イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

うしおととら:第14話『婢妖追跡~伝承者~』感想

アイカツワゴンと一緒に、うしとら IN 北海道!!!
というわけで、遠野を抜けてかなりの数のエピソードをふっ飛ばし、2つのお話をくっつけて一話にしてみました、という回。
もともとにおいてかなり無茶な尺との闘いを強いられているこのアニメですが、駆け足ながら必要な部分はリキ入れてやってくれたんじゃないでしょうか。

今回のお話はうしお-日輪、とら-流の形で、主人公がそれぞれ伝承者とマッチアップする形。
さんざん煽り倒した挙句へっぽこポンコツ娘だった日輪に対し、かっちょいい法術アクションでとらと互角に戦っていた流にーちゃんの株があがる流れでした。
いや、残忍な対比だったなぁ……SEKIMORIっていう苗字が、何処からともなくへっぽこ要素を引っ張ってくるのだな。

本州旅している時は妖怪とのつきあい方を主に考えていた潮ですが、日輪が出てきたことで光覇明宗という組織や、人間側が白面の者に持っている因縁に軸が移ります。
このアニメは妖怪の話であると同時に人間の話でもあるので、ここでサイドチェンジするのは、いいバランスですよね。
日輪の絡み方は完全に八つ当たりですが、相手の事情を考えて槍を手放しちゃう辺り、ほんと潮は素直な青年。

そして槍と戦ってきた日々を思い出し、キャラシー見て自分のクエストを確認して現場に急行する辺り、ほんといいPC。
日輪の無茶絡みが潮のモチベーション確認に良い仕事をしていて、アクションの中で動機を再確認することを忘れないのが、エンタテインメントとして強いところだと思います。
等身大の中学生部分もしっかり映されていて、大事なことを何回も見せるのは、フィクションでは重要だなぁと思うことしきり。

日輪のセクシーサービスは有り難いんだか有り難くないんだかよく分かりませんが、そういうシーンも久々って感じだった。
ホント、藤田先生足が好きだよなぁ……。(都合よくチャイナ・ドレス状態になる制服を見ながら)
時代が時代なので、太眉女子が沢山出てくるのがうしとらアニメのグッドナイスなところですね。


後半はみんな大好き流にーちゃんが、とらとイチャイチャする話。
スタイリッシュ法術アクションがマジで最高で、鉄杭を蹴り飛ばして錫杖でぶち込んでくる所とか、『そう! それ!!』って感じだった。
ヒョウさんの時はあえて飛ばした五行の説明を今回入れたのも、中二力高くて良かったなぁ。
やっぱアクションがビチッっと決まると、初登場のキャラでもいい印象受けるなぁ聞いてるか日輪!!

遠野で愛を確認したせいか、今週のとらちゃんはややデレ気味。
さんざん喰うの喰わないのという建前でついてきてましたが、潮は面白い人間だから一緒にいるという事実を隠さなくなってきてます。
日輪のせいで腑抜けた潮もハッパかけてるしなぁ……やっぱとらちゃんはヒロイン力高い。

そんな二人に横殴りをかけてくる流にーちゃんは、実はこの段階で終盤への伏線を張っております。
『一人一種の特別な存在』『周りから浮かび上がる個性を持った、生来の暴れ者』
優秀な退魔師らしく事前情報を調べあげている流ですが、とらを見る視線にはプロフェッショナルな分析だけではなく、個人的な願望や執着が混ざっていたのだと、お話の帰結を知ってしまっている身としては判るわけです。

とらとの激闘は伝承者としての立場(これは全然重要視していない)や、退魔師として化け物を狩る任務(これはそれなりに大事)を飛び越えた、クールな流には珍しい熱が篭っていた。
それがとらへの執着、とらが執着し『退屈しない』と言った潮への執着に変わっていくわけで、キャラクターが結びつく足場になる以上、やっぱり今回のアクションがカッコよかったのは大事なことだと思います。
今回流はただ勝負を仕掛けたわけではなく、うしおととらが結んだ絆に横殴りをかけてきたのだから、感情の熱を反映して殺陣がアツいのはとっても有り難いことです。

飄々とした態度と奇妙な熱、それでも心に吹く隙間風を兼ね備えた流は、複雑怪奇で魅力的なキャラです。
細谷さんの演技もズバッとハマっていて、印象に残る登場だったと思います。
日輪に関してはやっぱSAKIMORI思い出しちゃうけど、気位の高い感じが出た良い水樹奈々だった。
うしとらは全般的にキャスティング良いなぁ。

二人の伝承者との出会いを通して、ちょっと変化したうしとらの絆が見える回となりました。
ゲストもただの壁役ではなく、自分自身のキャラクターを印象づける登場になった。
来週は流にーちゃんが更なる活躍をするので、ファンとしては期待大であります。
いやー、細谷流は想像していたよりずっと良いわ、実際。