イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

俺物語!!:第18話『俺の誕生日』感想

恋愛肉食獣(ラブ・プレデター)VS鈍感ゴリラアニメ、今回は彼氏の誕生日とキス。
ちっちゃいボディに性欲を詰め込んだ凛子がグイグイ行くものの、猛男が生来の鈍感力でカワし続け、スナのアシストでゴラッゾ決めるという、ファーストエピソードをなぞる造り。
ここ最近メインカップルの話が少なめだったので、三人で話作るのも懐かしく感じる。

構造的には最初の話と同じでも、状況が変われば勝ち取るべきトロフィーも異なる。
あの時は『交際』がゴールだったけれども、今回は『キス』。
途中一回中途半端な形でゴールさせて『え、終わり?』と思わせてから、一気に引き戻して本格的なのを入れる構造は、結構好き。
アシスト担当のスナの株も上がるしね。
というか、キス練トラウマになりすぎだろスナ、当然だけど。

既に交際しているカップルでお話作る時は、気を持たせつつカワしつつしないと盛り上がらない。
ここで恋のライバルとか致命的なすれ違いではなく、猛男が好きすぎて正月に押しかけてくる男友達とか、天性の鈍感力とかを障害に選ぶあたり、空気の維持にとても気を使っているアニメだ。
小さめの山でもドキドキするのは、純情と欲望という相反する感情が、シリーズ通して濃いめかつ丁寧に演出されてて、キャラのことが好きになれるからだろうなぁ。
好きな奴の一大事は、やっぱ単純にドキドキするよ。


冒頭では『高3の秋!』とか実感のないことを言っていた猛男が、それでは我慢できない凛子の情熱に当てられて、自分からやり直しを選択するというのが今回の流れ。
初めて女性と付き合う猛男にとって、恋愛はまだ観念だったりする。
想念の中で『こういうもの』と考えていた一イベントを実際に体験して、想定と違っていても人生の一コマとして活かしていくという意味では、より広い意味でのジュブナイル・ロマンスなのかもしれない。
恋を通じて猛男と凛子の魂が太っていく様子を見ている、というか。

ここら辺、普段描写されている人格の良さだけではなく、今回見せた鈍感さとか性急さとかの『愛すべき欠点』描写が活きてる気がする。
色んなイベントを経て、小さな欠点を小さく直していく二人の姿は、お伽話なんだけど身に迫る暖かさをちゃんと持ってる。
そういう所が、このアニメの良さであり強さなんだなと再確認した回でした。