イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/11/18

・ Fate/UBW:第6話『蜃気楼』
アーチャーとイチャイチャして、凛ちゃんとイチャイチャして、わかめとイチャイチャして、セバ子とイチャイチャしたら田中敦子声のお姉さんに精髄をクラックされて大ピンチになる回。
一話丸々志郎視点というか、軸があんまブレずに着実に進んだ印象。
こういう進め方を合間でしておかないと、登場人物が多いお話なので混乱するよね。

いつもの様にツンデレだった凛ちゃんさんと、いつもの様に可憐だったセバ子はさておき、決死の覚悟でアプローチしたのに素直になれない結果袖にされる慎二の、失敗したツンデレヒロイン力が高すぎた。
お前はこー、もうちょっとわかり易ければだな……家が腐ってるから詮無いとはいえ。
此処でワカメと共闘ルートに入ると、ヒロインそっちのけで少年ジャンプ展開になること間違いなしなので、あの扱いでいい気もするけど。
まぁこれUBWだからね、間藤家の大活躍は映画を待とう!!

同じように顔を近づけてるのにさらっとスルーされる凛ちゃんさんと、ドギマギドギマギエロイ視点移動を繰り返されるセイバーさんの落差も、問題だとは思いますがね。
セイバーさん全体的にヒロインポイント荒稼ぎしてるんだが、キャスターに志郎一本釣りを許してるのはマイナスポイントかなぁ。
最終的に騎兵隊役担当してんの、アチャ男だしさ……お前はミキシンの剣術に夢中か!

お寺の中でも外でも一触即発、という状況でアチャ男がドヤ顔して終わったわけですが、来週は超人チャンバラが思う存分楽しめそうで素晴らしい。
やっぱなー、飛び道具なしのスーパー剣戟バトルをUFO作画で見るのは至福だよなぁ。
この後しばらくキャスター陣営との鍔迫りが続くと思うのですが、結構再構築の多いアニメなので、どういう脇道を歩いてくれるかも楽しみです。

 

・ Gのレコンギスタ:第8話『父と母とマスクと』
最初タイトル聞いた時は「ついに狂ったかトミノー!!」となりその次に「まぁお禿では普通だな、これくらいは……」となって、中身見たら「ああこりゃ『父と母とマスクと』だわ」となる。
そんな不思議なアニメ、Gのレコンギスタも八話目。
姫様-父とベル-ママンという片親ラインが描写されつつ、世の中の不条理と戦うべく仮面をかぶった男マスクが愛しい女に背を向ける回でした。

2つの親子は結構似ていて、片親である点以外にも親の社会的地位が高いことや、その地位に邪魔されず子供のことを考えてることも共通。
二大大国の間の熱は危険な領域に高まっていますが、その最前線に情や仁愛があるのは見てて有難い部分。
そういう情が通じにくい戦況になりつつあるし、ベルママがしがみついている『世界を差配する救世主としてのキャピタル』が邪魔をして、スムーズとは行かないけどね。

一方姫様はベルママぶっ殺しかけていたが、あの状況でも殺せない姫様は、殺すべきでない人を望んでいないのに殺してしまうベルに対比されてんのかなと少し思った。
軍事部門の長の娘として結果を望む姫様と、そんなに焦っていないのに状況と天性で殺害戦果を稼いでしまうベルは、結構残忍な対比だ。
銃を敵に向ける行動原理が、親の立場につながってるってのも含めて。


ほいでもって今回の主役、マスク大尉。
あいつ存在しているだけで面白いのでウッカリ見逃しがちですが、クンタラという本当に酷い身分をどうにか覆すべく仮面を被って、同じ志を持つ仲間と鉄火場に立って、その半分が初陣で死んでかけられる言葉が「所詮クンタラはクンタラよ!」という状況は、良く考えなくても無茶苦茶ハードコアだ。
才能は在るとはいえ学生の身分から無理くり軍人になり、パニックになれば教本の題目を繰り返すしか無い子供が、自分を押しつぶしに来る差別と立ち向かうべく、自分を追いかけて最前線に来ちゃった恋人に背中を向けなければならない。
これはもう平田弘史の世界でありまして、『それがし乞食にあらず』『おのれらに告ぐ』の血みどろの怨嗟が、マスクの面白いアクションの内側には塗り込められていると感じました。

それでも自分を差別する集団に復讐するのではなく、戦争自体の是非は横に置くとして、軍学校生として社会的に認められた立場を選択し、軍功によって状況を変えようとするルイン先輩はまっとうな人でも在る。
いや、超エキセントリックなセリフと面白い動きをしてるのは否定出来ないっていうか、今回もたくさん笑ったけどさぁ。
でも、その笑いすら仮面を被り別のペルソナを手に入れ、キチガイめいた人格を演じ続けなければ戦場に立てない少年のあがきだと考えると、面白くてやがて哀しきという部類のキャラだと思うのね。

こう云う風に"敵"たちも人間であると書いてくれると、運命のうねりに巻き込まれて燃え上がる戦火にも人情が出てくるし、正しくイヤーな気持ちになれるので、今回のマスクの扱いはとても良かったと思います。
マニィは死なんでくださいよホンマ……。
起こってほしくないと思いつつ戦闘は起こり、この人は死んで欲しくないなぁと思えば死ぬのは、残忍だけど誠実な戦争物語だと思います。

 

・ 四月は君の嘘:第6話『帰り道』
『この子負けます!!』と画面に写った瞬間から名指しされてた椿ちゃんが、完膚なきまでにボロ負けする回でした。
いやー凄い、本当に凄い。
テンプレというか『こう来たらこう来るよね』というラインを完全になぞりつつ、青春の擦過傷でこっちをズタズタにする演出の切れ味が非常にグッドでしたよ。

椿ちゃんの負け確定っぷりは例えて言うなら『スプラッタ映画見てたら、奇っ怪なマスクで顔面を覆い、惨殺死体を作るしか能のないアイテムで武装した半裸の巨漢が出てきた』レベルのわかり易さであり、半裸の巨漢なら「ああ、こいつが切り株を量産するのね」と思うし、椿ちゃんを見れば「ああ、負けんのね」と思う。
そういうレベル。
それは事前にきっちり『この子はなんで負けるのか』を丁寧に丁寧に、これ以上ないほど丁寧に積み上げてきた結果でもあるし、青春音楽劇というジャンルであのキャラクターが配置されるとしたら、そこしか無いというルートを外していないからでも在る。
直球を必要な速度できっちり入れられるというおは、本当にこのアニメの強いところ。
今回も音楽という世界認識方法を共有していないこと、ピアノのホコリを払って青空を見せる仕事をしてあげなかったこと、声が佐倉綾音なことなどなど、負けポイントを細かく印象的に丁寧に届けてくれて、おかげで俺の心はズッタボロだ素晴らしい。
あ、佐倉さんは関係ないですね。

それにしたって、先輩が高校生レベルではありえない人格の練り上げ方をしていて、あのまま仏壇に飾って良いレベルの聖人(エル・サント)だった。
あの割り切りの良さはおそらく付き合う前から気づいていたと思うのですが、それでも告白を受けてしまう辺りやるせない。
まぁなんだ、そのうち面倒くさい天才幼馴染に脳味噌を侵食された面倒くさい女の子ではなく、竹を割ったような素直なこと出会えるよ!!


天才のお話なので、『天才と同じ世界を見るには残忍な選別があるし、それは色恋でもおんなじ』というのを怠けずやったことで、恋の部分だけではなく、音楽の部分にも鉄骨が入ったのは、今回のエピソードのいい仕事だと思います。
椿ちゃんが公生くんにいつの間にか追いぬかれ、おぶわれる立場になったというだけではなく、天才の人生において何か一己の爪痕を残して欲しいところですが……そこら辺は今後次第ですか。
アドを握っているように見えるかをりちゃんは限られた命という露骨なリミットがあるので、こっからの逆転ホームランがある……いやねぇな絶対。
しかしプロローグとエピローグのリフレイン、おぶいおぶわれる立場の交錯はわかり易く、いい演出だったなぁ。

今後といえば露骨なライバルキャラが二名出てきて、この後のお話に深く関わりそうなオーラをムンムン出してました。
自分としては今の公生くん=かをりちゃんに影響され感情表出を第一是とする演奏スタイルだけではなく、昔の公正くん=譜面を正確に追求する技術重視のスタイルにも価値を認めてほしいと思っていて、過去の公正くんにメラメラ来てるっぽい二人がそこら辺を突っついてくれると俺に良しであります。
女の子の方はお母さんに声が似てるので、公生くんのエディプス的な部分がモリモリしないか心配です(か細い系声優さんは何でも麻美子に聞こえる脳障害患者の寝言)

これ以上ないほど無様に負けた少女の後始末はどうなるのか、公生くんの音楽リハビリの行方は、登場したライバルの活躍は。
気になるところへのラインをきっちり引きつつ、主題である『幼馴染は時代の敗北者じゃけぇ』から一切ブレずとにかくボコボコにした、ごん太な回でした。
いやー、面白いねこのアニメ。

 


・ プリパラ:第20話『パスタVS忍者!』
ニンジャスレイヤーかと思ったらミスター味っ子で最終的にはたまこまーけっと
そんな感じの、キチガイ力高いアップテンポなお話でした。
ドロシーのレオナ依存とソラミへの高評価、校長の掘り下げフラグと本筋に関わる部分もやってんだけど、あまりに高速かつハイテンションに状況が切り替わるために、そういう所に気を止めている隙がないのはプリパラらしい。

前々回の発見を糧に自立への第一歩を歩みだしたレオナに対し、危険領域にまで強まった弟依存を存分に振り回すレオナ。
あの明るい(もしくはキチった)両親を見るだに歪む要素あんまない気もしますが、現状べったりなんだからしょうがねぇ。
家新築してなおかつ、中学生姉弟に二人部屋という采配をする辺り両親もアレかもしれんし。
そこから一歩を踏み出すために、らぁらを筆頭にしたソラミとのコンタクトを強めていく展開があるんだろうなぁ。

味皇バリのリアクション芸で商売繁盛に貢献してた校長ですが、ビミョーにらぁらママンと絡む気配がチラホラ。
物語開始時から見えていた障害ではあるので、そろそろブレークスルーする話が来てもいい頃合いであり、そこの足がかりとして尺を使ったのはグッド。
熟女……アイドル……マスカレイド……校ママが織姫学園長並の重い百合だったらどうしよう……。
いや、この前第93話見返したんですけど、冒頭テラスでクレープ食いながら10年以上前にわかれた女の子と思いだしてる学園長が超重くて……(移行アイカツ!トーク三時間)

さておき、『キチガイ系のボケを垂れ流しにしておいて、作中では一切ツッコまず視聴者に言わせることでインタラクティブ性を上げる』という森脇イズムが、ヘタすると過去最高に高まった回だったんじゃないでしょうか。
髪置き棒といい鎖付きの碁石といい、「これゼッテーふでやす&ナベシンコンビだろ」と思ってたら土屋さん&山本三輪子さんだった。
どんな座組でもクレイジー指数が天井を突破できるアニメ、それがプリパラ。