イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

戦姫絶唱シンフォギアGX:第6話『抜剣』感想

戦姫絶唱シンフォギアGX、第一部完ッッッッ!!!! というわけで、GX第六話は大ボスとの早すぎる決戦と、安心安全ダイン印の堕落兵器。
このタイミングでのキャロル退場は予想外でしたが、一時の勝利で爽快感を与えつつ、未来への不安が影を伸ばす今回のヒキだと、いい手筋だなと思いました。
記憶の転写に分身たるホムンクルスと、キャロル復活の伏線も沢山あるし、全く油断ならない折り返しとなりました。

今回ほとんど決戦でしたけども、勝ち負けの起伏が結構クッキリ付いていました。
新装備のつばクリ登場(微上げ)→ノイズ相手に無双(上げ)→キャロル登場、無双(下げ)→ピンチなのでダインスレイヴ使う(微上げ)→起動失敗(下げ)→キャロル無辜の人民を虐殺(底値)→響登場(微上げ)→三人でダインスレイヴ覚醒(上げ)→キャロルに勝利(天井)という流れでしょうか。
一気最終決戦を思い出す展開でしたが、まだお話も折り返しなので要所要所で不穏になる要素が盛り込まれていて、一筋では行かない決戦でしたね。
キャロルは倒したけど、自動人形は活きてるしなぁ……ミカを撤退させた段階で、自分の死も織り込み済みかな、キャロルは。

SONGの方に目をやると、敵のBOSSは倒し新しい力を手に入れたものの、響のみならずツバサやクリスも戦闘自体には価値を感じていないことが抜剣で明らかになったり、護るための力だからこそ暴力を受け入れたのにキャロルの自害を止められなかったり。
勝ってるはずなのにモヤモヤするのは、力の意味を掘り下げるべく狙ってる不穏さだろうな。
イグナイトVerのギアは黒いわエフェクト禍々しいわBGM歪んでるわで、どう考えても複数回使うとBADEND直行な邪悪さだし、製作者が敵のBOSSのバックアップだし、勝ってもなんにも解決してないんじゃないかと思わざるをえない。


思えば普通の女の子が過酷な運命に巻き込まれ、誰かを護るために戦い続けてきたのがシンフォギアというお話。
戦っても勝った気がしない、殺しても死なない勝てない相手を三期のBOSSに置いたのは、奏者たちにとって戦いとは、暴力とは、ギアとは何かを問いかける上で、いい配置なのかもしれません。
『殴って殺せば世の中ハッピー』という単純な世界観を受け入れられない子供たちがしかし、巨大な暴力を所持してしまっているという矛盾を問いかける上で、今回は必要な勝ちであり、負けでもあった感じがしますね。
そういう意味では、記憶を焼却しながら戦い、戦う意味を見失ったキャロルは、ある意味奏者の末路とも言えるのか。

こう考えると、今回達成した虚しい勝利の反対側にいる存在、ギアという力に守られた代表である未来さんは、後半重要になってくるんじゃないかなあぁ……。(未来さんが重要ではなかったことが無いというツッコミは受け付けない)
戦えない自分を悔やみ、一度は利用すらされた未来さんですが、響の硬くて脆い心を支えられるのは戦わない自分だけだと、そろそろ自信を持ってもいい気がします。
呪いの言葉を残して自殺するキャロルの死に様は、『響の心に俺を永遠として刻みつけ隊』名誉隊長くらいに完璧だったので、未来さんにはこっからのケアに期待がかかります。

勝っても勝てない戦いを終えて、一つの結末が訪れるエピソードとなりました。
ここを乗り越え、負けても負けではない理屈を超えた強さを再獲得できると、グッとシンフォギアらしくなると思うのですが……これはまだまだ先の話だろうなぁ、ここに到達すると終わっちゃうし。
キャロルが残した陰謀と言葉が、どういう波紋を広げていくのか。
楽しみですね。