イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/07/20

 

・ ハチャプリ
恋愛強化月間第二弾! つーわけで、神様がまためんどくせぇ勘違いを量産し、せいじが男らしくめぐみ一本の恋愛道を強調し、いおな&ゆうゆうが恋愛ステージからのドロップを宣言し、ヒメがせいじにキュンキュン来る伏線を張っていた。
あとナマケルダさんが、過去恋愛ですげー面倒くさいことになった経験持ちアピールしてた。
思い返すと盛り沢山だな。
その分カラテがテキトーだったが、プリキュアではよくあることだ。

勘違い量産装置としてのスペックをブルーが極めていたが、いい加減ここまで描写が積まれると、スタッフとしては判ってやってると思いたい。
現状画面に写ったもので判断すると『自分の行動の結果生まれた戦いの庭に、いたいけな青少年を投入し、目をつけたこの恋心を弄ぶ』という、ウテナの暁生さんクラスのド外道になっちゃうぜこのゴッド。
名前呼びとか白いギターとか、起こすイベントすべてが、恋愛に耐性のないめぐみを泥沼に引きずりこむ危険球なのがなぁ……。(名前呼びに関しては、神様神様言われてウザかったのも判るんだが)
神様らしい大物感を出すために、あんま自分の事情しゃべんないのがブルーヘイトがたまる理由だと思うな、俺は。

次回はヒメがせいじにキュンキュンする話であり、更にこじれそう。
なのだが、黄色と紫が恋愛戦線から早々にドロップアウト宣言をしたこと、ブルーからめぐみに脈がなさそうなところと、ハチャプリの恋愛図式は整理してみると結構分かりやすい。
まぁメインはヒメ→せいじ→めぐみ→ブルー→ミラージュの一方通行数珠つなぎであり、既にめんどくせぇがな。
めぐみが今回「幻影帝国も救済されるといいね」と言ってたことを鑑みると、最終的には、ヒメ・せいじ←→めぐみ、ブルー←→ミラージュでまとまるんじゃねぇかな。
そうして孤立したヒメの心に、いおなが付け込む! という袴田めら的展開よ!(いおヒメを諦めない男)

 

・ プリパラ
いいんちょの正体がバレて、二人の絆が深まりメイクドラマに成功して、そふぃの影キャラがチラ見せされるという、結構いろんなことが起きた回でした。
らぁら&みれいの距離感の見せ方/詰め方が非常に上手くて、正統派成長物語としてよく出来てんなぁと関心。
みれいのキャラ紹介としてもグッドで、委員長モードをガッチリ描写してくれたので、素の性格の良さ、真面目さ、可愛さが良く見えたと思います。

シンガーとして圧倒的な才能を誇るらぁらですが、中身はただの小5であり、多角的な対応能力が求められるアイドルとしては、うまくいかないことも多い。
でも友達のためなら苦手なことも頑張れるし、それはみれいも同じという構図はなかなか綺麗だった。
二話までで散々"計算高くて、堅物でイヤな奴"という印象を与えておいて、友達のために権威に反抗するシーンを作るのは、製作者の狙い通りズバッと来た。
しかも、理論派な自分のスタイルを維持したまま。
プリパラモードの時の友達大好きっぷりが、現実でも生きてるのはキャラに一貫性があっていいと思います。

ギャップと一貫性という意味では、今回そふぃさんのダメっぷりがチラッと見えましたが、あのパーフェクトアイドルをどう料理すると、あのメカクレになるのか、
"VRでの理想の私"と"現実の私"の距離感というのは、プリパラのテーマの一つだと今回の話でわかったので、そふぃさんの外キャラ/内キャラ話も期待したいところです。
しかし今回ぐいっとらぁら-みれいラインが近づいたので、途中参加でどれだけ間合いを詰めれるか……みおん様とかもあっという間に馬身詰めたし、心配することでもねぇか。

それにしたって、現実モードの身長差・年齢差が色々危険すぎてヤバい。
次回予告で写ってた、ファン一号さんともかなりのギャップがあるし、天然小悪魔らぁらちゃんが年上のお姉さんを次々陥落させていくお話なんでしょうか。
今後そふぃさんとの絡みも増えるでしょうから、ぜひその路線でお願いしますネ。

 

・ アルドノア・ゼロ
プロローグ三部作、ラストの話は火星ロボ攻略戦とスレインくんのルビコン越えでした。
やっぱ圧倒的にスマートな作品で、フレッシュなロボ戦描写、手際よく見せられるキャラクターの特徴、アクションシーンが終わった後に挟み込まれるもう一人の主人公最大の決断と、必要な物を綺麗に皿に盛りきった、丁寧な作りでした。
ほんとうに良く出来てるなぁ。

弱兵たちが知略を尽くし、巨人の足元を救う展開は矢張り燃えるもので、火星のインチキテクノロジー描写がインパクトのあるものだった分、戦闘は興奮できるものになっていました。
"静かなる炎"伊奈帆くんの堂に入ったコマンダーぶりもいいのですが、作戦参加者全員の能力を活かし、一人掛けても成功しなかったであろう巨人殺しを達成する筋書きが、やはり良い。
まさかのブルズアイだった韻子ちゃんとか、カリスマで1分時間を作った姫様とかね。

UAVや情報機器、リボルビンググレネードランチャーなど細かい道具立てをしっかり見せた戦闘シーンも、フレッシュで良かったです。
都市を制圧する圧倒的なスペックに対し、主人公たちの武器は小回りの効く情報戦と油断のなさというのは、非常に盛り上がる組み立て。
ここら辺は、一話でさんざん地球ロボのポンコツっぷりを強調してたのが効いてる感じ。

敵さんのキノコは余りに外道っぷりを強調したため、「どっかで死なねぇと帳尻合わねぇぞ」と思いながら見てたのですが、まさかスレインくんが不帰点を突破するのに使うとは、意外かつ合理的でした。
この話群像劇でもあると思うので、スレイン君がメインストリームに滑りこむタイミングで、非常にショッキングなイベントを起こしたのはいい感じです。
人殺しという事態を、嫌悪感を惹起する演出でちゃんと描いてるのは好感。

ファーストエピソードは時間の使い方、設定の飲み込ませ方、印象的な絵の見せ方など、とてもスマート、かつ熱量の伝わってくる素晴らしい物でした。
姫様も魔法少女チェンジで素性をばらし、冷静なる熱血として圧倒的にキャラを立てた伊奈帆くん、組織から離反する決断を銃弾に依って行ったスレインくんと、3主人公体制で今後進んでいくのでしょうか。
人類に逃げ場なしな状況はまだ打破されていませんし、面白くなる要素がてんこ盛りで、非常に楽しいアニメですね。

 

・ 少年ハリウッド
個別回二回目はトミーを主役にして、過去からの継承と、時間の残酷さ・優しさをテーマにした回でした。
何億回でもいいますけど、やっぱこのアニメの地に足の着いた切れ味はすさまじい。
未だ何も始まっていない二代目ハリウッドと、全て終わってしまった初代ハリウッドを今回対比させて、アイドルという"夢"を商売にする職業で結節させる構図とか、ホント圧倒的に巧い。
構図の巧さだけではなく、初代トミーの人となりを5分で見せるシーンの作り方とか、ステージ上で語られる夢の助産婦めいたアイドルの存在論とか、アニメーションを構成するパーツパーツの精度が高いんだな。

富井大輝くんは二代目ハリウッドの中で唯一、アイドルという職業に直接的なあこがれを持っているキャラでして、アイドルという場所から離れ大人になってしまった初代トミーからバトンを継承し、"憧れ""夢"そして"時間"をテーマにした今回の主役としては、ベストの人選だったと思います。
初代ハリウッドで何かを手に入れ、自分の夢に向かって歩き出し、そして達成した初代トミーさんにとって、ハリウッド東京は"過去"
まだ初舞台の練習中な二代目トミーにとって、ハリウッド東京は"現在"であり"未来"
同じモノが別の時間として捉えられている距離感が、バラバラにならずに済んでいるのはひとえに"アイドル"という存在故であり、それは同時にかつて初代トミーさんが富井少年に与えた"夢"の姿、これから二代目トミーが叶える"夢"でもある。
凄まじく綺麗で、発展性のある健全な構図であり、こんなにド直球に青春について語るアニメが、悪いアニメなわけないんですよ!(虚空に向かって絶叫)


夢の継承という今回のテーマの扱い方で、すごく上手いなぁと僕が思ったのは「やまびこフレンズ」の使い方でした。
かつてアイドルとして、孤児院の先輩として夢を与えた初代トミー→二代目トミーという関係性だけではなく、二代目トミー→タク少年との関係性を重ねることで、二代目トミーも初代トミーのように輝き、夢を与え、そしていつか夢折れて大人になる日が来るという時間的遠近法が活写されていました。
ここで「夢なんかより怖いものなんて、他にもいっぱいあるでしょ?」とさらっとタク少年に言わせてる所とか、背筋ブルブルする巧さですよ。
「いつかは出て行く場所だけど、必ず帰ってこれるし、とても大切な場所」という意味では、「やまびこフレンズ」は"思い出"であり、"夢"であり、"アイドル"でもあるという、ハリウッド流の多重メタファーが、今回も使われてるわけですね。

更にいうとアバンで「しつけの厳しい親がいる」という嘘をトミーが付いていること、その嘘にマッキーとカケルが気づいていないことで、トミーのコンプレックスや他のメンバーとの距離感もさり気なく描写されており、とにかく巧いなぁと唸りました。
ココらへんの距離感は、圧倒的に"普通"に充実した親子関係を結べているカケルの食卓の、ラザニアが出るの出ないので言い争いが出来る間合いとの対比になっており、そういう意味でも立体感のある良いシーンでした。
少年ハリウッドは、登場人物の動機・年齢・社会的立場がそれぞれバラバラで、別々の個性を持っていながらアイドルという一つの目標に立ち向かうところが、魅力の一つだと思います。


ビデオレターのシーンも刺さるシーンであり、まず単純に『過去の自分からの手紙』というだけで、ビバップのフェイを思い起こさせる叙情性の凶器。
アイドルという立場は捨ててしまったものの十分充実し、ステージングに継続して携わり、子供一人の夢になっている初代トミーをたっぷり描写した後、あの各々の夢とキラキラした過去を描写する順番の妙味。
最後に二代目社長=初代ゴッドであるというネタばらしをした所もひっくるめ、上手い使い方だったと思います。
あの「叶ってない、叶ってないよ!」とトミーが言っていた夢が、完全ではないにしてもコアの部分でしっかり結実していることを、擦り切れながらも劇場を守りぬき二代目ハリウッドを今世の中に出そうとしている社長の姿で証明されていて、相当グッと来るシーンでした。

叶った夢、叶わなかった夢、これから叶える夢、手に入れた夢、与えられた夢。
様々な夢を過去・現在・未来縦横無尽に行き来しつつ、それらは全て繋がっている、素晴らしいことなんだと前向きに描いた、良質な回だったと思います。
言ってることは凄い綺麗事なんですが、ダイアログの鮮度、レイアウトのスマートさ、何気ないシーンを再発掘してテーマに結びつける巧みな構造などが相まって、素直に胸に入ってくるのは本当に凄い。
やっぱこのアニメはすげーわ。