イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/07/12

・ 残響のテロル
説明なしではじまり、説明なしで進み、説明なしでツインタワーが倒壊したアニメ。
説明はないんだが、9番と12番がどういう立場で、どういう能力を持っているのかはよく見えた。
となると問題になるのは何故テロを行ったのかという動機の部分なのだが、そこら辺は引っ張る要素なのかな。

冬の青森も夏の東京も、綺麗なのに不安感と圧迫感に満ち溢れており、作中で起こり、これから起こるであろう事態の不穏さと良い噛み合わせをしていた。
ほんとなー、イヤーな空気漂う色彩でしたわ。
明るすぎて暗い風景は、抑圧された生活送ってそうな三人の心象でもあるのかもなぁ。
環境音とかも巧く使って、どうにもケツの収まりの悪い不安な空気を出していたと思います。

キャラの方は背景が見えないのでどうとも言えない所ですが、12番の笑顔だけ貼り付けてその実何も楽しくなさそうな立ち回りは、皮肉が効いてて良かったです。
9番もつまんなさそうにテロルしており、彼らの虚無的な人格が何処からやって来たのか、気になるところです。
いや、描写されてた収容所でなんかあったんだろうけどさ。
キャラデザインや声優さんの演技もあってか、神経質で繊細そうなキャラに仕上がってていいですね。

そんな少年テロリスト二人を、追い込まれた女子高生が見続けるアニメ、になるんだろうか。
なんとなしの枠組みは判るのだが、動機が見えないので先読みは全然出来ないアニメだ。
つまりそれは、ワクワクしながら見られるってことであり、楽しみだということだウム。
さて、次回どう転ぶのかな。

 

・ Free!
前回露骨な引きで出てきた新キャラクター、山崎宗介くんを軸に、現在の状況を整理する話でした。
進路の話とかも出てきて、『高校卒業後の身の振り方』という二期の重要テーマも少し見えてきた。
そこに向かって収束する話であるなら、問題点を叩きに来るキャラは必要で、宗介くんはそこ担当なのかなぁ。

心の面倒くさい部分に前期で決着を付け、ギザギザハートのとんがりボーイから面倒見のいい先輩にすっかりジョブチェンジを果たした凛くん。
あれだけ周りを巻き込んで大暴れして、なおかつまだ面倒くさかったらあまりにも成長がないので、丸くなるのは大歓迎。
ですが、お話のカウンターウェイトとして主人公をけしかける仕事は、効率よく果たせなくなってしまいました。
肩書が"面倒くさいライバル"から"学校の違う同士"になった感じですね。

このままでは一切波乱が起きない! 水泳アニメだけに!! ということで、笑顔の仮面の下に暗さと重さを隠した水泳ターミネーター、山崎宗介くんの出番と相成ったわけです。
いやー、凛ちゃんが前歯ギザギザしておハルに絡んでた時代を思い出す、超めんどくさいボーイだったね。
凛ちゃんは誰にでも尖ってたけど、宗介くんは社交性という仮面をかぶれる辺り、余計面倒臭そうでグッドです。

腐ったキャラ分析はさておき、このアニメは水泳のアニメなので、ライバルとしての説得力は水泳で出すしかありません。
そういう意味では、メイン競技から担当をずらし、怜ちゃんと凛くん、おハルと宗介くんをマッチアップさせた今回の試合、結構面白かった。
水の描写が圧倒的なのはもう言わねぇが、腕の動きが各キャラ細かく違っていたり、全体的に迫力のある作画でした。
あと2カットだけ挟まった水泳幼女の作画が『んなあああぁああ!! 可愛い女の子描きてぇええんすけど!!』という怨恨にまみれた気合の入り形で、凄く良かったでス。

というわけで、ライバル登場回としてはなかなか良かったです。
宗介くんは既に重い男オーラムンムンなので、凛ちゃんのことを考えるあまり競技とか他人とか、色んな物に砂をぶっ掛ける展開には気をつけてほしいなぁ。
「一期と同じ展開をリピートするために、便利なライバル召喚しましたー」じゃあ、キャラクターが可哀想だし。
そこら辺どうなるかは今後を見ないと判らんことなのですが、少なくとも今回は「開放的な展開になれば面白いな」と思える回でした。

 


・ プリパラ
プリリズの遺伝子を継承してリスタートした女児アニの新たなる龍、二話目。
一話目で見せた手際の良さ、堅牢さは相変わらずで、ポテンシャルの高さが窺い知れます。
今回は校長先生で圧をかけつつ、主人公がプリパラに魅力を感じる理由、続ける理由を説明し、抜群の強い引きで〆るという構成。
よく出来てんなーホント。
「小学生に生まれてきた甲斐がない!」とか「超行けないんだ」とか、いちいち台詞の切れ味がいいしな。

友情のため、ステージのため、結局校長先生をごまかしてプリパラにズッぱまりならぁら。
体型は大人っぽくなり、コンプレックスの大きな声はファンを引きつける武器に、友達もたくさん出来て、相棒とは気持ちよくステージ出来る。
「らぁらにとってプリパラはまさに魔法の国であり、圧倒的な魔力を放つ危険な場所でもある」つーのが、今回見せたかった部分かなぁと思いました。
いや、ドラッグ並みの常習性あるでしょアレ。
そら禁止もするわ。

"都合よくチヤホヤされる私"に魅力を感じてるのは多分みれぃも同じで、現実の堅物委員長と、プリパラでのブリブリキャラとのギャップは、らぁらの大声と同じコンプレックスを眼鏡の奥に隠してる証拠な気がします。
同時にただ屈折しているだけではなく、地道に特訓してダンスを仕上げたり、らぁらを信じて愚直に待ったり、根っこの善良さが判る描写を入れて、好感度を荒稼ぎしてるのはグッド。
普段はトムとジェリーな間柄だったりする部分もひっくるめて、らぁら×みれぃは面白くなりそうな関係性の塊だなぁ……年齢差&身長差コンビだし。
今回チラッと見せたお互いの差と共通点は、今後膨らましてくれると嬉しい部分です。
VRの魔法が解けてお互いの正体を知った瞬間の空気とか、ほんと上手い。

膨らます余地という意味では、プリパラのあまりのドリームワールドっぷりも、そのうち牙を向いてきそうで楽しみ。
販促要素だからずっと"チヤホヤされるまくる魔法の国"で通すのかも知んねぇけど、プリリズの遺伝子を受け継いでるなら、トリーズンしてくる部分だと思うんだよねぇ。
その上で綺麗に止揚して、仮想空間と現実両方に価値を見出すようなミラクルしてきたら、こりゃどえらいことですからね。
二話までの仕上がりを見ると、そういうところを期待してしまいます。
ドルとしては完璧に見えるらぁらの弱点も、次回見えてくるっぽいし、面白いなぁプリパラ。