イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/03/26

・幸腹グラフィティ:第11話『ジャキジャキ、ずるるっ。』『シャクッ、テリツヤー~。』
不在の両親をダシにクソレズ二人がベタベタし、椎名をダシにクソレズ二人がベタベタする。
今思い返すとこのアニメそのものが、何かをダシにしてクソレズ二人がベタベタするアニメだったなぁ、という第11話。
なので、最終話も高校合格をダシにクソレズ二人がベタベタするのでしょう。

親の話は、特に誰かを傷つけることも無く、リョウが赤ちゃんプレイに走るくらいなので咎なし。
あの唐突な心の闇の発露には少々ビックリしたものの、過去の所業を考えればあのくらいのベイビー・モンスターは飼ってるよね。
久々にリョウ作る-きりん食べるの関係が反転してたので、そこはなかなか良かった。

後半は、椎名が相変わらず不遇だった。
一年付き合っていると自分の立ち位置も見えてきて、何がどうひっくり返ろうとも2+1の構図が崩れることなどなくて、しかし離れていくには強すぎる磁力が二人からは出ていて、結果ああいう付き合い方しか出来ないと言わんばかりの、不器用な間合いの取り方だった。
そんなことは一切お構いなしで、椎名を間においてイチャイチャ(反発プレイ含む)しまくる二人は、ちょっと残虐超人すぎる。
ずーっとこの構図なんで、今更っちゃあ今更だけど。

推薦が何の前触れもなく決まっていて、受験という試練から切り離されてる椎名の孤独は、『そういうもの』としてシステムに組み込まれ当然視されてる故に、良く考えるとヒドすぎるくらいヒドい。
受験というメインテーマから切り離され、絆を深めるイベントから予告なしに追い出されてるって相当だと思うけど、そう言う不自然さには一切触れず、それがまるで幸せなことでもあるような偽証満載で進んでいるのは、最高に歪で気持ち悪い。
僕は気持ち悪い話を見たくてこのアニメ見てるので、素晴らしいと思います。

 

アイカツ!:第126話『ぽっかぽか♪オフタイム』
第24話『エンジョイ♪オフタイム』、第74話『アゲイン♪オフタイム』に続く、三年目のオフタイムでした。
3月終わりという大きな節目に、あえて完全なヌキの話をやる所がアイカツ!の器だと思っておるのですが、今回は前二つとは相違点が多い。
前回幕を閉じたいちごジェネレーションと、バトンを引き継いだあかりジェネレーションの違いが浮き彫りになる展開でした。

前二つの話と比べて目立つ差異は三つで、一つは失敗描写が多いこと。
特に波風なく、ゆるーっと多幸感に満ちた日々を送っていた先輩たちに比べ、あかりちゃんたちは小学七年生らしい行き当たりばったりっぷりを発揮しています。
失敗……というよりも『能力が足りていない』描写が多いのはあかりジェネレーション全体の特長で、例えば二年目のあかりちゃん個別回だった第96話&第97話では、アイカツ!では非常に珍しい『失敗したまま週をまたぐ』演出が入っていました。
テント一つとっても、第71話において一人でテントを組み上げていたあおい姐さんと、三人がかりでどうにもならず、瀬名くんの手を借りてるあかりジェネレーションは、違う扱いだというのがよく分かる
才能に溢れ、(比較的)トントン拍子で成功していったいちご世代とは、別の角度から物語を作っていこうという方針が、オフタイム回にもよく見えます。

二つ目は家族の描写が多いこと。
一年目のキャラは家族(特に親)の描写がいちご以外薄くわけですが、あかりジェンレーションはとにかく両親や姉の描写が多い。
これは三年目の傾向というよりは、ドリアカあたりから強化された傾向かもしれません。
きぃちゃん個人回である第55話とか、一話まるまるお母さんとのエピソードだったし。
今回もあかり-両親、スミレ-姉、ひなき-母親と、家族と交流し支えてもらうシーンが多く入れ込まれていました。
ここら辺の描写が増えると、人間として社会の中で生きている温度が感じ取れるというか、生っぽさが増す印象ですね。

三つ目は男の子の存在感、つーか瀬名くん。
いちごジェネレーションでも涼川さんとかいましたけど、ぶっちゃけあんま存在感はなかった。
ジョニーもいるけど、ジョニーはジョニーだしなぁ……(リスペクトJ勢)
瀬名くんの描き方は甘酸っぱさを含みつつ、恋愛を明言はしない距離感を保っていて、好感度高くてグッドです。

今回も『え? 14歳の女の子たちが男の一人暮らしに?』とか最初思いましたけど、瀬名くんじゃなきゃ大惨事だったわマジ。
つーか、ノータイムで『瀬名ん所押しかけようぜ! アイツの工房、自然あるし!!』っていう発想を投げつけるあかりちゃんは、正しく体育会だと思う。
今回みたいな話のアクセントとして、あかりちゃんの戦友以上恋人候補未満として、機能しているキャラクターだと思いますね。


比較はこんくらいにして、全体的に見ると、オフタイム回伝統の『脳髄柔らかなるビーム』が乱射される、非常にキケンな回でした。
岸辺から恥ずかしい告白大会するところとか、ちょっとハードコア過ぎて、法規制が考慮されるレベル。
半年前は、こんなに元気な子だとは思わなかったなぁ、スミレちゃん……。
女の子たちがキャイキャイし続けるハッピーな感じは、やっぱアイカツ!の華だなぁ……。
差異を強調しつつ、強みを振り回すことも忘れない安定した感じは、三年目の特長だと感じますね。

お話としてのまとめを必ず入れるのも三年目らしい所で、今回で言えば次回以降の『先輩編』への布石。
あかりちゃんたちも二年生であり、来週からは新キャラにお姉さまっ面する立場になる。
行き当たりばったりな小学七年生っぷりを見せつつも、同時にかつて自分たちが憧れた先輩アイドルと同じ位置にいて、そこでどうすればいいのかをコンパクトに纏める手際の良さは、非常にアイカツ!的でした。

SLQの値段を上げたことと関連して、女王の冠を巡って今後三人が切磋琢磨する方向性も、今回示唆されてました。
アイカツ!は悪意を書けない、書くことが許されていない世界なので、勝敗の扱いは難しいところですが、上手くやって欲しいものです。
ひなきちゃんを踏む展開はイヤだなぁ……(杞憂マン)。

ステージも新曲三人ステージで、ハッピーな本編を引き継ぐ可愛い仕上がり。
パパっと小気味良く切り替わるカメラワークと、正統派アイドルダンスの組み合わせがイキイキしてて、これから新しいことが起きる季節にピッタリでした。
手指と目線の表現力は相変わらずなんだけど、ステップ絡めた足元が強化されてた感じするな、今回。


いちご世代の完璧な告別式だった前回からバトンを引き継ぎつつ、穏やかな幸せを感じさせてくれた、豊かな回でした。
ここで『今の彼女たち』を落ち着いて見せて、次回以降の新キャラ新展開を受け止める素地を作るのは、いい流れだなぁ。
四月からのアイカツ!も、とても楽しみです。
……新キャラ凛ちゃん言うんか……二次元アイドル界は、色んな凛ちゃんおるのう。

 

・少年ハリウッド-HOLLY STAGE FOR 50-:第24話『まわりっぱなしの、この世界で』
少年ハリウッドラストエピソード、序破急の破。
シーマの改革によってアイドルとしての自我危機を迎えた少ハリは、リュウというトリックスターにかき回され、タイムリミットが迫り、取り壊される劇場を占拠して無観客ライブを行う。
アイドルの物語のフィナーレ直前といえば、大会場でのライブだとか、グループ解散寸前の対立とか、派手目のものが多いんと思うんですが、告別式めいた落ち着きで最終話に繋ぐ変化球は、非常に少ハリらしい。

メリーゴーランドでハイになってる絵面は色々危うかったわけですが、自分たちを置いてけぼりにししたまま進んでいってしまう、シーマの強引な改革に対する態度と考えると、色々納得がいく。
心のなかでどう思っていようが、アイドルは大人が勝手に回していく神輿であり、笑顔を貼り付けたまま回るしか無い。
その時何を考えていて、楽しかったか楽しくなかったかなんて、観客の側には分かりはしない。
結果、CMが流れば知名度が上がり、新規も古参も喜んでくれる。
結果を出してるシーマは正しい。

正しいんだが、その正しさに少ハリは納得出来ない。
だから『ぼくらの七日間戦争』めいた劇場占拠を行い、今までの少年ハリウッドにアイドルとしてステージを捧げ、雨音の拍手をもらう。
クルクル回っている間に、納得していない自分たちに気付いてしまったからには、『何か』をやっておくしかない。


シーマは結局、自分たちが青春を捧げた初代小ハリを、二代目を生贄にして復活させたいだけの用に思えるし、生贄と話すことは何も無いとばかりに正しさを押し付けて、二代目のメンバーと対話はしない。
シャチョウ(今はシーマが社長なので、ゴッドというべきかな?)もワケが分からないのは同じながらも、少年たちの納得行かない気持ちに真っ向からぶつかり、それをどうにかする術を(ワケわからないなりに)しっかり伝えてきた。

それは、シャチョウにとって二代目は初代の生贄では、けして無いからだ。
自分がステージに上ることがなくても、今ハリウッド東京にいる二代目たちは、紛れも無いシャチョウの夢だ。
ゴッドが夢を引き継いだ初代シャチョウも、同じ気持で初代ハリウッドを見守っていたはずなのに、シーマは二代目をその視線で見れない。
それこそが、劇場占拠事件という反発を招いた原因だろう。


シーマが抱えている問題を、解決するのかしないのか、はたまたそう言う二元論を飛び越えた場所に行くのか。
少年たちがモヤモヤした気持ち、メリーゴーランドを降りた後の酩酊に決着を付けた以上、残り一話の主眼はそこになると思う。
その結果が、シャチョウが檄を飛ばしてっしーが見守ってきた、二代目少年ハリウッドという形がどうなるのかに、繋がってくる。

二代目少年ハリウッドは解散するのか。
二代目シャチョウは帰還するのか。
どう転んでもおかしくないように、シーマが代表する対外的な状況も、少年たちの気持ちも、物語的な上げ下げも組み立てられた。
なので、本当にこの話の最終話がどうなるか、一切読めない。

かなりザワザワする構成なんだけど、ハリウッド東京告別式が非常にしっとりとした良い演出だったので、穏やかに待てるのは凄いな。
蓋を開けてみなければ分からない、意外性の塊なアイドルアニメとして始まり、続いてきた少年ハリウッド。
最終話から何が飛び出すのか、今から楽しみです。