イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

百姓貴族 2

荒川弘新書館。牛先生の酪農エッセイ漫画の二巻目。サンデーらしからぬサンデー漫画、「銀の匙」でもバリバリ言わせてる弘先生、ストーリーを展開させる必要のない気楽さからか、銀匙よりもバラエティ重視というか、ゆるーく展開している。その肩の力の抜け加減がなかなか宜しく、気楽に読める素敵な漫画である。
無論お気楽なだけではなくて、家族ネタあり、トリビアあり、無茶苦茶な北の大地ネタあり、バランスよくいろんな要素が配置されていて、各話表情豊かに出来上がっている。ココらへんの引き出しの豊かさというのは確実に強みで、マンネリ感を巧妙にぶっ殺していて、勢いのある漫画を読んでる時、タマーにポコッっと脳裏に浮かぶ「あ、この漫画これ以上面白くならんな」という嫌な感じを覚えない。
それはつまりパワーがあるということで、鋼であれだけの超弩級ホームランを飛ばしてなお、息切れなしない荒川弘の漫画力の高さを強く感じる。一次産業の土臭さを上手く覆い隠して、漫画として成立させてる手腕といい、やっぱ牛先生は豪腕だと思う。その上で巧妙さ以上の勢いが筆に乗っているのは、自分のオリジンをテーマにしているせいだろうか。いい漫画だ。