまった『こうなりたいチュチュ』の可能性であり、それを集めて束ねる行動はチュチュ決死の自我再構築だったのだろう、と思う。
それを評価する基準が『客観的な数』でしかないのも、主観的な愛で全肯定されすぎた反発が裏にあったのだろうし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

やっぱ別ジャンルではなく”音楽”に踏ん張りどころを定めたのは、母へのコンプレックスがどんだけ太いか見せつけられてる感じで辛い。
世界的演奏家の音をずっと聞いてきて、チュチュの世界は相当音楽に染まっている。そういう生得的狭さと同時に、憎悪と裏腹の期待と愛情がその選択には滲む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

好きだから、音楽で認めさせたかった。嫌いだから、音楽で勝ちたかった。
相反する嵐の只中で、『私の音楽』と思える他人を見つけ、手をつかめたのは幸運であり、必死なことだったのだろう。
レイヤもマスキングも、13歳の決死はしっかり届き、受け止めている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

ただプレイヤーを超えた個人として、ステージで相手を見る体験は（その豊かな技量故に）彼女らと遠くて、それが今回の衝突を生んでもいる。
ここら辺、個人と個人の繋がりからプレイヤーになっていった他バンドと真逆で、やっぱりRASはここまでの”バンドリ”のカウンターなのだな、と思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

メンバーを集め、曲を作り、舞台を整える仕事は、届かなかった自己実現を母の檻から出て果たす個人的な闘いであり、同時に自分ではない他者に自分にはないかがやきを求めた、救済の懇願でもある。
そうやって、自分をフロントから遠ざけたチュチュの孤闘を、レイヤがちゃんと肯定したのは嬉しい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

その上で、たった一人クローゼットに閉じこもっていては突破できなかった、全肯定だけではなく否定からの新生も含めた関係性へ、レイヤも一緒に踏み出していくのは、より善いと思う。
母の呪いで製造された今までのチュチュは、形だけ好物を用意し、支配的にメンバーを縛るやり方から飛び出せなかった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

しかしそういう高圧的な態度の反対側で、何処かへ突破し真実の自分を暴いていく道を望んだからこそ、彼女のバンドは”翠簾を上げる”という名前を持っている。
他のメンバーもまた、それぞれの御簾を抱えている。チュチュの音と渇望が、確かにそれを跳ね上げたからこそ、皆バンドになったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

RASの引力はチュチュから始まっている。彼女が極を作り、コンセプトを整え、メンバーを集めた。
それは他人を道具にするように見えて、メンバーやファンはそれぞれの意志で、”何か”を突破できる可能性を見つけて、ついていくことに決めたのだ。
変革の兆しは、チュチュのあがきの中に既にあった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そのことを、この騒動で相当傷ついてる13歳にメンバーはちゃんと伝えてあげてほしいし、伝えてくれるだろうと思う。
チュチュの全てが、間違っていたわけではけしてない。もし誤りがあるのなら、それは私達で治していける。
檻を飛び出して、変わっていける。世界を変えられる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

そういう確信を、RASのリーダーに与えて話が収まってほしいな、と思っている。
こういう展開になる布石はあらゆる所に置かれているので、まぁ心配はしてねぇのだが。
”勝ち”つう結果自体はもう九分九厘確定してて、あとはどう描くか。そこが全部だし、まぁ大丈夫でしょう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月3日

ガルパ履修記録：孤独な星たちのダンス －白鷺千聖と瀬田薫と氷川日菜にまつわる、一つの感慨－

春なので、唐突に白鷺千聖と瀬田薫と氷川日菜の話すっけども。
”What a Wonderful World！”辺りから、普通になりえない、理解されえない氷川日菜を白鷺千聖が妙に気にかけ、寂しがる描写が多い印象がある。
パスパレは日菜の異質性を仲間として、丸のまま飲むスタンスだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

日菜は自分が優れすぎている異物であることに自覚的だし、それが凡人との間に生み出す沢山の差異を、呪いではなく祝福だと感じながら生きている。
皆は私と違うからこそ面白い。
そのスタンスは、『私と同質である誰か』『私と同じ立ち位置で判ってくれる誰か』を、猛烈に遠ざける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

パスパレで千聖だけが、その状況を冷静に把握しつつ、一抹の寂しさを感じ続けているように思う。
彩とイブちゃんは異質性こそが日菜なのだと納得し、特に問題視せず楽しみ受け入れている。
麻弥は持ち前の知性で異質性が浮かび上がる社会を視野に入れつつ、それを寂しいことだとは感じていない気がする

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

彼女が一般的なアイドル像と同質化出来ない、”フヒヒ”な自分にある種の後ろめたさとコンプレックスを抱えていたことは、”ジブンアイデアル”で判る。
むしろそれを力に変える物語も同エピソードで展開されるが、麻弥は一般に受け入れられる自分であることに、そこまで強迫を感じていない立ち回りをする

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

それは一芸に秀でたスタジオミュージシャンとして、異質だからこそ価値を持つ経験が、既に自分の中にあるからかも知れない。
返って千聖は、一般的な価値判断を内面化し、社会や世間が求めるものを分析・内面化する視力と欲望が強い。第一章での腹黒い立ち回りは、その証明だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

野心を持ちつつ、己らしさ一本では突破しきれない壁。それを女優として思い知らされたからこそ、自分の値段を社会の中で高く保つ価値基準が、千聖の中には根強くある。
それが”丸山彩”との出会いで崩れ、再構築されて『夢を見る白鷺千聖』になっていく物語が、彼女のありようとも言えるだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

日菜が己の異質性、社会や他者との距離に悩まぬ孤独な星であることを、千聖は妬むのではなく寂しがる。
それは彼女の異質性や才気が強い魅力であることを、パスパレの同僚として、大事な友人として理解しているからこその寂しさだろう。
こんなに面白い人を、我々は真実判ることが出来ない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

その断絶を認識できるほどには千聖は頭が良くて、同時にそれを越えていくことが非常に難しい事実もまた、賢さ故に認識できてしまう。
”アイドル”としての日菜の”売り”は異星人めいた異質性だし、彼女も異質であることを楽しみ、己の一部として肯定している。外野が『普通になれ』と言う筋合いもない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

しかしそれでも、千聖は日菜が『理解られない』ことに結構こだわり、同質的（あるいは本質的）な理解を誰かがしてくれることを望んでいるように見える。
そして、己の凡才を理解している千聖は、日菜と同レベルで世界を見れない自分もよく判っている。望む場所には到達できないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

でもその未達が、人の本質を反映すればこそ幸福な無理解であることもまた、千聖は判っていると思う。
永遠に孤独な、遠い星。
日菜がそういう存在であることは寂しさと幸福の入り混じった色彩を宿し、多かれ少なかれそういう距離感はあらゆる存在に付き纏う。
誰かを完璧に理解することは出来ないのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

その上で、日菜という星のコアに誰もたどり着けないこと、彼女が（様々な人に愛され、その孤高を肯定されつつも）孤独な星であることに拘るのは、瀬田薫の存在が大きいのかな、とふと思った。
”幼き日の面影は今もそばに”で描かれたように、薫くんは生まれたときから無敵の王子様だったわけではない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

もう何処にもいなくなってしまった、自分が守れなかった”ちーちゃん”に報いるべく、一生をかけた嘘（あるいは芝居）として、王子様を演じている存在だ。
無力で優しく儚かった”かおちゃん”を覚えているのも、もはや世界で千聖だけなのかも知れない。
皆に求められ、愛し愛される王子様の仮面。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

その奥にどれだけ柔らかいものがかつてあって、もしかしたら今もあるかも知れないことは、ハロハピの皆も知らない。
かつて非常に親しい距離を共有し、別れたからこそ各々の生き様を選んだ二人だからこそ、お互い失われた”かおちゃん””ちーちゃん”が深く、心に刺さっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

薫くんの嘘はプライドと優しさのあるもので、沢山の人を救っている。その様子はハロハピの物語で幾度も描かれたし、千聖もまた、もはや”かおちゃん”ではない瀬田薫の尊厳を”儚世に咲く薔薇の名は”で肯定した。
決別ともまた違った、瞼の裏に焼き付いた”かおちゃん”がもはや、自分の中にしかいない実感

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そしてその思い出が、もはや戻ってこない程に気高く、美しく変質した役者・瀬田薫の存在感。”かおちゃん”を取り戻し得ない、大人になってしまった自分と自分たち。
そういうものの残影が瞼を焼くから、千聖は変わってしまった薫を敬しつつ、完全に認めるわけには行かないのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

あれだけ現実と寝れていた女が、”かおちゃん”だけは譲れずツンツンした態度を取ってしまう所に、もはや不在となった思い出の巨大さがうかがい知れるが。
とまれ、もはや”かおちゃん”を判ってやれるのは千聖だけであり、彼女が判っていても薫は自分を”かおちゃん”には戻さない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

戻ってしまえば、自分が掴みそこねた”ちーちゃん”に準じた生き様は崩れてしまう。変わろうと決意した過去も、取り返せないものへの疼きも、淡雪のように消えてしまう。
二人はお互いだけが判っていて、でもその事実だけでは動かし得ないモノに突き動かされて、18歳になっていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

過去と現在に呼応し合う、幻影と実像。
今目の前に在るものが、過ぎ去って届かないものへの祈りの結果であり、でもそれが過去そのものを取り返し得ない儚さ。
判り合っても通じ得ない、でも敬意と切ない愛おしさで、夢の残骸から生まれた今を肯定できる関係。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そこに身を置いていて、”理解る”ということの暖かさと切なさを己の根本に置いているからこそ、”理解られない”日菜に千聖は強く執着し、誰かが日菜に寄り添う双子星である夢を、叶わぬと知りつつ求めるのではないか。
双子星に成り得なかった過去があればこそ、己と重なり、全く違う緑の星の孤独を…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

時に当人よりも、あるいは当人でないからこそ的確に理解し、寂しさに思いを馳せるのではないか。
そんな事を考えた。春だからね。
白鷺千聖という人は、色んな女の子に強い思いとある種の支配欲を寄せて、同時に一個人としての尊厳を大事にも出来る、結構めんどくさく複雑な人格の持ち主だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

花音の純朴と優しさに包まれつつも、瞳の奥では遠くの”かおちゃん”を何処か求めている。
あるいは彩のひたむきさに惹かれ、影響を受けつつも、その影にそうはなれなかった自分を追い求めている。
彼女の視界の中では、非常に複雑な引力で他者が配置されていて、引き合い跳ね除けながら、軌道を描く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

その星図の中心部に、”かおちゃん”であり瀬田薫でもある少女への思いと寂しさがあり、その残滓が氷川日菜の孤独に繋がっているのではないかと、まぁ思ったわけだ。
キャラ多いこと活かして、感情と関係の星座を立体的に作れるのがガルパの強みだ。ここに時間経過と喪失、他者性への断絶が重なる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

そういう多層的な面白さが、一番出てるの（一人）が、白鷺千聖なのかなぁ、とも想う。
ここで同じエイリアン系で、天敵のような存在である花園たえとの軌道が加わってきて、プトレマイオス天文学めいた難しさと面白さも出てくるのだが、まぁ今回はこのくらいで。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月2日

ガルパ履修日記：フルスイング！ ハロハピソフトボール

ガルパ履修記録
・フルスイング！　ハロハピソフトボール
ひょんなことから、ソフトボールの練習試合に参加することになったハロハピ。
道化師達のエールは、あかりに再び届くのか！

そんな感じの、ハロハピ箱イベ。音楽以外に全力投球しても”らしい”のは、ハロハピの強みだなぁやっぱ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

ハロハピにとって音楽は（例えばRASやRoseliaと違い）メインテーマではなく、あくまでミッションのための手段である。
同時に道具（tool）ではなく媒介（media）であるのがミソで、音楽以上に効率的にハロハピのミッション…笑顔と幸福の最大化を果たしうる手段は、基本存在しない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

目の前の楽しいを掬い上げ、それを歪める悩みをぶっ飛ばすためなら楽隊にも道化にもスポーツチームにもなれてしまう自在さと、その一つ一つを真摯に受け止め継続する活力。
その同居は、例えば薫くんが今でも俳句を続けている姿に現れている。”夏の宵、水面たゆたう詩と花”からの継続性。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

今回ハロハピは悩める主体というより、あかりにエールを送るちょっと高いポジションに立つ。
第1章を越えて、元気に走り回りバットをぶん回すあかりちゃんの勇姿は、とても眩しく素晴らしかった。
続くこと。ハロハピが与えた勇気と笑顔が、一瞬ではないこと。
それを確認するエピソードでもあった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

今回、物語のエンジンははぐみキャプテンだ。彼女が巻き込む形で、ハロハピはソフトボールという新しい喜びに出会い、構えず全力で練習し、上手くなっていく。
その姿が、あかりに『頑張れば上手くなれる、報われる』という確信を思い出させ、ヒットを打たせる。
試合は負けたが、あかりは打てた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

一瞬一瞬を全力で、楽しく駆け抜ける。その先に勝ち負けがあるなら、どちらも寿げる。
この確信は、はぐみちゃんが彼女主役のエピソード（”涙のスマイルアンカー””正々堂々！　ふわキャラ選手権”など）から学び、己を支える信念としたものだ。
ここにも、エピソードを積み重ねて生まれる継続性がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

今の彼女は、勝者として敗者を踏みにじる痛みに怯えてはいない。キャプテンはぐみにとって、勝ち負けは結果として付いてくるものであり、同時に真剣に尊ぶものでもあるわけだ。
そういう揺るがない姿勢が、あかりの迷妄を力強く跳ね飛ばして、心の活力を”思い出させる”のは本当に眩しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

ハロハピはあかりを変えない。ただ、エールを送って思い出させようとする。
自分が頑張ってきたこと、出来ると信じてきたことを。
結局の所、自分を変えて前にすすめるエンジンは自分だけだ。だが、孤独と無力感はそれを停止させてしまう。
誰か別の存在が隣りにいることで、心のエンジンに火が灯る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

そういう意味で、他者というものもまたより善い生（ハロハピがミッションとするもの）を掴むための媒介なのだろう。
それ自体が目標にはなりえないが、それ抜きでは目標を達成し得ないような、生きていくための杖。
ソフトボールも音楽も、あるいは俳句や手芸や演劇も。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

色んな事にミーハーに飛びついて、ガッツリ人生の補強にしていくハロハピイズムは、楽しい事ならオールオッケーな快楽主義と同時に、笑顔のためなら形振り構わない実践主義と繋がっていると思う。
新規描き下ろしのユニフォームには、そういう健全でタフな多彩さが輝いていたと感じた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

既存バンドは大きな波風を越えて、人間関係も人格的成長もある程度以上の安定を手に入れたように思う。
なかなか話を転がしにくい状況であるが、その変化自体をスケッチしたり、未だ悩む途中の若い存在を出したり、工夫を重ね物語が停滞しないよう頑張っている。
箱イベは、特にそれ出やすい気がするね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

同時に変わらないものもあって、ボールさんと対話しようとするこころとはぐみの頑是ない可愛さには、思わず頬がほころんでしまった。
高校生としては稚すぎる純粋さ（あるいはバカさ）は抱えたまま、強くなったり広くなったり。
”変化”あるいは”成長”といっても、その有り様は様々だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

かのちゃん先輩がキャッチャーとしてドッシリ構え、はぐみの本気を引き出すやり取りとか。
薫くんが奥沢くんに、道化王子の仮面をちょっと外してシリアスなエールを送ったりとか。
今のハロハピがどういう強さと優しさを手に入れたか、しっとり伝えてくれるエピソードでした。皆カッコいいなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月1日

SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!：第12話『Mashumairesh!!』感想ツイートまとめ

SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!　を見る。
ましゅまいれっしゅの日常は、最後までドタバタ！
ラッキーとアンラッキーに振り回されつつ、ようやくたどり着いたステージ。
色んな事があったけど、生まれるグルーブを信じ、バンドと一緒に楽しもう！
私達はいつだって、輝きを求める道の途中！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

という感じの、ましゅまいれっしゅ最終回である。
うーむ…ここ迄感想を引っ張ってしまった事からも、なんとなく推察されているかも知れないですが。
なかなか評価に困る最終回であり、アニメシリーズであったなぁ正直なところ…。
非常にバランスが悪いというか、良い所と悪い所が極端に感じる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

僕は先週の”寝坊”でかなりガックリ来ちゃった部分があって。
音楽を主題に据える以上、そこにはリスペクトを持っていてほしかったんだけども、夜会話に夢中になって晴れの舞台に遅れてしまうのは、あまりにも敬意がないように見えてしまった。
そこをつっつけるのがガチ勢のレイシグ…なんだろうけど。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

最終回はあくまで明るく楽しいドタバタに終始し、ララリンが抱え込んだものをましゅまいが受け取り、学んで変化する…みたいな話にはならなかった。
多彩なバンドが居るのだから、多様な価値観が衝突し、混ざり合う様、群像劇としてのダイナミズムを勝手に期待して、叶えられなかった感じもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

女と女が感情を震わせ、想いを通わせる様子を異様な解像度で切り取り続ける。
そこは非常に上手くいっていたのだが、それ以外を形振り構わず切り捨てたツケがデカくて、素直に良いところを評価しきれない雰囲気がある。
好きか嫌いかで言えば好きだけど、いい悪いで言うと多分悪い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

ましゅまいの『音楽はあくまで、楽しむための最高のメディア』というスタンスは嫌いでも間違いでもないけど、それと音楽への敬意、他者との交流は多分両立できるはずで。
楽しさ重点主義の輝きもまた、（時に過剰な）真摯さと正対する中でより鮮明に、説得力を込めて描けたんじゃないかと思ってしまう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

ましゅまいの行動原理を肯定するために、すべてを完全に切り捨てているかっていうとそうでもなくて。
残りの2バンドに目配せをして、ある程度尺も回しているんだけども、とにかく交流がない。音楽的・人格的影響がバンド内部で閉じている印象が強い。
それは身内の密接な距離感と裏腹で、扱い難しいが

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

『そこら辺、最後にうまく調整して終わるのかなぁ…』と期待しつつ最終話を待ったが、そこは踏み込まずに終わった。
まぁ外部との交流は徹底的に遮断してきたアニメなんで、最後まで自作に嘘をつかなかった、とも言えるが。
この閉じた感じが、作品の強さと癒着してんのがホント、評価難しいね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

さてお話は、寝坊からのリカバリーをドタバタと走り抜ける。最後に乗り越えるべき障壁が、人格的成長に一切つながらない…どころかマイナスな”不注意”なのは、劇作としてどうなのか、ホントに首ひねる。
ワチャワチャ賑やかな感じは良い所だけど
©2012, 2020 SANRIO CO., LTD.SHOWBYROCK!!製作委員会M pic.twitter.com/bLAQPcGqnE

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

例えばスムーズに会場には付いてしまって、ララリンと対話して自分たちのスタイルを判ってもらうとか、判り合えないことを確認した上でステージを見てもらうとか。
クライマックスの作り方は、色々あったと思う。
いつものドタバタにしたのは、ぶつかり合いの重さを最後に持ってきたくなかったからか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

しかしそれなら、『ガチ主義まっしぐらのララリン、最初から出さなきゃ良いじゃん』って話でもある。
新アプリとサンリオの看板背負っている以上、出さないわけにもいかなかったというのなら、そのキャラクターを活かし、一人で吹き上がって納得する空回り以上の見せ方を、してあげて欲しかったかな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

”プラットフォーム”は物語の蓄積を生かした（あるいは、第10話が曲想から逆算された話だった）、非常にいい曲であった。
それはましゅまい一つの到達点であり、この曲を歌うために12話の物語があった。それは多分間違いない。
©2012, 2020 SANRIO CO., LTD.SHOWBYROCK!!製作委員会M pic.twitter.com/sVXa05iqCv

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

のだが、それをモニター越しに見てある程度の納得を見せ、直接ましゅまいとは交流しない2バンドの在り方が、まぁこのアニメだなぁ、とも思う。
そこを突破して直接触れ合うほどの熱量を、具体的エピソードとしてやってないんだから。
この距離感もまた、間違いはないのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

でもそれってもったいないじゃん、とは思う。
同時にそこに踏み込まなかったから、第6話と第10話のマニアックな解像度、溢れる詩情があるとも思う。
難しいところだが、ましゅまいが音楽をナメていない事実がより説得力を持つよう、もうちょい話を練って欲しかった気持ちはある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

”プラットフォーム”が、第8話でララリンから投げられた問への答え、”メッセージ”たり得ているかというのは、とても悩ましい。
作中でララリンは納得しているけども、それがどういう所から生まれてきたかは（他の全てが基本そうであるように）、視聴者に『判ってもらう』作りだったと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

そういう歩み寄りはとても大事で、ある程度以上共感を期待し、作品に前のめりになっってもらえるという信頼は大事だ。
俺はララリン好きなんで、『彼女はこういう存在じゃないかな～』と色々妄想してギブスをハメたけども。
主役に対置されるライバルとして立たせるには、割り振られた尺は少なすぎる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

とにかくましゅまい（もっと言えばほわヒメ）に寄せたアンバランスがこのアニメの強さであり、弱さだと思う。
それは音楽テーマの作品としてバイタルパートを結構損なっていると僕は感じるし、群像劇としても上手くはないと思う。
同時に視線や仕草一つ一つを執拗に追い、語らず感じさせる演出は好きだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

まぁ可愛い女の子が分厚い感情を交換してりゃ、それで満足できてしまう即物的な視聴者だから、こういう評価になるのかもしれんが。
でもその関係性をより美味しくいただくためにも、”外”にもうちょい描画リソースを割いても良かったんじゃないか、とは思う。難しいね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

フェスに出ても、ましゅまいの生活は大きく変わらない。
いつものファーストフード店に腰を下ろし、『ライブがしたい！　バンドが楽しい！』という衝動に突き動かされて進む。
そう思える仲間と出会えたことが、一つの奇跡だから。
©2012, 2020 SANRIO CO., LTD.SHOWBYROCK!!製作委員会M pic.twitter.com/Fmt782QZPb

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

んじゃあヒメコが鎧を外し、ましゅまいが真実”バンド”になった第6話以降の後ろ半分で、手に入れたものはなんなのか。
そういう疑問も湧いてくるが、ともあれ物語はひとまずの幕である。
今後も気楽に楽しく、ましゅまいのバンドライフは続く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

そこにティーンの少女なりの真剣さ、それ以外見えないシリアスが宿っていることは、ここまでの運びで判る。
だからそれが”間違い”だとは言えないし、そう言いたいほど僕はこのアニメ嫌いではない。
作中のキャラクターが受け取る空気の震え、そこに貴方がいる実在感は、異常な精度で描けていたと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

その解像度を活かして、もうちょい大きい絵を描いてほしいという期待が、制作陣が描きたいビジョンとズレたのかなぁ、とも思う。
異質な価値観の他者がいることとか、楽しいを形にし共有させてくれる音楽への敬意とか、僕はもうちょい鮮明な形で描いて欲しかったかな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日

などと、最後に愚痴っぽくなってしまったけども。
明るく楽しい、コミカルな雰囲気。少女たちが触れ合う瞬間の、細密な解像度。
強い所も沢山あるアニメでした。
より人数が増えるスターズがどうなるか、期待と不安を懐きつつ。
お疲れさま、楽しかったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月31日