イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 15/03/01 BBT「CHAOS TRIAGE」&まほうまーけっと「My First Step」

今日は雨降し切るシンバシでセッションをしたよ。オフセッションでNOVA以外は久しぶりな気がする。

シナリオタイトル:CHAOS TRIAGE GM:シェンツさん システム:BBT

田中くん:"魔剣シャオ"骨食鮮花:16歳女性:アタッカー:魔剣 古流剣術の家に生まれ、友を傷つけて剣を捨てた女。生来の修羅を飼い殺す倦んだ日常を送っていたが、事件に巻き込まれ、世界の夜側に放り出され、再び剣を取ることに。

アカメくん:禍賀見マロウル:17歳男性:サポーター:魔王の後継者 由緒正しい魔王の家系であり、人間ドミニオンで高校生をしている。欲望を肯定し、ギラつく魂に価値を見出す善性の悪魔。

コバヤシ:"黒に選ばれしもの(カルナージ)"小栗栖めぬき:15歳女性:ディフェンダー:魔剣=魔神 小心者の俗物高校生であったが、魔剣王に使い手として選ばれ、夜側の世界に飛び込まされたヘタレ。"逆立ちした神崎蘭子""黒の剣を持った女のび太"など、数々の異名を持つ。

シェンツ先生が初心者用に仕上げたシナリオを、対熟練PL用にデータを変更してGMしてくれました。巻き込まれ型PC1という、BBTではちょっと珍しい感じの導入に、様々なレルムの魔獣やら半魔たちが絡む、非常にBBTらしいシナリオ。

エゴと絆という、BBTのもっとも重要な核をしっかり捉えたシナリオで、自然ロールプレイもそう言う感じに。自分らはBBTで一番好きな部分がそこなので、お互いのエゴと絆を突っつきつつ、半魔としての生き方をガッツリニッコリロールプレイ出来たのは、大満足でありました。

 

結構時間を使いつつ、残った短い時間で藤浪智之先生の新作、まほう☆まーけっとを遊んでみることに。キャラメイクも引っ括めて1時間40分できっちり遊べるという、恐ろしいスペックを発揮してちゃんと終わったぜ!

シナリオタイトル:My First Step システム:まほう☆まーけっと GM:田中くん

シェンツさん:天道かげろう:16歳女性 アイドルユニット『MLP』の高嶺の花として、ステージに輝く卓越したテクニックの持ち主。恵まれない家庭に生まれ、強い上昇志向をバネに努力に努力を重ね、今のスキルを身につけた。アフリカロケで懐いて付いてきたアフリカの土地神"しゃべる犬"を不思議な友達にして、天の道を行きアイドルの総てを司ることを目指す野心家。伊良子清玄と仮面ライダーカブト諸星大二郎の三身合体アイドル。

アカメくん:青木あずーる:17歳女性 アイドルユニット『MLP』の変な親しみが持てる奴担当として、人当たりの良さと奇妙な親近感を武器に脇を固める少女。ユニット最年長として、経験を武器に立ち向かうお調子こきのニワカ。才能の前田、努力の天道を前に、自身の華の無さに尻込みしたりする。不思議な友達は、ツッコミ属性のロックンロールな妖精"なっきー"。

コバヤシ:前田まや:14歳女性 アイドルユニット『MLP』のセンターとして、アイドルになって五分で真ん中に抜擢された、アイドルの才能の塊。観客の目を惹きつける圧倒的な華と、アイドルの本質を見抜く天性の勘を持つ。不思議な友達はステージの守護霊"ムーンライト先生"であり、何かというと「まや……恐ろしい子!!」と白目になる。ガラスの仮面前田敦子の二身合体アイドル。

以上が月影市のローカルアイドル『Moon Light Princess』のメンバーであります。

 

まほう☆まーけっとは非常に絞ったデータを使い、トランプをランダマイザ兼物語惹起装置として使用し、アドリブ重視でお話を進めていく半分TRPG、半分ストーリープロッティングゲームみたいなシステムであります。

商用システムでいうと『CLAMP学園TPRG』が多分一番近い……あれもファンブックのおまけ的なシステムだったか。

データの縛りが少ないのでお話もキャラクターも縛りが緩く、かつ戦闘を物語の解決手段として想起していないため、好戦的ではない物語をTRPGとして楽しめるのが独特な所。

やろうと思えば『ラブライブ!』から『哭きの竜』まで、『SLAM DUNK』から『銀の匙』まで、非戦闘的な物語の生成を多人数で楽しめるシステムであり、非常に独特なプレイ感覚がありました。

 

縛りが薄いということは共通認識を作ることが難しいということであり、PLたちは頭を突き合わせ、一緒にお話を作れそうなネタをこねくり回し、結果『ローカルアイドルユニット』という共通言語を使ってお話の場を作っていくことに。

ストーリー展開も即興的かつ縛りがゆるい感じがあるので、共有するコミュニティという大きな枠は、参加者全員が共通の話題にできるような広めのネタがいいかな、と感じました。

儂らにとって二次元アイドルは共有のネタ、かつ温度が高くていまやりたいけど、戦闘で解決するシステムでやるのもちょっとな……という題材だったので、これ幸いということでザックザクと進める。

 

キャラクターの方はお話の中でのポジションなども相互に見つつ、『主役』『ライバル』『サイドキック』という安定感のある三角形を選択し、『綺麗事を言いつつ、溢れる才能でアイドルを制圧していく前田』『高飛車な態度で前田に突っかかりつつ、じわじわデレてお話に緩急をつける天道』『二人の潤滑油役を担当しつつ、真ん中になれないものの悲哀で話に陰影を付ける青木』という役割分担に落ち着く。

即興生成型のシナリオはここらへんの役割分担を全員で決めなければならないので、物語の構造や定番の展開、キャラクター配置などに共通した意識があったほうが、安定感が出る気がします。

僕らの場合は付き合いも長いし、お互いの嗜好や巧さもよく判っている同士だったので、どういう球を投げれば撃ち返しやすく、どのくらいの難易度のロールなら受けれるかという手の内がお互い判っており、ここら辺も物語生成のスムーズさに直結していた感じがあります。

 

実際のプレイはGMがプロットしたストーリー用のカードを手がかりに、PCたちに襲い来る困難を定め、その克服を繋ぎあわせながら物語を作っていく感じに。

時間制限が明確にあったので、「とりあえず各PLが主役になるシーンを1回ずつやって、終わったらクライマックスくらいがいいんでないか」という共通認識をまず話し合い、実際のプロット生成作業に。

『前田の大抜擢に納得行かない天道が、ダンスバトルを仕掛けてくるシーン』『二人の実力に気後れした青木が、自分の良さを再発見するシーン』『未だ前田を認められない天道が、青木と本音を語り合うシーン』を運営して、『心の闇に囚われた悪いアイドルが鷲掴みにした観客を取り戻し、勝ち負けではないステージの楽しさを再確認するクライマックス』に繋ぎました。

定まったプロットがない状態で、思いつきと頭のなかにある物語的財産を武器にお話を組み上げていく共同作業には、プリミティブかつパワフルな面白さがあり、一般的なTRPGでは味わえない充足感を覚えました。

データが非常にシンプルなこのゲーム、数字の上がり下がりによる面白さはそこまでなく、代わりに物語の玉を投げ、それを他の参加者が受け取って更に投げ、どんどんお話が転がっていく楽しみ、それを共有していることによる強い一体感が面白さかな、と思います。

どんな物語を欲しているのか、どのくらいの物語展開能力があるのか、どういうネタならウケるのかといった共通認識が重要になる楽しみ方なので、気心のしれた身内の方が、より強く楽しめる傾向は強いと思います。

自分らはネットリとした長い付き合いで繋がったTRPGキンフォークでありますので、くっだらない笑いなども交えつつ、普段あまり使わないTRPG筋肉をフル動員したプレイを、とても楽しみました。

 

キャラ作成時の記入する要項も、データ的な裏付けというよりは、物語の即興生成を助ける要素を書き出し、印象づけ、スムーズにする助けの意味合いのほうが強い印象を受けます。

自分のキャラがどういう存在で、何が得意で、何なら困難に対し効果的な行動をとれるのかということを書き出しておくことで、自分の見せ場を強く意識して、より中身のある物語を生成しやすくなるよう、ゲームが組み立てられているように思います。

ただし、ルールブックやキャラクターシートに記載されているゲーム的な枠だけだと少し不自然な展開になりがちというか、展開が迷走しがちとも思うので、環境や目指すプレイによっては共通認識を作りやすくするべく、しっかりとした枠を独自生成すると便利かもしれません。

即興性の強い物語生成ゲームの場合、一般的なTRPGよりも強く『何がしたいのか』『どういう扱いをして欲しいのか』『物語をどういう方向に持って行きたいのか』などの共通認識が必要とされ、ルールブックに用意された枠だけだと、ちょっと戸惑うシーンがあるかもなぁ……とか思いました。

無論、自由闊達なストーリー展開と、即興性性が生む強烈なドライブ感こそがこのシステムの華だと思うので、可能性を狭めて窮屈になるのならば、他のシステムで遊ぶのほうがより楽しめるとも感じるわけですが。

ココらへんのバランスは、遊ぶメンツや環境、当日求めるプレイの方向性なんかで大きく変わってくると思うので、他の人の顔色をしっかり見て、どのくらいの枠を事前に定めておく必要があるのか、お互い思いやることが大事だと思います。

 

プレイしてみると、一般的なシステムがプラモデルだとしたら、まほうまーけっとはフルスクラッチビルドのような印象を受けます。

枠化されておらず非常に自由に生成出来る分、色んな意味での『腕』が必要とされ、苦労も大きいシステムなのは、間違いが無いです。

しかし戦闘以外の解決法を無理なく盛り込める点、キャラクターや物語の表現幅が非常に広い点は野心的かつとても面白いポイントであり、他のシステムではなかなか味わえない、新鮮かつ濃厚なプレイ感覚を得ることが出来ました。

とても面白かったので、より快適な遊び方を追求しつつ、二度三度と遊びたくなりました。