イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

のんのんびより りぴーと:第5話『お好み焼きを食べた』感想

田舎の子たちのいろんな人生を切り取るアニメ、今回は夏のスケッチ。
こまちゃんが出会う災難を軸に、プール掃除やら創立記念日の背徳感やら、駄菓子屋の母親力やらをゆるっと詰め込んだ展開でした。
二期になって初めて駄菓子屋にスポットが当たりましたが、やっぱあの人好きだな、俺。

前半は、ゆるーくプール開きの日々をスケッチ。
のんのんは時間を的確に飛ばす手腕に優れていて、これはシリアスでもギャグでも日常でも生きている演出技法だと思う。
のっぺりしがちな日常のスケッチも、作中時間にメリハリが付いているので飽きないのは流石だ。
そして前回株を上げたはずのなっつんがクソガキに戻っていて、ガッカリするべきなのか安心するべきなのか悩む。

後半はほたるの留守番と駄菓子屋。
ほたるが一人で留守番してるシーンは倦怠感が巧く出ていて、軽めのストレスを丁寧に作っていた。
そこから開放された時の喜びと、仲間の居場所を知らない落胆、三人がやってきてくれた時の有り難さという風に感情がなだらかに起伏していく起点になるので、ちゃんと印象を作っていて良いシーンだ。
四人で遊びまくるシーンの多幸感とか、やっぱりムードを出すのがつくづく巧いアニメ。
あとこまキチが悪化しててて、ガッカリするべきなのか(省略)。


駄菓子屋の所行ってからは、もうほっこりしっぱなし。
自分が楽しかったことを真っ先に報告しに行くれんげは、駄菓子屋好きすぎで最高だと思います。
他の人がわからないてるてる仮面を一発で見抜く駄菓子屋は、れんげ好きすぎで最高だと思います。
ともあれ最高だと思います。

四人の子供の衣食住全てを用意する大人力と、お好み焼きと衣装を使ってなんとか『特別な時間』を演出してやろう! という心意気がすごく好き。
駄菓子屋が「どーだ、ちったー特別な気分になったか?」聞くシーンは、濃い口な感動シーンにしたければ幾らでもなると思うのだけど、サラッと流してるところがこのアニメらしいと思う。
れんげの成長を見せるターンでは時間たっぷり使って印象的に見せる手法もやってるので、回ごとのムードに合わせての使い分けが機能してるんだな。

そんなわけで、少女たちの夏のスケッチでした。
だんだんほたるが四人に馴染んできた描写が多く、夏感満載の美術と合わせて、作中時間の変遷を感じさせました。
『色んな事がゆっくり変わりつつも、変わらない大事なこともある』という空気がよく出ていて、穏やかな気持になれる話でした。