イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/04/24

放課後のプレアデス:第3話『5人のシンデレラ』
お空に行ったら次は海! というわけで、海底にもぐったり宇宙を駆け抜けたり、フェティシズムの赴くまま迸る第3話。
変身してる時点で物理法則無視できるって自分で言ったのに、5人分の水着を独自デザインして着せるプレアデス星人はスケベが過ぎると思います。
ありがとうございます。

『主人公すばるポンコツであることに思い悩みつつ、星探しの旅の中で劣等感を吐露し克服していく』という筋立て自体はシンプルかつ素直。
起きていることも、前回あおいに対して詰めた心の距離を、コスプレ部全員に対して縮めたという小さな成長なわけで。
海中や成層圏など、描かれる風景が壮大なので見落としがちだけど、掬い上げたい心象自体は等身大でコンパクトな作品なんだと思う。

なんだが、海中や宇宙、そして思春期の少女自体への強いフェティシズムがじっとりと沈んだ画面が奇妙な温度を放っていて、テーマが分かりにくくなる瞬間がままあるのは、欠点なのか利点なのか。
TV放送版になってみなと君の出番が増え、妨害役である彼との触れ合いがストーリー的な枠になってるのは、ともすれば過剰な思い入れに主題が押し流されかれないこのアニメにとって、結構大事なんだろうな。


というか、俺も仲良し女子中学生5人組が水着でキャイキャイする中、さらっと混じるくらいの爽やかさが欲しい……。
何かというと不思議温室ですばるの日常に滑りこむ手腕といい、みなと君が素敵ボーイ過ぎて、やっぱ好きだ。
着替えの話だけで追い出される潔癖感といい、少女漫画のオールド・スクールな王子様っぽさがあるなぁ、みなと君は。
前回のツノに引き続き、今度はいちごミルクですばるとの同一点を増やしているのは、じれったい間合いの詰め方で胸がチクチクする。
素晴らしい。

いつきちゃんがドライブシャフトの新機能を目覚めさせていたのは、結構大事件なんだろうけども、さらっと流されるのがこのアニメらしい。
彼女自身が口にしていたように、このアニメ自体が『人間全員が空を飛べる』と疑わなかった時代の名残だからこそ、不思議な部分は日常のように当たり前に描かれる。
その独特でトンチキな距離感が、見ていて気持ち良かったりしますね。

 

俺物語!!:第3話『俺の青鬼』
俺物語完ッッ!! という感じの、綺麗なエンディングを迎える第3話。
このワンエピソードで読み切りから連載、そして300万部突破のベストセラーに駆け上がるだけあって、ホント完成度高いなぁ。
猛夫も凛子ちゃんもスナも、みんないい所120%引き出してしっかり終わるからなぁ。
アニメ独特の膨らませ方がとても良かったのも相まって、大満足の最終話となりました。

アニメになって絵と声がつくと、やっぱスナのイケメンっぷりが煮え立つ。
というか、武男のカッコイイ所ラッシュはこの後なわけで、クールで気の利く優しいスナが目立つのはしょうがないっちゃあしょうがない。
武男も現状で十分いいけどね……ホント、気持ちいいやつしかいないアニメで、心底素晴らしい。

ベッドのところの弄りとか、好きって言わせる回数が増えていたりとか、アニメオリジナルの演出は全てズバピタで求められる仕事をしていた。
原作の見せ方やストーリーライン、キャラクターの付け方がいいのは勿論あるのだけれども、ただ平板に映像にするのではなく、しっかりと原作を解釈した上で目立たせる所は目立たせ、膨らませる所は膨らませる、意志を感じる演出が気持ちいい。
Cパートに多めに尺を取り、姉の伏線と付き合ったあとの三人の関係を見せる時間の使い方とか、リッチで良かった。

冒頭では一人だったカワセミが、告白したあとはカップルになってるような、ベタな情景演出とかも良い。
真っ直ぐで使い古された手法を、迷わず使ってくる姿勢はすごく好きだし、『少女マンガをメタった王道少女マンガ』という側面があるこの作品には、とてもあっていると思う。
ちょっと尖った映像は今回の『泣いた赤鬼』のように、本筋に直接絡まないタイミングで入れてくるのも面白い。
映像もストーリーもキャラクターも引っかかるところがなく、いわゆる『普通に面白い』お話なんだけど、そういうものは徹底的に考えて要素を配置・調整しないと生まれてこないんだなぁと、つくづく感じ入りました。

カップル成立というイベントを早々にこなしてしまい、やりきった感が漂っていますが、このアニメはこっからが面白い。
型破りな好漢の破天荒ギャグとしても、ピュアでイノセントな新米カップル恋愛修行としても、ヘンテコ高校生の青春絵巻としても、いいところを殺さず面白いところを強調する、いいお話がドンドン続きます。
この豊かさと特徴を殺すことなく、ぜひ4話以降もスカッと笑い、胸をキュンキュンさせてほしいものです。
……上から目線でえらそーに言ったけど、3話までの仕上がり見れば、『この期待は絶対叶えられるぞ!』としか言えないからなぁ。
俺物語!!アニメ、超面白いです。

 

アイカツ!:第130話『ユニットの魔法』
凛ちゃん強化月間はまだまだ続く! というわけで、スミレちゃんと凛ちゃんのユニット話接触編。
『チュチュバレリーナ』の歌詞と凛ちゃんの個性を巧く絡めつつ、一年差がある二人がユニットになっていく過程を、丁寧に追いかけた話でした。
メイン二人は勿論のことながら、凛ちゃんを取られまいと牽制入れまくる腹黒小娘まどかちゃんとか、スミレちゃんの変化を引き出した主人公あかりちゃんとか、色んな人が光る展開がグッド。

タイトルになっている『ユニットの魔法』というのは、相互作用による高め合いといいますか、1+1が2にならない関係性の魔法であります。
今までダンスでブイブイいわせていた凛ちゃんを怪我で後ろに引かせることで、アイドルとしても人間としても成長したスミレちゃんが見え、そのスミレちゃんへの憧れで前に進んでいく一年坊主も描けるという、シナジーに満ちたお話だったと思います。
ダンス特化という凛ちゃんの個性をスミレちゃんの成長に繋げていたのも、一年間の時間/実力差を巧く埋め、今後のユニット活動を対等にする見事な手腕。
始動編として、非常に技アリのエピソードだったのではないでしょうか。

先輩・後輩の年齢/実力差を無視するわけではなく、むしろ真ん中に据えた上で料理していく今回の描写は、新シーズンが始まり作中の時間も過ぎているのだなぁと体感できて、とても良かったです。
半年前の硬い態度を知っているだけに、凛ちゃんを置いてけぼりにする実力、頼りがいのある対応、ともに成長を感じられる立派なものでした。
大きく前に出たスミレちゃんの姿が明確に描写されているからこそ、凛ちゃんの焦りや憧れにも共感でき、凛ちゃんの姿を見ることでスミレちゃんの今もわかってくるというね。
テーマだけではなく、演出的な意味合いでもユニット回である必要に満ちた、必然性のある回だったと思います。


スミレちゃんが凛ちゃんに近づいていく動機は完全に一目惚れであり、ありとあらゆるシーンでキマくってて死ぬかと思いました。
自分でも言っていたように一年前のスミレちゃんならこんなグイグイ行かなかったのでしょうが、踏み出さなかった一歩を進んだのは、果たして積み重ねた年月だけが理由なのか。
断られることを一切考慮せず、教室で告白はするわステージでエンゲージはするわのやりたい放題し放題な辺りに、生来の美形を感じる。
あと先輩が異常に頼もしい所とか、教室での黄色い雀なリアクションとか、今回マリみてぽかったすね。

一方可能性感じちゃったのは凛ちゃんも同じであり、唐突に投げかけられたユニットの夢が、ドンドン凛ちゃん自身の中に入っていく様子も、しっかり描かれていました。
最初は焦りと義務感で動いていた凛ちゃんが、故障してダンスという武器を封じられることで、逆に生身の氷上スミレに接近していく展開は良かったなぁ。
消極的になるのも申し訳無さ故というところに、生来の良い子を感じるね、凛ちゃんは。

生来の腹黒ことまどかちゃんは、突然恋路にはみ出してきた超美形+実績のある先輩というライバルにも動じず、アピールを繰り返していた。
割と余裕で対応してたけど、これからユニットでガッツリ時間を共有して、凛ちゃんの心のなかでスミレちゃんがバリバリ育ち始めた時、どのくらい狼狽えるか今から楽しみだ。
色々計算高いというか、頭がイイ所が見え隠れするまどかちゃんですが、凛ちゃんのことはとても好きなのが今回見えて、ホッコリした気持ちになりました。
相手は稀代の女殺しだが、ルームメイトというアドを活かして頑張れ。

そして織姫学園長は、自分の人生を変えた女との、出会いと夢と別れを引き釣りすぎだと思った。
「ユニットには魔法があるわ」とか「ユニットは新しい喜びを教えてくれるの」とか言うたびに、存在するはずのないミヤを幻視してるのが丸わかりという。
ほんと重たいレズだなこの人……ええ、大好きです。

二年生・氷上スミレの成長と頼もしさ、一年生・黒沢凛の未熟と憧憬が良く見える、見事な運命の出会いでした。
エンジンの掛かりは素晴らしいので、このユニットが今後どんな未知を駆け上がっていくのか、とても楽しみになりますね。
んで来週は二人での初ステージ……まどか個別回はまだまだ先かぁ……。