イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

あまんちゅ! 5

天野こずえマッグガーデン。産休明けの天野先生による、ダイビング青春日記の五巻目。今回は夏休み後半戦、合宿したり不思議な目にあったりしつつ、伊東の小娘どもは今日も青春しております。巻頭一発目の二十五話「まっくら世界」がホラーともファンタジーとも付かない、なかなか不思議な味の短編で味わい深い。リフレインするコマ割で緊張感を出すのが上手で、なかなか技巧的な短編だったと思います。
そんなアクセントをはさみつつ、本命である青春群像劇は相変わらずの濃度で突っ走っています。てこのネガティブさを安易に解消させないのが、この漫画独特のじっくりとしたテンポを生んでいるわけですが、キャラクター性を保持しつつも、すこしずつ前向きに進んでいるのは健全でいいと思います。作中人物を破綻させないぎりぎりの速度での前進、というか。天野先生は、自分が想像したキャラが好きなんだなぁ、と感じます。
自分が想像したキャラの腰と尻もな。相変わらずフェティッシュに満ちた作画満載で、そっちの面でも眼福でした。P95の二宮姉のラインとか、P99の尻作画とか、ほんま天野センセイ心にぶっといの生えとるわぁ……という感じ。あと相変わらずてことぴかりはあぶねー距離感してんなぁ、と思うシーンが多数。あぶねー、というのは病的だとか傷つけあうとかいう意味ではなくて、崖っぷちというか、軽く押されればコロンところがって落ちちゃいそうな間合い、という意味です。そこで落ちないから、天野こずえは作家なんだろうなぁ。ジャンルに関して、作品に関して、人間関係に関して「間合い」の感覚があるんだな。