イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

AKB49 12

宮島礼史×元麻布ファクトリー、講談社。アイドルスポ根第二部、無事完結な十二巻目。GJ VS &JWELは前回決着がついていたので、今回はゴミクズことMAYA様が完膚なきまでに折られて綺麗になるところと、戦後処理がメイン。MAYA様の「オメーは大映ドラマか」と言いたくなる過去はしかし、この漫画全体が大映ドラマなのでいいエピソードなのであった。「よくある話」が染みこんでくるのは、やっぱこの漫画、漫画としての絵力あるってことだと思う。
漫画としては綺麗に盛り上がって綺麗に終わったGJエピですが、それより早く現実が漫画を追い抜いちゃったという後半の前田パイセン話。生アイドルを元ネタにした漫画なので、ある程度しょうがないと言えなくもないですが、主人公を厳しく見つめるライバル+先輩という位置のキャラクターが、主役サイドが一切触る事もできず舞台から退場していくというのは、なんとも言えない。
その徒労感というか、置いてきぼりにされてる感じはみのり自身が上手く表現しているし、前田パイセンの退場エピソードにこれくらい尺をとって、しっかり仕上げてきたのは、この漫画における前田パイセンの存在感から考えると非常にいいんですが。この漫画の前田さんは、前田敦子という女の子のイデアみたいなもんで、完全無敗の完璧超人のまま退場、というのもAK49的に「らしい」感じはする。
同時にその完璧な前田さんに我らが浦川みのりが追いつき追い越しぶっ倒す場面をみたい、つーのも漫画読みとしてはあって、結局そこは二次元が三次元に追いつけない場所だったというか、高度情報化時代のアイドルの速度に、週刊漫画程度ではぜんぜん追っかけられないというか。今回の「勝ち逃げ」感はみのりが前田さんにというのと同時に、フィクションがリアルに「勝ち逃げ」された感じがあります。
それがイヤだなーという気持ちだけではなく、「勝逃げされたけど、前田パイセンだしな」みたいなとこまでキャラを高めたのは、フィクションが現実に勝ってる部分かな、とも思う。作者が前田さんをスゲーリスペクトしてる感じは、ページの端々から伝わってきた。なんというか、ところどころ前田敦子の葬列みたいだった。そういうわけで、色々ケリが付いた巻でした。次は総選挙かな?