イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/02/01

・アルドノア・ゼロ:第16話『熱砂の進撃 —Soldiers' Pay—』
丸戸くんの、チョットいいトコ見てみたい~♪ という訳で、2クール目になってはじめて大尉とゆき姉が画面に映り、凡人らしい活躍をする回。
そしてメインキャストが去った宇宙基地で、スレインくんが無双をカマし周りの連中を黙らせる回。
クソいけ好かない地球人の成り上がりでも、単騎で基地を潰せば味方が出来る辺り、火星軍は豺狼の掟で生きてる。

一期12話で一切いい所無かった丸戸大尉ですが、今回はイナホ神の神雷エリアまで敵をPullするという大殊勲。
神の目を手に入れてから、イナホ先生の火星人殺しが流れ作業感をさらに増していて、強さの天秤をどう取ればいいのか分からん。
……「殺し系神業持ってないけどちょっと格好良いことしたいんで、クーデクラは殺しじゃなく戦闘不能で撃ってくれませんか?」という大尉の声が聞こえるが、無かったことにしよう。
冗談はさておき、モブの命がレンテンマルクより安いこの世界で、部下から一人の脱落者も出さず、敵機体の鹵獲に成功したのは、大殊勲と言っていい。
敵の火星人も、珍しく文明人の脳味噌付いてるタイプだし。

ゆき姉は顔見世程度でしたが、一期メンバーも大体揃い、スレインくんも野望のトランプタワーを駆け上がり、状況がいろいろ整ってきました。
今回捕まった捕虜さんが火星と地球の架け橋になると個人的には面白いのですが、さてはてどうなることやら。
次回にも期待ですね。

 

・デュラララ!×2:第4話『人の踊るときは踊れ』
ドタチンが頑張ってゾク・トライブをぶっ飛ばし、人間関係と因果関係と時系列を切った貼ったしまくったエピソードも、一応の終焉。
みんなで鍋食って仲良くなりましたー……と思っててたら、青葉と臨也という煽り気質二大巨塔が良からぬことを企んで次回に続く。
4話まではメインアクターの紹介みたいな所があったので、ダラーズの愉快な仲間がピンチになってくのはここからだなぁ。

Aパートの殆どを占めていたチェイスシーンですが、BGMが非常に軽妙で、見ていて楽しいシーンとなっておりました。
ピンチには必ず登場して体を張るドタチンは、やっぱ頼りになるなぁ。
声が中村さんなので、ドアの深雪が映るたび「流石ですお兄様!」と言いたくなる。

他にもセルティがあざとい動きでヒロインポイント荒稼ぎしてたり、僕の好きな幽がかっこ良かったり、キャラクターの美味しい所をコンパクトに見せる演出が良かったです。
なにぶんキャラが多いアニメなので焦点がぼやけがちなんですが、見せるときはキリッと魅せてくれるお陰で、凄く満足感がある。
多人数を捌くノウハウあるなぁと感じます。

お鍋のシーンのほんわか感はとても良く、空気出てるからこそ、そこに入りたいけど入れない捻くれ臨也くんのキャラも立つという、貪欲な二枚取り演出。
楽しい仲間だけではドラマは生まれないので、色々企んでくれる臨也くんは物語の進行的にはありがたい存在よね。
収束したように見えて未回収の伏線が沢山あるので、まだまだ賑やか楽しいお話は続く。
グッド、ソー・グッド。

 

・四月は君の嘘:第15話『うそつき』
演奏はなくとも青春は進んでいくアニメ、15話目。
前回の勢いをそのままに椿ちゃんを青春力でぶん殴るAパートから、公生くんにプラス・ワンしてくれそうな幼女を経由し、かをりちゃんの強がりと悲痛に繋ぐ構成でした。
動かない足に苛立つかをりちゃんの慟哭から、サブタイトル『うそつき』が出てくる絵面は、このアニメが持ってる美しい残忍さを象徴するような絵作りで、非常に良かった。
いや良くねーよどうにかなんねーのマジ……。

椿ちゃんの青春始末日記に関しては、最強の聖人(エル・サント)である先輩が自分から悪者を買って出ることで、収まる所が見えてきた。
あの人の察しの良さと思い切りの良さは、高校生レベルをとうに超えてる。
どうにか報われて欲しいキャラクターであります。

幼馴染のことしか考えてないのに、『恋愛してみれば諦められるかなー』とかいう気持ちで振り回し、相手が優しい嘘をついて悪者になってくれたお陰で、何とか状況がまとまる。
こうして言葉にすると面倒臭すぎ都合良すぎな椿ちゃんですが、先輩の優しさを感じ取り公生の前で懺悔するくらいの感受性はあるわけです。
『いや、それ先輩の前で直接言えよ』と思わないわけじゃあないが、それをするとこのエピソードが深くなりすぎて、本筋からブレるからね……。

この話はあくまで表現者有馬公生の物語で、椿ちゃんの仕事(の一部)は『音楽に関係ない存在は、表現者の人生にどれだけ関与できるか』という問いを深めていくこと。
このお話は才能と表現ということに真剣で残忍なので、変化しない状況に甘んじ有馬公生を舞台に上げられなかった女には、特別な地位は担当できない。
年をとってぐちゃぐちゃ考えるようになり、掴めたはずの雲梯に届かない描写、その脇を何も考えない子供時代が通り過ぎて行く一連のシーケンスは、かなり鋭かったです。

しかし同時に、『居ても居なくても同じなら、居てあげるよ』という優しさを用意してあるのもこの物語でして、公生にとって特別ではなくても、恋愛対象ではなくても、澤部椿という人物はかけがえのない存在でもあるわけです。
舞台に立たない存在はあくまで、表現者の表現に入り込むことは出来ないとする、冷厳な態度。
でも、表現者には舞台の外側の人生も確実にあって、そこを一人で乗り越えられるほど人間は強くないよ、とする暖かな視点。
その両方があるから、僕はこの作品好きなんだと思います。


そして、表現者の人生を書き換える表現者たるかをりちゃんは、徹底して悲痛だった。
友達に気を使わせたくないから笑顔を作り、点滴を隠し、自分を気遣って見舞いをしないシャイガイには、自分から電話をかける。
カヌレが好物で、好きな子が見舞いと一緒に持ってきてくれる算段がついたら鼻歌なぞ歌う。
そういう賢くて優しい子が病魔に食い殺されていく姿は、やっぱ見てて辛い。
とても辛い。

今回ラスト、動かない足に取り乱し、激情を叫ぶかをりちゃんは、あるべき描写だなと思いながら見ていました。
青春のど真ん中にいるはずの、才能に恵まれやりたいことも見つけている15歳が、それを真ん中からぶった切られ、死ぬ。
そういう残酷な未来を前に、笑って穏やかに死ねるほど、宮園かをりは人間やめてないと、言ってくれたような気がしたわけです。

かをりちゃんの生き死にがどう落ち着くかは、それがドラマの根本をになっている以上、物語の最後にならないと判らないことだとは思います。
しかし若くして死ぬ女の子を描く過程で、天才・有馬公生の青春の思い出として綺麗に祭り上げるだけではなく、その苦しみや恐怖、強がりや絶望をカメラに入れる態度は、とても大事だなと感じます。
道のりが丁寧であればどのような終わりが来ても、多分受け入れられると思いますし……無理だな多分、丁寧に希望や美点が描かれてる分、かをりちゃんはしんどいわ、ホントしんどい。

思わせぶりな登場をした金髪幼女が今後どんな仕事をするかとか、公生くんの足踏みはいつ終わるのかとか、今後の展開への足場もしっかり作ってくれている話でした。
キャラクターたちの青春に丁寧に寄り添い、その肌理をすくい上げる映像にまとめ上げてくれるアニメを見れてるのは、相当幸せ。
そんなことを再確認できる、久々にコンサートの話題がないお話でした。

 

・GO!プリンセスプリキュア:第1話『私がプリンセス?キュアフローラ誕生!』
11年目のプリキュアはお姫様モチーフ! つうことで、毎年2月のお楽しみ新プリキュア
世界名作劇場といいますか、少女革命プリキュアといいますか、カナタ様が見てるといいますか、ゴージャスでスペシャルな世界をババン! と押し出す第一話でした。
『どこに出しても恥ずかしくない一般庶民が、憧れのお城に乱入!』という意味では、どっちかっつーと花より男子か(脳内少女漫画データベースの更新が、20年前で止まってるマン)

プリキュア第一話としてみると非常にオーソドックスというか、必要な展開とキャラクターを必要なところにしっかり配置した作りで、見ていて安心。
敵幹部のクローズさんが非常にしっかりした『受けのロールプレイ』をしていて、クローズさんの煽りに反応しているだけで、誰が悪いやつでどうすればそいつをぶっ飛ばせるのか、流れるように展開するという親切設計。
こういう所がスムーズに進展すると、装飾の部分に凝る余裕も出てきてとても良いですね。
一話で変身して敵倒す所までやるのも、結構珍しいかな?

3Dを意欲的に導入したカラテは、初回の祝儀補正を差っ引いても非常にパワフルな仕上がりで、グングン回る背景とガシガシ動くアクションに大興奮。
さすがに毎回この仕上がりってことはないでしょうが、勝負所の第一話に期待を大きく上回るアクションを出してもらうと、安心感が違う。
2D作画と3Dモデルのつなぎがちょっとしっくりこない部分もありますが、そこら辺は今後の変化を楽しめる部分でしょうか。
変身すると世界に花が溢れる演出は、誰も傷つけずプリキュアのスーパーっぷりを強調できて、かなり好みであります。
……自分が世界全てを塗り替えてしまうような、ケレンの効いた演出好きなだけかもな。


お話として見ると非常にオールド・スクールな少女漫画のテイスト満載。
憧れのハイソでノーブルな全寮制学園、冴えない感じだけど気の良いルームメイト、憧れの君に小悪魔BABY。
ワクワクする要素をぎっしり詰め込んだ、賑やかな出だしでした。

同時にトンチキな演出もそこかしこに見えて、画面の四隅でクルクル回るレースとか、紫髪褐色肌の王子様とか、オッサン的にはウテナを思い出す。
素直に扱うと古臭いゴージャスさを、洗練とユーモアでリスペックするという意味では、共通する部分があるのでしょうか。
古くて堅牢な部分はしっかり作られていると感じたので、新規で冒険的な部分をどう混ぜ込んでいくのか、今後に期待が高まります。

主人公たる春野はるかはやや夢見がちで元気いっぱいだけど、内気な所もあるという伝統派少女漫画主人公。
このお話では『夢』が重要なキーワードっぽいですが、『プリンセスになる』というフワッフワした夢をどう絡めてくるのか、気になるところです。
喋る犬&鳥に驚いたり、戦うことを躊躇したり、等身大な所を強調して見せていたのは、身近な感じがしてグッド。
……そういう女の子をバトルマシーンに変える力を持ってるアイテムを、サラッと手渡す辺り、やっぱあの王子ディオスなんじゃないかな……。


という訳で、第一話に必要な物をしっかりと配置し、独特のテイストもある出だしとなりました。
これからしばらくはノーブル学園の空気や残り二人のプリキュア、敵さんの事情や魔法の国の内情等などの説明に時間を使うと思いますが、そういうことを手際よくこなしつつ、お話の軸が何なのか、感じさせてくれるようなお話を期待してしまいますね。
来週は青い人の紹介になる感じですが、完璧超人はポンコツにされるご時世、どういう料理方法を見せてくれるのか。
楽しみに待ちたいと思います。