イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ぱにぽに 17

氷川へきるスクウェア・エニックス。へっきー先生のやる気ない系ギャグマンガ、最終巻。僕はこの漫画、ずーっと続くと思ってたんですね。いろいろあるけどみんな変わらずに延々学生を続けて、ベッキーは可愛くて、やる気はない。そんな時間が永遠に続くと思ってたんです。でもま、それはそうあって欲しいという僕の願いでしかなく、つまるところ最終巻であります。
最終回の話を聞いてしばらく立ちますが(つうか、手で触れて読めるマテリアルとして眼前にありますが)、今でもショックは抜けきっていない感じです。へっきー先生も折り返しで言ってるように、思い返せば唐突にベッキー周りの伏線と設定が回収され、終わりに向かって順調に進んでいたのです。
そこで察して覚悟しておけばよかったのですが、相変わらずベッキーは可愛く、姫子はバカで、みんないい奴で、「ちくしょー、ぱにぽにで笑っちまったよ」と悔しがる演技を一巻に三回は出来る緩い笑いと、台なし芸として完成されたやる気のなさと、ともかく僕がぱにぽにに求めていた不変なものは揺るがなかったので、対ショック姿勢を取りそこねました。
そんな僕の感慨とは一切関係なく、へっきー先生は相変わらずぐだぐだとダラダラと桃月の時間を紡いで、「最終話」という認識を登場人物が持ってる話が七話くらい続きました。その、相変わらずのメタ視線と、完成された好き勝手さと、いつも通りな面々と、それでも漂う終わりの叙情に、僕は「ああ終わるんだな」ということを少し納得しました。
正直な所を言えば、終わって欲しくない。このやる気ない世界が僕はとても好きで、途中「んー」って思う所があったこともひっくるめて、広大な萌え系日常マンガの中で異彩を放つシニカルでポップなこの漫画に、特別な思いを抱いています。
まぁ桃月ワールドは氷川へきるが漫画家を続ける限り、物語として生成されていくのでしょうし、そこまで哀しむものではないのかもしれません。なによりも、「物語は終わるためにある」とつねづね思っている僕自身の認識からして、とても好きなこの漫画が終わったことを、祝福したほうがいいのでしょう。
最後に言えるのは、やっぱりベッキーは漫画界一可愛いこども先生であるということです。ごちゃごちゃ言いつつも、温泉で湯だった姫子をパタパタしてあげてるあたり、まじヤバイ。あと今回は(も?)最悪なギャグが切れてた。ヤンガンが青年誌であることを利用したバイオレンスネタとか。やっぱ、いい漫画だった。お疲れ様、ありがとう、そしてさようなら。