イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/07/14

のんのんびよりりぴーと:第2話『星を見に行った』
リセット&リピートな田舎子供日記、前回すっ飛ばしたほたるんメインの第二話。
Aパートまるまる定戦に費やし、Bパートはコマキチ誕生秘話という感じでござんした。
ちゃんとお姉さんしてる小鞠はレアであり、なかなか頼もしかった……夏には助けた小五に小脇に抱えられる運命だけど。

定戦はカードゲームアニメの手法を盛り込み、なんかよく判んないうちにもリアがって行く感じが
よく出てました。
異常にネームが長い、微に入り細を穿った凄さの説明台詞とか。
まだ学校に馴染んでいない蛍が田舎ルールに戸惑ってる感じとか、敷居を下げるべく積極的に話しかけてる田舎組とか、地味なところの距離感描写が好き。
年考えると幼い遊びかもしれないけど、数少ない仲間とみんなで楽しもうという姿勢を見てると、こっちも懐かしく嬉しい気持ちになってくる。
基本的に善性のアニメだな、やっぱ。


Bパートは学校の外に出て、得意の田舎描写大炸裂。
草の匂い漂ってきそうな昼間の描写もいいし、明暗くっきりした(というか、闇が濃い)夜の風景も良い。
舞台のディテールが細かいのに、漫画漫画したキャラが浮いてないすり合わせの妙も、このアニメの凄いところなんだろうな。

蛍の中の怪物は今回の話をきっかけに目覚めるので、歳相応の弱々しさが出ていて、新鮮な楽しさがあった。
この後コマぐるみで部屋をうめつくすスーパーサイコにも、こういう時代があったんね……。
まぁ言うても、蛍の年相応な描写はしっかり入れていた気もするが、やっぱインパクトあるよアイツのコマキチっぷり……。

一方コマちゃんも新入生が打ち解けるようイベントを企画したり、自分も怖い中意地を張って子供を守ってみたり、普段とは違う魅力があった。
『コマちゃんは年の割に幼く頼りなく、蛍は年の割にませてるコマキチ』という定形が堅牢なアニメだけど、そっから外れた部分を描写するのを躊躇わないのは、見せ方が一面的にならずに好きだ。
今後も時々は、頼りになる小鞠お姉ちゃんを見せて欲しい……まぁ弱い小動物だろうけどさ、ほとんどのシーン。

前回は叙情性高く細密にれんげの入学式を追いかけ、今回はゆるっと蛍&小鞠メインのコメディ。
『色んなジャンル、色んな見せ方』で魅力を引き出していく、あんま目立たないこのアニメの強みがよく出た、いい第二話でした。
今後もこんな感じで、ヴァラエティ豊かに粒ぞろいに見せていただけると、望外の幸せですな。

 

・ミリオンドール:第2話『ひなみをメジャーにあげたのは…』
ドルとドルヲタが巻き起こす群像劇の第二話は、現場ヲタ・リュウサンのガチヲタ絵巻。
ただでさえ短い時間が半減したおかげか、リュウサンのオリジン解説してドル達がメジャー目指すことになるまで、あっという間に進む。
地下ドルあるあるでグダグダ時間を使うより、『目指せメジャーデビュー!』という看板を早い段階で貼ったのは、ゴールがハッキリして良かった。
しかしこのまま起こったことだけを拾って展開させてもキャラクターの心情は見えてこないし、行動の理由付けも弱くなっていくだろう。
キャラを掘り下げることに時間を使えば今度は話が進まないので、ここら辺は難しい取捨選択だと思うが。

地下ドルという異文化はどっしり腰を据えて観察したくなる題材であり、ドルとヲタの距離が異常に近い所とか、熱心な現場ヲタの支援でのし上がっていくダイレクトな感じとか、良く見せていたと思う。
なので、メジャーに向けてドル達が這い上がる物語だけではなく、今腰まで浸かってる木っ端アイドルとしての世界は丁寧に扱ってほしい。
今回はリュウサン-マリ子ラインの話だったので地下ドル文化だったが、イトリオにカメラを移せば地方自治体ベースのロコドルっていう異文化が見れるだろうから、多角的な映し方をして『一口にドルっても、色々あるなぁ』という所を見せれるだろうし。

……そういう願いが贅沢だってのは、OPの3Dモデル見りゃ一発で判ってるよコノヤロウ!!
今回だって、内面まで踏み込めたのはリュウサンだけで、ドル二組がメジャーにかける気持ちとかそもそも彼女らがどんな子なのかとか全然判んないし、もう一人の主人公すう子に関しては写りもしねぇ。
やっぱ五分アニメで扱うには、アクター多すぎ題材複雑すぎな原作なんだろうか。
贅沢で無理な願いだとは判っているが、上手く時間を使いこなして題材の良さ、キャラ配置の巧さを活かして欲しいものだ。


メイン題材であるリュウサンのドルヲタ歴編に関しては、時間のない中パパっと出会いから別れ、再びの出会いまで描いていたと思う。
激務に疲れ果て干物みたいだったリュウサンが現場ヲタとしてツヤツヤしていく流れは、ライザップのCM並の急速変化であり、ちょっと面白かった。
自分の手でドルを支え、押し上げていく感触がリュウサンにとっての生の実感なら、そら『現場最高! 在宅死ね!!』ってなるわな。
直接触れ合えないメジャーな存在になった途端情熱が薄れていくのも、ドル個人ではなく地下ドルとの距離に恋してるDDの冷酷さが出てて、結構好き。

鎌倉ひなみの声が内田彩なのは、『ことりちゃん……卒業してからもアイドル続けてたんだね……』という感想を狙っているのだろうか。
目がデカい上に瞬き一切しないので、不気味な非実在感が生まれている……っていうか、ぶっちゃけ『オリエント工業製アイドル』って感じがして怖い。
接触イベントの完璧ないなし方含めて、非人間的な感じはある程度狙ってるとは思うが。
魂が通い合うアツいエピソードをぶち込んでくれれば、ツラ関係なくドルたちのこと好きになれるとは思うんだが、ここでも尺が立ちふさがるなぁ……。
今後、演出が爆発することに期待。

『一切傷がない満点アニメ』とは口が裂けても言えないが、視点と題材はやっぱ面白いし、マニアックなネタへの悪意が感じられないのも良い。
今回は現場サイドの話だったので、次回は在宅サイドにふるのかしら?
『現場の支援が地下ドルを押し上げる』構図と動機に関してはなかなか良く描けたと思うので、『在宅の後押しがロコドルを引っ張る』展開と熱意も、上手く見せて欲しいものだ。

……俺がある程度以上のドル/ドルヲタ知識とジャンルへの熱意を備えてるから読めてるけど、一切の前提知識抜いてみたらリュウサンの動機にノレるのかっていうと、そんなことはないだろうなぁ、この早さだと。
リュウサンの欲望生臭いから、許容するためのハードル高いし。
時間半分になった都合で、ドルヲタ用語の基礎知識コーナーも削られたしなぁ……。
でも俺、このアニメ好きなんよ……良くなってほしいなぁ。