イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ミス・モノクローム-The Animation2-:第4話『GOODS』感想

短い尺の中でアイドルとして精一杯輝く準備をしつつ、柔らかな笑いで満腹にもなる欲張りアニメの第四話。
今回はキャラを増やさず、コンビニ事務所兼全国ツアー事務局に座りっぱなしでコントする流れ。
相変わらずマネオとるーちゃんの優しい膨らまし方が気持ちよく、見ていて良い気分になれるアニメだ。
ふでやす脚本らしいキチ要素もあったしな……なんだよヒグマって……。

ミス・モノクロームは尺に似合わない一回一回の満足感、『あー面白かった』という感じが得られるアニメだと思います。
色々要因はあるんでしょうが、二期になってからは少し増えた尺を使い、着実にアイドル全国ツアーすごろくを前に進めていることが大きい気がしてます。
人員が増え、ライブハウスを抑え、曲を制作してグッズをたくさん作る。
ボケボケかつ工程の中身は雑ですが、ちゃんと段階を踏んで目的に踏んでる体を仕上げているのは、『短いアニメだから』『コメディだから』という言い訳に逃げない姿勢を感じて、僕はとても好きです。

前回謙虚だったのですが、とにかく数をまくし立てる羅列芸が、モノクロームには顕著な気がする。
グッズの種類をこうも大量に出されると、口で言ってるだけなのに凄く仕事してる印象も受けるのが不思議だ。
無論、激しく笑いを取るタイミングではグッと掴めるネタを投げて、『このアニメは基本的にはコメディです』という印象をしっかり与えてるのもデカいんだろうけど。
真っ向からお仕事アニメにして、今回の内容で『はい、全国ツアーの準備は順調です』って言っても通らないだろうけど、このアニメが持ってるいろいろな要素を鑑みると笑いと同時に『なんかお仕事アニメっぽい』感じを与えられるのだから、形態にあった内実をしっかり選択するのは大事だ。


コメディ要素の方も相変わらずの柔らかい感じを維持しており、マネオの声を荒らげないツッコミ、るーちゃんの無言有能芸と、持ち味が生きている感じ。
前も言いましたが、絶対に否定的な言い回しをしないマネオの受け方はモノクロさんの良き父っぽくて、擬似家族モノとしての空気を巧く出していると思う。
るーちゃんが喋ったのは一話のアパートだけなので、あの会話はモノクロさんにだけ見せる顔なのか、はたまたモノクロさんの妄想なのか、少し気になる。

気になるといえば、ギターのあきこちゃんの提案を無下に断った所は、緩い空気の中に目立つ刺だった。
あきこちゃん自身はモノクロ世界の住人らしく、サラッと受け流して気にしないいい人だったので助かったけど。
二期に入ってからモノクロさんが持つガイノイド的な価値観というか、あまりに無垢すぎて周囲と衝突する様子がちまちま描かれていて、しかもあんまり笑いに落とされていない。
すれ違いをネタにした笑いなのかもしれないし、今後なんか広げてくる要素なのかもなぁ、と思います。

というわけで今週も、中身がみっしり詰まって美味しいアニメでした。
単に5分の笑いを求めるだけではなく、モノクロさんのツアーの成否も気になってくる作りになってきてて、欲張りすぎて素晴らしい。
世界全体のトーン、作品全体のトーンをしっかり握っているので、安心して見れるなぁ。