イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/11/10

・ プリパラ!:第19話『みれぃとクマ、運命の出会いぷりクマ!』
ドレパのキャラ紹介もだいたい終わって一段落、今回はみれぃ&クマの出会いエピソードをやって地固めをするお話。
思いの外ド直球にいい話を投げ込んできて、こういう話がしっかりできるアニメは強いなぁという印象。
プリパラの闇も濃厚に感じ取れたしね……何あの帝愛グループ。

クマは普段おどけて笑えるシーンを作りつつも、マネジとして仕事をしっかりこなし、プロデューサーとして子供たちの面倒を見て、個性を伸ばす教育もしてる縁の下の力持ち。
アイカツ!で言うとジョニーみたいな立場にいるわけですが、外見とマジになるシーンの少なさでもう少しコメディよりかなぁ。
しかし今回、まるで普通の女児向けアイドルものみたいなエピソードをしっかりこなしたことで、安定感がより増したなぁと思います。
こういうタイミングでもギャグで流せるキャラだと思うのですが、そうはせず真心のある交流をしっかり見せるのは、とても良い。

一年分未熟なみれぃの姿を見せたのも、キャラの彫りが深くなるいいエピソードだったと思います。
あのデータ主義ならまぁ、ああいう失敗もしているよね、という。
クマの助言でみれぃが一歩成長し、みれぃの助力で墓場送りを回避するという至誠のキャッチボールは、見ていて気持ちが良かったですね。
無間地獄みたいな場所に送り込まれる運命なのに、子供の前では取り乱さないクマの姿は輝いていた。

メインキャラに焦点を合わせつつ、そふぃにお姉さんっぽい助け舟を出させたり、ドレパや校長を使って次回以降の話の種を撒いたり、プリパラらしいソツのなさでありました。
んで次回はウェスト姉妹メインっぽいよと……ナンデニンジャ!?
まぁワニんときもワニである理由はなかったので、どんなナンセンス爆弾が来るのか楽しみにしたいと思います。

 

・ Fate/UBW:第5話『放課後に踊る』
「あのですねー、前回シーン使って情報収集して、ていうか魔術系の情報出してるの全部自分で、エミヤくんと全然交流出来てないので、エミヤくんと私だけが出るシーンがほしいんですけどどうでしょうか」というPC2の要望が通った回。
宣言通り殺しに行ったけど、予想通り殺せないというか、ヒロインポイントを荒稼ぎしに行く回でもあった。
まぁUBWセイバー可愛いからね、此処で点数稼いでおかないと戦線に残ることすら許されないよね。

今回軸になっていたのは『異常であろうとする平常人』凛ちゃんさんと、『平常であろうとする異常人』士郎のギャップ。
コッロース!! と息巻いていてもリタイヤ狙いだったり、人命救助優先だったり、大量出血に驚いたり(というか、大量出血に驚かない士郎にビビってたのかな?)と、異常な状況を引き起こしておきながらフツーのリアクションをし続ける凛ちゃんさんは、ヒロインポイント高いなぁ。
あけっぴろげな魔術師の話に怒ったのも、親父から受け継いだプライド半分、魔術師のクソ因縁がなければ妹とキャフフJKライフが遅れたのにギリギリつーのが半分だろうしね。

一方如何にも少年漫画主人公みたいなセッティングをされつつ、人間なりそこないロボットの面目を躍如して血を流し続ける士郎は、やっぱフツーの主人公とはちと違う。
戦う理由も「セイバーとの誓いを裏切ることになる」だしなぁ。
そこが面白いところでもあるし、僕は大好きですけどね、ロボット人間生き返しストーリー。


テーマとキャラクター描写という骨肉の上に、極上のアクションという脂身を忘れず乗っけてくるのがUBWであり、今回も良く動き良く回り良く暴れていた。
トムとジェリー直伝の追いかけっこシーンは3D背景を活かした回り込みが生きていて、モーメントの気持ちよさがグンッと胸に迫る。
ライダーさんも露骨に人外の動きをしていて、この後無残に退場するとは思えないほどワクワクした。
……UBWは相当再構築に力を入れているので、ライダーさんの出番も後一回くらいはあるかな?

そんなこんなで『士郎くんと凛ちゃんさんが仲良く喧嘩してたら、ボンデージ女が横殴りをキメて水が入って仲直り』という回でした。
正直プレイしたのも10年前であり、細かいイベントの順番とか忘れてますが、次第一次柳洞寺決戦かな?
アサシンの超剣術がどう表現されるのか、今から楽しみですね。

 

・ 天体のメソッド:第6話『本当の友達』
面倒くさいツンレデ女に霧弥湖特産かわいい爆弾を投げつけろ!! という回。
欲望を抑えてもう少しロジカルに説明すると、柚季編のエピローグを乃之香が、汐音編の下準備をノエルが、それぞれ担当する回でした。
柚季の時もそうでしたが、どんなに自分を鎧ってもノエルはその隙間に滑り込み、頑なな心を解していくね。
まぁ可愛さの概念存在だからね、仕方ないね。

七年分溜め込んだストレスをもっさり投下し、生まれ変わった霧弥湖のドン・キホーテこと柚季。
心理的な問題が解決するなり店の手伝いという社会的活動に従事するのは、非常に天体のメソッドらしい描写だった。
思春期という中間点から伸びる物語的矢印が、過去に置き忘れたノスタルジーだけではなく、未来に向かう成熟と変化にも向いているのは、過去の久弥作品との大きな違いだと思います。
兄貴が留学するのもまぁ、その一環ではないでしょうか。

そんな兄貴をないがしろにしつつ、女三人は温泉でわだかまりを文字通り水に流したのであった。
前回の大泣きで終わってるといえば終わってるわけですが、柚季の中では重大な問題だったのであり、ぎこちなくも誠実にビンタを貰いに行く素直さに好感。
この素直さというのは別に人格が変わったわけではなく、心の落ち着けどころを見失ってた期間も、例えばノエルへの応対とかで透けて見えていた部分。
迷いが晴れて本当の自分を見つけるというのは物語のカタルシスの基本でありますが、”本当の自分”が隠れている間もチラリホラリと、しかししっかりと見せることが今回のようなほっこりした喜びを引っ張ってくるわけです。


そういう意味ではクッソ面倒くさい重レズこと汐音も、”本当の自分”がどんな存在なのか、ノエルを鏡にして視聴者に見せているわけです。
イノセンスを人の形にシェイプした存在であるノエルの前では、自分を守るための強がりは通用せず、素直になれるわけです。
……素性をよく知らない幼女を温泉に一日略取し、飯は食わすわ風呂は入るわやりたい放題し放題なのはよく考えるとどうかと思わないでもないが、まぁしょうがねぇノエル可愛いからな。

ノエル限定で柔らかくなっているとはいえ、他の人々相手には高いバリアーを張り巡らせている汐音。
今後しばらくはこのめんどくさいイキモノを手懐けるお話が続くと思うわけですが、さてはてどうなることやら。
とか言ってますが、柚季編がスムーズな展開と着陸を見せてくれたので、全然心配はしてないです。
今回ノエルが下準備もしてくれたしね。
お話の谷間に位置する、素晴らしい小休止回だったと思います。

 

・ Gのレコンギスタ:第7話『マスク部隊の強襲』
デレンセン教官殿が死んでも事態は止まらず、キャピタルアーミーは武装強硬路線を強化し、ベルリのママンは単身大気圏に突入し、マスクはクンタラチームを率いてMS開脚し、天才はラライアをGセルフに乗せてみた後ピンチに陥ったりしてた。
いろんな事がシームレスに凄い勢いで展開するという、Gレコっぽいお話でしたね。
ユーモアの在る描写なので忘れがちなんですが、キャピタルとアメリアの二大大国は着実に武力衝突の方向に舵を切っており、カリブの島はその最前線なんだよなぁ。
あ、今週もMSによる人命救助が二度ばかし行われていて、戦争の兵器に血を通わせるこのリフレインやっぱ好きだなと思いました。

それはさておき、天才とキャッキャした後謎めいた操縦技術を見せたラライア。
クリムは大統領の息子として陰謀の材料にしたいのか、ラライアのことを気に入って構っているのか、イマイチわかりません。
なのですが、自分はラライアに優しくしてくれるクリムが好きなので、後者であってほしいものです。
……あのウッカリドジっ子ヒロインっぷりを見てると、根っこの部分で善良な人なんだと思うけどね。


ウッカリドジっ子ヒロインといえば、酸素欠乏症と男がトップを走るヒロインレースに、主人公の母親が大気圏用グライダーでダイナミックに乱入してきました。
血は争えないというか、エネルギー宗教だったキャピタルが気付けば強健派軍事組織に乗っ取られてる現状を考えれば、国を見限るのもしょうがないというか、アンタ息子好きすぎだろというか。
クッキーの下りで思いの強さが見える辺り、やっぱキャラを切り取る角度が良いアニメだなこれ。
拉致られてきた時にベルリが言っていた「母に自分は人質になりませんよ」が大嘘だということが判って、オジサンは凄く安心しました。
とっととアメリアに保護されて、クッサい親子再開涙涙絵巻を見せて欲しいものです。
……デレンセン教官殿も死んじゃって、人徳のある人がこれ以上死ぬのは耐えられんのよね、正直。

そしているだけで面白いのだが、面白がってばかりもいられないマスク大尉。
被差別集団を集めた命知らず部隊というのは南北戦争における第54マサチューセッツ歩兵連隊だとか、第二次世界大戦における第442連隊戦闘団だとか、様々な歴史上の事例が沢山あるので、エルフ・ブルックの面白機動で大暴れして爆散した兵士たちにもまた、決意と流血があったのだということは覚えておきたい。
でもエルフ・ブルックの超変態機動は絵が面白すぎてなぁ……死人出てるのにウッカリ笑っちゃうよ……なんだよあの足サーベル。

キャピタルアーミーの武装偵察部隊がちょっかいを出し、ベルを含めた宇宙海賊(という名目のアメリア軍防衛部隊)がカウンターを当てるという局地的な熱戦でやや状況が安定してきたGレコ。
此処に大気圏からキャピタルタワー運行長官兼ウッカリ属性持ちヒロインが乱入することで、事態はどう動くのか。
やっぱ目が離せねぇな、このアニメ!

 

・ selector spread WIXOSS:第6話『その存在は漆黒』
今週のアドゥレサンス地獄編は『ライターズ・ブロックという煉獄』『イオナ弱る』『あきらっきーのメガバイオレンス講座』三本立て。
群像劇らしく、一話の間に色々起こるアニメですね今更ながら。
しかしまぁ何処を切り取っても不穏で無残で、最高に意地が悪くて素晴らしい。

ルリグ・システムの詐欺っぷりは人間サイドだけではなく、他人の夢を強制的に背負わされるルリグサイドにも及んでいるよね、というのがふたせ先生のテーマ。
創作の苦しみ、というか創作を継続する苦しみに燃やされてるふたせ先生の無様さは、ずっしりと胸に重くシンドい。
Fateしかりまどかしかり龍騎しかり、万能の願望機バトルロワイヤルモノは最終的に人生の縮図にまとまることが重要なんだなぁと思います。
しかしアレだ、蒼白いインセストを背負わされている花代さんにとって、遊月の願いってどんくらいの重さなのかね?


急に病弱要素を取り入れてきたイオナさんは、看病はおろか名前呼び捨てにも成功し、『恋のラッキーチャンスは思い切って踏み込むことでつかめミ☆』などとティーンズ雑誌の特集めいた妄言が脳裏を駆け巡る展開。
むくれたり拗ねたりするイオナさんを見ても「タマじゃないやつだ!」と恐竜家族のJrめいたリアクションしかしなかったるぅ子も、弱った姿を見てようやく人間扱いですわ。
まぁるぅ子は善人だからね、病気の人は見捨てられないよね。
『カードに布団かける』という短絡的で目の前五センチのことしか考えてない行動が最高に中学生していて、パンチ力の在るエピソード作るの巧いなと思った。

『今WIXOSS世界で一番気持ち悪い女(遊月→イオナ→ウリスに続く四代目チャンプ)』こと繭さんの妄言攻撃は、今回も絶好調でした。
「お前は旧劇ラストの巨大綾波か」と言いたくなるような気持ち悪ーい演出が冴え渡り、そらイオナさんも普通の女子中学生みたいなリアクションするわと納得。
一期で張り巡らせていた気持ち悪ーい陰謀も、繭さんが裏からチョイチョイと手を回した結果なんじゃねぇかなぁなどと希望的観測したくなる演出でしたね。
まぁ根性ドブゲロなのは変わりゃしないけどさ。


そして愛の狂戦士あきらぶりー、すっかり悪い釘宮のレズ奴隷と化して大暴れですよ。
『今WIXOSS世界で一番物理的に強い女』の称号をほしいままにする晶ですが、メンタル面はズッタボロであり、精神的に一番バランスとれてる一衣に気圧されるのもやむなし。
自分のクエストに決着を付け、クソみたいなシステムに頼らずとも人生の意味を獲得できてるキャラは強いのう……。
一衣の強さと対比することで、イオナへの憎悪しかりウリスへの依存しかり、他者という鏡を使うことでしか自己を認識できない晶の脆さと怖さは浮き彫りになるわけで、哀れというか無残というか、「もうちょっと手加減を……いやせんでいいこのままでいい」という気持ちになる。
あきらぶりーしてる時、最高に可愛い作画を徹底して維持してるのが、最高に底意地悪くて素晴らしいですね。

そんな晶を己の欲望の道具(多分色んな意味で)として使い潰してるウリスが、まるで長野県予選決勝卓の池田バリに「そろそろ混ぜろよ」と乱入してきた所でヒキ。
次回予行からしてあきらっきーの歪な愛が破綻するオーラマンマンで、綾瀬さとみリスペクトに満ちた「キレイ……ウリスキレイ……」が見れるかと思うと震えが止まりません。
……一番余裕がある一衣あたりが晶を拾わないと、すんごい悲惨な末路しか残んないんでどうにかレシーブしてくれませんかねマジ。
あと『スケッチ』は百合っ娘ドMメガネが最後の最後でスーパー逆転ホームランぶっ込んで常識を場外に吹っ飛ばす話だったので、多分そういう展開にもならねぇファック!!