イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

俺物語!!:第21話『俺と手紙』感想

熱血高校生大爆走恋物語、21回めの今回は趣向を変えて、猛男がツッコミに回らなければならないほどの変人・天海悠紀華さんのお話・前編。
普段その猪突猛進っぷりと常識の無さでボケ倒している猛男が立場を変え、話を受けて膨らませる側に回るという、変則的な回でした。
笑いどころがくっきりした、色の濃い演出がよく効いていて、気持よく笑えたなぁ。

流石に20話恋愛し続けていくと、生粋の不器用男と言えどいろいろ成長するもんで、今回の武男は他人の恋路を応援する側に立ちます。
まぁその応援する相手が、10年単位でストーカーし続けた生まれついてのコミュ障なんだがな。
しかも妙なところで度胸があって、いざとなると思い切り踏み出して状況を爆発的に進めるという……。
視野の広さや積極性に違いはあれど、お話のエンジン的には性別を変えた猛男だったりすんだな、天海さん。

茅野さんの根暗でありながら妙な熱のある演技が良く機能して、天海さんはとても面白いイキモノになってました。
ウジウジジメジメしたキャラなので、場の空気が重たくなりがちな所を、猛男のオーバーアクションなツッコミや、テンポ良い天海センサー演出など、上手く空気を入れ替えてギャグにしてました。
暴走気味な天海さんの性格も、事態が停滞して堂々巡りをはじめないよう、とにかく事件を起こす仕事をしてたなぁ。
基本的には内気さという内面の問題なんだけど、ストーキングギャグなり告白なり、必ず何らかの外的アクションを並走させることで、停滞感を出さないのは良いですね。


今回猛男が天海さんの面倒を見たのは、無論猛男が誰かを見捨てることが出来ない男だということもあるし、恋とは素敵なものだとこれまでのお話を経験して知っているということもある。
しかしやっぱり、その相手が砂川であるというのが、とても大きいと思う。
スナは一見ホモと間違えるくらいに猛男の事好き過ぎで、女には興味が無いクールガイ。
親友である彼にもまた、恋という素敵な経験をしてほしいと思ったからこそ、いらんお節介を焼いている感じがあります。

そしてメインになってみて改めて感じる、スナのデキる男っぷり。
優しいし、スマートだし、誠実だし、マメだし、モテないわけがないレベルの好男子でした。
あんなにキョドったメガネ女がぬっと出てきて、いきなり早口でギャーギャー喚いたら舌打ちの一つもしたくなるところですが、非常にクレバーかつ誠実に対応してて、流石砂だなぁと関心。
そういう落ち着きがいい所でもあるんですが、それが崩れるシーンも見たいわけで、天海さんのさらなる暴走には期待大です。


ラブストーリーとしては猛男が既に直感しているように、天海さんが持ってるズレが焦点になるお話。
好きになってほしいのではなく、嫌われたくない。
見ているのは砂川自身ではなく、自分の理想になった砂川。
とにかく真っ向勝負で恋愛(つーか人生)とぶつかり稽古してきた猛男が首をひねるのも納得の、うまく行かない要素満載の片思いです。
そこら辺は、次回のWデートで表面化するのかなぁ。

丁寧に激動の種を蒔き、『猛男ツッコミ』という新しいスタイルの笑いを貪欲に狙った、良い前編でした。
お話が確信に迫るのは次回なんでしょうが、ウォームアップとしては完璧だったと思います。
ストーキング暴走超特急が、世界最高のクールガイにどこまで通用するのか。
そして猛男は天海さんの恋路から、一体何を学ぶのか。
色々楽しみですね。