イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/05/25

・SHOW BY ROCK!:第8話『Crimson quartet -深紅き四重奏-』
女の子向け主人公シンガンクリムゾンのターン後編は、真っ向青春ぶつかり合い。
『人間関係がこじれてバンドが解散しかかる』という筋立ては5-6話と似ているのですが、拳と怒声が飛び交う荒々しい展開は、如何にも男の子バンド。
しかし結局暴力ではなく音楽で心の曇りを晴らす展開は、この世界のルールである『音楽は何よりも強い』をしっかり守っていて、いい流れでした。

まぁアイオーン君の神なる悩みは小石がウザいのと寝癖が収まらないという、非常に徳の高いものでしたので、クロウが真っ向から飛び込めば一発だとは思いますが。
ロム兄さんとシュウ☆ゾーの因縁を触ったりしつつも、バンドと音楽を愛する熱い気持ちで地面が固まっていく流れは、『王道展開を恥ずかしがらずに、しっかりやる』というこのアニメの気持ちよさに直結していて、とても良かったです。
大声出して殴り合えばまとまってしまうわかり易さは、プラズマジカの繊細さとは違う、シンガンの武器だなl。
そして昔の男に未練タラタラなシュウ☆ゾーにそれでも付いていくカイ&リクの中のモンスターも、そろそろ食べごろなんじゃねぇかな……。

一方女の子サイドの主人公プラズマジカですが、クリクリとの再戦に向けて着実にフラグを積んでいました。
リーダーの頭越しでシアンを指名してくる辺り、ダークモンスターブリーダー・ロージアちゃんの腕前は流石だ。
アイオーンの悪落ちが未然に防がれた分、チュチュの悪落ちはすごそうだなぁ。
千歌音ちゃんみたいにハァハァ斬りしてくるのかな……(シンガンが『俺達に出来るのは、せいぜい地球を救うぐらいだな!』といって暴力シーンを担当するフラグ)

 

シドニアの騎士 第九惑星戦役:第7話『鳴動』
露骨に碌でも無いオーラ出してた新兵器が予想道理沢山人殺して暴走し、それとは関係なく主人公はラッキースケベとフラグ立てを繰り返す。
生と死の落差でグッピーなら死んでいる感じだが、シドニアでは平常運行。
そんな感じの、狂い咲く人間の証明七話目。

重力子放射線射出装置の大暴走に関しては、想像したとおりに酷いことが起きたというか、このくらいの被害を受け入れてでもガウナぶっ殺すという小林の気概を見せるイベントというか。
楽観的な追放者たちが文字通り押しつぶされた今回のヒキを見ても、ガウナとの生存競争は一切の余談を許さぬ厳しい戦いであり、小林の怜悧かつ残忍な価値観は人類生存のためには必須なのだろう。
谷風周辺のゆるふわハーレムラブコメとの落差も、彼女が守りたい文化に浸ることを許されない孤高の立場を対比的に見せる演出手法なのだ、多分。
……単純に『3DでToLOVEるみたいなことしてー』ってだけかも知れんけどもさ。
真面目な話をしておくと、谷風にとってラッキースケベも命がけの戦場も等価な人生の一幕として描かれており、そんな彼が主人公の位置にいることで、ともすれば浮いてしまいかねない両極をちゃんと視聴者が飲み込めるように作っているのは、とても技量のあることだと思います。


谷風ラブコメは素直に楽しく羨ましいが、タップリ死者が出た後だけに素直に喜んでいいやら。
谷風が気持の良いやつなのでラッキースケベしてもイライラしないのが、シドニアのラブコメ描写の良いところですね。
大概スケベ直後に目がバイオレンスの餌食になってるしね、谷風くん。

しかし今回はラブコメ成分濃厚な回でして、急に横殴りをかけてきたサマリさんだとか、ツンデレしてたら置いてかれた焔だとか、今まで戦線に名乗りを上げていなかったキャラが本格参戦。
サマリさんの誘いは♪シドニア シドニアモード♫シドニアモードでーす(……光合成、したくなっちゃった……)♪という、Dimitri From Paris作曲の幻聴を聞くシーンだった。
イケメン顔で点数稼いでおきながら即座に酔いつぶれる辺り、ホント谷風は鈍感系ラブコメ主人公の資質が高い。

そして僕らのイザナ君が思う存分メス化したバディを惜しげも無く大開陳したり、お風呂トークが筒抜けのラブラブコメコメしたりで、いやぁ素晴らしい。
ここんところつむぎに押され気味であったが、雌雄可変体というSF設定の後押しを受けて、イザナ君がグイグイ馬身詰めているのは、ほんま素晴らしいです。
3D表現の進歩を女(元無性体)の裸で知るってのも、中々オツですね!

 

Fate/UBW:第20話『Unlimited Blade Works
UBW天王山、男と男の気持ちを剣閃に乗せてぶつけあう、クライマックス第二弾でございました。
ランサーがかっこよく退場したり、悪行を貯めこみまくった言峰があっさり死んだりもしてましたが、やっぱりメインは士郎とエミヤ。
アチャ男との掛け合いが盛り上がりすぎて、ぶっちゃけこの後のワカメ回収とかギルガメッシュ殺しとか、かなりおまけ感漂うからなぁ、UBW
原作っぽい地の文朗読を此処で大量に使ってきて、いい塩梅にムード出ていたと思います。

UBWのメインアクターである士郎、セイバー、アーチャーは全員似たもの同士で、あまりに綺麗なものに幼い時憧れ、それに引きずられるように生きて空疎な結論に至るという運命は、明確に重ね合わされております。
心情的なシンクロニシティだけではなく、守護者という魔術的・設定的トリックを使用した時間遡行まで駆使することで、アーチャーという士郎の未来と、士郎というアーチャーの過去と、二人の男の運命の女になったセイバーのキャラクターは丁寧に重ねられていく。
お互い過去のリセットを狙っているアーチャーとセイバーの重ね合わせも含めて、この三人は哀しいくらい似たもの同士です。

『余りにも似通っていて、余りにも運命で繋がりすぎている三人がお互いの背中を追いかける関係なのだ』ということをUBWアニメはずーっと見せてきていて、その起爆点が今回の掛け合いチャンバラなわけで、そら盛り上がる。
棒立ちでアーチャーの言葉の刃を受け続けるセイバーの姿を写すことで、志郎を蔑する言葉がそのままセイバーの人生を傷付けていく演出を今回入れたのも、重なりあう三人を見せる演出ラインを踏襲したシーンなわけです。
UBWアニメがもう一つ注力して見せてきた『衛宮士郎の空疎さ』も、その行き着く先であるアーチャーの空疎さ、過去をなかったコトにしようとするセイバーにに重ね合わせるために演出されて来たわけで、その二つが重なる今回は、やはり衛宮士郎というキャラクターの終着点でしょう。

ガチガチぶつかり合ってる二人+一人ですが、そこがどう落ち着くのかっていうこともこのアニメはもう見せている。
士郎がアーチャー好きすぎで、アーチャーがアルトリアの人生を守りたいとまだ考えていていることは過去にもこれでもかと積み上げられてきたし、今回も言葉の端々に見えた。
しっかり積んでその結果盛り上がるのは、やっぱクライマックスのあるべき姿であり、そのために計画的に画面と尺を使ってきた結果、やっぱり今回は良かった。


問題があるとすれば、『人生を否定したいほどの空疎』と『空を見上げるような憧れ』という強烈な重ね合わせを、メインヒロインたる凛ちゃんさんが共有していないおかげで、UBWのヒロインがどう考えてもアーチャーだってことなわけですが。
今回の大ピンチだって、助けに来たのは青いタイツの人だしなぁ……。
別の角度から衛宮士郎の問題を救い上げる仕事は、アンチ=エミヤシロウでありアンチ=アルトリアである桜がHFで思う存分やるってのも、凛ちゃんさんの普通さ加減に拍車を掛けている気がします。

凛ちゃんさんは狂人ばかりが横行する世界の中ですげー普通で真っ当であり、結局バランスのいいところにお話を落ち着かせようとするなら(そしてFateという話は逸脱を是としないので)、絶対必要なキャラではある。
のだけれども、Fateというお話の中で何より面白いのは逸脱しつつも真実を切望し、真っ当な生き方を切望しつつそんなふうに生きらられない男女のカルマに他ならない。
不利な立場だなぁと、つくづく思います。
その上で、彼女が普通で真っ当であることを魅力的に伝えてきたUBWアニメは、すげー頑張っていると思います。
今回のわかめへの忠告とかね。

アニメは映像と声と動きが付くので、愛嬌一本で一気にヒロイン力稼いでいる気もしますけどね。
アニメ凛は、とにかくあざとい。
そらーワカメも足から行くわ、二回も。
死体ゴッロゴロ転がってるのに太もも堪能しに行くワカメは、狂ってるのか器がデカイのか、もう判んねぇな。

今回のエピソード、お話としては明確に前後編であり、アーチャーの挫折を否定=肯定した志郎の姿は露骨に次回に引いています。
今回散々『俺みたいにはなるな』『駄目になっちゃった俺を乗り越えて欲しい』とツンデレ語でしゃべっていたガングロに、『んじゃあお前に憧れた俺の気持ちはどうなんだよ!』と、"ミチコとハッチン"のアツコ見てぇなことを言うターンがこれから来るわけですが、お話全体の評価としてはそこにたどり着かないとなかなか難しいですね。
……ホント衛宮士郎の話としては、此処が山の頂点だなぁ、こう書き出してみると。
物語の最高潮を、どう駆け上がり頂上からの景色をどう見せるのか。
来週楽しみですね。

 

・Go!プリンセスプリキュア:第17話『まぶしすぎる! きらら、夢のランウェイ!』
前回のみなみパイセンに引き続き、家族回のターン! なプリプリ。
今回は完璧超人……と思っていたけどコメディ・リリーフの仕事の方が最近多い、天才モデル・天ノ川きららちゃんのお母さん話。
才気あふれるビジネスパーソンとしての側面、自分を殺すことなく娘の個性を開放する母としての側面、両方をしっかり描いたお話でした。

プリキュアは『女の子』のお話なので、家族が描かれる時も娘世代の鏡としての描き方というか、母個人に軸足を置いて描写することは、案外少ない気がします。
今回のステラさんは『強烈な才能と人格を持った、スーパーモデルである』という軸足がまずあって、それを土台にきららちゃんとの関係を土台に載せた感じがあり、中々魅力的な見せ方でした。
ステラの持っている強烈なエゴをコミカルに手際よく見せることで、苛立つきららの心情に巧く寄り添える流れは、視聴者の心情がお話に巧く乗っかることが出来て、とってもグッド。
その上で、ステラの度量の大きさ、視野の広さ、突っつき方の巧さを分かりやすく見せることで、複雑な感情を孕みつつ愛情で結ばれている、才能のある親子の関係が立体的に描かれていました。
こんくらい屈折している関係も、はるみなのように素直な愛情も、どっちも魅力的にかけているとバラエティがあって良いですね。


きららちゃんはモデルという夢への意識がとびきり高く、実力も十分あるので、平板に回していると物語の起伏がなくなってしまう恐れがあります。
何でもかんでも想うどおりに叶うお話ではなく、適度な困難をちゃんと与え、それを乗り越えるダイナミズムを巧く生み出していかないと、キャラは死んでいく。
ましてやきららちゃんは中学1年生なので、美点だけではなく弱点も魅力的に見せないと、物語の中で輝けなくなってしまうキャラだと言えます。

今回ステラという巨大なエゴを魅力的に描いたことで、母に対する複雑な感情、それが生み出すプレッシャーもスムーズに描写できていて、そこから前に進んでいくきららの物語も、活き活きと輝いていたように思います。
完璧超人を完璧なままにせず、人間としての血肉をちゃんと付けるのは、個別回の仕事としては望
みうるベストでしょう。
今回のステラといい、第12回のらんこパイセンといい、きらら個別回のゲストは巧くきららの完璧な所を崩し、人間らしい弱さを魅力的に引き出している感じがします。

プリプリは『夢を叶える』というのが大きなテーマとしてあって、様々な立場、様々なキャラクターがそれぞれのやり方で夢と取っ組み合っている物語です。
今回ステラが見せた『毎日手の届く夢を見て、それが叶うことで自分を前進させ、新しい夢に挑む』という取り組みは、人間力のある彼女らしい、困難だけど難しい『夢の叶え方』だったと思います。
才能と気概、人格と努力。
全てを持ったステラだからこそ踏破できる生き方だとは思うけど、高いところを見ないとお伽話は面白くない訳で、きららの目標として母を置いた今回は、シリーズ全体の道を整える意味でもいいエピソードでした。


放課後のプレアデス:第7話『タカラモノフタツ 或いは イチゴノカオリ』
地球の危機を救った後は、めんどくさい中学生女子がグダグダと悩んだり、100万度の太陽をバックに痴話喧嘩したり、みなと君が早速帰ってジャージ着て庭いじりしたりするプレアデス。
いや、もうちょい引っ張るかと思ったんだけど思いのほか早く返ってきたね、みなと君……。
僕君の事好きだから、現実世界でも逢えるようになって嬉しいけどさ。


宇宙が身近なお話なんですが、根本的には思春期の少女が小さな悩みを解決していく話であり、今回軸となったすばるとあおいのすれ違いもまた、そのラインに乗っかったお話であります。
すんごい唐突に沈み込むあおいの面倒くささとか、このアニメに漂う過剰な繊細さをよく拾っていて、突然故に好きな展開でした。
単純な心のすれ違いだけではなく、多元世界由来のSF的なズレも発生してるんですが、そこら辺の不思議はかなりサラッと流して気持ちの問題で治める辺り、やっぱ思春期の話なんだなという印象。
軸と解決手段がぶれないのは、とても大事であります。

同時に捨てる/捨てられるという立場が捻れて、捨てられた側だけで二つ揃ってしまう自体というのは、多元世界というSF的ガジェットが無いと実現しない魔法。
捨てられたという共通の傷を持った二人が、面倒くさく宇宙でうじうじ悩む展開も、このアニメゆえに成り立っている状況と言えます。
プロミネンスの真ん中で濃厚な友情する絵面は、綺麗なんだか面白いんだかぶっ飛んでいるんだか、とにかく良いシーンだったなぁ。
想像力を極限まで膨らませつつ、しっかり視聴者の共感を掴む奇想に仕上げる巧さというのは、このアニメの強さの一つな気がする。

王子様気取りですばるを守り続けていたあおいちゃん(負け犬)と、常にあおいに守られ続けていたすばる(負け犬)。
多言世界から選りすぐられた負け犬が過去の体験を共有し、答えを見つけるというのが今回のお話。
守り/守られるという一方的な関係を『手を繋いで離さない』という身体表現に込めて、それを乗り越えたことを『手を離して側にいる』という仕草で見せる流れは、綺麗な生々しさが宿っていて良かったですね。

こぐまのお守りという『愛されている印』も追加していて、視覚的に心情を見せるフェティッシュが今回、多かったように思いますね。
そしてそのお守りをみなと君に手渡してしまう一連の流れがッ!!
そら突然の強敵出現に、あおいも穏やかじゃないわな。(あおい繋がり)
伝家の宝刀『近すぎる顔と交じり合う髪』もしっかり出てきたし……何回見てもいいもんじゃ、青と赤の螺旋は……。


芋ジャーみなと君が一体どういう存在なのかという説明は無かったわけですが、ピアスが五芒星なので、温室みなと君と同一人物なのかなぁ(角みなと君のピアスは四芒)。
捨てられた過去をもう一度観測し、その解釈を変化させることですばるの現在が変化したように、希望と勇気を持って『こうであって欲しいみなと君の現在』を観測したことが、温室みなと君を確定させるキーだった……とか考えたんだが、確証はない。
そのうちひょっこり明言されるかもしれないし、わからないまま進むのかも知れないけど、色々考える余地があるのは好きだ。

ていうか、僕はみなと君が好きだ。(唐突で大胆な告白)
なので、タメなく帰ってきたことにも失望というより希望の方が大きく、すばると同じように嬉しい気持ちになった。
温室で花を愛でるだけだったみなと君が、泥に塗れて自分の(そしてすばるの)花を逞しく育てている姿は、ホント最高です。(乙女回路全開)
……『手を汚して大事な物を探す』というモチーフは、過去のあおい&すばると共通してんのかな、ファーマーみなと。

せっかくなのでキャラ萌えの話をすると、力が級数的に戻ってきた影響下角みなと君とタイマンでやりあえてるプレアデス星人と、どう考えても脳を支配されてるななこさんが良かった。
無論、すばるの支えで大人の階段を一歩登ったひかる&いつきが、グダグダ面倒くさい痴話げんかの横紙を破るシーンは最高。
こうやって思いやりが巡り巡るお話は、やっぱりとても良いですね。


色んな事態がプレアデスの時間で進む、あおい&すばる&みなと回でした。
普通のお話とは違う所にみなと君を着地させたので、今後どう発展させていくのか気になるところです。
今回発揮されたあおいのクッソ面倒くさい所が、今後予測されるラブ展開とどう関係するのか。
楽しみですね。