イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

オトメの帝国 04&05

岸虎次郎集英社。可愛い女子高生がカップルでどんどん出てくる漫画、今回は四巻と互換を同時刊行。回マタギの話が増えてきて(特に山田先輩関係)、オムニバス短編というよりは分割された中編を並行で流すような形式になってきたので、同時刊行は正直ありがたかった。四巻だけ発行だったら、ゲイが出てきて半年待つんだもんな……小野田さんもイヤな子のまんまだし。
そういう訳で、この漫画で初めて人格の在る男性が出てきました。ゲイのカップルで気さくな方々です。この人らが出てきた時、僕ななんつーか、横殴りにされた感覚みたいなのと安心感を、同時に覚えました。「俺をただの百合好きだとでも思ってたか?」と虎次郎先生に言われた感じというか。こんだけ色んな関係・物語を一つの漫画にねじ込んでいる作家が、停滞したジャンルにあぐらかいてるわけもないんですが、オトメの帝国の百合力高すぎなので、ちょっと油断してたというか。そのタイミングでズバーン! 入ってきた球なので、マジ良かったですあのゲイたち。
あーちえはすごい勢いで恋愛の時空に飛び込み、茉莉優コンビのSM関係は適宜逆転し、綾乃美好は健全仲良しつー、カップル事の関係や空気のコアな部分はそのままに、それをどう魅力的に見せてくるかっていうシチュ選びや表現はどんどん深化していっていて、「今までどおり」を「普段より面白く」つーむっちゃ難しいことをやってる虎次郎先生にはマジ尊敬。出てくる子出てくるカップルみんなスゲー可愛くて、エロくて、読んでて幸せな気分になれる漫画はマジ至宝。
んで今回主に前進つーか関係が変化したのは、山田先輩絡みの四人とほのエリ。ゲイで年上で男性の友人が出来たってだけじゃなくて、毎回エリーに振り回されてるほのちんが漫研では結構どっしりと先輩していたり、奇人変人仲間と楽しくやってる様子を見せてくれたり、なかなか嬉しい展開でした。碧ちゃんはまひまひとはまた違った系列のロリっ子で、暴走機関車な所が可愛いですね。
んで今回の大本命、山田先輩と爛れた仲間たち。百合っつーにはお肉にリビドーやや過剰なこの漫画(ソコが好きだけどさ)ですが、かおると静香の奇妙な距離感は超正統派の百合で「やりよる……」って感じだった。山田先輩はとにかくゴージャスで、ああいうプレイガールで自分本位な生き方しても許される"選抜された存在"オーラが、絵からきっちり登ってる所が凄いっすね。今まですごく落ち着いて、聖母ッ面してた静香先輩が翻弄されまくってるのも納得というか。静香先輩だって弄ばれるんだから、後輩ズがいいように使われるのもしょうがないっちゃ無いですけども、掌でコロコロ転がさすぎてて、ちょっと可愛そう。ここら辺今後の展開が気になるところであります。
全てのページに「わっしゃぁあ可愛い女の子好きなんじゃああ!!」という虎次郎先生の叫びが塗りこまれていて、相変わらず読んでてハッピーな話であります。背のおっきいのからちっちゃいの、肉の付いてるのついてないの、細いの太いの。「どんな体型でもみんな可愛いんじゃあ!!」というシンプルでパワフルな愛情を、美麗で丁寧な作画で説得力バリ乗せでお出しする。漫画の一番根っこの部分のパワーを、再確認されたような連続刊行でした。いやー、やっぱすんごいワこの漫画。