イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/07/22

 

 


・ ハナヤマタ
三話にしてようやくよさこいの説明をやった前半と、面倒くさいややちゃんが面倒くさくなる後半でした。
今週も金髪がなんかいい事言うと画面が過剰に発光する、英雄叙事詩的演出は健在であり、ビカビカする画面見てるとなぜか笑いがこみ上げた。
そして嫌なメガネが、イヤミを言い続け障害として立ちふさがり続けた。
お前よさこい踊るんだろ、OPで見たぞ……。
何話かかるか判んねぇけどさ、結局ややちゃん部員に為ってないし。

ややちゃんは今週も面倒くさかったですが、行動力とコミュニケーション能力のお化け、金髪女天狗ハナの果敢な攻勢を受けて、あと一歩で落ちるところまでは来た。
どうせバンドで面倒くさいことが起きて、ハナとなるが始末に奔走するんだろうがな!
嫉妬心を燃え上がらせたり、勝手になるのリアクションを想像してハナに付き合った挙句楽しくデートして約束をすっぽかし関係がこじれたり、ややちゃんの面倒くささは今週も天井知らずだった。

それに加えて、部活申請だの屋上封鎖だの、融通の効かなさにメガネを付け足したようなメガネがよさこい道に立ちふさがり、面倒くささゲージはレッドゾーンに。
ゆる系とか思っていたが、思いの外障害の多いアニメであり、踊るまで時間は掛かりそうだ。
がんばれ金髪女天狗、お前を取り巻く世界は書類手続きと面倒くさいレズで満ちているようだぞ!

 

・ キャプテンアース
戦場が宇宙に戻って、第三部開ー幕ー。
手際よく『敵要塞を破壊しろ!』というエンドマークが提出されるあたり、キャプテンアースっぽいなぁと思いました。
10日後のオーベロン攻略戦がクライマックスになるのかしら、それとももう一枚あるのかしら。

お話としては前哨戦という感じで、ハナちゃんがパイロットとしての実力を見せ付け、アイドルさんが特に美味しいところなくぶっ壊されてた。
戦闘してたアイドルより、『なんかヒャッハーしてるか、ムッツリしてる奴しかいないのです……ロールプレイしにくいのです……』という顔でバクくんに人間時代トークしに行ったセイレーン様のほうが目立ってたんじゃねぇかなぁ。
悪の女幹部めいた言動になったセイレーン様だけど、なのですアピールが可愛くて決まり切らないところが好き。

あと、ラスボス候補ことパックは、ひとみちゃんのドスケベボディにズッパマリ過ぎだと思います。
肉欲に溺れて道を踏み外すAIは、個人的には斬新だ。
面白い要素なので、毎回1カットくらいパックとひとみちゃんのプレイは画面に写してくれ。

 

・ スペダン
今週のダンディは天才・湯浅政明が脚本・コンテ・演出・作監・原画・美術デザイン・ゲストキャラデザでお送りするキチガイ話でございました。
ピンポン湯浅と言うよりはケモノヅメ湯浅……あんま関係ねぇな過去作は、ドラッギーでシニカルでテクニカルな、非常に湯浅湯浅した湯浅アニメであり、大満足。
大平晋也の超絶作画も見れたしな……ピンポンOPといい、TVシリーズでこんなに大平見れる年があっていいものかしら?

話の筋としてはワンアイテムで笑かしつつーの、悪趣味な笑いありーののコメディ展開。
するっと動きの予測を裏切ってくる笑いの取り方がホント上手くて、ミャウが惑星中心に落下するあたりの"動きの笑い"は切れ味抜群。
ナンセンス劇というジャンルが、アニメーター湯浅政明の気持ちの良さ、発想のぶっ飛び下限とそれを気持ちよく映像にしてしまう腕前にバッチリあっており、監督作ではなく単品で受ける気軽さがいい方向に回ったなぁと感じました。
アニメーションでしか実現し得ない、軽妙で奇っ怪な"動き"のエミュレーション精度が湯浅政明のメータとしての凄さだと僕は思っておるので、それを堪能できた今回はほんとうに素晴らしい。

シリーズ全体で見ると第九話(植物回)に似た系譜の、キチガイめいた酩酊感とオールド・スクールな思弁性を併せ持つ、奇っ怪SF回だったと思います。
第九話を担当されたチェ・ウニョンは湯浅直系なので、似るのも当然といえば当然ですけども、やや叙情性重視の「いい話かよく判んねぇけど、多分いい話」だった九話とは違う、「これいい話でもなんでもねぇな、スッゲ面白いからいいけど」という突き放したバカバカしさに、やっぱ個々人の作家に依って作品のテイストは大きく変わるものだなどと、当然のことを思う。
そういう、「似てるけどなんか違う」回を贅沢にラインナップできるのは、スペダンだけが持ってるリッチさだと思っています。

作画はモーフや奇っ怪パースを駆使した湯浅イズム全開のモノであり、ベリーべりグッドナイスとしか言い様のない素晴らしい物でした。
個人的には、絵画の中に潜り込んでしまったような悪夢感を水彩背景が良く出していて、動画部分との絶妙な違和感を闊達に操った演出とも合わせて、とても面白い映像になっていたと思います。
こういう回をズバンと出せるこのアニメの、圧倒的な豊かさを再確認しつつ、「ああ俺って湯浅信者なんだなぁ……最高だわマジ」と思った回でございました。