イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Go! プリンセスプリキュア:第29話『ふしぎな女の子?受けつがれし伝説のキー!』感想

そろそろ中盤の山場が見えてきたプリプリ、トワブースト期間も終わっての29話目は戦う意味の再確認。
前回ぼんやり期待していた『プリキュア変身不能を巧く使った、ヒーロとの覚悟を問いなおす』話に直球勝負で挑んでおり、少女の青春物語であると同時に救世主のお話でもあるプリプリらしい、丁寧なテーマ確認でした。
ガーリーな仲良し描写もやる、ヒロイックな覚悟の描写もやる。
両方やらなきゃいけないのがプリティでキュアキュアだな。

プリプリは要所要所で異界に迷い込み導きを得るという、非常に古典的なファンタジーの文法を使ってきます。
第10話でも不思議な空間に迷い込み、導きとドレスアップキーを手に入れて次の決戦に挑んだわけですが、今回のお話もそのラインに乗っかった話だといえるでしょう。
今回の不思議空間描写は、パステルカラーの色彩が個人的に凄く好みで、尋常ではないが落ち着く摩訶不思議な空気がよく出ていたと思います。

前回はノーブル学園の理念が三人を導きましたが、今回は先代プリキュアの夢が戦う勇気を思い出させていました。
変身も出来ない、ただの中学生でしかない状況でも立ち上がり、闘うことの意味。
ヒーロがヒーロであるために必要なのは力ではなく、それを強く正しく使いこなす心であるという、非常に真っ当かつ王道なヒーロー論が展開されていました。
一番最初に答えを言うのがちゃんとはるかなのが、主人公が主人公である理由を強くしていて素晴らしい。

ディスダークが理念なき力をほしいままにする集団なので、こうして力なき理念で未来を切り開くお話を挟むことで、敵と見方を明確に対比できるのはとても効果的だと思います。
特にもともとディスダーク側だったトワの物語を積み上げてきた今は、闇がどんな色を指定て、それを貫く光がどういう場所から発せられるのか、より分かりやすい状態。
託された思いと新たな決意を込めたこの話を、二度目の決戦前に置いたのは良い配置だなぁと思いました。
あと夢が覚めたあとの浜辺にユウガオが咲き乱れているのは、中々ファンシーで素敵でしたね。(夕顔の花言葉は『夜の思い出』『逆境を克服する力』)


そして次回は今回タメた作画力を炸裂させた、VSロックくん最終決戦。
まさかのロックパレス(もしくは大岩魔竜)起動からの現実侵略、そしてごん太ビームとやりたい放題ですが、見事に死に花咲かせに来たなってかんじです。
ショタから成長した時点でガッツリ立ってた退場フラグですが、一番手として鮮烈に去っていったクローズさんを上回る見せ場があるのか、楽しみであります。

チートでFUKOを溜め込んだ時はディスピア様復活させるかと思ってたんですが、思い切り私利私欲に走った使い方でしたね。
色々裏がありそうな描写をしていたので、ロックは引っ張って愛の戦士シャットさんが退場するかと思っていたので、色々意外でした。
そこら辺は来週、闘いながら説明すんのかなぁ。
あと、シャットさんの蚊帳の外っぷりが笑えるやら、生存フラグに見えて希望が持てるやらで面白い。

等身大の中学生が世界を救う戦いに身を投じる理由を、じっくりと再確認する回でした。
生身で恐怖に立ち向かうことでヒーローになるという展開も、第11話のゆいちゃんと同じテーマを扱うことになるのか。
形を変えた再演を積極的にやって、メインテーマを何度も確認していくスタイルは、非常にプリプリらしいと思います。
ど真ん中の天王山がどういう盛り上がりを見せるのか、とても楽しみですね。