佐々木健×谷将貴、小学館。ビッグマウス系ゴルフ漫画の十七巻目。まだまだキャディー編が続きますが、今回敵さんチーム二人のオリジンがくっきり見え、詰めの形がわかってきた感じです。キャディーの重圧を乗り越え、選手のトラウマを飲み込んで、ようやく「二人で打つ」という理想形に辿り着きつつある主人公チーム。一方、精密機械じみていたキャディーと、それに操縦されてきた選手には波乱の予兆が、という展開。
メンタルゲームとしてのゴルフをしつこく、丁寧に描くのがこの漫画の独特なところ。主人公チームはその苦闘を乗り越えて久々に大口叩く所まで来ましたが、敵さんは見事に食い殺されています。亜美のために用意されてた分厚いトラウマ描写が、そのまま知里に跳ね返る所は無駄がなくていい。スポーツバトルとしての説得力が生まれています。
もともと蒼甫のパワーアップ修行としてはじまったキャディー編でしたが、亜美のキャラは立つし、キャディーと選手の関係という新しい角度からゴルフを掘り下げることも出来たし、なかなか面白い試みだったと思います。ここでタメた説得力を、どんなコースで発揮するのか。今後にも期待がもてます。
