イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

戦姫絶唱シンフォギアGX:第10話『こんなにも、残酷だけど』感想

そろそろ情況が煮詰まってきた歌姫戦記、ついに敵幹部が全滅した第10話でござんす。
エルフナインに仕込まれてたトロイの木馬が暴露されたり、レイアさんが死んだり、キネクリ先輩がトチ狂ったり、今週も忙しかった。
これで第二部修行時代編が終わって、最終決戦に雪崩れ込むのかしらねぇ。

今週は真相暴露とキネクリ修行の二本立てであり、お話の隙間を取られた結果、クリスの掘り下げが不十分だった感じがある。
ゲリラされた過去を掘り返すのは、まぁ響もやってるから良いんだが、すんごい勢いで精神が不安定になり追いつめられてった印象。
一応『先輩として!』って意気込んでいた描写もあるんだが、毎回派手な事件が起きるんで、地味な伏線を視聴者忘れがちになるアニメよなぁ。
既に問題を解決したFIS組がアシスト飛ばすところは、前回の翼とおんなじか。


レイアさんが退場して自動人形四大師匠が全滅したわけだけど、これまでの構成がお話的にどうだったのか、色々悩ましい。
フォーマットが四回ともほぼ同じ(心に迷いがある状態で闘う→一回負けて見逃される→周囲と衝突する→気付きの手がかりを得る→再戦して迷いを吹っ切る→勝利)なので、ただでさえ勢いで押し切るシンフォギアでも不自然さというか、事件のための事件、悩みのための悩みという感じはちょっとあった気がする。
Gがグッダグダなせいでキャラクター性がグチャグチャになってるFIS組にとっては、こういうカッチリした型のあるお話の中で成長させるのは良い相性だった。
しかし一期をくぐり抜けてきた翼&クリスにとっては、『え、そこまた掘るの?』という感じは否めない。
まぁ翼に関しては、想像を絶する出生の秘密が出てきたんで、新鮮味はちゃんとあったんだが。

『殺されるのも計画のうち』とすることで、実力で勝るはずの敵が都合よく見逃し、都合よく死んでくれる不都合を巧く物語に組み込んでいたのは、なかなか技ありだと思う。
『悪い、強い、賢い』をこの段階まで崩していないキャロル一味は、味方サイドの成長物語の壁になる意味も含めて、いい敵役なのだと、僕は思う。
四話使った修行編にどういう値段がつくかは、その意味が収束する最終決戦次第か……。
まだお話が終わっていない以上、結論としては、『最後まで見ないとわからない』という面白みの無いものになってしまうなぁ。

人型盗聴装置エルフナインの問題を、スパっと解決して死亡フラグ潰した辺りは、シンフォギアらしい爽快さだった。
やっぱOTONAは頼りになるなぁ……ノイズじゃないのが出てきたんで、来週は思う存分怪獣大決戦だな。
ビッキーも親父と対峙する覚悟を決めてたし、いよいよ最終局面という機運は盛り上がってきている。


クライマックスを受け止める敵役の方は、頼れる仲間がみんな死んで、死亡キャンセルの代償がかなり重たくて、英雄が仲間になった。
動かし易すぎるのか、話の本筋にはほぼ絡んでないのに喋りまくりのウェル博士は流石だと思う。
オモシロ人形共が死んで広間も寂しいので、賑やかし程度に暴れてくれると良いなぁあの人。
……絶対悪目立ちするだろうな……。

修行編に敵が手札を切ったことで、話はいい具合に終局に来ている感じはある。
最終兵器も(制御系に不安があるとはいえ)ちゃんと完成させて、隙のなかった敵組織にも付け込めそうな弱点が空いた。
ココに気持よく飛び込むためには、修行編EXラウンドである響VSクソ親父をしっかり落着させることが大事だろう。
胸くそ悪くてもクソ鬱でも良いんで、殴ってどうにかならない問題に響が勝つロジックは、ちゃんと組んで欲しいな。
物理や物語の法則は力押しで押し流しても、感情のロジックは一本筋を通してちゃんと描写してきたのが、シンフォギアの良いところだと個人的に思っているので。