イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

帝一の國 六

古屋兎丸集英社。盆暗共が天下を目指す! 学園政治闘争コメディの六巻目。氷室ーランド建国の危機に、ついにゲンナマに手を出す氷室先輩。我らが(一応)主役、帝一の繰り出す奇策で票読みはサッパリ読めなくなり、マイム・マイムと泣き落としがせめぎ合い、そしてついにあの男が衝撃の行動にッ!! と、色々見せ場のある巻でした。
色々えげつない事やってきた会長選挙ですが、ついに実弾が飛び交うことに。際限ない餓鬼地獄に身を落とした氷室先輩を養うために、駒先輩が女装して体を売るシーンの無様さは、涙なしに見られない。兎丸先生、それ耽美な男子高校生が女装した後「汚されちゃった……」ってなるの、描きたかっただけでしょ。外伝で過去編やっておいたことが今回の展開によく活きていて、なかなかいい流れだな、と思いました。
夢や希望などという高校生らしい看板には興味なく、実利ばかり追い求めていると思っていた海帝高校生。ですが、フォークダンスを踊ったり、結局自分の信念に基づいて投票したり、案外真っ直ぐな奴らだった。正直意外だ。意外といえば、帝一の策(毘沙門天様提案。ていうか毘沙門天様優秀すぎ)が珍しく上手く行った。女のことでは外してばっかりだけどな! ぶっちゃけ、そろそろやばいと思うよ帝一くん。
本編で見せた底の見えない怖さといい、外伝でのフォローアップといい、ようやく森園先輩のキャラが立ってきた。対立候補である氷室先輩が反則級のキャラ立ちしてるので、なかなか大変だと思うけど、スカシ面の奥に勝負師の素顔を隠している、というキャラはなかなか魅力的だ。駒先輩の造反も相まって、選挙の行方はサッパリ読めなくなったし、今後の展開が非常に楽しみだ。