イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/01/13

デュラララ!!×2 承:第一話『百聞は一見に如かず』
池袋でトンチキ生命体達がごちゃごちゃ暴れまわる群像劇、間が開いてのセカンドシーズン。
ファフナーといい神様はじめましたといい、数年後しのロングパスが通るクールなのだろうか、2015冬は。
制作会社は変わってますがスタッフはほぼ全移りという、『GONZO5スタ→Studio五組』みたいな状況っぽいですね。

中身の方は666ニュースをハブに使った、文字通りのザッピング形式。
一応のメインはセルティであり、『やっぱこの首なしエロいな、そして可愛いな』という印象を抱かざるを得ない素晴らしい扱いでした。
幽や折原妹Sなどの新キャラも顔見世を済ませていて、このザワザワした感じが懐かしい。
一期一話と構成を被せている以上、狙って出した空気なんだなと思います。

なんだかんだ続編でありまして、良く言えば一期の良かったポイントをしっかり踏まえた、悪く言えば一見さんお断りな仕上がり。
自分は溢れるどことなくオッサレーでダサい空気とか、ビリヤードのごとく出来事とキャラクターが衝突して事態が転がっていく様子とか、ワイワイガヤガヤした展開とか、好きな所がこれでもかと強調されていて大満足でした。
計算された雑多さが損なわれていないのは、やっぱ安心するね。

キャラクターの顔見世と、何よりも池袋という街の紹介に終始した出だしだと思います。
一期やって来た実績、既に完結している原作といったバックボーンが分厚いので、じっくり腰を落とした滑り出しは正解かと、個人的には思う。
次回以降物語が転がりだした時、どういう速度で走って行くのか、楽しみになるような第一話でした。

 


・ローリング☆ガールズ:第一話『キング・オブ・ルーキー』
究極的に強まったご当地ヒーローが、泥臭い地方分権時代を駆け抜けていくアニメ……と見せかけて、無能力者の方の出番が多くなりそうな気配ムンムンのアニメ、その出だし。
特異な世界観を説明するのに尺を使ったためか、はたまた主人公と真茶未さんの距離感を描くのを重視したせいか、まだまだ旅は始まらない。
その分ヘンテコ世界に腰まで浸かれたので、こう言う尖ったアニメが好きな身としては有り難い。

ヴィヴィッドな色彩とキッチュ&ポップなセンスで演出されてるのは、アクションレベルは高いけど行動原理は庶民的でローカルという、これまたトンチキな世界。
エッジの効いたデザインでトンチキに味付けされたご当地建造物が、無言で世界を飲み込ませにかかってて好き。
既存のアニメで言うと、『京騒戯画』思い出すね、やっぱ。

執行さんとマッチャグリーンのバトルはグリングリン動いていて、この世界におけるモサのパワーレベルがよく分かる出来だった。
あんだけモサが強いと、パワー方面でモブが抵抗するのは無理っぽい。
物理的強者の強者っぷりがハッキリしている中、凡人のドラマをどういう風に作っていくかが鍵になりそう。

そういう意味では、モサが人間味山盛りなのはなかなか良かった。
主人公を常時気にかけてる真茶未さんもそうなんだけど、執行さんのポンコツっぷりとかね。
今後ロードムービーになっても、執行さんはチマチマと出て欲しいものだ。

話の方は押しの弱い客人とか、謎のガスマスク女とか、曰く有りげな"月明かりの石"とか、話が回りそうな要素を散りばめつつ、主人公がピンチになって次回に引いた。
次回はプロローグ後半という感じなのだろうが、ややとっ散らかった物語要素をどうまとめ上げて、大きな流れを作っていくのか。
気にしつつ見たいと思います。

 

・アルドノア・ゼロ:第13話『眠れる月の少女-This Side of Paradise-』
三ヶ月の間を空けて、火星のゴミクズと地球の凡人達が絶滅戦争を戦い続けるアニメ、後半開始。
作中でそれなりの時間が過ぎ、あのショッキングな一期最終回から何が変わり、何が変わらなかったを見せる再始動でした。
思っててより生き残ったなぁ……死んだのクルーテオ卿くらい?

偽物の姫を擁立し、命を取り合ったザーツバルム卿を後ろ盾に引き込み、見事我が世の春を謳歌するスレインくん……というには、どうにも中途半端な所が彼らしい。
イナホくんが常に正しい選択を取り続けることの出来る『間違えない人間』だとすると、スレインくんは常に『間違え続ける人間』、カルマの低い、人間らしい人間なのだと思います。
姫様の命を繋ぐために、姫様が守りたかったもの全てを土足で踏みにじっているのが、『凡人が全てを捨てても一つだけ守りたいものがある』という必死さを感じさせて、笑いたくても笑えねぇ。

未だ自身を地球人と任じつつ帰ってきたのは火星の修羅場であり、手に入れた権力も眠り姫を守るための脆い鎧でしかない。
陰謀の渦中を華麗に泳いでいるように見えて、その実フラフラと中途半端な立場を必死に守っている彼の姿は、無様で愚かで哀しい。
個人的な好みを言うと、敵も守るべき者も消えた無人の荒野を、スレインくんが寄る辺なく歩いて行くルートも見てみたかったけど、まー二人共生き残らせないと落とし所ないよな。
多分此処がスレインくんの最安定期(絶頂期とは口が裂けても言えない)であり、こっから先は地獄の坂下りしか残ってないとは思いますが、業に塗れた凡人なりの結末を与えてやってほしいと思います。
……二期始まってソッコー反射のことをネタにされてる辺り、相変わらずの茨道だとは思うネ。


一方地球サイドですが、思ってたより全然保ってるな!!
前回の軌道決戦で結構な情報が流れたのか、兵卒レベルで敵怪獣の得意技がバレてました。
それでもモブの人たちは、相変わらず敵の能力を思い知らせる指標として、バッタバッタ死んでいくんだけどね。
モブの人をバックリ食べたエントロピー操作マンが、復活のメカイナホにソッコー食べらてる所に、アドルノ食物連鎖を感じずには居られないですね。
サラマンダーシンドロームよりノイマンシンドロームの方が強いステージなんだな、多分。

イナホマンさんはアブドゥルもびっくりなサバイバルをキメてましたが、スレインくんがあの体たらくなので、生き残って正しいことをする人がいないとしんどかろう。
地球サイドのメンバーもライエを筆頭に、かなりのトンチキ揃いなわけで、正しさの塊であるイナホくんが先頭に立たないと、お話がどこ行くか判んねぇもんな。
ガンガンに迷走してくれても、それはそれで面白かった気もするが。

攻略本でも読むようにチート機体をさっくり退治するイナホくんを見てると、やっぱ『間違えない人間』と『間違え続ける人間』の対比が、このアニメのキモなのかなぁ、などと思ったりする。
どっちにシンパシーを感じるかは人によると思いますが、非人間的なまでに正しいイナホくんも、あまりに人間的に惑いまくってるスレインくんも、俺は両方好きです。
姫様もまた正しい人なので、只でさえ障害だらけのルートを歩いてるスレインくんに、色恋方面の勝ち目もないからなぁ……。
ひょっこり出てきた偽姫様が『間違える人間』側のヒロインになるかどうか、注目したいところですネ。

 

アイドルマスターシンデレラガールズ:第一話追記
あんだけ長ったらしい感想書いて、二箇所ほど言いたいことが抜けてたので追記します。
一つは犬のメタファー。
目付きの悪いプロデューサーはポリスに複数回確保されたり、犬に吠えられまくったりして、誤解されやすい外見を強調していました。
そんな中、ハナコだけは近寄っていく。
それはやっぱ、同じようにぶっきらぼうで誤解されやすい渋谷さんの内面なんだろうなぁ、などと思った。
つっけんどんな渋谷さんは、いつかハナコというアバターのように素直に、プロデューサーと気持ちを通じさせることが出来るんでしょうかね。

もう一つは、公園で渋谷さんと島村さんが話している時の距離感。
彼女らが座っている椅子は横掛で視線が直接通じず、手すりという障壁もあるわけです。
二人の距離感が良く出ている間合い描写だと思いました。

更にいうと、手すりには島村さんの鞄が立てかけてあって、二人の間には障壁がもう一枚ある。
イノセントの申し子のように常時笑顔を振りまいている島村さんですが、あまり親しくない相手に踏み込んで行くのに躊躇していることが、良く見て取れるアイテム配置だと思います。
島村さんは何も考えず浮かべている笑顔が素敵な女の子ではなく、足踏みもすればネガティブなことも考える、つくづく普通の女の子として描写されてんだなと。

そういう子が躊躇いや怖気を踏み越えて笑っているからこそ、彼女の笑顔には力と意味があるんじゃなかろうか。
渋谷さんに運命の言葉を言う時、はじめて鞄と手すりを乗り越えて渋谷さんの目を見つめているのは、彼女の決意が内包している意味を見せる動きとして、良かったなと思います。
とにかく、心理的間合いの管理が巧い第一話でしたね。