イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

3月のライオン 9

羽海野チカ白泉社。将棋青春日記もそろそろ二桁の大台に乗りそう。でも今回は大きな勝負は特になく、脇のキャラ達の人生模様をまったり描いております。取り敢えず、ライオン史上最も凄惨だったイジメ編の遺産、高城さんの処理から……処理できてねーッ! 非常に生々しく、非物語的なオチのない重さがあったエピソードの廃棄物にふさわしく、全然オチない展開に笑っていいのやら困惑していいやら。此処で甘えない辺り、羽海野先生にとってあのエピソード、本当に重いんだな。
んでザラザラとした読後感を残しつつ、ひなちゃんの高校受験をしたり、ひなちゃんの恋が敗れて高橋くんがフェードアウトしたり、新しい将棋ウォリーアが爆誕したり、色々起きた。高橋くんは爽やかかつ真っ直ぐかつ愚直な子で、すごく好きなキャラでした。イジメ編のどんより重たい空気を晴らす仕事もしてくれたし。しかし四国とは遠いなぁ。
そして彼を挟んでの、零くんとひなちゃんの面倒くさい間合いの取り合い。零くんはひなちゃんに人生を救われているし、ひなちゃんにとって零くんは尊敬の対象だしなぁ。お姉ちゃんも言ってたけど、修羅場を一緒に超えすぎて、恋愛に発展する要素が少なすぎるという。家族というのは得難いものだと思うので、それはそれでいいんじゃないかな、とも思いますがね。でも今回のすっぺー展開を見ていると、恋愛関係のジリジリした間合いも面白そうなんだよなぁ……。
そして本命である将棋にも、ニューカマーが続々。滑川七段のハッタリ効き過ぎたキャラ立ても好きですが、宗谷好きとしては土橋九段の登場が嬉しいです。宗谷は超越した天才として君臨しているんですが、それは孤独な立場で、「誰かそばに居てくんねーかなぁ」とか考えてました。努力の鬼である土橋さんが、孤高の天才宗谷の喉元に刃を突きつけ、研究会を開くまでになるとは……そらーハゲも嫉妬するわ。つまり土橋×宗谷←兄者←ニカキテる……。
あ、本編で出番はなかったですが、俺のニカは女の子に服をプレゼントできる系男子として順当にモモちゃんとフラグを積んでいて、さすが二海堂だぜと関心。ニカのようないい子がみんなと仲良くやっていると、俺もホッコリします。だから死なないで……(全然本編と関係のない、余計な心配)。油の乗った漫画に特有の、脇道のはずなのに満足度と充実感が高い、良い話でした。