イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

おおきく振りかぶって 22

ひぐちアサ講談社。高校生が野球したり青春したりする漫画も、ザックリと22巻目。秋大会第一試合、VS武蔵野第一も佳境であります。今回の戦いはお互いのメッキ、どっちが早く剥げるかという試合だと思います。西浦は魔法のボール「まっすぐ」、武蔵野第一は正ピッチャー秋丸の練習不足。それぞれ誤魔化し誤魔化し使っていますが、色々ボロが出てきてお互い点に直結している。
結果として先にメッキが剥がれたのは、その秋丸に決定的な「何か」を掴まれた西浦なのですが、合宿や怪我を経て頑なな心を解し、コミュニケーションの重要性を理解した阿部&三橋はそこまで揺れていない。その「後」、その「先」はすでに想定のウチで(可能であれば魔法を使って勝ちたかったんだろうけど)、そっから先の武器もある。ナインとの関係もいい。八回同点にされた時、即座に駆け寄る内野陣の頼もしさには、オッサン涙出るわ。キャプテン花井も大爆発したし、栄口大先生は相変わらず職人だし、追いつ追われつでも西浦の状態はいい。
こういう言い方をすると、武蔵野の状態が悪いみたいだけど、秋丸が角を出し始め、それに触発されてエース榛名テンションも尻上がりに伸びている。つーか榛名は秋丸好きすぎ。「まっすぐ」の魔法を解いた秋丸に対する信頼もじわじわ生まれてきてるけど、この漫画「やってない」奴にはスゲー厳しい。秋丸は大会中にようやく「やろう」と思えたやつだけど、同時に「今までやってきてなかった」奴でもあって、そこら辺の安定感のなさがいまいちチームの信頼を受けられない所とか、多発する失策とか、サインの癖を見破られるフラグに繋がっていると思う。
点数やプレイの面では、一進一退のシーソーゲームであり、メリハリの聞いた見ていて気持ちの良い展開。やはり、榛名のピッチャーとしての説得力が大きい気がする。しかし、「バッテリーの片方が支配権持っている歪な構図は、惨めな負けを呼びこむ」というのもこの漫画ですでに描いたテーマ。そこを乗り越えて次に手を出そうとする西浦と、そこから抜けだそうとしている(そして多分間に合わない)武蔵野との対比がクッキリ見える九回表同点だなぁと思いました。そこまで持っていく展開の巧さとか、やっぱおおふりオモロイわマジ。