イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

のんのんびより りぴーと:第3話『連休中にやる気を出した』感想

時に少女の成長物語になったり時に田舎の生活スケッチになったりするアニメ、三話目は舞台を取り替えてのコントが二回。
狸で始まって狸扱いで終わる構成とか、ほぼ10分間座りっぱなしで回すBパートとか、色々凝っていた。
そういう所を感じささせずに、ぬるーっと面白い印象が一番最初に立つのが、一番凝っているとも思います。

Aパートは夏美のバカ芸を軸にした、学校コメディ。
喋んないのは相変わらずだけど、二期になってから兄ちゃんの描写に人格が感じられるようになってきて、キャラの使い方の変化を感じる。
場面転換で田舎の風景をしっかり入れるのは、見せたいものと見せたいものを把握してる感じがして好感触だ。

Bパートは10分間ほぼ小岩井さんと名塚さんの声しか聞こえない、かっちり作ったコント漫才『やるき』という塩梅。
場所は部屋の中から動かないし、キャラも二人から増えないんだが、適切なタイミングで話題が切り替わり、カメラの据え方も凝ったカットがありと、飽きさせない工夫を感じる。
ガラス越しに二人を写してブラーかかってるところと、TVの反射で二人をカメラに入れるところが好き。

ネタの広げ方に関しては、ダメ人間芸でを駆使するねぇねぇのボケを、時にツッコミ時に乗っかり時に醒めと、いろんな方校にこねくり回して膨らますれんちょんの演芸IQが目立つ。
一個のネタを大体二分ぐらい持ったら手放しテンポ良く進ませる進行が、動きがないのに面白い理由の一つかな。
『大人びた所もあるが、基本的には子供』というれんげの性格設定は、各話のジャンルに合わせた対応をさせつつキャラの統一性を維持できるので、中々便利な設定なんだな。
かなりトンチキな行動をしても『まぁれんちょんだし』でOKが出るのは、なかなか強い。

ねぇねぇのボケに関しては、ダメだがイヤではない奇妙な可愛げが出ていて、名塚さんの底力を感じる。
このアニメの強いところである、仕草の付け方の的確さもあると思うけど。
閉鎖的で動きのない笑いから、家の外に出て人も増える開放的な流れで、アイマスクを付けてオチに向かっていく作りは緩急あって好きだ。

可愛いキャラがキャイキャイしていて、トンチキにゆるーい空気の中で笑える。
アニメが目指す所に辿りつくべく色々工夫して、かつそれを目立たせないという、このアニメらしいストイックな回でした。
そういう姿勢、俺嫌いじゃないぜ……。(唐突なツンデレでフィニッシュ)