イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ラブライブ! TV版一期感想

劇場版感想と関連する、TV番の感想をMixi日記からサルベージしてまとめてみました。

何分二年以上前の感想なので今とは色々違いますが、当時はこういうことを考えていたんだなぁと見返すための、半分自分用の日記であります。

 

ラブライブ!:一期第一話『叶え!私たちの夢――』

今季のアイドルアニメ、多分三番目。
リアルでアイドル戦国時代なのを受けてか、アイドルアニメ多いなぁ。

公野櫻子に魂を惹かれている存在としては、気になりつつも後乗りで追っかけるタイミングがなかったコンテンツで、アニメで放送されるのはありがたい限り。
同時期の0048がSFとバトルを混ぜて勝負してきたのに対し、完全フィクションなラブライブは学園生活+アイドルで王道直球勝負な対比が面白い。
まぁ「セイガクでアイドルしたいなら、アイドル部がメッチャ流行ってる設定にすればいいじゃない」というぶっ飛んだ発想は、ゴッドにしか浮かばないとは思う。

テンポ良く背景世界とキャラ紹介をしつつ、それぞれのキャラ立てもうまく見せる展開で、濃厚な一話だったと思う。
ウミちゃんの妄想シーンは、スタッフの狙い通り非常に気に入りました。
主人公がアイドル部設立のためいろんな子に粉をかけていく展開は、七人の侍的でいいなぁと思った。
エリーチカさんはいつ陥落するのだろうかウフフ。

女の子たちはみんな可愛くて、西田亜沙子エンジン全開だった。
「ティーンの下半身を書きたい特に太もも」というリビドーがムンムンしてて、非常にほっこりした。
主人公であるほのかちゃんの表情がくるくる変わるところとか、ポップでいいスね。


今までの展開でもそうなのかは判らんけども、リアルアイドルを相当研究したな、という感想も持った。
主人公サイドは如何にも今の国産主流(ぶっちゃけAKB)っぽい衣装とダンスに仕上げつつ、ライバルはK-POPぽい音にするところとか、分かりやすくて良かった。
あと急に歌うところね。音楽ものなら急に歌わないとイカン!

 

ラブライブ:一期第二話『アイドルをはじめよう!』

わりとゆっくり展開する感じなのね。 

即落ちが懸念されたエリーチカ会長はまだツンツンを維持していたが、真姫ちゃんが速攻オチた。
一晩で作曲・演奏・曲入れまでやってくれる真姫ちゃんは才能の塊。

んでミューズは地道な体力稼ぎ。
巨大な樅の木くらい伐採できないと、アイドルは出来ないってアイカツで言ってた。
文法的には部活系スポコンに近い感じなので、次回の文化祭が成功するか失敗するか読めねー。
どっちに行っても面白そうな気配はする。

 

ラブライブ!:一期第三話『ファーストライブ』

えりー
「私は他人を顧みない優等生よりも、お前らの方が好きだ。
しかし今日のお前ら最低だ!
それはアイドルをなめてるからだ。
よく考えて見ろ、ARISEも同じ高校生だ。
同じ歳、同じ背丈、顔だってそう変わらんだろ!
それがどうして、客がゼロなんてことになるんだ。
お前らゼロか、ゼロなアイドルなのか!
悔しくないのか!!
南ッ!
園田ッ!!
高坂ッッ!!」
ほのか
「……ッ悔しいです!
初めてだし客来ないのが当たり前だと思ってたけど、にやついて誤魔化したけど、いまは悔しいです!
チキショー!!!」


みたいなハッパをエリーチカ会長がかけるまでもなく、無論「ヒーロー」が流れることもなく、穂乃香ちゃんが主人公力を存分に発揮し、観客一人(+見えないところに五人)からのスタートを切りました。
いやー、王道ながらやはり、ゼロからのスタートは燃える。
完全にゼロではなく、花陽が来てくれたという救いからはじまるのが、さらに好きです。

個人的に好きなのは、客が0人と1人の違いを明確に描いたことで、ステージアクターとして必要な、「客のために歌う」という気概を持っていることを、明確にしてくれた所。
あの時穂乃香は強がっていたけど、実際折れかかっていて、もし花陽がいなかったらステージを降りてたかもしれません。
でも、一人でも客がいるなら歌う事ができる子なんだな、ということが凄く伝わってきた。
良い演出や。

あと、穂乃香がすべての起点と推進力になることを徹底して、ユニット内での役割分担が明確なのも、分かりやすくていい。
調子に乗ったら海未ちゃんが〆てくれるし、脇は小鳥ちゃんが担当してくれる。
チームものとしての「型」が既にしっかりしていて、見ていて安定感があります。

他にも音響の子が凄く集中してて会長が入ってきた時気づかないところとか、海未ちゃんがあざといところとか、真姫ちゃんがあざといところとか、いいところ沢山ありましたね。
真姫ちゃんはこう、オスにデレること前提で養殖されたツンデレではなく、超ストロングスタイルな素直になれなけどいい子型ツンデレで、なかなか高い戦闘能力を持っていると思います。

しかし歌と踊りは仕上がってんなぁ。
アクティングの向上ではお話を造らず、他のメンバーが加入していく過程で盛り上がらせる感じなのかしらん。
次回予告を見るに、一年チームからかな?
花陽はいい子なので、早くミューズと絡んで俺をホッコリさせてほしいものよ。
まぁみんないい子だけどさ!

追記
ニコ動配信の一話と一緒に見返すと、A-Riseの踊りに比べて縦の動きのバリエーション、フォーメーションチェンジのパターンが少なくて、ぎりぎり素人が頑張りましたな踊りにしてた。
つまりより洗練されたステージアクトが見れるかもしれんということで、やはりラブライブには龍が潜みおる。

 

ラブライブ:一期第四話『まきりんぱな』


μs初期メンバーのエピソードは三話で一旦終わり、今回は花陽を中心に一年生の話。
場面に出てくるメンバーの絞り込みが巧くて、主役たちにカメラがきっちり合った話だった。
群像劇としてのメリハリがある。
一年全員ヘンテコ声で、頭のハチがクラクラしたのは秘密だ。

引っ込み思案な花陽の背中を、真姫ちゃんと凛ちゃんが押す、というのがメインの展開。
しかし背中を押す二人も自分のオンナノコっぽさの無さとか、終わることが確定している音楽とか、色々負い目を追って揺れている。
この「揺れ」の表現が巧くて、そーいうふうに揺れ動く季節である青春の匂いが、動画の隙間から上がってくるようなエピソードだった。
さらにいうと、オンナノコらしさも音楽も、アイドルやってると否応なくタッチする領域なのは巧いなぁと思った。
キャラのコンプレックスが、今後の活動で解消されていくんだろうな、という予感を与えられてるのは、とにかく巧い。
最終的に花陽がアツいのも、部活モノとしてはとても大事な所。

主役三人組を個別に見ると、ツンツンしたふりで他人のことはよく見てるし放ってもおけない真姫ちゃんのイイ子さがとにかく良い。
うっかりμSの曲作ったの自分だと自白しちゃうワキの甘さとか、キャラとしてのパンチ力マジ高い。
最後のデレは言うまでもない。
ああいうパンチ打つの卑怯だよ!

凛ちゃん花陽ちゃんの間合いは、幼馴染と高校1年生のハイブリッドで、なんというか、凄く切なくていいもんだった。
お互いがお互いを大事に思っているのが伝わってくるというか、うむ、藤田和日郎の悪役がやる笑顔みたいな顔で見てた。
この二人の柔らかくてなんかフルフルしてる部分は、アニメん中に封じ込められているんで、ガチャガチャ抜かすよりも、実際の動画見たほうがいいとは思うんですが1つだけ。
「スカート履いた凛ちゃん凄く可愛いよ」と、素直に言っている花陽は惻隠の情を解していると思う。
そういう優しさと素直さは、やっぱり大事なんだなと、つくづく思った。
あと嘘つく時丸わかりのサイン出てるっていうのは、二次創作で使いやすいんじゃないかな!

 

ラブライブ!:一期第五話『にこ襲来』

矢沢先輩が素直になって幸せをつかむまでの話だった。
今まで熱血押せ押せで四話通してきたけど、今回はコメディーチック。
変な顔が多めで、非常に楽しめた。

主役の矢沢先輩の出番が多いのは当たり前だが、地味に見せ場が少なかった凛ちゃんにフォローを入れていて感心。
元気な子なので、動きがあると映えるなぁ凛ちゃん。
真姫ちゃんのツンデレ芸も、繰り返し系でギャグとして使うと別の側面が見えてきて面白い。

あと生徒会メンバーの机叩く役とカツ丼出す役の役割分担が完璧。
完璧すぎて、エリーチカが恨まれていないかちょっと心配。
もう少しデレてくれてもいいんじゃよ。


穂乃香さんが矢沢先輩に使ったのは「徹底的に持ち上げる」だったわけですが、これを打算でやるわけではなく、これがいいだろうと直感したまま、正解を掴んでしまうセンスがまさに主人公。
にっこにっこにー三十本ノックの時凛ちゃんが「えー」っていう反応した時、即座に封じてやる気を見せるところも、最善手を直感で打ててすげぇな、と思う。
穂乃香がμ’sのモチベーターでリーダーなのは一目瞭然で、最前線で引っ張ってる人がああ言えば引っ張られてる側はなかなかNOとはいえない。
結果として、矢沢先輩は気持ちよく神輿に乗せられていられるし、μ’sのメンバーに足りない知識と経験が手に入る。
あと仲間も。

穂乃香のμ’sを作っていく主人公としての書き方は本当に巧くて、動機と展開の起点として常時正解を掴みつつ、自分に足らないところを仲間に割り振る描写が素直かつ秀逸。
「コイツだけいればいいじゃん」とはならない所が、話の真ん中としてとても良い。
逆に「コイツがいないとダメだな」「でもコイツだけじゃダメだな」という風にキャラを受け入れられるのは、部活モノっつーか組織モノとしてラブライブが上手く行っている証左だと思います。

 

ラブライブ!:一期第六話『センターは誰だ?』

センター論にPVまでついてきて、文句のない穂乃香回。
矢澤先輩が言っていたセンターの資質がバッチリ穂乃香に当てはまっていて、中盤で結論を暗示させる展開の巧さに唸る。
ほんと、ラブライブの花田先生はキレてる。

PVはアリスベースの衣装は可愛いし、セットはこってるし、照明の演出は効果的だし、素晴らしいものでした。
センターを回すというコンセプトが、色んなキャラが同時に画面に映る結果を生んでいて、バラエティセットありがとうございます! という感じ。
曲も元気で可愛い、いいアイドルソングだった。

μ’Sは穂乃香が思いついて、穂乃香がしきって、穂乃香が指示出して回ってる集団であり、それは今回に限ったことではないです。
今までの重要な決定(スクールアイドルをやろうと思う、続けようと決める、メンバーを勧誘するなど)は全部穂乃香が初動から展開まで、例外なくやってる。
PVの造りに視聴者の興味を引き付けるために、センター論を前座として貼った感までありますが、話が折り返すに当たり主人公の役割と魅力を再確認するのは重要かつ好みです。
思いつくだけの主人公は結構いますが、注意深いケアで発注出して、関係者のやる気を常時引き出す主人公は結構レア。

エリーデレねーなーとか思ってたんですが、ファーストライブの動画を矢澤先輩が撮ってたわけではない以上、まぁあれはエリーの仕業な訳で、つうか4話ラストの時点で矢澤先輩ではないわけで、またサインを見落とす自分の節穴EYEに絶望。
希さんが、凄く素直にμ’Sメンバーに溶けこんでたのが良かった。
まぁ対応したのが凛ちゃんだったからかもしれんけんども。
来週のタイトルは「エリーチカ」であり、今から期待が高まり溢れます。
早く九人揃ったμ’Sが見たい。

 

ラブライブ!:一期第七話『エリーチカ』


『生徒会長エリーチカの言葉が突き刺さる。
「バレエのトップで勝負してきた自分にとっては、お前らのダンスはお飯事」
この言葉で、二年海未の心に火がついた。
「何も分かってないのに、偉そうなことを言うな。そこまで言うなら勝負しろ」
ついに実現する、エリーチカVS海未。
いったい!どうなってしまうのか!!』

ガチンコアイドルクラブならこういうナレーションが付いてもおかしくないくらい、エリーチカのツンがストロングすぎる……。
希さんは凄い勢いでμ’Sに馴染んでいて、趣味でおっぱいワシワシしてるのに、エリーチカは妹相手に殺し屋と無垢な少女の出会い系シーンみたいなやり取りばかりですよ!
いや嫌いじゃないけども、μ’sの仲良し描写が良ければいいほどそこにエリーチカがいないことが辛い辛すぎる!!

一方μ’s秀才軍団たちは、μ’s赤点軍団の面倒を見ててんてこ舞いであった。
おお振りでもスラダンでもあった、スポコン定番の展開でござった。
そして、やはりギャグ展開ではYAZAWA先輩は輝くのう。

穂乃香さんではなく海未ちゃんがエリー攻略に行ったのは、まだエリーチカをボス的存在として引っ張りたいのか、海未ちゃんの真面目さがエリーを掘るためには必要と判断されたのか、イマチ判んねぇ。
まぁ上の方でははようデレろしか俺言ってないけど、今回の嫌いになれないでも充分じゃないいつでも自分のこと一番見えない的な演出は結構好き。
でも、タメだから耐えれる部分も結構あるので、次回辺りでむっちゃデレて欲しい。

可愛いイモーチカをクッションにして、間接的にデレてんじゃねぇのと言われてれば返す言葉はない。
身内用のディレクターズカットまで作ってるって君ィ……。

 

ラブライブ!:一期第八話『やりたいことは』


μ’Sのみなさん……アイドルがしたいです……」
ラブライブ! 九人のスクールアイドル編  完
死闘! ラブライブ編に  続く

ついに、ついに九人のミューズ全員が集まり、1stPVをリスペクトしたオープンキャンパスでいい最終回だった。
今まで溜めに溜めていたエリーチカの鬱憤が大爆発するシーンでは、南條さん大爆発の好演技で、ベタながらもと言うかベタ故にむっちゃパワフルな青春力であった。
ひとりきりの教室、消える音楽、心音のようなイントロ、気づけば仲間たちが周りに。
握りしめられる手と手、そしてライブ!
完璧や……。

前回海未ちゃんがエリーに切り込んだのは、教室で後ろから抱きしめるシーンに唐突感を出さないためでもあるのかー、と感心。
結局最後の最後、フィニッシュを決めたのは穂乃香さんでしたがね!
さすがの主人公や。
やや不穏な空気を出してからの「ありがとうございました!」では正直、不意打ち気味に涙腺にダメージが入った。


まぁ自分は超ニワカなので、最初から支えていた古参ラブライバーが今回ウケただろう感慨は正直わからんのですが。
練習のシーン、バドミントンのシーン、バーガー食べるシーンだけでエリーチカがμ’Sに馴染んでいく様子を描写したのは、今までの積み重ね合ってのことだなぁ。
今までのμ’Sではやらなかった、体幹とバランスを鍛えるちょっとヘンテコな(ので、良く印象に残る)片足立ちの練習や、凛ちゃんのコミカルな演技で記憶に刺さる股割りといった、絵的に新しいシーンを事前に差し込んでおくのが超上手い。

イモーチカのイヤホン借りるシーンが超顔近くて、この世界の姉妹は距離感近くなきゃいけない法律でもあるのかと怪しんだり、ゆきほとイモーチカが同中だという事実が公表されたり、細かい情報も多かったなぁ。
地味に、LineやSkypeみたいな同時通話アプリの描写を、アニメで始めてみた。
そーいう細かい生活感、時代感に結構敏感だよね、このアニメ。

希さんは両足部室に突っ込んでるみたいな立場でしたが、やっぱ制式に加入してアクティングに参加すると嬉しい。
海未ちゃん小鳥ちゃんにとっての穂乃香が、希さんにとってのエリーなんだな。
その状況が整うまで見守りつつ、じわじわ周辺を固めて最後の最後で口火を切るという、完璧な女房役でした。
本命にはワシワシしないところに、すっごい濃厚なものを感じる。


あんま関係ないけど、現状μ’Sは恋の曲より青春の曲を歌ってるのが生アイドルとスクールアイドルの違い、ラブライブ!が部活アニメだという証左かなぁなどと思う。
ほんまこの子ら、仲間の事ばっかりやで……。
来週はギャグ回っぽいけど、ラブライブ本戦までやるのかなぁ。

 

・ ラブライブ!:一期第九話『ワンダーゾーン』

前回のいい最終回を受け、ちょっと空気を変えてコメディチックなことりちゃんの回。 

と見せかけて、新規参入のエリチカの株を上げる回でもあった。
三年は上手く担当領域を分けて、的確に住み分けしておるな。

笑いを取りつつも、サードマンの悲哀と自分らしさの獲得を上手く描写してて、ええ話や……とホロリもした。
アイドルの華海賊版グッズやアイドルランキングの上昇など、地味に「今までの活動の成果」も見せていて、達成感を視聴者に与えてるところもニクい。
そろそろ人参がほしい頃合いなのだよ、一区切り付いたしな!

ギャグの切れ味も良かったなぁ。
ラブライブの声優さんは変な声の人が多いので、笑いのシーンがむっちゃ脳に刺さる。
具体的に言うと花陽がアイドルショップで感激してた所と、ことりちゃんが悶絶する所。
内田彩の声が伸びると、マジ脳みそ溶ける。

要所要所でトスを上げつつ、全部ことりに自主的にやらせてる穂乃香のミストレス力はやっぱ尋常では無い。
最後の最後で正解を言うのはやっぱり穂乃香で、ブレない主人公力に凄く安心する。
同時に、群像劇としてもキャラ立ち、見せ場、性格の気持ちよさ全てがあって、やっぱラブライブ良く出来てるなぁと思う。
あと女子みんな可愛いね。
メイド服可愛かったなぁマジ……。

 

・ ラブライブ!:一期第十話『先輩禁止!』

みんなで海! そして先輩後輩の垣根をぶち壊す!!
海未ちゃんの真面目番長な部分に、要所要所で柔らかさがまじるとエリーチカみたいなハンドルの仕方になってくのかなぁ。
硬軟織り交ぜた引っ張り方が、μ’Sのオトンだった。

つーか、希の一切表に立たずに全てを掌握していく人心把握能力が、マジ恐ろしい。
さすが、μ’Sの土台を全部作った女。
もしくはμ’Sのオカン。

西木野ハウスの金持ち感が、すげー生々しかったなー。
サイズとか調度とか、色々。
その主の真姫ちゃんは、すごい勢いで希の掌の上でコロコロコロコロ転がされていて、生徒会チームの人間力を強く感じたのう。
いきなり標準語になって、グイグイ間合い詰めるのずるいよ!!
なんか素っぽい部分意図的に見せるし、まきのぞキテルよ……!!

さておき、脚本がいつもの花田先生とは違うのも相まってか、別の角度からμ’Sの面々を楽しめた感じ。
ギャグの切れ味も、かなり良かったしな!
一番笑ったのはYAZAWA先輩の体格ギャグだが、あのネタが出来るということは矢澤先輩はちっちゃい可愛いということでもある。
ぬぅ。ぬうぅ。


今回の脚本は、ドラマCDとかを担当してた子安秀明さんなんですが、今までのと一番変わってるのは穂乃香かなぁ、と。
今まではすべての起点になって、全てを牽引してたスーパー主人公だったわけですが、今回は結構言い訳できない感じにズルくて嘘つきでお調子者。
つまり、濃い目の個性が付いた1キャラクター。

逆に言うと、今までは部活モノの群像劇を束としてまとめる仕事を、絶対間違えない超人主人公(なのに反感買わない。むしろ好感を持たれる)穂乃香がしっかりやってた、ということだと思います。
穂乃香を船首にして、人が来ない問題とか、アイドル力不足とか、下級生組とか、にこパイセンとかを個別に倒してLVアップして、ラスボスエリーチカを討ち取るというクエスト形式。
そーいう今までの話運びの安定感を考えると、その改変は正解だったかなぁ、とかも。

同時に、とにかく穂乃香にボールを集めて得点していく以外のキャラの見せ方もあるのに、今まで出せてなかった、という部分もあって。
今回そういう要素が混じりつつ、いい息抜きになったリゾート回だったと思います。
部活モノとして上下左右をぴっちり仕上げたアニメと、公野櫻子的ゆるーい空気で仲良しライフという今までのラブライブの橋渡しをした回だったのかなぁ。

 

ラブライブ!:一期第十一話『最高のライブ』

えー、ラブライブの感想がここにずれ込んだのは、なんとなーく「下げの空気が漂ってるよ」的な雑音を受信し、びびってたからです。
穂乃果ちゃんたちがひどい目にあうところ、見たくないんや!!
想像よりはるかに、自分が穂乃キチになっていることに驚愕です。

前置きはさておき、展開としては暴走気質な穂乃香を押さえ込めないとこうなるよ、という話でした。
本来なら海未ちゃんとことりちゃんで、鵜飼いの如く泳がせて締めるとこ締めるという関係だったんでしょうが、ことりちゃんが留学に気持ちを持ってかれて、海未ちゃん一人ではどうにもならない。
今までアドバンテージだった穂乃香のエネルギーが、そのままマイナスに転化した感じでした。

しかしまぁ、どーにでもなんだろうこれ! というのが見終わった正直な感想で、そんなにビビることもなかったなハッハッハ!! という感じ。
こういう下がる展開を素直に飲めるのは、今までの青春アニメとしての実績と、今回問題になったところが穂乃香の長所でもあり、μ’Sを牽引してきたポジティブな力でもあるからだと思います。
信頼はいつでも強い。


こっからどう上がるかという話をすると、今回の上げ担当は矢澤センパイに担当してほしいにゃあ。
なんつーか、アニメラブライブではパイセンは便利に使われてるっつーか、「まぁにこだし」くらいの気軽さで場の空気を抜いたり、ワリを担当する局面が多いとおもいます。
今回のくじびきとか、にこだからこそ笑って済ませて、ピンチを招くお膳立てに使えた部分でしょう。

だからこそ、そろそろ矢澤のいいところが見てぇなぁマジ。
いや料理がうまいとか、可愛いとか、にこまきとかいろいろあるけどさぁ。
わしゃあ、オタクコメディにおける被害担当艦を設置しておく風潮は、可哀想であまり好きじゃないんじゃ。
Aチャンネルにおけるゆーこみたいな。


あ、キャラ萌え的な話すると、雪穂のお姉ちゃんすきすき力が凄い高まってて、ひじょーに良かったです。
かなりテンパってるとはいえ、親友二人が気づかない穂乃果の変調にすぐさま気付く所と、姉貴がぶっ倒れたら即座に傘放り出して駆け寄る所。
まぁ今までの描写を思い返すと、それぐらいはするなぁという展開ではあるんだけど、ちょっとびっくりしたんだよ!!

ともかく、今まで正解し続けた穂乃果がぶっ倒れ、こっからどうテンション上昇させていくのかが気になる展開。
大黒柱が倒れると緊張感が凄いというのは、海南戦でゴリが足首をやった時の気持ちに似ている。
つまり問題なのは、誰がμ’Sの人間発電所妹として立ち上がるか、その一点だ!!

 

ラブライブ!:一期第十二話『ともだち』

さ、下げてきやがった。 

しかも凄く。
この急にハンドル切られてどうしていいかわかんない感、最近どっかで感じたなぁとかデジャブりましたが、「中二病でも恋がしたい」ですね。


自分がこういう展開キチーなー、と感じるのには何個か理由があって、一つはトータルでの整合性の話。
どのくらいの都合の良さで物語が製造されてるのか、自分の中のイメージと出てきたお話の間で上手くすり合わせられない、という。
自分は登場人物がプロテクトされている話は好きなので、保護が分厚いなぁ、と感じたらわりかし前のめりになって、修正のサインを見落とす傾向があるんだろうなぁ。

しかし同時にそれは、作品の中で生きているキャラクターたちに勝手な印象を押し付けているわけで、誰に悪いかといえば、例えば穂乃果とか、例えばにことかに悪い。
二次元への入れ込みキモッ!! と自分でも思いますが、予防線はって距離を開けながら、それでも創作物に好きですとか言いながら見るのは、ちょっとクレバー過ぎて僕は好きではないのです。
そして、今回ちょっと気持ちの置きどころがなくて、ヤッベと思うくらいには、僕はラブライブのキャラクターたちが好きなんですな。

でも、書かれたことは書かれたこととしてあり、自分の欲求や希望を無条件に実現してくれるから、僕はラブライブのことが好きなわけではない。
そう書かれた以上、穂乃果は涙を流したり、自暴自棄になったり、不安になったり、人を傷つけたりする所もある子なのだし、ラブライブもそういう話なのだ。

そういう要素は扱いは難しいけど、上手く決着させれば、よりキャラクターが深まる要素だとも思うし。
そういう意味で、一度感じた(そして決めた)作品への印象にしがみつかないで、ショックを受けたなら考えて修正していくことが、僕にとっては大事なんだと思う。
好きな作品じゃなきゃ「切りました」「○話から駄作でした」といえば良いんだろうけど、好きな作品を即座に否定は、ちょっともったいない感じもするし。


となると重要なのは「上手く上がるかどうか」という話でして。
竜頭蛇尾、終わりよければ全てよしなどという成句を持ち出すまでもなく、終わり方が死ぬとお
話は死ぬわけです。
残り三話という段階で急速に舵を取り、今回終わって残り一話という話数で、ラブライブは良く
終われるのか、どうか。

ラブライブは1~8話の「9人のスクールアイドル編」で如実に希望に満ちた成長と青春の話として上手く描写されていて、僕はそれがとても好きなんですが、そこからの印象だと上げるための下げではあります。
ここでみんなバラバラになって何も上手くいかない、という展開をするなら、もうちょっと穂乃果は失敗しているだろうし、メンバーにも不和があっただろう。
前半それをしていなかったから、新しい楽しみとして断絶からの復活を書こうと思ったのかもしれんけども。

なので上げ調子になるのは確定として、残り一話、どうなるのか。
ラブライブ出場も、廃校阻止も、親友のことりちゃんとのつながりも、今回徹底的かつ丁寧に穂乃果から奪われたわけです。
そういう意味で、今回の下げはすごく丁寧で、視聴中は30秒に一回くらい一時停止し、呼吸を整
えながら見るくらいでした。
……嫌なんや僕は穂乃果ちゃんやことりちゃんや海未ちゃんがが泣いたり暗い顔するの!!!

取り乱しました。
下がり調子の要因は「二年生組の分断」「アイドルをやる意味の消滅」なわけですが、それをリカバーする要因はやっぱり、すでに丁寧に描写されているわけです。
二年生たちが莫逆の仲なのは、例えば9話とか3話とか、たくさん描かれてきたわけです。
ことりちゃんが留学のことを言い出せないのは、穂乃果ちゃんが好きで好きでしょうがない、略して好きしょだからなわけです。
言えないことりちゃんの気持ちもわかるし、傲慢だと解っていながら踏み込んだ海未ちゃんは、歴史の教科書に乗るくらい立派。
穂乃果を殴った拳は、自分の腕が折れるよりはるかに痛かろうなぁ……。

そして3話ラスト、8話の屋上での言及を見れば、穂乃果こそがμ’Sのモチベーションの源泉であること。
それは理由のない、「やりたいからやる」ものだということも、すでに言われているわけです。
あとはその「今までやってきたこと」に気づけばいい。
それだけであり、多分それはやってくれるでしょう。
そういう風に予防線を張って置かなければ不安でしょうがないというのもありますが、やっぱりラブライブのアニメは、そういうパワーを持って今まで描写されてきた作品だと、僕は思います。


こっからは感想的なモンになりますが、ラブライブ制作サイドはあんまり、美少女動物園的な「ただ女の子が可愛いだけ」「記号化された生き物が既定の路線をなぞってるだけ」という話にしたくなかったんだと思います。
部活モノとしてしっかり状況を整えて、青春のパワーで友達と一緒に苦境を乗り切る。
そういう部分の作り込みは、女の子が可愛いだけのアニメではあんまいらんモンです。

第一部が8話、同じ尺で折り返せば16話、どうやっても13話という間尺には合わない状況で、いままで非人間的とすら思える性能で苦境を突破してきた穂乃果が凹む(そして多分戻る)話をする。
それは多分、穂乃果も人間で、間違いも犯せばネガティブにもなる存在なんだ、という、思い返せば当たり前な事柄を描写するための選択だったんじゃないでしょうか。


僕はわりかし失敗という要素が現実でも創作でも怖くて苦手な人間で、よく保護され、丁寧に失敗を取り除くか、絶対に敗北しないよう計算された失敗しか出てこない物語が、けっこう好きです。
仕上げたゆる系というか、そういう感じの。
具体名を出すと「けいおん!」(特に二期)。
だからそういう要素を求めてしまいがちなんですが、今回の穂乃果とことりと海未ちゃんの関係を見るだに、失敗や負の感情を排除しないことで初めて、描けるお話というのはあるなぁ、と感じました。
ポジティブなものとして始まった物語は、ポジティブなものとして終わって欲しい、つーのはありますがね。
こうして見ると、想定外だったり予測からずれたりする展開も、つくづく苦手だな自分。


見るのが苦しい展開でしたが、一つ嬉しかったのは、矢澤が道化の仮面を外して本気な部分を見せてきたところです。
穂乃果がぶっ倒れた時、一番最初に(そして多分唯一)ステージを完遂する意志を見せたのは矢澤だったし、屋上での穂乃果への言葉は言うまでもない。
仲間が止めてったとか、素の自分が通らなかったとか、色々キツいことがあって、矢澤は道化た仕草をするようになったんだと思います。

みんながみんな、真っ直ぐに己をさらけ出して、他人に認められるわけではない。
一種の処世術としての「にっこにこにー」に僕は、クラウンの悲しみを覚えるわけです。
どんなに真剣な表情でも、道化師の化粧は泣き笑いのまま崩れないし、その奥の顔色を伺ってくれる人は、なかなかいない。
そういうもんだよ、と普段諦めつつも、僕らはいつも、本当の自分を見て欲しいなぁ、などと願っていると思います。

そういう人間が、もう一度本気になろう、コイツラの前では仮面をはがして本気になってやろう、と思える出会いが、どういう重さを持っているのか。
そこに想いを馳せると、屋上で激高した矢澤の寂しさと、彼女の中でのμ’sの重みを強く感じます。
矢澤は無条件で人を引きつけられるステージアクトの天才でも、気配りで場をもたせることが出来る人格者でもなく、それでも、それだからこそ、アイドルという存在への想いの強さは、誰よりも強いのだと。


物事をはじめることが出来たり、理由なく人を惹きつけられたりする存在(おそらく、天才といわれる存在)に、人は夢を抱きます。
矢澤にとってのそれが、μ’sであり、穂乃果だったのだと思います。
そして、穂乃果に夢を抱いたのは矢澤だけではなく、μ’sのみんなもそうだし、幼馴染としてのことりちゃん、海未ちゃんにとってもそうだと思います。

夢や勝手なイメージを押し付けられることは苦しいし、それしかやり方を知らない真っ直ぐな道で挫折してから立ち直るのは、とても大変だと思う。
だけども、穂乃果に向けられた真心と、祈りみたいな羨望が、どれだけ大切なものかというこ。
それに、もう一度気付いて欲しいなぁ。
そんなことを考えつつ、来週を待ちたいと思います。

 

ラブライブ!:一期第十三話『μ'sミュージックスタート!』

ステキなアニメラブライブも、ついに最終回を迎えました。
先週あんだけ腐れ長文書いておいて、今回はあんま書くことがありません。
「こうなって欲しいなぁ」とか「ここは忘れてほしくないなぁ」という部分を、アレだけ完全に拾われると、本当に何とも言えん。

とりあえず言えるのは、素晴らしい最終回だったということです。
ラスト三話で穂乃果のキャラクターを掘ったことで、青春の話としてより、奥行きのある話になったと思います。
「頑張れること」の再発見は、日本橋ヨヲコ先生の「G戦場ヘヴンズドア」を思い出しました。


余韻が響きすぎて、個別にあまりいうこともないですが、取り合えず2つ。
最後の最後で、最初のパフォーマンスである「START:DASH!!」に戻ってくるのは、凄いいいと思いました。
どの曲が来るんだろうかと色々考えていましたが、出されてみればこれ以外無い手筋。

比較してみてみると、単純に人数が増えただけではなく、メンバーの表現力や躍動感に進歩があって、アニメの中の身体表現として、とても力強いものだと判りました。
二次元の生き物に身体性を与えるのはやっぱり大変だなぁ、と最近思いますが、同時に頑張ればかなりやれるな、とも思えるシーンでした。
その前のDDRのシーンで、踊る楽しさと頑張った記憶を思い出すところまで引っ括めて。


そして、矢澤の強さに感涙しきり。
矢澤が僕を感動させるのは、あいつは弱いけど強いところです。
それは、ただ強いとか、ただ凄いとかより、より優しいことだと思います。
矢澤の生き方を見てると、ハードボイルドだなぁとおもいます。


正直、色々と動揺しながら一週間過ごして、「こうあって欲しいが叶うのかな」「とんでもない終わり方しちゃうかな」とか思いながら待ってました。
そういう不安を全て塗り替える最終回を見終えて言えるのは、僕は僕の好きなモノや、僕が何かを好きな気持ちを、ちゃんと信じてもいいかな、ということです。

でもまー、色々外野の寝言とか、自分の腐った弱気とかにブレブレになりつつ、アニヲタ続けるんだろうなぁ。
その事自体は独善的になることを避けることでもあるんで、色々考えても揺れないようにしたい。

あと、過剰な思い入れは、創作物の時間を歪めるね。
後半三話のこと考えすぎて、脳が勝手にキャラクターの心情や動きを保管しまくって、充分すぎるほど共感できるぜ、という認識にシェイプされてしまった。
無論、今まで積んできた要素を的確に使う展開の巧さもあるが、多分ロジカルに見れば多少ある瑕疵を一切無視してしまうくらい入れ込んだのは、もしかしたら初めてかもしれん


九人の女の子たちが、露出の多少はあれ、μ’Sというグループ、スクールアイドルという活動に強い感情をいだき、繋がりつつも時に傷つけあって、青春という時間を走り抜けていく。
そういう、素直で綺麗なお話だったと思います。
素晴らしいお話だったと思います。
スタッフの皆さん、ほんとうに有難う御座いました。