イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/05/05

シドニアの騎士 第九惑星戦役:第4話『激昂』
ブコメと日常と陰謀と戦争が高速で回転するSFアニメ、四話目は戦争のターン。
イザナとつむぎが大怪我したのもショックなんですが、毎回のことながら雑草のようにバタバタ死ぬ兵士の姿には、やっぱ慣れない。
慣れてはいけないものをザラッとした質感で描いているのは、信頼できる所だと思います。

戦闘に関しては、怒りを知ったつむぎの暴走、イザナ捨て身のカバー、STGのボスみたいなごん太レーザーガウナ、そして谷風の新必殺技・シドニアスクランーダーと見どころ満載。
コアが形成された所でGLADIUSのBGMが脳内に流れ始めたのですが、波動砲と『此処を抜けて核に弾をぶち込むと、BOSSが死にます』と太字でかかれた通路を見て、すンごい『デストロイ・ザ・コア』って聞こえた。
期待に違わず新技を開発し、しっかり対象首を獲って生き残る谷風はほんと英雄値高いな。

一方Wヒロインズは文字通り身を削る献身を見せ、無事シドニアを防衛した。
前回からして死にそうムード満々だったが、安易に殺す話ではないので大丈夫だと思う。
思いたい。
だって死を厭わず自分を守るために突入してきたイザナに、つむぎがどれくらいデレるか見たいじゃん!!
死んだら見れないじゃん!!

……失礼、興奮いたしました。
今回つむぎが捨て身の献身を見せたので、差別的な風潮も少しは変わるかなぁなどとも思っております。
このアニメの日常描写、苛烈な戦場に立つ理由としての平凡の描写が僕は好きなので、欠けること無く戻ってきて欲しいものです。

 

・ハロー! きんいろモザイク:第5話『おねえちゃんとあそぼう』
狂気と正気の境界線をふわりと行ったり来たりするアニメ、5話目は勇姉&わらしべ長者回。
思いの外妹キチな勇姉が見れたり、思いの外銭勘定に汚いくせに小心者なアリスが見れたり、楽しいお話でした。
アリスの黒い部分は思いの外、でもねぇか……あいつ大概黒いからな、さすが"くすんだ金色"。

今回はきんモザコメディの特徴である『落差と拾わない面白さ』が結構出てた気がする。
どう考えても浮いてるシノのドレスに、一切ツッコミいれない所とか。
いい加減こけしの奇行にも慣れっこになったのか、はたまた狂人の国では狂っている事こそ正気なのか……後者かな。

あらすじだけ抜き出すと『元気のない姉を励まそう!』『小学生がわらしべ長者をリアルブート!』と、善意から出た可愛もない話なんですが、やっぱ要所要所に狂気と毒が埋め込まれてて、まっこときんいろモザイクだった。
何かというとゲンナマが絡むわらしべ長者のオチ、『妹を売っぱらって姉が一万円の指輪を手に入れる』だもんなぁ……。
『好きな相手だろうと、ドライに行くときは徹底的に行く』つうのは血筋なんだろうな、あの家の。

そしてあややはいつもの様に手遅れであり、ヨーコはあややを焦らして遊ぶDOLCE系女子であった。
即座にゲンナマを出す所に、あややの生々しい欲望が垣間見えて良かったです。
あと写真とった時の迫り方は、絶対解ってやってるだろヨーコ。
うさぎ耳で大ウケして即座に装着してる所とか、ツッコミ担当ヨーコもボケ成分多めなのが好きですね僕ァ。

来週は今回その片鱗を見せた"第二の金髪キチガイ"ことほのかちゃんの出番かね。
これまでの露出分でツッコミ成分は期待できない子なので、更に狂気が加速していきそうです。
望むところだ、どんと来いきんいろモザイク!!

 

・SHOW BY ROCK!:第5話『迷宮DESTINY』
四話まででバンドの形が出来てきたので、シアンの設定を使ってひと波乱起こす回。
世界救済と日常生活の兼ね合いとか、正体を隠していることの葛藤とか、変身ヒーローモノでもあるわけだな、このアニメ。
色々盛り込みつつも、年頃の少女たちのぶつかり合いを骨格にした骨太の構造で、非常に安定感があります。

これまでのお話が『バンドの楽しさ』に重点して展開してきたので置いてかれてましたが、『シアンが異世界人でリミット付きの友達だ』という設定は、プラズマジカにとって大問題。
今回のお話はこの問題をオープンにする話で、賢いリーダーチュチュがシアンの秘密に迫りつつ、感情優先な不器用レトリーが暴走する作りでした。
これまでのお話で四人の関係性が良いものであると判っているからこそ、それを壊しかねない秘密で荒れる流れには納得がいき、同時に早く解決したいという気持ちも強まる。
そしてキャラクターがどういう人物なのかをちゃんと見せているので、問題への対応も納得行く差別化が出来ていて、いいヒキになってました。

プラズマジカのメンバーは必ずシアンと共通点があって、『音楽への強い思い』をチュチュと、『引っ込み思案な所』をレトリーと、『いつかは帰らないといけない定め』をモアと、それぞれ共有しています。
なので、バンドを爆破させないように慎重に解体の機をうかがうチュチュの対応も、衝撃と後ろめたさを同時に感じるモアの反応も、各キャラクターが持っている要素に嘘をつかない、納得度の高いもの。
これまで積み上げてきた丁寧な描写を、情動が大きく変化する局面で使ってくれるのは、話が盛り上がる上に素直に飲み込めて、とてもありがたいです。

今回のお話のエンジンは、クッソ面倒くさい過積載レズ雌犬ことレトリー。
前半ねっとりと部屋デートを描写したおかげで、シアンへの入れ込みようと性的興奮は、しっかり伝わって来ました。
ていうかあそこまで興奮してるならワンコとニャンコのミッドナイト・シャッフルにもつれ込めばいいものを、何お菓子とか出してんのキミは。
そしてわざわざ好きな相手の好物をリサーチし、いつ来るか分からないお部屋デートのために買いだめしておく純情……ッ!
俺ぁやっぱレトリー好きだなぁ、うん。

初めて手に入れた心地よい時間を裏切られたと感じたからこそ、あのクッソ面倒くさい激発リアクションに繋がるわけで、導火線の播き方が巧いアニメです。
爆発役は不安定なレトリーに任せて、進行役をお姉さんキャラのチュチュに割り振る座組の巧さもあって、影を濃くしてキャラの彫りをよく見せる作りになっていたと思います。
色んなことがあって、色んな魅力が見えてくるというのは、続き物のお話を見る上で一二を争う気持ち良さですね、やっぱ。


『仲間に嘘を付いていた』『いつか別れてしまう』という等身大の問題以外にも、『シアンはスーパーパワーを持つ唯一の救世主である』という、ヒロイックな問題も今回表に出てきました。
あんだけ強キャラオーラ出していたお師匠も、ダークモンスターには太刀打ち出来ないし、被害はどんどん広がっている。
闇のエネルギーで発生した邪悪なるダークモンスターを打ち倒すのは、選ばれた存在である主人公・シアンにしか出来ない偉業なわけです。
印象的な脇役を負けさせることで主人公の唯一性を強調し、一般人への被害を出すことで切迫感を煽るのは、ヒーロー描写としてとても大事ですね。
そういう必要なポイント見落とさないから、このアニメ凄いわよね。

バンドの問題はこれまでのお話でも主軸として展開していたので、レトリーがくっそ重たい問い詰めを発動した上に泣きダッシュで立ち去っても、『まぁ何とかなるだろう、この子たちなら』と思えます。
しかし世界救済バトルの方は一話以来久々に出てきたので、シアンがどう対応し、それを他のキャラクターが支えるのか、イマイチ絵の見えてこない問題であります。
まだ良しのご絵のギターに(文字通り)引っ張られている状態で、シアン自体が世界の危機をどう捉えているのか見えないのも、此処をどう落着させるのかイメージしづらいポイントでしょうか。
バンドと世界救済が直結している設定なので、バンドの問題を巧く乗りこなせばヒーローとしても順調に行くという示唆は、結構出されてますけどね。

バンドの方も救世主の方も解決されないまま、SB69初の跨ぎエピソードでありました。
手際の良いアニメなので、問題がどう解決するかの足場はしっかり組まれているし、むしろ困難からどう飛躍しキャラの魅力を見せてくれるか楽しみになるというのは、贅沢な楽しみだなぁと思います。
カタルシスが期待できる来週は水着で合宿。
……やっぱこのアニメ変だよ! 合宿はともかく、なんでこの流れで水着なの!!