イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/10/15

・ ガールフレンド(仮):第1話『はじめての約束』
バハムートがソシャゲアニメの実力をゲップが出るほど見せつける中、実写特番で一話使ってから始まった女の子山盛りソシャゲアニメ。
えー、その、なんだ……アヴァンギャルドだった。
公野櫻子の作家性をぶっこ抜いたシスプリというか、美少女アニメ界のラーメン二郎というか。

お話の展開……といえるものはほぼ無く、JRPGもビックリの超たらい回しに会いつつ、学園のあらゆる場所に潜む美少女達を、忘れ物を届けるという名目で紹介していく24分だった。
キャラの内実やこれまでの人生などが見えてくる対話やイベントもほぼなく、そのくせ各種記号はきっちり見せるノルマを背負わされているので、『良く知らないオンナノコが極端なことをしては情報を小出しにして去り、またオンナノコが出てくる展開』が脳みそが軋みを上げるまで乱打されるという、常時アッパーボルテージな流れ。
記号の順列組み合わせによるキャラ生成と、束もの美少女弾数勝負理論が極限化した結果生まれた、新手の電子ドラッグだと思う。

『女の子が可愛いだけのアニメ』『Q:このアニメ面白い? A:かわいいよ』の極北が恐らくコレなんだと思うが、すさまじい歪さそれ自体がある種の評価に値する、バロックなアニメ体験だった。
推しが画面に映るだけでハッピーになれるのがアイドル映画であり、高速でシャッフルされるキャラの出番からしてもこのアニメアイドル映画的なのだが、んじゃあ推しがいねぇ初見は、どう作品に入っていけばいいのか。
『視聴者をフックするという目論見自体が、そもそも存在しているのか判らない』というスタートラインの引き方からして、やっぱジャンルは『前衛アニメ』なんだと思う。
良いとか悪いとか、面白いとか面白く無いとか以前に、『僕達はここまで来てしまった』という距離の遠さと広さを痛感するために、一話は見るべき!

 

・ グリザイアの果実:第2話『スクールキラー由美子』
『脂っぽいモノをガツガツ食いたい!!』という欲求のもとに見始めた、エロゲらしいエロゲアニメの二話目。
かなりザックザックと高速で展開した出だしに比べ、じっくりとキャラの距離を詰めていく話でした。
オラァトンチキ生物達が仲良くなっていく話大好きなので、今回のエピソードは良かった。
ザリガニ釣りするところとか、自分相当好きよ。

ミステリアスさを消失したガハラさんみたいなツラした由美子が、ナイフで襲ってきては跳ね返され、襲ってきてはビビって帰る天麩羅漫才はエロゲらしい濃厚風味だったが、『心に傷を追った少女が、不器用なコンタクトを試みている』と翻訳するとオーソドックスで大事なシーンだ。
彼女が情に篤い子だというのはED被せに一気に圧縮して流した前日譚を見れば判るわけで、あのシーンのスマートかつ適切なまとめ方は正に職人芸。
ウケの良いパンチラインに尺を使って視聴者をフックしつつ、必要な情報を整頓して出し情動の背骨を補強する構成は、話とキャラにすんなり入って行けてグッドだ。

お話の方はぜ~んぜん進んでいないが、全員エロゲ的トンチキ生物というだけではなく、薄暗い事情を抱えているらしいことはしっかり見せた。
今後そこら辺を掘り下げながら、話が進むのだろうか。
安いツンデレツンデレ漫才とか結構好きなので、もうちょっとのんびりしててもイイわよ。

 

・ selector spread WIXOSS:第2話『その絆は微熱』
カードを用いた少女地獄アニメ二期、釘宮声の悪魔が思っきりキックスタートをかける第二話でございました。
喪黒福造よりエグい心の隙間忍び込み講座であきらっきー改めあきらぶりーが陥落し、第一の刺客として襲いかかる。
おまけにアホの子にコナかけて二の矢の準備までしてて、あっという間に緊迫感が増しました。
一話が思いの外ゆっくり始まったので正直油断してましたが、このアニメWIXOSSだったね、そういえば。

傷舐めとか股ドンとか、ウリスさんの高度なプレイにばかり目が行きますが、今回重要なのはむしろ柔らかいキャラ表現じゃねぇかなぁと思います。
晶の家庭環境(つまりああいう存在になったオリジン)が開陳され、彼女が何を求めていたかが見えてくると、恐れ故に噛み付き欠乏ゆえに求める、凶暴ながら年頃の少女らしい心の動きも判ってしまう。
かつて焦がれるほどに憧れ、悶えるほど憎悪した相手と同じ顔の相手の手管に誑かされる"あきらぶりー"の無様さは、正に楽しくてやがて哀しき少女の地獄であります。
一期の時『ピルクルイオナに似ているのは、晶が心底ではイオナを望んでいるから』という読みをしていたんですが、少なくとも晶→イオナラインでは当たっていて、それ自体は嬉しいんだけど現在の状況はあまりに無残で喜べないという。

ウリスさんが金銭と手間暇、コネと企画力全てを突っ込んで晶を落としたのは今回のサブタイトルに"微熱"とある通り、他人の激情と破滅を見てみたいという理由が一つ。
そういう意味であきらぶりーは最高の道化なんでしょうが、同時に無限少女としての借金として、バトルジャンキーイオナさんに餌を提供する仕事もあんだろうなぁ。
ちよりさんが本当にバカなのか、それとも現世に未練がないくらいクソな生活送っているのか、
そこら辺が便利に使われるか一発カマすかの分かれ目でしょうかね。


一方昔の女から貢がれる立場のイオナさんは、現マスターから『タマじゃない奴(From恐竜家族)』くらいの扱いを受け、地味にショックを受けていた。
ここらへん見ていると歳相応の中学生っぽいのですが、今までの言動を見てるとどう考えてもサイコ女ではあり、今回見せた顔とのギャップを上手く処理できていない状況。
タマも登場したての時は「ばとうー!!」しか言わないカード蟲だったのを考えると、二期はイオナさんの人生生き直し劇場である可能性が……?

そこら辺はまだ見えませんが、無垢で無害な存在に思えて持ち前のイノセンスで刺し殺してくるるぅ子の残酷さもちょっと見えて、群像劇としての多角的な見せ方が冴えてました。
登場人物全員がそれぞれのオリジンと、それぞれのクエストを持って戦場に挑んでいるお話であり、ただ無害なだけの"正しい"存在であることは主人公でも許されない。
るぅ子はるぅ子で、というかこのお話においてはあらゆる存在が持ってる利点は欠点でもあって、そこら辺の多様なキャラの見せ方が出来るているから、このアニメは面白いと思います。
そういう意味では、晶が今回ハラワタを見せたのと呼応してんのかな。

それぞれの願い、それぞれの地獄。
一度結末の見えた絶望の荒野で、未だ少女たちの闘争は終わっていないという回でした。
いやー、面白ぇわWIXOSS、マジで。

 

・ 神撃のバハムート:第2話『Escape from Livian』
『札束で横っ面を張り飛ばす』という言葉のほんとうの意味を教えてくれた一話から続きまして、物語が飛躍するための状況づくりをする第二話。
ミステリアスな美女だったアーミラ嬢が、あっという間にポンコツ腹ペコ小動物と化して可愛い神輿が準備されたりもしたけど、基本的にはお話の構図を見せて、二人の主役に動機を与える回でした。
軽快さに隠されたファバロの生き汚さ、大上段のウザさだけではないカイザルの高潔さなど、キャラの背中もちゃんと見せてくれて良かったです。

お話としては天界と魔界が追っかける"鍵"とやらをマクガフィンにして、アフロとポンコツとチョロ蔵のドタバタ珍道中というのが基本構図っぽい。
これを維持するためのモチベーションとして、カイザルをアミーラに惚れさせ、ファバロはさんざん悪辣なことした上で"何故か"情に流される展開に。
騎士団に対して「知りません」ではなく「言えません」と返す辺り、カイザルの人格が見えてよかったなぁ。

あと「俺のキャラ凄腕の賞金稼ぎなんでー、相手がいかにピンクのポンコツでもぶっ殺しますよ。おおっと俺の馬が言うことを聞かねー!! 助ける気はねぇのに修羅場に飛び込んじまうぜー!!!」というファバロの動きは、全TRPGプレイヤーが録画して拝むべき天才的ムーブ。
キャラ崩さずにお話の展開上必要な動きはさせていて、そのことが『らしくないことをする』という演出、スタイルを持っているキャラが一番輝く瞬間に繋がっているのは、本当にナイス。
僕は動物が好きなので、ナイスムーブをアシストしたオンマさんはぜひ再登場していただきたいですね。

主役二人以外にも、精神年齢10歳位なんじゃないかと思うくらい無垢で幼い所をあざとく見せつけ、倉庫の奥から可愛い神輿を引っぱり出さざるをえない状況を作ったアーミラ嬢の描写も良かった。
もう作画がすげーって話はこのアニメに関しては基本しないつもりですが、濃い目のキャラデザ故に表情の変化がビシッと決まるところと、フィドルっぽいダンスのシーンが本当に楽しそうで、人間界で初めて娯楽に出会ったアーミラ嬢の気持ちを超作画が裏打ちしてたのは言っておく。
ゼニのかけどころを現状一切間違えていないのは、本当にすげぇな。


お話の方は天界と魔界に挟まれた人間界という構図がチラホラ見えてきて、今回地均しした主役三人の背中を踏んで、さてどう転がるかなという段階。
基本股旅物だと思うので、リッチな美術とイケてるアクション詰め込めば見れてしまうセッティング……なんだけど、そのリッチさが尋常ではねぇからの。
物語の構成要素が持ってるスケールに振り回されるのではなく、ゼニの首根っこを押さえて振り回さないといけんわけですけども、現状地面に足のついた主人公たちの描写が活きて、腰の墜ちたお話が展開できそうな感覚はあります。
『天界だの魔界だのが出てきたから、はい上ッツべりした軽薄なお話になりますよ』というアニメでもないだろうし。
そこら辺は、今後の展開で見えてくるところなんでしょうね。

キタエリ声のあざとそうな狗娘とか、ワケアリ面のオッサン騎士とか、脇キャラも顔を見せ、今後の天界に期待の持てる二話だったと思います。
取り敢えず、アミーラ嬢は完璧すぎた……クール青肌メスゴリラとピンク腹ペコポンコツの2WAYとかあざとさ欲張りキングすぎるだろ……。
楽しめるポイントがすごく沢山あるアニメであり、神撃のバハムートは良いアニメだなぁと思いました。