イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

戦姫絶唱シンフォギアGX:第11話『へいき、へっちゃら』感想

戦姫絶唱シンフォギアGX、ついに最終決戦ッッッッ!!!!
というわけで、自動人形修行編EXラウンド、響&クソ親父 VS キャロルIN新宿という回でした。
修行編のフォーマットに乗っ取り、奏者の抱える問題点を最適に突っつくキャロルは、良い師匠だなぁと思います。

殴ってもどうにもならない問題だった響パパの問題は、性根まで完全にクズではなかったのでなんとかなった。
二人の話が平行線になりかけた所で、オヤジ自身が変わらないとどうにも打開できない試練として空から降ってくるキャロルは、卓上よく見てる。
キャロルが降臨することで、傷付いた過去とオヤジの性格という拳ではどうにもならない問題の危機レベルが高まり、千日手が打破され殴っているうちにどうにかなるのは、スムーズな流れだった。

オヤジとの決着に関してはもう少し平時の言葉でやりあってほしい気持ちもあるが、ピンチが来るまでのクズっぷりを見るだに、話してても進展しないだろうしなぁ。
『俺のアニメ、そういうんじゃねぇから』と早めに見切って、とっとと殴り合いの場に変化させ、修羅場に滾る血潮でオヤジを覚醒させたのは、まぁシンフォギアらしい流れだ。
響が尊厳を保てるギリギリの譲歩をしてるのもあって、あそこで目を覚ますべきはオヤジだしな。

響もワークを完了して修行編が終わったわけですが、色々ある第二部だった。
キャラの心情を優先したせいでストーリーラインがズッタズタになったGを踏まえてか、非常にフレームがカッチリしたお話だったと思います。
キャラの問題点を明確にし、それに対する障害として自動人形を一体ずつ用意し、彼女らの退場と担当キャラの成長を同時に終わらせるという修行編のフォーマットは、成長らしい成長をGで出来なかったFIS組には、しっくりとマッチする形だったと思います。

同時にストーリーラインとキャラの成長が巧くシンクロしてた無印を経由している三人には、もう突破した所を再演する状態。
設定だけあって掘り下げていなかった家庭事情をピックアップした翼や響はなかなかの納得度があるんですが、自分の問題をぶつける壁になる家族が既に死んでるクリスには、ちょっと唐突だった印象も抱く。
クリスに関しては、自動人形チームのネタばらしと尺を食い合ったのも、納得度が低めな要因かな。

『3期決定ッッ!!』の報を聞いてから正直、『何やんの?』とずっと思っていたGX。
物語の血潮がアツければアツいほど、ヒーローとして必要な物語要素を踏まえていればいるほど、キャラが成長する余地はなくなるし、お話が広がるスペースは減る。
自動人形という敵役を成長を促す触媒としても利用し、真ん中の展開を埋めたGXは、僕個人の好みからするとより好ましい。
キャロルの企みが段階をおって進行していく過程と、自動人形の襲撃・奏者の迎撃から起こる戦い、それに伴う成長がシンクロしていれば、段取り感が薄くなってより良かったとは思うが。
修行編はなんつーか、『負けるために空から落っこちてきてる』感じ凄かったからなぁ。
ともあれ状況は最終決戦なので、せっかく造ったタメを活かし、カタルシス満点なクライマックスにしていただきたい所。


一方キャロルは、ぶっ壊れた地金を見せていた。
オヤジの遺言を勘違いして世界まるごと巻き込んで暴走する辺り、キャロルはGロボエマニュエル直系だと思う。
『思い出を焼く』というパワーアップ方法が、この歪みに直接繋がっているのは、テーマが良く出てて良い。
修行編で奏者たちが自分の過去を思い返し、力に変えてきたのも良い対比だな。

オヤジをイジられて即ギレし、『オマエが場面に写ってると、誰が主役か分からなくなるから』とばかりにウェル博士を退場させたのは良い仕事だった。
アイツ面白いんだけど、面白すぎて話し進まないか乗っ取られるからな……。
どうせ生きているんだろうから、FIS組の成長最後の一手として、盛大に散って欲しいものだ。

怪獣大決戦を期待してたらクリスが神業で処理したり、都庁前大決戦がはじまったり、響VSオヤジ以外にも色々あったお話でした。
復活のマムは一体どういう大活劇をぶちかますのかとか、色々気になりますが、来週はお休み。
呼吸を整えて待ちたいと思います。