イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

BBTサプリメント『アドヴェント』レビュー その2 -アイテム・大罪・追加ルール-

この記事はBBTサプリメントアドヴェント』レビューその1

lastbreath.hatenablog.com

の続きです。

ワールドガイドとアーツについてはそちらで記述していますので、未読の方はまずその1を読んでから戻ってきてください。

 

 

●アイテム
今回の追加は共通武器、防具、一般装備にダークカルテル、着装者、メタモーファーのルーツ装備。

○共通武器
おおまかに分けると素手強化の各種スタイル、魔剣強化の各種業物、ネイバー武器とその他諸々といった感じ。
素手限定のアーツは多いが、自前の素手強化アーツ・アイテムを持っていないクラスも結構いるので、スタイルは嬉しい追加。
「ダーティスタイル」は非常にレアな『ルーツ制限がない社会属性の白兵武器』であり、結構使い出がある。
単純な火力で言うとパワースタイルが一番高い。
業物は刀剣を乱舞させたい人、武器の種別に拘りたい人におすすめだが、結局白兵・至近なのに代わりはないので、アーツで取り回しを上げると良いだろう。
強さで言うと大太刀、もしくは槍が優秀。
塗りつぶし系FPSをリスペクトした「スプラッシュランチャー」、射撃系ネイバー武器「トライバルボウ」は両方中々の性能。
他には至近打撃魔法の新顔「スーサイドフォース」、今までになかったタイプのサーフェスラッキーストライク」が面白い。

○共通防具
アーマー値的にはそこまで強烈な性能の防具はないが、色々と癖の強い鎧が揃っている。
「究極の衣装」はバステ狙い以外にも、<どうなっても知らないぞ>の発動条件を満たしたり出来る。
「ステージコスチューム」は性能というよりも、やっぱアイドル力重視で。
そして「封印拘束具」は<リアクティブアーマー>で強引に脱げるんだろうか。

○一般装備
今までデメリットでしかなかった攻撃時の人間減少をダメージに変える「儀式魔導具」はかなり面白い。
仙ず……「ミスティックビーン」はかなりの効率を誇るHP回復手段なので、クライシス星人は一個常備しておこう。
どうせ気弾くらいしかアイテム必要ないしな!!
「汚れた金」は情報収集以外にも、財産点で効果が上がるアーツのコストとして使える。
<ブラックプロジェクト>とかオススメ。

○ダークカルテル装備
悪の秘密結社のお約束なアレが沢山追加。
武器としては射程:シーンで方針付与な「エレクトロウィップ」の総合性能の高さが光る。
面制圧可能な「怪光線」、重圧付与の「シャドーサーベル」など、火力よりも嫌がらせ性能の高さが特徴。
防具に関しては「幹部の装束」のダメージ増加が優秀で、アーマー値もしっかり社会を上げれば並以上。
ミドル戦闘がキツい場合は「悪のアジト」は良いアイテム。
シーンセットもやりやすくなるしね。

○装着者装備
平成ライダー的なアレやソレが沢山追加。
武器は色々と揃っているが、最強の面制圧<ハイクロックアクセル>を最大限活かせるのは「アームヴィークル」
雑魚狩りは車でやって、BOSS相手には「機攻拳足」使うのが効率いいのかなぁ。
アームドツールに関しては足りない所を補う感じで。
チェンジデバイスはガード値型ディフェンダーの能力底上げ、<流血の盾>効果上昇あたりがシナジーか。

○メタモーファー装備
ハズブロのアレやタカラのアレっぽいのが沢山追加。
武装に関しては射撃白兵、共に十分な性能。
変形素体と各種ツールに関しては、強さよりもこだわりで選び、キャラ立ての助けにしたい。
でも強さで言うと「大型車両」が素直な強さよ。
「レインボーチェンジャー」で入れ替えてもOK。

 

●大罪
今回の目玉である、特定の設定とデータがついてくるライフパス。
ダブルクロスで言うところのDロイス、ブレイド・オブ・アルカナで言うところの特殊因果律です。
ルールとしてのパッキングは初期絆の一つが既定のエゴに変わり、そこから取得する罪を『大罪』として特殊化。
これをコストにするアーツを始めとして、既存のアーツを上回る強さのアーツを取得できるようになるというもの。

初期絆をエゴ化する処理は基本的なデータ処理の流れに従ったものであり、『大罪』というデータを追加するからといって、例外処理をいれこんでルールを重たくする方向に行かなかったのは、クレバーなルーリングだと思う。
大罪アーツは強いぶんコスト圧迫もキツいので、絆一個マイナスのペナルティは見た目より厳しいし、それが逆に『大罪』というデータの重みを出してるのが、フレイバーとデータが噛みあった良い処理になってます。
処理が軽い割に特別感のあるデータになっていて、使って楽しいのが素晴らしい。

効果としてはゲームを壊すのに十分であり(自分的には<内なる魔><固定異空><始皇帝の剣><罪なる果実>が四強)、大罪導入環境と非導入環境はランクが異なるという認識です。
環境を大きくかき回し、キャラバリエーションをデータ的にもロール的にも増やすものであるのは間違いないので、巧くバランスを取って使いたいルールだと言えます。
ガッツリ設定がついてくるものあり、汎用性の高いものあり。
自分にあった大罪を選んで、一度使ってみると良いんじゃないでしょうか。

○全体的な傾向分析
たっぷりデータがあるので、簡単な傾向のまとめを書いておきます。
データ的にどういうポジションに向いているかと、設定が大罪に縛られるか、自由度が高めかを下に分類、記述してあります
設定に関しては所定のエゴを取得する以上、大罪を導入すれば特定の方向には導かれます。
分けているポイントは、固有名詞の付いた設定が入り込むか、特定作品の状況を再現することを重視しているか、あたりです。
全体的に、デフォルト大罪は設定縛り軽め、ゲスト大罪は縛り強めと言えます。

 

・データ的に

 アタッカー向き 

<始皇帝の剣>

<闘争こそ我が望み>

<復讐するは我にあり>

<歯車心臓>

<宇宙の素浪人>

<罪なる果実>

 ディフェンダー向き 

<あとわずかの猶予>

<再興への長い道>

<始皇帝の剣>

<こだわりの追求>

<不幸の空の下に>

<忘れ得ぬ悲劇>

<あの人は生きている>

 サポーター向き

<我を崇めよ>

<輝きのプロデューサー>

<駅前の魔法使い!!>


 汎用

<内なる真魔>

<固有異空>

<闇の貴公子>

<道標の稚児>

<アークフィーンド>

<裏切りの刻印>

 

・設定的に
 特定の設定が付く

<始皇帝の剣>

<闇の貴公子>

<歯車心臓>

<宇宙の素浪人>

<罪なる果実>

<駅前の魔法使い!!>

<裏切りの大罪>


 汎用性が高い

<あとわずかの猶予>

<内なる真魔>

<再興への長い道>

<こだわりの追求>

<闘争こそ我が望み>

<固有異空>

<復讐するは我にあり>

<不幸の空の下に>

<忘れ得ぬ悲劇>

<我を崇めよ>

<あの人は生きている>

<道標の稚児>

<輝きのプロデューサー>

<アークフィーンド>

 


○あとわずかの猶予
極太の死亡フラグが立つ代わりに、能力が強化される大罪。
ミドルで抒情死して進行に支障をきたすくらいなら、データ的にも見せ場たくさん作ってやるからこれ取って死ね! というコントロール意識を感じる。
『短い命を燃やす』という要素自体は話が盛り上がる定番設定ではあるので、必ずしも抒情死狙いのためだけの大罪ではない。
この大罪を取る以上、命を燃やすのにふさわしい状況をしっかり見切って、かっこ良く死にたいものだ。

大罪アーツはダメージ軽減<まだ、死ねない!>、強烈なダメコン<これが自分の役目だ>、死と引き換えに判定を操作する<今、その時がきた>。
データシナジー的にはディフェンダー向きであり、純血以外でもシーン攻撃を操作可能な<これが自分の役目だ>の決定力を活かしたいところ。
勝てるところで死なれても困ったりするので、可能であれば<今、その時がきた>は超ピンチをひっくり返す逆転の一打として使いたいが、こればっかりはシナリオとダイスの導き次第。

○内なる真魔
アリスにまつわる名前のついた珪素生命体を移植されたり、内なる殺人人格に怯えたり出来る大罪。
BBTというシステム自体がエゴと絆のTRPGであり、欲求と義務の葛藤は全キャラが背負っていると言えるが、それを強調する感じの設定になる。
力を与えてくれる『もうひとりの自分』の設定次第で、埋もれもすれば輝きもする大罪だと思うので、色々凝りたい所。
幸い人間ブラッドには<第二人格>や魔剣、守護者といった『もうひとりの自分』を表現するデータが揃っているので、巧く使いたい。

データ的には常時アーツ強化<内在せし魔>、コスト高めな達成値/ダメージ増強<力をくれてやる!>、純血の壁を超える<まだ人間のはずだ>
<内在せし魔>の壊れっぷりが尋常ではなく、種別もタイミングも関係なく強化しまくるため、マンチ力の振るいどころである。
複数回使える強化アーツを底上げしたり、タイミングを複数取ったり、種別の問題でブーストできなかった強特技をブーストしたり、可能性は無限大。
常時技能も強化されるので、<殺戮者><傲然たる王><バトルフォーム>といった『なんか……パッとしねぇ……』と思ってたアーツが核弾頭級の性能を発揮したりする。

このゲーム純血アーツが強いので、<まだ人間のはずだ>は見た目よりはるかに強い。
いつもの様にオススメは<内なる獣>だが、<滅びろ、自らの力で!><ファイナルスペル>あたりも良い。
なお前提条件は『種別:人間』であって『イレギュラー、ハーミット、ダークカルテル』ではないため、<まだ人間のはずだ>を切り捨てて<特殊因子>で前提を満たすビルドが可能。
タイミングバカ稼ぎして<内在せし魔>でブーストするビルドだと、ブラッド二種類取れる分、こっちの方が強くなったりする。

○再興への長い道
かつて高い場所にいたが、そこから滑り落ち這い上がろうとするキャラを再現できる大罪。
これも燃える定番設定の再現と言え、『落ちぶれてすまん!!』と言いたくてしょうがないプレイヤーには待ってましたである。
ダークカルテルやロードは権力の全盛にいるルーツであり、そこから叩き落とされた状態を再現するのに向いている。
みすぼらしい現状と過去の栄光、キラっと光る敗者の矜持を巧く演出すると、より活かせる大罪だろう。

アーツはバステ割り&HP回復&達成値上昇<いまだ道半ば>、能力値判定強化<同じ夢を見る者たち>、特殊なダメージ支援<今こそ布石は整った>。
自動取得の<いまだ道半ば>の性能はダメージを引き受けることで輝くので、ディフェンダーに向いた大罪だといえる。
<同じ夢を見る者たち>を<今こそ布石は整った>だけに費やすのももったいないので、能力値ドッジ出来るようにするか、情報収集を積極的に引き受けたい。
<今こそ布石は整った>は一見地味だが、効果がシーン持続なので殴れば殴るほど、トータルでの火力支援効果が増す。
手数を増やしたり、基本能力値自身を伸ばしたりして、更に強まった効果を出したい。

始皇帝の剣
中国古代に製造された、化け物狩りの魔剣を所持できる大罪。
まぁ獣の槍的アイテムなのだが、設定はかなり特殊で独特。
キャンペーンのPC1に持たせたりすると、シナリオの軸になりそうな大罪である。

アーツは強武器所持<始皇帝の剣>、ダメージ&ドレイン<彼我双殺の刃>、面制圧高火力<黄昏の兵団>
『アーツによる軽減不可』の文字が燦然と輝く<始皇帝の剣>は控えめに言ってぶっ壊れ武器であり、LVでダメージが伸びることもあって凶悪。
<世界律:絶望>で無視できないから、このゲームのダメージ軽減強いんだよね。
<彼我双殺の刃>の効果をフルに発揮するならディフェンダーに持たせたいが、単純な殴り性能が高いのでアタッカーでも良い。
<黄昏の兵団>の火力・制圧力は群を抜いているので、クライマックスの決め手も持っている。
地味に<始皇帝の剣>唯一の弱点である『射程:至近』を補ってるのがヤバイ。

○執着という支え
どーでもいい何かに異常に執着している、ナードでオタクでマニアな気質を再現する大罪。
説明文がレヴィアたんなのは、『これが何をするデータなのか』を最適効率で説明しており、非常にグッド。
執着しているものが何かはPLに任せられているので、メガネをクイクイさせながら早口で説明したいものにこだわろう。
無論、こだわりすぎなクソヲタロールプレイが迸りすぎて、他PLがドン引きしないよう注意は必要。

アーツはFP強化<こだわりの追求>、特定条件でダメージ増減<同好の結束>、DAの効果減少<生きるには十分な理由>。
FP強化とダメージ軽減という組み合わせから、ディフェンダー向きデータだといえる。
<同好の結束>はヲタ友がいないと効果が発揮されないので、プリプレイの段階で早めに根回しして、自分の趣味に理解のある相手を見つけよう。
こうやってロールプレイの種をデータに仕込んでおくのは、凄く正しいゲームデザインだと思う。
<生きるには十分な理由>は致命打を避けつつFPを削れる、ちょうどいい塩梅の大罪アーツ。
BOSSに拘りを罵倒してもらってから使うとと、気持よく打ち込める気がする。

○闘争こそ我が望み
どうしようもないバトルジャンキーを再現できる大罪。
ドラクルで取ってハリーハリー言ってみたり、クライシス星人でワクワクしてみたり、いろんな世界のいろんな闘争バカを再現できる。
BBTは闘争と切り離せないゲームでもあるので、思いの外汎用性の高いロール支援にもなるだろう。

アーツはエゴを火力に変換する<闘いの求道者>、翻弄を力に変える<ゴングは鳴った>、追加行動<まだこんなにも闘いたい!>
自動取得がエゴを参照するため、堕落判定回避のために早めに絆を回復しがちなディフェンダーには不向き。
クライマックスにはだいたい5個のエゴが手に入っているはずなので、ダメージ追加期待値は15点と効率がとても良い。
<ゴングは鳴った><まだこんなにも闘いたい!>でも火力が伸びていくので、闘争の権化に相応しい一撃を見込めるだろう。
自前で復活する手段はないので、<まだこんなにも闘いたい!>は愛か罪でどうにかするか、アーツで凌ぐか、他人を頼って発動させることになる。

○固有異空
アンリミテッドなブレイドがワークスしたり、マヌケ時空に引き釣り込んだり、いろんなアレナ使いを再現する大罪。
ストレンジャーやダークカルテルを取らなくても、この大罪があればあなたも固有結界使いだ。
無論、各種<ルール>などでアレナをさらに強化しても良いだろう。

アーツはマイナーでアレナを展開する<異空展開>、ブラッドの壁を超えて純血アーツを取る<固有異能>、まさかのDA取得<法則掌握>
<異空展開>自体の効果は自身だが、20制限の撤廃にはかなりの可能性を感じる。
純血アーツは全てにおいてゲームを支配できるアーツが揃っているため、マルチルーツの横幅と併用可能になる<固有異能>の性能は壊れ。
単純に<真魔撃><守護神><究極の奇策>取るだけで、十分元は取れる強さだ。
<法則掌握>に関してはもう何もいう必要がないくらい凶悪で、せっかくなのでスタイル自動取得では出来ないDAを取りたい。
敵の決戦火力を逆手に取れる<暴発><反射>、一気に半分持っていく<抹消>、シーン制圧<崩壊>あたりが候補か。
LVは1で固定になるので、LVを引き上げて強化していく<君臨><禁則>などは向かない。

復讐するは我にあり
血を怒りで満たした強烈なる復讐者になれる大罪。
忍者なあの人とか、風水師なあの人とか、ギアライダーなあの人とか、参考元は枚挙にいとまがないだろう。
これも単なる二次再現だけではなく、物語的にベーシックかつ熱い設定再現を目指した大罪で、表現幅は広い。

アーツは怒りを火力に変える<燃え盛る憎悪>、愛を憎しみに変える<地獄が見えたあの日から>、一発殺し<怨敵ただ死すべし>。
アーツ発動条件がかなり狭めなので、運用時は注意が必要。。
存在の根幹に関わる仇敵をコロコロ変えるのもかっこ悪いので、上手くロール的な理由をつけて憎悪の絆を取るなり、自分から翻弄を貰いに行くなり、細かくケアしたい。
浄眼輝かせながら「おまえ……子供を殺したな?」って言ってみるとかさ。
<地獄が見えたあの日から>はロールの呼び水として優秀だが、ただでさえ人間性への圧迫がキツい大罪使いの愛を使うため、奈落落ちしやすくなることには注意。

○不幸の星の下に
非常にアンラッキーな運命を背負った、悪運の持ち主になる大罪。
<ボーダーディゾルブ>で幻想をぶち壊すあの人とか、運命で全てをぶち壊すギアライダーのあの人とか、これで再現可能だ。
事態への巻き込まれ力が上がるので、シナリオへのモティベーションを高める意味合いでも使いやすそう。
取り敢えず『こんな事件に巻き込まれるなんて……なんて不幸なんだ!!』と言っておけ。そして華麗に解決しておけ。

アーツは判定をファンブルさせる<大凶運>、自分の不幸で仲間を救う<幸不幸の等価交換>、回数制限の弱い強力ダメコン<どうして自分だけ!?>。
アドヴェントで『ファンブルすることで発動するアーツ』が幾つか追加されたので、<大凶運>とのシナジーが組める。
情報収集判定にファンブルしていると進行に支障をきたすので、自前の判定チャンスを用意して失敗するビルドだと、迷惑が飛び散らないかも。
ただ<冒涜的儀式>はコスト高い、失敗痛いの二枚重ねなので、失敗チャンスとしてはおすすめしない。
一番無難なのは、もともと成功しにくい回避判定だろうか。

FPを上昇させる<大凶運>に、回数制限の弱いシーンダメージ引き寄せ<どうして自分だけ!?>が噛みあうため、スペック的にはディフェンダー寄り。
というか、この二枚を準備すると本職顔向けのダメコン性能を手に入れるので、見せ場を潰さない意味でディフェンダーが取ったほうが良いだろう。
シーン攻撃を引き寄せられるのは大概純血や回数制限、愛罪コストなど『重い』アーツがほとんどだが、<どうして自分だけ!?>は圧倒的に『軽い』。
これを最大限活かすためにはFPを0にされない立ち回りが要求されるので、アーマーやガード値、ダメージ軽減といった基本的な生存能力は極力高めたい。
そういう意味でも、ディフェンダーとの相性が良いだろう。

○闇の貴公子
ヴラド騎士団団長、闇の英国の支配者たるドラキュラ伯爵、その直系になる大罪。
もともといい気になりがちなヴァンパイアが、さらなるロールプレイの高みに上り詰めることが可能になる。
参考資料はもちろん『吸血鬼ハンターD』シリーズだが、『俺が……俺こそがドラキュラだ!!』と言い張るのもOK。

アーツはヴァンパイア限定のアーツ強化<ドラキュラの後継者>、基本性能強化<闇の聖血>、判定ファンブル<その名は"D">。
自動取得の時点で『エキストラの吸血鬼相手には、思う存分いい気になれよ!!』と書いてある辺り、プレイヤーの欲望を的確に満たす良いデータ。
データ的には横幅広くアーツを強化するため強いが、アーツ取り過ぎてコスト管理が破綻しないよう注意は必要。
単純に能力+2の時点で<闇の聖血>は強いが、真価を発揮するなら開放状態になりたい。
一度かりそめの死を経由したいわけで、ターゲットをいじれる優秀な特技、例えば<後は頼みます、うわああ!>とかを使うのがいいだろう。
……ドラキュラ直系の戦闘員軍団?(バグ発生)

○忘れ得ぬ悲劇
過去の傷を取り戻すために闘う、傷追い人のための大罪。
ほむっとした魔女/タイムトラベラーだったり、火を見ると幻痛が走る護り屋だったり、これもお手本は多い。
【忘れがたきトラウマ】はとてもロールしやすいエゴで、これに負けてしまっても、痛みに負けない強さを見せても、どっちでも盛り上がるのが面白い。
苦しんでいる姿を見せることで、他のPLのロールを引き出せるのが良いところだ。

アーツは達成値上昇<刻まれし心の傷>、アーツを延長する<悲劇は繰り返させない>、ダメージ無効化<救ってみせる、必ず!>
大罪エゴのロールプレイが発動条件になっているのは、なかなか優れたところだ。
クリティカル値1は魅力的なのだが、クライマックス中の発動にこだわるあまりスムーズなプレイングに支障をきたすなら、ミドルにパナしてしまうのも手。
一番クリティカルの欲しい回避に失敗しても、<救ってみせる、必ず!>取ってればFP増えてるからな。
<悲劇は繰り返させない>はアーツ延長と種別:防御の効果上昇で、両面取りしようとすると条件に見合うスキルが思いの外少ない。
コストが低いので、無理に両面取りしようとせず気楽に使っても良いと思う。

○我を崇めよ
ゴッド、所謂神として信仰を求めるようになる大罪。
零落しまくった結果どん底にいるノラガミでも良いし、更なるパワーを求める野心家ゴッドでも面白いだろう。
全体的に利己的なキャラになりがちなので、それでも信仰したくなるような可愛げなり利益なりを、上手くロールできるとモアベターだろうか。

アーツは振り直し<我が加護をそなたに>、愛罪強化<大いなる神力>、情けは人のためならず<その願い、聞き届けた>。
<我が加護をそなたに>は単純な振り直しとしても強いが、振り直した結果更にバッドな目が出ても、ある程度フォローの効く所が大罪アーツ。
<大いなる神力>の運用を考えると、自分に罪を使うような殴りビルドよりも、他の人を助けるサポーターとの相性が良さそう。
コスト2常時で罪ダメージ+4Dは、地味に大きいと思う。
<その願い、聞き届けた>はフレーバー系特技だが、BBTは結構悲惨なことも起きるゲームなので、お話の落とし所を用意する局面は結構あると思う。
データ的効果が無い故の特別感を活かし、かっこ良く演出を付けたい特技。
人間性ボーナスをもぎ取る意味でも、他人が笑顔になるような使い方を心がけたい。


●ゲスト大罪
○あの人は生きている
イマジナリーな何かと一緒に日々を過ごす、少しお花畑でがっこうぐらしな大罪 From 初代魔獣の絆世界観担当・海法先生。
自分と他人の認識のズレというのは、一人称的な娯楽であるTRPGではなかなか再現しにくいが、そこに挑戦した大罪だといえる。
コミュニケーション不全状態になりがちな設定ではあるが、上手くロールの隙間を作って、他人と共有できるようにしよう。
ラッキーアイテムは『電源の入っていない携帯電話』

アーツはエゴ数でダメージ増減<あの人の面影>、達成値ブースト<あの人の導き>、高コストダメージ増減<二人だけの世界>。
ダメージ軽減効果はターゲットコントロールに優れたディフェンダー向けだが、ディフェンダーは暴走対策で絆多めになりがち。
暴走を割る手段を手に入れておくか、ダメコンに優れたアタッカーが持つか、少し捻りが必要かも。
<二人だけの世界>も同じジレンマを抱えているので、上手く解消できるようにビルドしたい。
効果の方はエゴ数5でダメージ±10Dという、申し分ないもの。
コストは3D(期待値10.5)と高めなので、使いすぎには注意しよう……複数回使える時点で強いなこれ。

○歯車心臓
桜井先生のスチームパンク世界の方から来ました!! と言えるようになる、インガノックでシャルノスでヴァルーシアな大罪。
せっかく濃い目な原作再現大罪なので、しっかり原典を踏まえ『桜井LOVE!!』が全面に出たキャラとの相性が良いと思う。
無論、原典知らない人との距離感を考えなければいけないのは、TRPGにおける特定作品再現に付きまとう問題。
まぁ相手の顔色ちゃんと見て喋れば、だいたい大丈夫よ。

アーツは武装取得&強化<漆黒機械>、マイナー自己強化<秒針剣>、追加行動<終末時計>
<漆黒機械>はアーツ制限を無視して高めの武器をゲットでき、火力も伸びる。
とは言うものの、ギア装備や装着装備は前提となる防具がないし、特技で入手するアイテムは常備化が設定されていないので入手不可。
<秒針剣>は、今回追加された「儀式魔道具」との相性が良い。
攻撃機会と火力強化を得る<終末時計>は破格の性能だが、使用後FPが0になる諸刃の剣。
敵の攻撃を断ち切るフィニッシュブロウとして使うか、開放状態に入る準備として利用するか、かりそめの死を割る手段を用意しておくか。
使いドコロはちょっと考えたいアーツだ。

○御標の稚児
すがの先生の「左の地」の方から来ました!!!と言えるようになる、モノトーンでミュージアムな大罪。
羽根の力を借りて世界律を調整可能な、半魔というよりドミネーターに近い存在をプレイできるようになる。
BBT世界に合わせた調整が効いており、見た目より汎用性の高い大罪だといえる。
ただし大罪エゴ【絶望のつむぎ手が欲しい】は多分にモノトーンミュージアム的であり、一度はその世界をプレイした上で使ったほうが良いだろう。

アーツは達成値上下<歪みの旋律>、災厄DA取得<御標は来たれり>、DA打ち消し<かつて●●●は赤かった>
後出し可能でプラスマイナスが任意という<歪みの旋律>は、全達成値操作アーツの中でもトップの性能を誇っており、小回りという意味では大罪アーツでも指折り。
取得していると、他PLに感謝されるのは間違いない。
<御標は来たれり>で取れるのはあくまで災厄級であり、ゲーム的な数字には直接影響を及ぼせないことには注意。
その分物語的な影響力は大きく、他人を無条件かつ広範囲に不幸にも出来る能力なので、使いどころは難しいだろう。
誰かを傷つけるために使う敵ドミネーターに対し、その目論見を挫くような使い方をすると危なげがないか。
<かつて●●●は赤かった>は要するにサポーターでも使える<エゴを阻むもの>であり、弱いわけない。

○宇宙の素浪人
アフターイエヤスの世界からやって来た、宇宙最強剣豪でございます!! と胸を張って言えるようになる大罪。
清々しいほど別ゲー要素バリバリなのだが、簡素にして的を射た説明がちゃんと書いてあり、導入難度はそこまで高くない。
と言うか設定のインパクトが凄く大きいので、『よく判んねぇけど面白そう!!』力が高いのが、実践値高い大罪だな。
大罪エゴはおもくそ平田弘史(もしくは南條範夫山口貴由)時空の産物なので、残酷無残でシグルイ弓道士魂な諸作品を参考にしよう。

アーツは常時ダメージ強化<スペースハンサム>、テックウェポン取得<ダイミョーハンサム>、攻防一体<ショーグンハンサム>
基本的に白兵特化キャラになるので、間合いやムーブアクションの都合を考えながらキャラを作ると良いだろう。
<ダイミョーハンサム>で取得するアイテムは任意だが、執行者武器やフルメタル武器が<技術>多めで相性良し。
間合いの融通を考えると、「ロケットパンチ」「エレクトロウィップ」当たりが候補か……あと万能武装「コスモブレスレット」。
<ショーグンハンサム>は優秀だがデメリットもキツいので、取るならLVは上げておきたい。
反撃は素の白兵殴りになるため、メジャーやマイナータイミングのアーツで火力を上げるより、常時やダメージロールタイミングを重視して仕上げるとより効果的。

○輝きのプロデューサー
SAY☆いっぱい輝く星を見守り、今未来だけ見上げて、運命の扉を開ける手助けをする立場になる大罪。
アイドルを支える魔法使いだけではなく、魔剣を指揮する審神者だとか、失った夢を選手に預ける監督だとか、他人の望みを収集したい悪魔だとか、再現の幅はとても広い。
自動的に他人を支える立ち位置に下がるため、他のキャラの主役力が上がり、見せ場を用意しやすくなるのも実践値高い。
大罪エゴにしても、「【輝きの向こう側を見る】ため生きている」という存在の根幹が、短勁にまとまっている。
ネタ風味な名前に反して、設定の横幅と取り回しに優れた、PLの顔を見た大罪だと思う。

アーツは能力値上昇<レッスン>、特定エゴ強化<せめて名刺だけでも>、悪魔の歯車<運命の回転機>。
数字を伸ばせる<レッスン>は強力だが、メジャーアクションを使うことと、数字の再計算が必要になることに注意。
単純な判定ならばいいが、コンボの数字が切り替わる場合は、一旦休憩を入れて再計算してもらうか、<レッスン>前提で数字を出しておくといいかもしれない。
<せめて名刺だけでも>は相手に拘る理由の表現にもなるので、『これだ!』と目をつけたエゴ表現を見逃さず使っていきたい。
使われた対象は自分のエゴを評価してもらう形になるので、場の空気が暖かくなる効果があるのが、とても良いアーツ。
<運命の回転機>は人間性を生贄にガチャ回せるわけですが、達成値24はなかなか遠い領域。
各種達成値サポートをここに乗っけてもお釣りが来る性能はしているので、周りの支援を期待しよう。
もしくは<比良坂流・生贄の儀>か……そこで下がる人間性をアイドルの<希望もたらす象徴>でキャンセル……これだ!(アイドル生むためにアイドルを贄にする無限ループ誕生)

○罪なる果実
シュブ=ニグラスに見初められた、悪魔の実能力者になれる大罪。
まぁ鎧武とかデモンベインとかベターマンとか、鋼屋印から好きなの取ってくれ!! って感じのアーツだ。
彷徨える少女の設定を使っているところが新サプリとの連携を感じるが、この立ち位置どう見ても敵だよな……。

アーツは火力アーマー上昇<罪果の魔実>、複数コピー<神触異能>、超火力<魔を断つ一撃>
自動取得事態はそこまで強くないが、<神触異能>の前提になるので3まで上げたくなる。
そして<神触異能>は全世界のマンチが夢に見た、最大3つまでアーツをコピーできる力。
この大罪にはブラッドの制限がないため、純血アーツの強みを活かしたまま横幅を作ったり、マルチルーツの汎用性をさらにバーストさせたり、使い方は自由自在。
おまけに決定的な火力である<魔を断つ一撃>までついてくるので、大罪の中でも単純に強いと思う。
<罪果の魔実>3でダメージ+14Dの、命中向上アーマーガード無視だもんなぁ……強いわ。

○駅前の魔法使い!!
穏やかなるドミニオン、駅前魔法学園から来ました!! と言えるようになる大罪 From 初代魔獣の絆システムデザイナー・藤浪先生。
かなりえきまほ要素の強い大罪だが、もともとBBTっぽい世界観であるのと、他人のために動く前提が組み込まれているので、見た目より導入のハードルは低い。
世界観に突っ込んだロールをするか、それはそれとして一人の半魔として【"魔法"を信じる】かはPL次第だが、一度は『駅前魔王学園!!』をプレイしておいたほうが良いだろう。
これは世界観認識を深める意味もあるが、戦闘だけでコンフリクトを解決するシステム設計から外側にでた、藤浪先生独特の設計哲学を体験しておいたほうが、取り回しが容易になるという意味合いのほうが強い。

アーツは魔法強化<価値ある相棒>、魔法一般化<ささやかな魔法>、優しい結末<クラフトマジック>
強まったスペックのデータが多い大罪の中で、一見控えめなデータをしているアーツ群ではある。
<価値ある相棒>は常時じゃないし、<ささやかな魔法>はフレーバー効果だし、<クラフトマジック>は愛コストなのに趣味効果だし。
しかし尖ったデータを追求するだけでは、ゲームは果てない拡張戦争に飛び込んで行く。
(無論、強いデータを追い求め続けるのは楽しいし、適切なデータの強さはゲームをスムーズにし爽快感を与えてくれる効果がある。加えて、環境をインフレーションさせるのはあくまでPLとGMであり、データそれ自体ではないことは踏まえた上で、まぁ強いデータはインフレ呼びがち)
大罪という派手なデータの中で、『人を傷つけない魔法を使いたい』『殺す以外の解決法を用意したい』という意思が反映されたゲスト大罪がちゃんとあるのは、凄く良いなと思います。
強い大罪データには強いことの魅力があるわけですが、控えめなデータをあえて選択した所に、藤浪先生の主張みたいのを感じるわけです。
<ささやかな魔法>であえて、種別:攻撃選べないところとかね。
つうか、<ささやかな魔法>のコスト軽減は弱くねぇ気がしてきた……<魔獣化>自体がOKにはならないので、<魔業励起>とシナジーさせるのかな。

○アークフィーンド
原典から大きく変化され、ポップアイコンに変化した怪物を再現できる大罪。
気づけば女体化されてる伝説の英雄とか、メタ操作の結果善人になった魔王とか、サラリーマン的悲哀を背負った悪の幹部とか、煮詰まったオタ文化の記号操作を堪能できる。
大罪エゴ【プレイヤー・キャラクターに勝つ】によりPCは自動的に『メタ的な視点を備えた悪役』になるので、そこら辺を上手くロールしたい大罪である。
原典と変化後の姿のギャップが楽しいクラスだと思うので、結構考えて設定をひねってから導入したほうが、実プレイで活かせるかも。

アーツは能力値変化<今の姿はこちらだ>、基本スペック上昇<出現数"1"の恐怖>、大技コピー<特殊能力:以下参照>。
二つの能力値を最大+4出来る<今の姿はこちらだ>は相当な性能を誇っており、2つの能力値を伸ばせるのはかなり特殊。
自ブラッドの推し能力値(セレスチャルなら<加護>、ネイバーなら<肉体>)の外側に出たアーツ(セレスチャルなら<想念集積>、ネイバーなら魔蜂族のアーツ全般)を強化するのには、ベストなアーツだといえる。
エンゲージを切った状態でダメージコントロールしにくいゲームなので、<出現数"1"の恐怖>のFP上昇を活かしたディフェンダーは少し考えないといけない。
ベストは<悲劇は繰り返させない>なんだが……大罪二つ取れないしなぁ。
<特殊能力:以下参照>でコピーできるアーツは攻防両面の決定打になる強力なものであり、大罪コストを払うのに十分な性能。
スタイルアーツはコピー出来ないことに注意。

○裏切りの刻印
どうも! 東京近郊○市からロイスとタイタスを背負ってやって来ました!! と挨拶できる大罪。
全力全開でレネゲイド能力者なので、ダロを遊んでからプレイしよう。
そもそも無印DXが魔獣の絆の強い影響下で制作されたシステムであり、10年の時を経て源流に帰ってきた感慨もあり。
己の体の中の獣に悩むシステムは共通なので、大罪エゴ【己を失うことの恐怖】はとてもロールしやすい。

アーツは復活異能<リザレクト>、汎用強化<レネゲイドエフェクト>、掟破りのレベル上昇<オーバー100%>。
<リザレクト>は異能者の<リザレクション>とほとんど同じだが、クリティカルの連鎖で達成値が伸びる原典を再現している。
達成値をダメージにコンバーションしやすいアタッカーと、相性が良いアーツだろう。
<レネゲイドエフェクト>は非常に汎用性の高いアーツで、色んなシンドロームがある原典を、1アーツで再現している。
おまけ効果を狙って攻撃に使ってもいいが、回数制限がないのを活かして支援系に使うのもあり。
<諸刃の技>でコストを軽減し、減ったFPを<レネゲイドエフェクト>で強化した回復アーツで治し……という自傷ビルドも強いだろうなぁ。
<オーバー100%>はレベル上限を突破できるため、使用回数をLVに縛られているアーツの使い勝手が一気に増す。
大罪ぶっ込んだお釣りをたっぷり貰うつもりで、最大限のシナジーを狙って使うといいだろう。

 

●追加ルール
これまでフレーバーで済ましていた部分にデータが付与されたり、演出を強化するルールが追加されたり。
人間性の回復に直結するルールが多いので、環境に応じた導入を行うと良いだろう。
といっても、BBTは各種ガイダンスがしっかりしているので、いまさら追記することでもないんだが。

○"羽根"の扱い
BBTの大きな軸になっている"羽根"をどう扱うかによって、データ的な有利不利を発生させる追加ルール。
基本的に過剰な力は半魔=PCの原則を崩すので、戻して人間性+2Dが多く見られると思う。
自分のものにする場合は書いてあるとおり千差万別だが、劇的な状況で"羽根"を手に入れるのなら、それに見合った変化を起こすと盛り上がるだろう。

○Dエゴによる人間性回復
Dエゴを導入するとDエゴアーツや追加の罪なども導入され、戦闘が派手目になる。
結果人間性がジリ貧になるので、この追加ルールで補うことが可能に。
柱に書いてあるとおり、派手目な技をパなしあって元気に楽しむか、人間性のやりくりにヒーヒー言いながら楽しむかは環境次第である。
自分たちの楽しみ方にあったルール導入を心がけたい。

○インパルス
DXの衝動判定というよりは、GURPSの不利な精神的特徴に似た扱いのルール。
衝動に抗っても従っても、どっちにしても有限リソースが手に入るのが良い。
BBTのエゴは非常に自由度が高く、同じルーツ・同じブラッドだからといって共通のエゴを持っているとは限らない。
キャラクターシートをよく見て、突っつくべきエゴを的確に見きって使うと、効果が高いだろう。
データが固定であるという意味では、キャンペーン向きの追加ルールなのかもしれない。

○アレナ拡張ルール
これまで不可侵領域無敵の結界だったアレナに、破綻の可能性が出てくるルール。
旧ルールでは気楽に異能を使えたわけだが、このルールを導入するとアレナを使ってなお社会的ダメージを受ける危険性が生まれ、PCの能力が持つ闇の側面が強調される。
BBTは様々なことが出来るゲームなので、異能を無制限に使える状態がヒロイック過ぎると感じるのであれば、このルールを導入すると良いだろう。
ここら辺の注意書きに関しては全部ルールブックにちゃんと書いてあるので、良く読んでから導入するかどうか決めよう。
やっぱガイダンスが充実してTRPGは、どうプレイすればよいのか迷わんで済むので楽だ。


●まとめ
たっぷりのデータとデータ構造を揺るがす大きな変化、環境や遊び方に合わせた追加ルールと、必要十分以上な満足のあるサプリメントでした。
『BBTって何が面白いのか』をしっかり把握した追加ばかりで、ファンとしては嬉しい限り。
環境に新しい風が入るとプレイも新鮮になるし、キャラのバリエーションも増えるしで、サプリが出るのは本当素晴らしいことですね。
やろう、BBT!!!