イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

少女ファイト 9

日本橋ヨヲコ講談社。かな〜り時間が開いた、青春バリボ漫画の九巻目。なんかおまけのバッグ関係で色々あったらしく、刊行ペースが結構ずれたこの漫画。ウッカリ色々忘れていたので、頭から読み返して新刊に望んだりしたら、かなり丁寧に伏線を張っては回収していて、今まで気づいていなかった魅力を再確認したりした。
今回は各キャラクターまんべんなくフォーカスがあたり、オリジンの掘り下げもあり、試合もあり、非常にゴージャスな内容。一番のイベントはあれだけ狂犬オーラを垂れ流しにしていた隆子に、ついにデレ期がやってきたことでしょうか。青い手帳もすげーひょっこり過去に出てて、満を持して出してきた展開という感じ。隆子のオリジンである冒頭のエピソードは、ギラギラしててよかったなぁ。
白雲山は監督がしっかりしているのと、トスの巧い日置さんが隆子の背後を支えそうな所が、なかなか強豪の資質を備えていると思います。この漫画がスポーツ漫画として巧いのは、弱点とその補填、その結果としての強化を説得力を持ってスムーズに書けているところです。キャラに魅力があるからか、少ないページ数で場面を切り返しても、結構飲み込めてしまうのも便利かな。
他にも志乃のリベロ転向、相変わらずうざ人格者で和む桃園の面々、藤真とのガチンコ勝負、小田切の覚醒、そして最後の怪物、雨宮の登場と、見所盛りだくさん。志乃に関しては、いまいち影の薄い蜂谷先輩が徹底的にフォローしてくれていて、ハチシノキてるわーって思った。誰かがヘコむと、即座に誰かが出っ張って状況を平らにする安定感は、この漫画の非常にいいところだと思う。あと、朱雀の寺沼さんがガチヤンキーでビックリ。
VS藤真は短いながらも、試合としての緊張感があり、キャプテンの過去との完全な決着が付く重要なエピソードになったと思います。小田切が潰れるのはとても大事で、スポーツ漫画の中で読者の窓になる「超初心者」という役割と、アスリートというリアリティとの摩擦を解消するためには、ここで折って繋ぎ直さないといけない。
巻末の次巻煽りでも書かれていましたが、九巻かけてようやくスポーツ漫画としての状況が整った感があります。今回お目見えとなる雨宮さんもお前はハニバル・レクターか、といいたくなるような策謀と狂気を持っていて、十全にキャラ立ちしております。あの部屋はやりすぎ。何であの世界の女、あんなに練の事好きなの!