イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~

話数単位で選ぶ 2016年TVアニメ10選

今年も10選企画、参加させていただきます。元締めは新米小僧の見習日記さんであります。 ・ルール・2016年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。・1作品につき上限1話。・順位は付けない。なお、放送日順です。 Go! プリンセ…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第24話『君はまだ歌えるか』感想

正義の味方を目指して一つの時代を駆け抜けた少年の物語、ついに最終話です。これまでの要素をこれまでかと積み上げて一気にまとめ上げる、パワー勝負なのにテクニカルな最終話で、満足感と寂寥感が同時にこみ上げてくる、いい終わりだったと思います。戦後…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第23話『怪獣と処女(おとめ)』感想

青くて重たい夜が僕達の上に降り積もって、道を一つに狭めていくアニメ、今週は角笛が鳴る時。マスターウルティマが殺され、笑美と妖怪軍団が反旗を翻し、爾郎の過去と孫竹の真意が明らかになり、人間以外を繁栄の生け贄にする計画が勢いを増し、機械の命た…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第22話『巨神たちの時代』感想

生きることの罪が世界を炎に巻き込む原罪の哀歌、今週は人吉爾郎の罪と罰、そしてその先。電子化され量産化されたクロードにより暴走した『正義』が都心の真ん中で破裂し、すさまじいテロルが吹き荒れる中、その被害を食い止めたのもまた組織の垣根を超えた…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第21話『鋼鉄の鬼』感想

●はじめに曖昧で自由な正義と、果断で苛烈な不正義が街を貫くアニメーション、今週は終わりの始まり。ゲスト脚本なんか交えつつ超人の様々な形を描いてきたこれまでの二期エピソードとは違い、帝告顧問・里見が不気味な動きを始め、人間を超人にも神にも悪魔…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第20話『終わりなき戦い』感想

虚淵玄をゲスト脚本に迎えてお送りする今週のコンレボは、緑の地獄、コンクリートの地獄。PTSDに苛まれるベトナム帰還サイボーグ兵を巡って、神話なき理性の怪物と、幼い正義にしがみつく青年が傷つけ合うお話でした。會川脚本のノスタルジーとも、中島脚本…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第19話『推参なり鐵仮面』感想

羅針盤無き相対性の時代を生きる、泥まみれのヒロイック・エピック、今週は勧善懲悪神話批判。室町時代からやってきたチョロい怪傑狛犬丸が、悪い総理にたぶらかされて右往左往……ってところから始まって、展開がいろいろ転がるお話でした。物語ジャンルを超…

コンクリートレボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第18話『セイタカアワダチソウ』感想

百億の顔をした正義と暴力が衝突し生まれる新世紀、今週はニンゲンマンのいるところ。半径5mの幸せを守ろうとあがくサラリーマン超人を中心に、神化47年の超人たちが一堂に会し、各々の正義をぶつけ合うお話でした。二期になってから安定しているように見え…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第17話『デビラとデビロ』感想

人間と超人の間で蠢く幽きエゴイズムのお話、二度目の辻先生脚本になる今回はそういう小さいお話をブッちぎったスケールの大きい話でした。第9話でも『超人のスケールを超えた超・超人』そして『家族』を描いてきた辻先生でしたが、今回は永遠に伸びる『時間…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第16話『花咲く町に君の名を呼ぶ』感想

コンクリートの森の中で人間が人間の定義を探すアーバンアクションアニメ、今週は日の丸飛行隊と失われたカムイ。"大江戸ロケット"の中島かずきを脚本に迎え、普段のサツバツテイストを少し緩めたお話が展開していました。作中で一人の死人も出ない話は久々…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第15話『宇宙を臨むもの』感想

正義と自由と平和について仮想的思弁を巡らせるヒーローアクションアニメ、今週は壊れた歌と消えた愛のお話。第一期では度々里見顧問の手先として超人課に立ちふさがったエンジェルスターズも、時代の流れの中で生き方を変え、爾郎と同じように故郷に背中を…

コンクリートレボルティオ ~超人幻想~ THE LAST SONG:第14話『十一月の超人達』感想

もう一つの歴史を辿った昭和を舞台に、正義と英雄にまつわるオペラを組み上げていくアニメーション、堂々の帰還。一期までは爾郎が超人課を離れる『ゼロ・アワー』を中間点に『過去編』と『未来編』を行き来していたのですが、今回は時間軸的には両方『未来…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第13話『新宿擾乱』感想

第2クールは決定したし、落ち着かせる方向でクールを〆る……とでも思ったか!これまで出演した超人と人間総ざらいでお送りする、運命の結節点新宿を舞台にしたメタフィジカルオペラ、一応の最終章です。混乱が加速すると同時に、既に見せられた未来に繋がるピ…

・コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第12話『八高超人墜落事件』

自由が正義と対立し、平和を求めれば不正義が必要とされる世界のヒロイック・サーガ、混迷深まるクライマックス直前であります。 仮面の剣士クロードの暗躍により輝子はトチ狂い、爾郎先輩は空白のオリジンに思い悩み、純白の無垢をいくら求めても世界は薄暗…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第11話『正義/自由/平和』感想

二期制作も発表となった擬昭和ヒーロー史、今週は新キャラたくさん登場の新展開。スカルマンとハカイダーとメカゴジラの合いの子っぽい怪剣クロードが己の拠り所をといつつ大暴れし、久々の出番となった帝告が事件の裏で糸をひく。輝子の意外な側面が明らか…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第10話『運命の幻影』感想

超人という夢と呪いが瞬いては消えていく星屑銀河物語、今週はスーパージャガーこと芳村兵馬の物語。時の河を行き来し自分の肉体すら切り貼りして超人に拘った男は、一体どのような始末を夢と過去につけるのか。三人のジャガーが織りなす時間の物語は、時間S…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第9話『果てしなき家族の果て』感想

無邪気なる新進の幻影を追いかける者達の挽歌、今回は初の會川昇以外の脚本家が登板する回。それがよりにもよって辻真先ってんだから、昭和のフィクション史を遡っていくこのアニメにはピッタリよねっていう。このアニメがオマージュしパロディしているオリ…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第8話『天弓ナイトをだれもしらない』感想

正義は正義の味方に味方しないアニメ、八回目はどこの誰だか知らないけれど誰もがみんな知っている男のお話。死せる英雄に憧れた男たちの空回りを描くことで、不在の天弓ナイトの謎を整理していくお話でした。爾郎のアイデンティティを考えると、おそらく天…

コンクリート・レボルティオ ~超人幻想~:第7話『星も空も越えていこう』感想

残忍無垢なるヒーロー・ヒストリー・チャネル、七話目はサイエンス・クライスト・スーパースター。あまりにも純粋な正義装置が取りこぼす嘘と弱さ、絶対に憧れる裏切り者の空を見上げる視線、機械ですら夢を見る魔界の果実。世知辛い世の中の一服の清涼剤と…

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~:第6話『やつらはいつでも笑ってる』感想

もう一つの昭和史を行ったり来たりしながら、フィクションと現実の昭和史を総括するアニメ、六話目はスターダストボーイズの哀しみ。これまで凄惨な陰謀を繰り広げ、謀ったり潰したり、騙したり殺したりしてきたサツバツアニメですが、今週は音楽とコントで…

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~:第5話『日本『怪獣』史 後編』感想

巨大な空白、もしくは幻想としての怪獣をめぐるエピソード、その後編。学生運動やブロークンアローなど、現在にまで残響する過去のネタを拾い上げつつ、超人課のハラワタを思う存分ぶちまける回となりました。『敵』として出て来たメディアの偉い人も、けし…

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~:第4話『日本『怪獣』史 前編』感想

凶猛なる回顧を異様な形式で振り回すスタンピードアニメ、四話目のネタは『怪獣』。戦後日本の様々な歪みを背負って、気付けば海外で二度目のリメイクをされるまでになった『怪獣』という存在に切れ込んでいく前編でした。同時に主人公やヒロインのオリジン…

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~:第3話『鉄骨のひと』感想

過ぎ去った時代へのノスタルジアが凶暴に加速するアニメ、三話目はフルメタル・ラブ・ロマンス。己を『正義の人間』と定義するロボット刑事・柴が出会った、美しき戦争の遺物。去来する思いは自然な愛なのか、はたまた約束されたプログラムか。感情の暴走を…

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~:第2話『『黒い霧』の中で』感想

もう一つの昭和、もう一つの世界を舞台にしたノスタルジアと正義の終わりの物語、第二話。『過去編』と『未来編』を行ったり来たりしつつ、『昔はよかった』と思い返される昔が本当に良かったのか、問いを投げかけるお話でした。紹介編的な意味合いが強かっ…

コンクリート・レボルティオ~超人幻想~:第1話『東京の魔女』感想

様々なオリジンと能力を持った『超人』が闊歩する架空の東京を舞台に、もはや戦後ではない時代の大活劇……という感じの、ノスタルジック・レトロフューチャー英雄譚。會川昇の趣味と悪趣味大暴走という感じで、神化41年と神化46年を行ったり来たりする構成、…