イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/09/14

・ ハチャプリ
「歩くDLSITE」から「狗」へ。
プリキュアハンターさんが華麗な転身を遂げた前回に引き続き、今度はいおなの恋愛回でした。
恋の弾丸は横に交わすのがハチャプリ流なので、答えは留保されましたけどネ。
まぁしょうがねぇ、めぐみ以外は恋に本気に為れない宿命なんや。

今回はコンテ演出山内重保ということで、山内節全開のパキパキした演出が見どころでした。
あのモノトーンの使い方、如何にも山内で俺は好きだぜ。
アニメ業界でも一二を争うクセの持ち主なので、好みが分かれるのはしょうがねぇ。
ナマケルダさんがダンディに見えたのは、山内演出の渋さが効いてたおかげだと思うけどね。

新世界より」でも「ブレイド&ソウル」でも、死ぬほど浮いてたねぇ山内演出。
ええ、そのまま天界に帰還できるくらい、今回の山内節も浮かび上がってたよ。
俺はそういう個性が好きなの!

 

・ 残響のテロル
ツエルブが友情と愛情の板挟みの末、心がポッキリ折れる回だった。
いやー、両方選択して死ぬルートだと思っていたんだが、リサルートか。
まぁ先週ナインをフッた段階で、こう言う流れ以外はなかったか。
生き残ってしまった以上、リサともども逆転ホームランを打つしかないので、そこに期待。

一方男やもめ一号ことナインは日常に背を向け、男やもめ二号柴崎さんは真相にたどり着いていた。
ナインが鍵を投げ捨てるシーンは、もう戻れない感が良く出てて、イイシーンだと思いました。
少年たちが青春の血潮を燃やす裏側で、ザックリ真実ゲットしてる柴崎さんは優秀だなぁ。

さらっと日本の一部勢力が原爆製造してることが明かされたが、それが握りこまれてるなら、あれだけアメちゃんさんに好き勝手されるのもしょうがねぇわ。
個人的にはそこら辺の駆け引きシーンを作って欲しい気持ちもあるが、それは好みの問題か。
根本的に青春譚出しな、このアニメ。

ツエルブ-リサチームは失点して生存という結論になったので、そろそろナイン-柴崎チームが動く頃合いか。
実験の副作用というタイムリミットも表に出てきて、いよいよ終盤ってかんじですね。
さてはて、どうまとめんのかな。

 

・ ろこどる
ろこどる最終楽章流川編は無事終わったので、全国編前編ということで名古屋に向かう話。
バチバチいわすのは後半に回して、今回は事前準備に注力した感じでした。
いや、ゆかり先輩がまーたなにゃこと風呂入ったり、冗談で同衾を誘ってみたらほんとに来ちゃってビビったり、クソレズ成分は相変わらず豊富でしたけどね。

今まで流川市というローカルな場所で、コンパクトな自己実現を積み重ねてきたこのアニメ。
全国区の大きな舞台に挑戦するということで、ロコドルのちょっとディープな部分をしっかり演出し、ファンの規模や影響力などからしてラスボスの風格漂うAwa2Grisの顔見世などもする。
あいつら中の人が千早と穂乃果とおとめちゃんというアイドルアニメインチキ連合軍だからな……そらつえーわ。

同時に地方物販の土臭い描写なども冴えており、ゆるキャラB級グルメ・ローカルアイドルのまちおこし三種の神器にも、それぞれ格差があるという生臭い部分がチラホラ見えてました。
流川だと魚心くん>ガールズ>グルメという感じか。
ああいう地べたに足をつけた描写を怠けないのは、このアニメの強いところだと思います。

全国トップクラスのローカルアイドルとの距離を描写して、ステージへの期待感は十分。
飛翔のための土台作りはほぼ完璧といえ、あとは綺麗なフォームで飛びきるだけなラス一個前でした。
ホント丁寧に仕上げられたいいアニメで、気持よく見終わることが出来そうであります。
良いアニメだなぁ、ろこどるは。

 

・ アルドノアゼロ
デウカリオンメンバーが戯れに積んだフラグをきっちり回収して連合軍本部が壊滅しつつ、デウカリオンのオマハビーチ回。
堅実な戦術もクソもない、地獄まっしぐらな削り合いが展開され、死人が出てないのが新手の奇跡にしか思えねぇ。
死人が映っていないだけかも死んないけどさ、いやはや。

ザーツバルムおじさんのすべてを掛けた攻撃はさすがの威力で、誰が死んでもおかしくない状況が生まれつつある。
トチ狂ってジープで明日を掴みに来た侍女は「あ、死ぬわ」と思ったけども、ライエちゃんのナイスアシストで生存。
しかし均等状態は維持されたままなので、分割2クール目に繋ぐべく、誰が死んでもおかしくねぇキチガイダービー状態。
なお、本命はユキお姉ちゃんの模様……死んでほしくねぇけどな、あの人好きなんだ。

一期を見返してみると、夢見るアリスちゃんだった姫様に現実をつきつけ続けるシーズンであり、今回鉄火場に直接で向かざるをえない状況に追い込まれた結果、完成が更に近づいた感があります。
甘っちょろい意見は現実を知って打ちのめされ、なおその理想を貫くことに物語的意味があると思うので、このプレシャーのかけ方は正しい。
そういう味方をすると、露骨に侍女は死ぬ立場にいるわけですが……死んでほしくねぇけどなぁ、あの子好きなんだよね(二度目)

戦争状態はさらなる加熱を見せ、お互いの喉笛に刃を突きつけたまま1クール目最終段階が近づく。
となれば、どっちの地獄に転がることも出来る唯一の主人公、スレインくんの挙動に注目が集まります。
まー想定しうる最低を斜め方向にブッチギッた最悪の局面に追い込まれるとは思うんですが、どこまで地獄の釜の底をぶちぬくのか。
アドルノアゼロ、1クール目ラストエピソードの焦点はそこにあるわけです。
さてはて、どうなることやら、楽しみでもあり恐くもありですね。

 

・ ヤマノススメ
ジワジワと経験を積んで挑んだ富士登山、いやーなフラグをこまめに撒いていましたが、丁寧に回収して明暗分かれる結果になりました。
毎回細かいところに気を配ったアニメなんですけども、今回はとにかく環境音響の仕事が凄まじく、吹きすさぶ風の音が四人の置かれた非日常を伝えてくれました。
ゆるーい題材のように思えて、シビアなところはシビアに、感動を覚えるところは視聴者も心動かれるように、しっかりと作ってるアニメであります。

そういう意味では、ここな-ひなた組と楓-あおい組のクッキリとしたテンションの差は、まさにアニメ・ヤマノススメの真骨頂ともいうべき巧妙な演出であり、谷の底になるであろう今回、こう言う仕上げが出来る強みを感じました。
未知の感動に飛び込むひなたのワクワクと、みんなとの楽しい趣味だからこそ失敗を嫌悪するあおいの天国と地獄。
山を歩くという行為の楽しさと苦しさを同時に活写するシーケンスであり、こう言う作り方が出来るならそらもう"ゆるーい題材"でも"ゆるーいアニメ"とは口が裂けても言えないな、というね。
そもそもにおいて甘えた作りをしてるアニメではないのですが、高山病というシビアな状況に直面して、真剣で丁寧な地金がむき出しになった感があります。
うーむ、良いアニメだ、ヤマノススメセカンドシーズン。

それにしたって、ここなさんが相当な余裕を持って登山しており、妖精めいた雰囲気で塵界のお悩み事を蹴っ飛ばす女天狗は、鎌倉ではなく飯能にいたか、と見解を新たにする。
金剛杖も持ってるしね。
ハナは結構等身大に中学生してたからな……ここなさんはホント揺れないブレないで凄いなぁと。
まぁこっちで揺れたりブレたりするのは主にあおいとひなたの仕事だから、ここなさんはメイン回が来たら面倒くさいところ見せてくれればいいか。
とりあえずやって来た大きな谷間、どう乗り越えるのか注目ですね。

 

・ プリパラ
葛藤と決意渦巻く、そふぃ回の三幕構成真ん中。
らぁら、みれい、コスモお姉ちゃん、親衛隊、そしてそふぃ当人。
籠の中の鳥を巡る各アクターが、何を考え何に悩んでいるのか、小気味良くクローズアップされていました。
問題点をピックアップするだけではなく、主人公らぁらがその解決のためにとにかく動いたり、みれいが必要なこと全て言いつつ今後の展開に繋げるスーパーサブを担当したり、手際のいい話回しは如何にもプリパラでした。

今回は活動型主人公らぁらがバンバン前に出て、その周辺を論理型主人公みれぃがサポートするというきれいな形が目立ちました。
らぁらがグイグイ行くだけでは問題点の指摘が出来ず、解決のための地均しは出来ないだろうし、賢いが故に落ち着いた動きをしてしまうみれぃだけでは、初動が遅くなっていたでしょうし、
バディモノとしてのバランスの良さがあるのが、らぁら&みれいコンビの強みだと思います。
クマも色々ダメマスコットな部分あるけど、何だかんだ二人の可能性を信じて、抑圧ではなく信頼で動いてるいい大人なんじゃねぇのと思った。

みれいの必要なことを徹底的にクリティカルに突き上げる動きは非常にグッドで、親衛隊にしてもお姉ちゃんにしても、痛いところを突かれた展開。
此処で心を動かしておくことで、そふぃの問題を八方(ウサギ除く)丸く収める素地ができるわけで、やっぱこういう仕事ができるキャラクターが物語の中にいると、展開はスムーズかつスマートになるな。
「一回の失敗でくじけるなら、私達のチームには相応しくなかった」という発言は、厳しさと優しさを同時に見せ、彼女たち(そしてこの作品)が向かい合っているプリパラという表現への真摯さを覗かせる、なかなかの名台詞。
安定性を見せるだけではなく、2クール目以降の火種になるキャラクターに蹌踉めかせることで次回以降のフックを作り、「色々あるけど、やっぱそふぃ!」というこれからするであろう決断を輝かせる素地を作ってるのも、流石としか言いようがねぇ。

お仕事した委員長にきっちり餌をやりに来るらぁらちゃんは、日本一の年上キラーだと思います。
ハグで誤魔化しに来るだけではなく、「そふぃさんとチーム組みたい!」という自分の欲求をゴリゴリ押し付けることを忘れないのが、コミュニケーション強者たる所以だと思いました。
ラストの「自意識の檻だぁ! ジョートーだよぶっ壊してやんヨ本気(マジ)!!」という獅子吼は、まさに主人公としての風格を感じささせる、気持ちの良いシーンでしたね。


的確な動きで混迷した状況を切り開いて行くらぁらチームに対して、未だ迷妄の中にいるそふぃチーム。
引っ張りあげられる立場なのでグダグダと悩んでおればいいのですが、コスモお姉ちゃんが自分の、そしてソフィとの関係の中にある歪みに気づき、飛躍への準備をしっかり済ませていたのがグッド。
親衛隊もそうなんですが、みれいの論理的で的確な一言が良く効いていて、己を鑑みて反省する段階まで進んでいるので、モヤモヤした展開の中にも光明があるという。
ストレスバランスの調整が巧い回だったと思います。

ラブライブ!が一段落したのか、そふぃの新メイキングドラマの監督は京極さん。
籠の中の鳥という直球モチーフはしかし、前回のハンマーを活用した名演出と共鳴してよく刺さる演出になってました。
完璧なはずの前髪がほつれて、ファンシーモードになってるのはほんと細かい。

未完成なメイキングドラマでもファンは喜ぶという、今までも蓄積してきた要素を回収した演出がありましたが、これはつまりレッドフラッシュでドーピングした北条そふぃは、ほんとうの意味でファンに届いていないということ。
「本当の私を見てもらう」ための自己実現としてプリパラがある以上、何やってもウケるなら、何もやってないのと同じ。
そういう意味でもそふぃはドーピングを止め、素の自分で世界に立ち向かう必要があるんだろうなぁ。
失敗してもそれを気付かせない、でも少し憂いを帯びた表情は見せるというドラマ後の演技の付け方もキャラを把握したグッドナイスな仕上がり。
皮相な部分しか見れないファンと、そふぃの苦悩を知ってる身内の反応が明暗分かれていたのも含め、なかなか面白い演出でした。

まぁアイドル以前に健全な人格育成として歪みが生じているので、此処で正さないといけないところだとは思いますが。
やっぱウサギクソすぎんよー……お姉ちゃんが立ち止まったから大丈夫だと思うけど。
次回予告でも宣言してたし、鍵を開けるのは主人公らぁらで決まりだとは思います。
が、これで運命の王子様宜しく籠の鳥をオープンユアハートしちゃったら、確実にらぁらにズブズブの中学生がまた一人生まれるわけで、プリパラって素晴らしいと思います。
次週そふぃ飛躍編、すごく楽しみですね。