イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/01/26

ミルキィホームズTD:第4話『一発屋シテミル』
のんきなミルホとカリカリマリネちゃんが織りなすオモシロ道中、四話目は一発屋のお話。
仲間のはずのミルホがゲストと一緒になってマリネちゃんを追い詰め、自身のアイドル力だけを頼りに道を見つける孤独な展開に、強烈なミルホを感じる。
まーあの四人は自分の課題を攻略しきっており、画面に写すなら賑やかし以外の仕事をさせると不自然なので、あの立ち位置でいい。
それにしたって、「真面目な話するのに邪魔だから、あっち行ってて」とばかりに主人公と切断される仲間ってさ……。
そこが好きなんだけど。

パロネタはスケバン刑事Ⅱとか北斗の拳とか色々ありましたが、開幕の聖飢魔IIネタが一番刺さった。
四期はその回の担当スタッフが、好きなモノをブッコンでる感じが良く出ててグッドだと思います。
フェザーズも『笑いのワンポイントリリーフ』という定位置を手に入れた感があり、Ⅰクールかけたネタ振りが花開いてる感満載。
オムニバスギャグアニメらしいいい意味での雑さが回転してきてて、TD結構好きだなぁオレ。

 

・デュラララ×2:第3話『泣き面に蜂』
『我ら少女ハーリウッド』というわけで、聖辺ルリちゃんが生きる意味を見つけるエピソード。
シャッフルとザッピングを繰り返した一話二話に比べると、軸がハッキリしたお話であり、テイストは違うけれども面白い。
色々バラ撒くスタイル自体は変わっていないので、ザクザクした騒がしさは生きてて、これも面白い。

自分は原作では幽が一二を争う推しメンなので、今回の見せ方は非常に良かった。
のっぺらぼうで不気味な外面と、その奥に隠されたアツい情念の落差が好きなのね、ウン。
成田作品は『人間ではないが、人間になりたいモンスター』が手を変え品を変え出てきますが、幽はその中でも纏まりがいいといいますか、欠損と過剰を取り付ける場所が良いキャラだなぁと思います。
『有名人』という自分のスタイルで組織暴力に一泡吹かせる所とか、なんだよそのアスラーダみてぇな車と思って調べたらワンオフアヴェンタドール(約二億二千万円)だったりとか、スーパースター羽島幽平のカッコイイ所が思う存分描写され、グッドナイスでした。

次回以降への足場を作るのも忘れておらず、セルティの積み荷だの、愉快なロシア人軍団だの、気になるパーツはそこかしこ。
一人の物語が終りを迎えても、他の人が即座に走りだす畳み掛けは群像劇ならではだなぁ。
池袋の狂想曲はまだ始まったばかりで、まだまだ楽しませてくれそうな気配にワクワクしますな。

 

・アルドノア・ゼロ:第15話『旋転する罠 —Toll for the Brave—』
思いのほか早くやって来た再戦ですが、凶の男スレイン・トロイヤードの狙いはイナホにはなかった。
火星の歪な支配体制に踏みつけられてきたハークライトを傍らに据え、ついに支配の赤服を着る。
その紅は、親殺しの色。

そんな感じの第15話でした。
W主人公で回しているこのお話、今回はスレインくんフェイズであり、憎きザーツバルム卿を銃弾で片付けて、火星で偉くなる足場を手に入れました。
姫様が目指す世界を考えれば、ザーツバルム卿は絶対必要な人間であり、生かして協力した方が正しい。

だが、『常時間違い続ける主人公』スレインくんにとって、そんな選択できるわけもなし。
迸る感情のままぶっ殺してしまう辺り、銃弾でしか物事を変化させられない気質が剥き出しになってきて、面白いやら哀しいやら。
仮とはいえ親殺しに躊躇いが無かったり、姫様のため言うても自分の気持ち優先だったり、ほんと仁徳に恵まれてない子だよ。
一期のコウモリっぷりを考えると、『自分の中の姫様の幸せのために行動する』という軸を手に入れたスレインくんは、頼もしいちゃあ頼もしいんだがネ。


一方『常時正しい主人公』イナホくんは、"神の目(Fromゴクウ)"の性能テストをしつつ、相変わらずの無双っぷり。
スレインとの先読み合戦といい、今回の地球側描写はほとんど『何故イナホくんは無双が許されるのか』の説明に使ってたなぁ。
『機動修正用ワイヤーが八本なのでスレイプニール』というケレンの効かせ方、俺好きだぜ。
地味にライエが認められるフラグ立ててたり、隅っこの描写も良かった。

ともあれ、ザーツバルム卿は退場し、スレインは権力の階段を一歩上がった。
これから先スレインくんは血まみれ出世街道を歩くんだろうけど、そういう巧くないからなぁ……。
絶滅戦争をどこに収めるかは姫様が起きてからやる話だと思うけど、その時ザーツバルム卿を弑したことが、どう影響するのか。
そこら辺が気になる、二度目の宇宙戦争でしたね。

 

蒼穹のファフナー EXODUS:第3話『対話の代償』
状況がよくつかめなかったので感想は書かず、3話までひっそりと見ていたアニメ。
『前回であんだけ辛い目にあった子供たちが、更に辛い目に合うと思うと素直に楽しめない』という部分もあったが、やっぱり生き死にに誠実に作ってくれていて、三話まで見ればある種の覚悟も決まった。
やっぱ酷い目にはあってほしくないけどね……でもあうんだろうね、ファフナーだもん。

竜宮島の招かざる客、人類軍のファフナー乗りたちは個人としてはいい人であり、悪気はない。
ビリーは頭足りてないだけで良い奴だし、ジョナサンは真っ直ぐなやつだし、ボース司令には強い覚悟がある。
今回行われた露骨に良くないことが起きるパワーアップも、エメリーちゃんが善意からしてくれたこと。

しかしこのアニメファフナーなので、善意の敵はもうひとつの善意だし、悪気のない助力が最悪の事態を引き起こすのはむしろ当然。
二話ラストの総士ポエムが煽っていたように、タイトルにもあるように、BGMと台詞の数々が匂わせるように、対話には代償が付きまとうようで、新しい仲間も新しい力も、全然素直に喜べない
ネ。
ココらへんの『いつ来るのか分からねぇ……でもかならず来る……来て欲しくないがとっとと来て欲しくもある……』というジレンマの煽り方は、流石としか言いようがねぇ。
でもシンドい……でも見ちゃう……。


お話全体を見ると、人類とフェストゥムの中間種が数を増やしており、彼女らの邂逅が話を動かしている印象。
絶滅戦争に対話可能性をという意味では希望だし、過去作でも中間種が絶望的状況を打破した事例は沢山あるんだけど、美羽ちゃんやエメリーちゃんの描き方は超人類すぎて不気味になるよう描かれていて、これも将来の不安を煽る。
彼女らを見るカメラが、常時不安に苛まれてる弓子さんというフィルターを通しているのも大きいんだろうけどね。

かつての戦士達はみんな、自分なりの成長を遂げてしっかり大人になっており、嬉しいやら切ないやら。
過去作での激闘を経て、全員クエストを昇華し人格的成長を遂げ、普通なら物語的燃料がなくなる所なんだけど、元々直接戦えない大人の仕事がたっぷりあるアニメなので、やるべき事や苦悩のタネが別に移っただけで、まだまだ辛いことは沢山ありそうだ……。
真矢は戦闘時のゴルゴっぷりと平時のゆるっぷり&乙女っぷりの落差が素晴らしくて、やっぱ松本まりかはええのう。
人間力を貯めたカノンのヒロインポイントが取引停止レベルまで上がっていて、つくづく萌えるなぁこの子と思います。

まだ三話ということで、変化した状況とこれから起こることの予感に終始し、表向きな動きは少ない感じでした。
しかし持ち前の真摯さを武器に、荒涼とした世界で登場人物たちは何を考え、どう生きているのか、これからどんなことが待ち構えているのかは、しっかりと伝えてくれていると思います。
新しいファフナーもまた、面白くて苦しいなと痛感させられる出だしでした。

 

・夜ノヤッターマン:第3話『俺たちは天使じゃないけど天使のフリをする』
ヤッターマンリブート、人情と決意の旅立ち回でした。
前半暗め重た目で進行し、アクションとお約束のある後半にババーンと盛り上げる展開が非常にグッド。
お約束をやったから盛り上がるのではなく、ドロンボー一味の活躍とガリナの決意がまずあって、そこにコミカルかつ爽快な展開が乗っかって盛り上がるという作りが、非常に良い。
キャラの感情を根本に置いた作りは、登場人物のことを好きになれるのでやっぱり良いですね。

前回のヒキで考えていたより、アルエットさんを取り巻く状況は悲惨であり、ということはヤッターマンに支配されたこの世界自体が悲惨ということ。
そういう部分をしっとり見せることで、『ドロンボー一味がデコピンくれる』というお話の目的が視聴者自身の目的になるわけで、ストレスのかけ方巧いなぁと思います。
ストレスだけではなく、凡人の優しさと小さな勇気をしっかり見せたガリナ周りのカタルシスも見事で、安定しているなぁと感心しきり。
夜なべをした後、しっかりクマができている所とか好きです。
オモッチャマと絡めたダイス頼みの決断も、それを吹っ切る所含めて、フェティッシュとして良い効きをしていたと思います。

守るべき弱者を背中に背負った時、ヒーローは真実強くなるわけで、今回のドロンボー一味は本当に頼もしかった。
危機に駆けつけ炎の中からの登場、新コスチュームお披露目、ポチッとなからの巨大メカ、狙いすました自縛と爽快感のある脱出。
アクションシーンの見せ方が巧く、作画の気合もあって非常にスカッとする展開でしたね。

レパードちゃんはコスチュームを着ていない九歳の女の子の部分も、圧倒的に頼もしいドロンジョ様としての部分も、今回はたっぷり描写されており大満足。
ヒーローの生身の時間と、一般人がヒーローになる瞬間両方を大事に描いているので、キャラに親近感と憧れを抱けるのが非常に良い。
ボヤッキーおじさんのチート技術者っぷりは、ホント頼りになるなぁ……。

一方悪役たるヤッターマンは、案外喋れることや個性があることが判明していた。
世界設定は五人の旅が進めば明らかになると思うのですが、只の殺戮ロボットじゃないとなると、ドロンボー一味のお仕置きロードもより凸凹したものになるのかな?
主人公達を流刑人にすることで、自然と世界設定に疎い=物語の進行とともに世界の謎を確認できる作りになってるのは、巧い手筋だなと思います。

ドロンボー最初の人助けとして、凡人ガリナ初めての決断として、とても良き出来たお話でした。
暗い世界観、どん底な状況をしっかり描写しつつ、そこをぶち破る爽快感がしっかりあるのは、ヒーローモノとしてとても大事だなと思います。
王道作品としての強さを見せた今回の次に、一体どんな球を投げてくるのか。
第4話がとても楽しみです。