ヒーリングっど♥プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
やってもやっても上手く行かない。他人の出来ることが出来ない。
ちゆの失敗体験が、終わりのない”お手当”に伸びる。
ボソリと呟いた『プリキュア辞めるかも…』の言葉に、できることはあるのか?
一方すこやか市上空には、見えざる脅威が迫っていた…。
というわけで二ヶ月ぶり(いやー…長かった…)のプリキュア、ある意味恒例の『プリキュア辞める!』回…なんだが、非常にヒープリらしい仕上りになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
超劇的なイベントが有るわけでなし、激しすぎる衝突があるわけでなし。
何となく、でも根深い挫折感が少女の足を止めて、未来が見えなくなる。
ビョーゲンズとの闘いが日常に及ぼす影響含めて、ヒープリは歴代でも有数のリアリティレベルの高さだと思うけども、そこらへんはキャラの抱える悩み、それを乗り越える歩みの描写にもかかってるなぁ、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
学習性無力感…とまでは行ってないかもしれないけど、まぁ身につまされるしんどさだった
だからこそ、ひなたの悩みが表に出る様子、それをのどかとちゆが受けて変えていく姿が、あるべき理想として胸に迫るのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
プリキュアはいつでも『こうなって欲しいね』という祈りを絵空事に乗せていると思うが、ヒープリはその刺し方が凄くクリティカルというか…生っぽい。そこが好き。
さて、ポロリと躍り出た『プリキュア辞めるかも…』からお話はスタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
『重い決意が空気悪くするかも…』とかは考えず、ひなたは思いの丈を素直に言葉にしていく。『思ったことをすぐ言う』というキャラ性が、ここでは悩みの共有に繋がっていく。
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ひなたが”普通”とは違う自分に常に思い悩み、だからこそ”普通”をよく見てそこに追いつこうともがいている姿は、これまでも描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
それは家庭での経験、幼少期の失敗にその一端があって、”デキる”家族に囲まれればこそ、”デキない”自分の異物感と挫折感があったのだと思う。
人とは違う自分に自信が持てず、だから成功への確信がなかなか持てない。それが失敗への懸念を強くして、不安を増幅させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
一進一退の過酷な”お手当”に、未来があるのかないのか。
悩める少女の思いは、ベットに横たわった姿勢そのままに、構えず重たい。
アスリートとして挫折感と達成感のバランスをどう取るか、経験値と知恵が強いちゆが即座に理解を示し、ひなたの曖昧な諦観を否定しないのが、彼女らしいなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
正しさブン回すのではなく、理解が難しい他人の事情を自分に引き寄せ、”視る”懐の広さは、のどかと付き合うようになって手に入れたかな?
アニマルズも良く出来た少年兵なので、『終わりのない死闘は、強要するもんじゃねぇよ…』とひなたの決断を尊重するし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
至らぬところも沢山あるけども、ヒープリの子らはかなり人格が発達してる感じがある。生っぽく、長所と短所が繋がって凸凹している、というか。
ひなたも思いつめてすぐ辞める! というわけではなく、漠然とした不安、それを生み出す自分の体験を共有し、気にかけてくれるニャトランに頬を寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
”普通”をセンシングするのが難しい資質を持っていても、他者の思いやりに共感・反応する能力は高いのよね…そこが好き
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しかし思いを顕にし、受け止めてもらっても不安は簡単には消えないし、ビョーゲンズと闘う現実的な難しさが消えるわけでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
非常に曖昧で、でも生っぽいものと今回、プリキュアは闘っていくことになる。
愛があっても、難しいものは難しい。でも、それは確かな武器になるのだ。
さて一方、新しいお友達が加入したビョーゲンズ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
キングビョーゲン様大好き女がスゲェ”圧”かけてきたり、体育会系のパイセンが先輩風ビュービュー吹かしてくるのを、バテテモーダくんは揉み手で乗りこなしていく。
パワー主義さえ飲めれば、一番付き合いやすそうよね…。
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今回のドローンビョーゲンズ、ステルスとEMPを駆使して生活基盤を地道に破壊する、非常に厄介な敵だったけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
グアイワルが”敵”たる人類の文化・文明を研究してたら、電力インフラを集中的に潰せるヤバい敵だったと思う。
しかし、彼はそうしない。
勿論、朝アニメでそういう身も蓋もない破壊工作をやるのは、ジャンルが違うってのもあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
”死”を前提に存在するビョーゲンズにとって、”生”を前提にする地球生命は本当に異質で、理解が難しいから研究しない、ってのもあると思った。
相互理解のチャンネルが少ない、というか。
破壊しようとしている”敵”がどういう存在で、何を価値としているか。『敵を知り己を知れば百戦殆うからず』という所に、エイリアンはたどり着かない。ビョーゲンズは”菊と刀”を書かないわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
ここら辺のコミュニケーション不全を、今後どう使うかは楽しみ。彼等なりの社会性と目的はあるわけでね
さて、人類の方のコミュニケーションがどんな感じかというと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
ジュース作りに挑んでみても、『お姉の味には届かないんだよ!』と、優秀な姉と比べてしまうひなた。
前髪ピンピンな静電気攻撃に振り回されつつ、見えざる敵を探して右往左往である。
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かっこよくお姉を助ける立場になりたくても、帯電した扉が邪魔をする。ガラス越しに見えているのは、なりたいけどもなれない自分のイメージでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
それに追いつこうと色々やったけども、なかなか結果は出てくれなくて。そんな失敗体験が、ひなたの歩みを留めてしまう。
そこに目を向けて、心に届く言葉を紡ぐのが、ヒープリ主人公の資質である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
違ったけど、美味しかった。挑んだことは、無駄なんかじゃない。
のどかの言葉は、ひなたの頭を覆っていた霧に、別の見方を与えていく。
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無力感に苛まれつつも、それでも挑むことを辞められない友達の悩みをしっかり”見て”、必要な言葉の処方箋を適切に語れる真摯さが、とても眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
ここでのどかは、挫折の裏にあった挑戦の意味と意志を、それを見落としてるひなた当人に手渡ししているのだと思う。
視界を埋め尽くす思い込み…というには、切実で重たいものを別角度から見て、別の歩み方をするヒントを、他人だからこそ出せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
のどかの強さは、やっぱりそこにあるのだろう。
これを足場に、ひなたと視線が合う所まで駆け上がったニャトランが、あんだけ恥ずかしがっていた生デコを隠さないのが…。
『やっぱこの小児獣、全員”人間”だな…』って感じだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
新しい視座と、自分を求めてくれる絆を確認したひなたは、『ミーハーで情報メディアに強い』という特質を生かして、見えない敵を目撃情報であぶり出しにしていく。
仲間の思いが、ひなた本来の強みを思いださせたわけだ。
かくして敵の影を掴んだプリキュアは、高速移動と電撃を駆使する強敵を、なんとか討ち果たす。社会攻撃型のくせに、肉弾戦もつえーってズルくね?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
フォンテーヌが凍らして動きを止め、グレースの盾をジャンプ台にスパークルがキメる。コンビネーションも堂に入ってきた。
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漠然とした無力感と闘うエピソードだったので、『何をしても無駄だ』と煽ってくるグアイワルさんは良い悪役だな、と思うけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
敗北も新人教育と取り繕うパイセンに、笑顔で応えるバテテモーダ後輩。でも見た目通りの信頼関係では、絶対ないよなぁ…。敵さんのドラマも、ちょっと面白くなってきたね
誰にも言えない秘密の闘いだけど、ひなたは憧れのお姉を救出できた。自分にしか出来ないこと、自分だからこそ出来たことが、一つ生まれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
それは『どうせダメ』と諦めず、色々やってみた結果である。そう思えるよう、見守り励ましてくれる友のおかげでもある。
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徒労と無力感が学習されるように、成功の喜び、自分への信頼、可能性への期待もまた、心に刻むことができる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
ビョーゲンズとの闘いが、次も勝利に終わる保証はどこにもない。でも、何もかもが無駄だと言い切ってしまうには、世界は可能性に満ちている。
そのことを、今回ひなたは学び取った。
友達がそういう一歩を踏み出せるように、彼女の資質に理解を伸ばし、届く言葉と確かな行動で背中を支えてあげた、仲間たち含めて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
すごく身近で漠然としたものに、どういう処方箋を出せばいいか、ゆったりとした…しかし確かな筆致で描くエピソードだったと思います。
僕は今回の話、あんま騒々しくないところが好きでして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
ひなたの挫折感って、今すぐにじゃないけどもだからこそ根深い諦観に、密接に繋がっている。
多分、この話を見ている子供(と、かつて子供であった全ての存在)が他人事ではない、対処の難しい毒だと思うのです。
それに対するのどか達の対応も、またあまり派手なものではなく…しかし誠実で賢く、優しいもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
誰でも出来るはずなのに、とても難しい。でもやったほうが、絶対に世界も自分も他人も良くなるような解決で、少女の小さな…でも重たい傷に一つ、”お手当”をする。
凄くヒープリらしいな、と思いました
正直二ヶ月間が開いて、このお葉無しとどう向き合っていたか、熱量とか角度みたいなものを忘れていた部分もありましたが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
”らしさ”が存分に出たエピソードで再開してくれたおかげで、そこら辺の調整が上手く出来た感じもあります。
俺、やっぱこのプリキュア好きだなぁ…再開してよかった。
今回の奮戦で、ひなたの『上手く行かないことばっかりだった』過去に、『頑張ったら上手く行った、報われた』という楔が打ち込まれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月1日
それが少女をどう変えていくか。その変化が、世界をどう変えていくか。
今後も積み重なるだろう物語に、期待が強まる回でした。来週も楽しみ!