イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

俺物語!! 4

アルコ×河原和音集英社。快男児が、恋に友情に人生に駆け巡る漫画の四巻目。今回は砂川のおねーさんのお話と、猛男クンに接近してくる女の子が? というお話の二本立て。エピソード0的な読み切りも乗ってました。恋敵のエンゲージメントはさすがに大ネタということか、次回に引っ張りました。ココらへん、合作読み切りとしてはじまったこの漫画が、順調なレールに乗っているんを感じます。
前半は砂川くんのおねーさんがウダウダウダウダと悩みつつ、新キャラのチャラ男が道化役として話を回していく展開。猛男も砂川くんも喋らないタイプなので、ベラベラ喋る織田くんは新鮮な感じ。だけど、この漫画らしい優しくて行動力のある男の子で、「気持ちのいい奴ばかり出てくる漫画はやっぱいいな!」という気持ちになった。フツー、もっと陰険だったり真心が無かったりというキャラだと思うのだけど、織田くんはお姉さんを大事にしてるし、自分の気持もきっぱり伝えるし、スゴく良いやつだった。猛男ん家に泊まるシーンが、ただ猛夫と織田くんが仲良くなるってだけじゃなくて、「挨拶できるし飯褒めれるし片付けできる、気持ちのイイオトコなんだな」と読者に納得させるシーンにもなってるのが巧い。
そしてお姉さんは一生ウダウダしてた。「大和ちゃんが一話ですっぱり恋愛を成就させてしまった分、お姉さんがうだうだ悩む担当なのかなぁ」などと邪推してしまうくらい。でも「花? そんなことあったか?」からの「子供の頃なんて言ったか判んねぇけど、真ん中の白い花そっくりっすよ」の流れは、武男の魅力が満載の良いシーンだった。お姉さんが「判断保留でも、猛夫のそばにいつづけたい!」と思ってしまうのも、納得だ。オレ男だけど。
後半戦は読者の大半が感じていたであろう「猛男、ゴリメンだってだけでモテないわけないよなぁ」という疑問を拾う展開。いつものように超人的に体を張り、誰にも優しく強く生きている猛男に女の子がキュンキュンするのはまぁ、当たり前じゃねーの、という。猛男は心身の強さという天賦の才を振り回すのではなく、それを持っていない凡人の立場を理解し、自分から近寄っていく優しさも持っているところが真実IKEMENだと思う。あれくらい特殊な存在だと他人の立場というものを忘れてしまいがちだと思うんですが、「他の人はオレとはちげーからなぁ」と自分に常に言い聞かせる謙虚さは、多分かーちゃんの教育が良かったんだな。
しかしまぁその天真爛漫さが同時に、無防備さにも繋がっているわけで。大和ちゃんとしてはヤキモキです。ここで「森のくまさん」のモチーフを出してくるのは、武男と大和、そして西城さんとの距離感を解りやすくしてる。でかくて怖いけど、飛び込んでみると優しい猛夫。リレーというイベントで距離が詰まっちゃった西城さんは、その魅力に気づいてしまっている、と。そこに対する牽制が善意に満ちた優しいものなのも、この漫画らしいね。こういう、いい意味での「ファンタジーさ」というか、「猛男や大和ちゃんや砂川くんや織田くんみたいな善男善女はなかなかいない。いないんだが、いて欲しいなぁ!!」という欲求を全開で叶えてくれるところが、僕がこの漫画の好きなところです。
次回予告で砂川くんが突っ込んでましたが、西城さんの「人間として好き」はまぁ嘘で、状況としては結構こんがらがってる。超博愛主義者である猛夫が、基本一人しか選ぶことの出来ない恋愛の残酷さにどう向き合うのか(お姉さんとの話では、結局そこに踏み込まなかったし)。あんま出番がなかった俺のお気に入り砂川くんは、次回活躍するのか。いやー、楽しみだなぁ。