イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

おおきく振りかぶって 19

ひぐちアサ講談社。ブッチギリ青春野球漫画、19巻目。20巻目前にして、ようやく夏が終わった感じのある巻でした。榛名がズッタボロのボロッカスに打ち崩されて武蔵野第一がコールド負けし、榛名と阿部くんの因縁が解消され、合宿がつつがなく進行してメンタルとテクニックが向上し、水谷がなんか甘酸っぱい恋愛ムーブを見せ、西広先生が初アウト&初ヒット。おまけに甲子園にまで入っちゃって、嬉しい盛り沢山展開。
武蔵野の負けはまぁ必然というか、一枚看板が崩れる無残さと、策のない壁キャッチャーがどういう負けを引きこむかを丁寧に描いた残忍な試合だったと思います。武蔵野は三年のメンタルでチームを維持してきた感じがあるので、春以降巻き直せるか少し心配。単純に、「基本のキホン!」が好きなのかもしれないなぁ。一年経っていい野球選手になってたカグヤンと大河を、もう少し見てたかったのかも。
合宿はほんとに色々あった。阿部くんと三橋はじわじわコミュニケーション出来るようになってて、「何か」が起きそうな予感がヒシヒシする。阿部くんがキャッチに復帰する瞬間がとても楽しみでワクワクするというのは、作中人物と読者の心がひとつになっているということなので、野球漫画(部活漫画?)としては非常に良い状態だと思います。三橋の「大きく振りかぶった」球、早く見たいよ。(この状況になるまで、19巻かかってんのか)
合宿はバッテリー以外の西浦メンバーにも光が当たっていて、野心が出てきた”脱・初心者”西広先生や、投手の細かい分析指導までやれる(さらにいうと、飲み込みきれないと見るや言わないでいることも出来る)ことが判明したモモカンなど、見所満載。全体的にモチベーションが高く、感情の処理も健全にできてるチームで、ほぼ唯一高校生らしくグダグダする水谷はオイシい位置だと思う。
甲子園訪問描写は、なんというかキラキラ感が非常によく出ていて、この漫画の強いところがモロに出たな、と感じました。あの話にみっしり詰まった「夏感」はやっぱり高校野球を舞台にする以上絶対必要なもので、そこが強いからこそネオ・スタンダードの地位を得たのだ、と再確認。さて、心に甲子園を刻んだ西浦ナインはここからどう進んでいくのか。すっげぇ楽しみ。