イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツ!:第152話『出会いに続く道』感想

Show must go on,Aikatsu must go on というわけで、一区切り付いたら即新展開なアイカツ
四年目はアイカツドサ回りということで、ツアーの下準備をバニチリと整えていくお話でした。
こうして主役のステージに上ってみると、やっぱり珠璃・凛・まどかの三つ揃えはキャラ立ってて華があっていい。
全国編で出番が激減することを考えると、極めて惜しいな。

『うるせーな、販促は待ってくれねぇんだよ!』とばかりに、久々に思い出されたいいこと占いから決まったルミナス・ジャパン・ツアー。
『新しいことをする』はずなのに第147話『輝きのルミナス』で先輩ユニットが辿った道を後追いしているところに、あかりジェネレーションの悲しみが煮詰まってる気がします。
とは言うものの、あの回のツアーはあおいといちごの関係性に置いてけぼりにされた蘭がもう一度追いつき、スターライトを巣立って行く象徴という意味合いが強いわけで。
先輩たちがゴールとしたツアーを、後輩たちは自分たちを高めるためのスタートとして選ぶ対比は、個人的に面白い。

きっかけはかなりざっくりしてますが、これまで受け身だったあかりジェネレーションが自分のやりたいことを明確に見据え、学園長が代表する社会に対して積極的にアプローチして変化させていくイベントとして、重要かつ面白いと感じました。
前回勝負論の世界に身をおいてみて、いろいろ刺激を受けたのだろうなぁ。
如何にスターライト学園がよく出来たおとぎの国とはいえ、三年間使っていればガタも来るわけで、外側の世界を舞台に据えるっていうのも、なかなかよい空気転換。
半年間の旅の中で、あかりちゃん達が確かな何かを見つけられる(そしてそれが、視聴者によく伝わる形で表現される)といいなぁ。


その後はあかりジェネレーションらしい地道で現実的な準備が延々続き、優しい世界なのでトントン拍子に進む。
僕はこういう『なにかでっかい事をするために、ジワジワと色んなモノを積み上げる』シーンが凄く好きなので、三年目の地味路線はとってもグッドです。
こういう地道な積み重ねが、荒唐無稽で優しすぎる世界のウソを本当に変えているわけで、個人的な好み差っ引いても大事な描写だと思う。
コンダラ引いてタイヤ引っ張ってという先週の『努力』に比べると、企画書書いてブレイン・ストーミングしてスタッフ集めて広報活動に走り回ってという今週の『努力』は、とってもあかりジェネレーションらしい。
体の汗をかいて解決する代わりに、頭の汗をかいて積み上げていく感じね、三年目。
(いちご世代もこういう準備は結構やってるけど、割合的にはスポ根特訓が目立ってた印象ね)

今後出番が少なくなるバニチリの面々は、会計・広報・渉外という『それってアイカツか?』と聞きたくなるような地味ーな仕事を担当。
脳筋に思われがちな凛ちゃんが、Webも含めたメディア戦略をかなり的確に組み上げていて意外だ。
まぁあのこら、バリッバリに現場で揉まれてるキャリアウーマンだし、あの世界のアイドルセルフプロデュース出来る地頭ないと話しにならないっぽいしな。
劇場版でもそうでしたが、アイカツは派手なステージを地味に支える裏方、しかも会計型や事務型にもスポットライトを当ててリアリティを出していて、『アイドルのステージ』というものに対する認識が出ている演出だと思います。

書類や交渉窓口とにらめっこしてても華がないので、ここらでドカーンと派手目なイベント! といって、『ワゴンの塗替え』が来る辺りあかりジェネレーションだなと思います。
カラフルなツナギ姿は普段と毛色が違って新鮮だし、アイドルがペンキ塗る姿は妙な背徳感があって面白いんですけどね。
マスキングも完璧な辺り、スターライト学園の生徒はマジ侮れない。
出来上がったアイカツワゴンはちょっとサイケデリック過ぎて、なかなか正気を疑う逸品に仕上がってるんじゃないでしょうか。
あと、予告で写ってた運転手のおじさんは誰なんだろう……スポット当たる時が来るのかな?


ステージも裏方三人に報いる形で、三年目初の六人ステージ。
最終回なので使う曲はOP『Lovely Party Collection』だよ。
この曲は希望と期待とちょっぴりの不安が入り混じった柔らかい歌で、歴代のOPの中でもかなり好みであります。
OPで嫌いな曲、一個もないけどさ。

ステージングに関しては四年目に向けての集大成という感じで、小物の写し方や切れ味するどいカメラワークなど、やっぱアイカツのステージングはすげぇと痛感する仕上がり。
前回のソレイユステージでも思ったけど、流し目でファンやメンバーとアイ・コンタクトする表現がすっごいアイドルのステージっぽくて、技術の正しい使い方だなと思う。
アイドルのステージングは歌やダンスだけではなく、表情も引っ括めてコミュニケーションするのが本道だと思うので、豊かな技術を表情表現にまわして説得力を積んでくれるのは、とっても良い。

あとあかり&スミレのWセンターで始まって、曲りなりともルミナスの一員であるひなきがバックダンサー扱いなところに情け容赦のない人気社会を感じた。
ステージの収まりとして2+4の形がベストだってのも判るが、ホントひなきちゃんは持ってねぇ。
全国ツアーでも色々大変だと思うが、頑張れひなき負けるなひなき。
……珠璃と離れることになるけど、あかスミが同等の理解力を発揮してくれるものかしらね?
それを手に入れるべく、旅に出るってことかな。

というわけで、ユニットカップが終わり新たなる旅に飛び出す三人の、門出を祝うようなエピソードでした。
スタートがあればゴールがあるわけで、スターライトクイーンカップが無茶苦茶推されていたのが印象的でした。
神崎美月という人格化されたアイカツの天井を外した以上、そこをゴールに据えるのがベストだって判断は、第124話『クイーンの花』で既に示されたところですね。

3月に待ち受けるSLQCに向け、三人がどれだけの説得力を手に入れることができるのか。
全国にはどんなトンチキ……可愛いアイドルたちが待っているのか。
初戦は北海道ですが、槍を持った少年と金色の妖怪に鉢合わせないよう、気をつけてほしいものです。