イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/04/05

Fate/UBW:第13話『決別の刻』
三ヶ月の間を空けて、帰ってきましたUBW! つーわけで、結構リニアに繋がるFate二期。
前回士郎くんにドヤ顔で『死にたくなけりゃ消えな、このチキン野郎』みたいなことを言っていた凛ちゃんさんが、大好きな弓男に裏切られ士郎くんに慰められ、心のダムが決壊するお話でした。
セバ子が淫猥な調教でアンアン言っている間に、ヒロインポイントを荒稼ぎしておく抜け目のなさが、僕は好きです。

キャス子は生意気な小娘に一発かまして泣かせるわ、好みの美少女のおいどは穿り回すわ、まさに我が世の春。
出自もバレたし、旦那との生活は充実してるし、そろそろ死相が出てきたけどもう少し持つかな……。
ちょっとオシャレなウェールズ産NEWアイテム! って感じでセバ子が喘いでるのは、面白すぎる絵面だと思います。

 

・プリパラ:第39話『またまたアイドル始めちゃいました!?』
前回かなりの駆け足でファルルをパージし、やって来ました新年度。
新しいおともだちのお財布から、おぜぜをガッポガッポかっぱぐべく、設定リセットして敷居を下げる回でした。
投入された新キャラはその……なんだ……とても個性的で……。
熊本弁使いこなすアイドルが、同時期に二人もいるってどうなってんの!

プリパラはキチガイ要素をたっぷり混ぜつつも、お話の地盤は非常にしっかり固めるアニメ。
なので、キャラクターの伸びしろ、お話が広がっていく余地は話が進めば進むほど減っていく。
一旦組み合わせをバラして、触っていなかった部分を伸ばしていく体制を作るのは、3クールやって来たアニメとしては、必要な手筋であり大事な仕事。
タカトミ大明神の以降だけではなく、ソラミドレッシングの解散と新キャラ投入は、新しい風を呼びこむ妙手だと思います。

んでカンフル剤として投げ込まれたのは、自称天使と自称悪魔。
内面に切り込んでいくのはこれからなわけですが、ガワだけ見るとしおんやみれいより濃い口の味付けだ。
あの弓撃つモーションが、アイドルらしい生な痛さに満ちててグッドだ。
まーこのアニメプリパラなので、初手でドン引きしその後良い話がグイグイ迫ってきて、気づけば好きになってるパターンとは思いますが。
早く手のひら返したいので、ふれ合い回っぽい来週がとても楽しみです。

 

・Go! プリンセスプリキュア:第10話『どこどこ? 新たなドレスアップキー!』
もう新年度だしガンッガンアイテムの販促すっぞ! という回……の内側に、清らかな叙情性と切羽詰まった敵幹部の焦りと選ばれなかった存在の孤立をねじ込んだお話。
資本主義の事情をどれだけスマートに踏み潰せるかが、女児アニにとってとても重要な所だと僕は思っておるわけですが、アイテム紹介だけで終わらない感じに仕上げていてとてもグッドでした。
前後編の前編つーのも、ゆとりのある構成に寄与してんのかな?

今回話しのラインは何本かありましたが、バンダイ様の眼が光るアイテム探しは重要な主線。
どう考えても教育機関ではない抜け穴に秘密基地と、ぶっ飛んだ非日常性を持ち出すことでうまーくダレを防いでいました。
ただぶっ飛んでいるだけではなく、窓が相手光が差し込むシーンの切れ味鋭い演出だとか、夢のタイルで埋まっている建物だとか、いい意味での夢物語感が出てるのがとても良い。
白金さんも浮世離れしてるし……まさかニンジャとは。

こっちの話は今回でケリが付いたのですが、次回に引いたのはゆいちゃんとクローズさん。
親しい人に正体を隠してヒーロー活動と来たら、正体バレが一大イベントになるのは当然ですが、思っていたより早く回収に来たな、という感じ。
じっくりとはるかとの距離感、疎外感を盛り上げていて、来週どう掬い上げるのか気になる作りになってました。
はるはるドジっ子のフリしてめっちゃヒーロー気質だからなぁ……ビシッと決めて欲しいところです。

希望が見えるルームメイトコンビに比べ、絶望しか見えないのがクローズさん。
カナタがファンシーな販促活動始めた辺りで、『あ、死ぬな。最後のチャンスで新アイテム登場で幹部異形化で敵BOSS登場、役満だわ』としか思えない作りでした。
これだけ早いタイミングで幹部が死ぬの、久々だなぁ……。
クローズさんはバンプの巧さがある見事な悪役だったので、此処で退場するのは正直惜しいですが、ここまで来てしまったらディスピア様の極悪加減を強調し、悪役の本懐を遂げるような散り様を見たい所です。
まぁ来週逆転ホームランで生存する可能性もないわけじゃないしね!!(あからさまな欺瞞でエンド)

 

うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ:第1話『The dice are cast』
アイドルアニメ戦国時代に大本命爆着!! というわけで、帰ってきましたうたプリ三期。
『頭のネジが外れたイケメンが、キラキラしながら私をチヤホヤしてくれる!』という、俺の脳内アリスちゃんが大喜びな出だしでした。
いやー、自分の強い所分かってるシリーズは、ホントにつええなぁ。
美術ひっくるめた作画もすごく綺麗だったしなぁ……うたプリのゴージャスな異世界感、僕はとても好きです。

アニメ始まってから16分は『おいでよイケメンの森!』という感じで、メインキャラがぞろぞろハルちゃんの前に出てきて、トンチキな寝言をほざきつつアプローチをかけてくる繰り返し。
ハルちゃんが建物の中に入ったり出たりする姿が、高経験点エネミーの湧きを調整するMMOプレイヤーみたいで面白かったです。
もう三期ですしね、サラッと流してキャラを思い出していただければ……というにはあまりに油っこいキチガイばっかりで、大笑いしつつ懐かしかった。
一番火力あったのは、やっぱカミュだなぁ……馬ってなんだよ馬って……。
お話ので出だしで『君らこういうの欲しかったんでしょ? 私もこういうの見せたかったよ!!』という情熱溢れる、お話のコアな部分を豪速球で投げつけられると、凄く安心するし期待もするね。

頭おかしい所が目立ちますけど、イケメン回転寿司食べ放題シーンで一番心に残ったのは、BGMの使い方だったりする。
癖の強いキャラごとにそれっぽい音楽を用意して、力押しの展開を情緒面で助けている作りは、曲りなりとも音楽を扱うアニメとしては信頼できる演出でした。
頭オカシイの一本槍だとどっかで息が切れる訳で、こう言う部分しっかりしてると、やっぱ良いですね。


んで後半は今後話を引っ張っていく部分の紹介であり、色々ボカしているもののオリンピックの前座をみんなでやろうぜ! というのが今回のキモ。
セシルのナチュラルな煽りに乗っかって、大きな的に自分たちをぶつけて行く姿はまさに青春どまんなか。
こういうことを、一切衒いなくやれるのも、うたプリの強さだぁな。

この挑戦が今後どうなっていくのか、頭のオカシイイケメンたちはどれだけ僕の腹筋を削るのか。
いろんな期待が高まる、安心の三期第一話でした。
いやー、ほんとエネルギー衰えてねぇなぁ……素晴らしい。

 

長門有希ちゃんの消失:第一話『大切な場所』
制作が京アニからサテライトに移り、久方にブートしたハルヒのお話……なんだけど、世界の神たるハルヒは存在せず、眼鏡かけてる方の長門キョンくんとキャッキャし続けるお話だった。
朝倉さんのおかんっぷりとか、合間に挟まる女の子達とのキャフフとか、すげー普通のラブコメになっている。
長門も『それでも長門なら……長門なら何とかしてくれる……』という期待を一身に背負い、実際何とかしてきた結果ストレスが限界に達し世界を改変しちゃったポンコツアンドロイドではなく、キョンくんにトキメキまくるフツーの女の子にチェンジだ。

僕はハルヒというお話は結構ヘンテコなお話だと思っていて、『なんでこんなヘンテコな話が時代を掻っ攫ったんだろう』という疑問と、『まぁ掻っ攫うよね』という納得が同居する、尋常じゃない異質さがあると思います。
世界の神様たるハルヒではなく、その神様が起きないようにスカァルの太鼓を叩き続けるキョンくん(とSOS団の仲間たち)が主人公である所とか、ハルヒが持っている神様の異能を肯定するのではなく、次々起こるSOS団のユカイなイベントを通して、異能を使わなくてもハルヒが見てるつまんねー世界を肯定出来るように改変していく所とか、スンゴイ捻れてる。
ハルヒが持つ『世界つまんねー、アタシつまんねー、どうにか面白くなれ』といういら立ちは、世の中高生(とかつて中高生だったすべての人々)ならみんな感じてるフツーの感覚です。
それをインスタントにどうにかする超能力があるのに、主人公たちは安易にそれを肯定せず、フツーの学生が出来る範囲で色んなイベントを起こし、ハルヒハルヒの周囲の世界(そこに主人公たちが当事者として組み込まれている所が巧妙)を変革していく。
無論神様相手なんだからフツーのイベントはフツーに進まず、SFテイスト満載のトンチキで魅力的なイベントに変質し、それでもハルヒにとってはフツーのこととして認識されたまま、彼女の世界認識はじわじわと変化していくお話です。
フツーとヘンテコが物語の色んな層の中に存在していて、一般性と異質性を両方肯定していく話の進み方が、青春小説として優れた構造なのかもも知れません。

お話の構造だけではなく、キャラクターの起き方や彫り方なんかも、フツーとトンチキの合間にある部分で。
キャラクター記号操作の(出た当時の、というかハルヒ自身の爆弾的影響力の結果、オタク的記号操作自体がこの作品の影にすっぽり包まれたまである)巧さ、フレッシュさと、大林宣彦尾道三部作的な真っ直ぐな青春SFが持ってる古臭さの融合も、凄くトンチキ。
一事が万事そんな感じで、涼宮ハルヒをめぐるお話って凄まじいツイストがかかりつつも、ぐいっと読者を引っ張っちゃう共感性が根っこにあって、特殊性と一般性の間の捻じれが作品の持つSFテイストと化学反応してる所に、独自性と魅力がある、と思うわけです。


んで。
元ネタに僕が感じている魅力は結局のところ、『目覚めない神様として、世界の真ん中に涼宮ハルヒを置く』という根本設定から生まれているわけで、神様たる涼宮ハルヒがいないのなら、あの世界のトンチキな部分はスッと消えてしまう。
『入部届を書いた』世界をおそらく舞台にしてるこのアニメは、ハルヒではなく長門を選んだ世界であり、神様のいないフツーな世界になっているんだと思います(原作未読)。
元ネタを強く牽引してた捻じりがかかっていない世界で、んじゃあ何を動力に話が進んでいくのかなぁ、というのが、現状このアニメを見る個人的な興味としてあります。

一話だけで判断すると、ツイストがかかっていないでフツーな所それ自体、プレーンで真っ向勝負のラブ・コメディをキッチリやるということが、このお話の面白さになってくるのかな、と感じています。
キャラや世界の見せ方、起こるイベント、キャラクターの感情表現など、非常に癖のない素直な作りであり、スッと飲み込める感じでしょうか。
そして、その素直さはとても考えて作らないと出てこないものであり、このアニメの魅力にしっかり成っていると思いました。

世界を捻じり続けたハルヒというエンジンを、果断に切って捨てた以上、元ネタと比べるよりは全く別物として楽しんだほうが、より素直に作品を受け止められるな、というのが現在の印象であります。
消失映画見て『いやーキョンくんさー、判るけどさぁ、判るんだけどさぁ……キョンくんさー』って一生言ってた身からすると、可愛い可愛い長門ちゃんと素直にイチャイチャし続けるお話は、結構素直に嬉しい。
元ネタが持っていたツイストを取り込むのか、それともそこから離れた魅力を探求していくのか。
そういう所も楽しみにしつつ、ストレートで上質なラブ・コメディを堪能したい気持ちですね。

 

 追記

劇場版を見た感想を付記したほうが、自分の考えも見えやすくなるかも……ということで、昔Mixiに乗せていた感想を移植しておきます。

もう五年前かぁ……。

 

lastbreath.hatenablog.com