イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

影鰐-KAGEWANI-:第1話『駑馬』感想


初音ミクっぽいのやら、萌えアプリの宣伝アニメやら。

ホンワカムードのUSATに殴りこみをかけてきた、伝奇汁溢れるクリーチャーホラーの第一話。
『31アイスクリームに行ったら牛丼が出てきた』くらいの場違い感ですが、この牛丼不味くない。
つうか美味い。
周りとの温度差はさておき、来週も楽しみに見るぞー! という気分になる第一話でした。

モノクロさんやハッカドールに混じらずともこのアニメは異質で、まず絵が強い。
諸星大二郎的といいますか、筆圧の強い存在感のあるデザインが、独特の動き方をする。
切り絵そのものが動いているような動画は、"ミニパト"とか思い出しますね。
この異質な動きは、クリーチャー伝奇ホラーという題材と良い噛み合い方をしていて、僕はとっても素敵だと思いました。

そして影鰐という島根のドマイナー妖怪をタイトルに持ってくることからも伺える、独自のセンス。
水木しげるで産湯を浸かり、"妖怪ハンター""夢幻紳士"が哺乳分代わりだった伝奇人間からすると、オドロオドロしい空気作りが最高にビンビン来る。
主人公のお軽いアウトサイダーっぽさも、こっから伝奇の世界にぶっ込んでいくぜ! という予感を感じさせてとっても良い。
つーか、ネタ方向にアクセルを踏まない、素直でクールな杉田さんの演技が久々であり最高でもあった。

『だいたいこんな世界で、だいたいこんな話』という紹介としては、なかなか良い出だしだったと感じました。
やっぱり怪奇生物ホラーは、社会の光当たらぬ闇の中で無残に犠牲者が出ると、無性に盛り上がる。
定形をしっかり踏みつつも、クリーチャーのデザインや主人公の見せ方などで独自色もあって、期待の持てるスタートだったと思います。

YouTuberを最初の犠牲者に選んでいましたが、オールドスクールな伝奇物語と現代的な要素を今後どう混ぜていくのかは、結構気になるところです。
なにぶん時間が短いので難しいと思いますが、懐古趣味だけではないスパイスをぴりっと効かせられると、より面白くなる予感がする。
いや、モロに"怪奇大作戦"でも全然オッケーですけどもね、エエ。

オッサンの変な部分をガンガンくすぐる、意欲的な始まりだと思いました。
今後も残虐でトンチキなクリーチャーが沢山出てきて、不可思議な事件がドシドシ起こってくれると、とっても素敵です。
正直、自分の中にこんなに伝奇の血が眠っていたとは、久しく忘れていた。
女の子の可愛い姿にトゥンクするのも良いけど、人食いの化け物に萌えるのも悪くないよね!!