イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツ!:第154話『ジャガイモをマイクにもちかえて』感想

北海道からやってきたアイカツ超新星、ののリサがスターライト学園生になるまでのお話でした。
タイトルが一期の名言『おしゃもじをマイクに持ち替えて』への自己言及であることも含めて、やっぱりののリサはあおいちっぽい。
ほぼ一心同体の濃厚な関係でありながら、要所要所で別々の存在であると強調する所とか、とくにね。

前半は北海道雌伏編でありまして、リサっぺにスタートがかかって、両親を納得させて旅立つまでが描かれてました。
家族構成から家庭環境まで、人格を形成するのに必要なパーツをしっかり見せるのは、非常にアイカツっぽい。
のの弟の只者ではないっぷりとか、白樺家の毛並みの良さとか、細かく描いてました。

後半もそうなんですが、四年目に突入ということでメインストーリーの合間に説明と販促が入るのが今回の特徴。
これまで切れ味鋭く繰り返されてきた『アイカツ社会見学』のスターライト版と言った風情で、外側から見たスターライト学園をしっかり説明し、初めてのフアンにも対応する展開でした。
こういう話をサボらずキッチリやるのが、IP力を維持する秘訣なんだろうなぁ。
これまでのアイカツはあくまでスターライトが中心にあったわけで、北海道から外部の視点で眺めるのは、結構新鮮ですね。

それにしても、何でもかんでも『リサっぺがいるから大丈夫!』で済ませるののの依存度はヤバい。
気軽にアイドルを口にできるののと、考えに考えて夢に歩き出すリサの軽重の差がちゃんと描かれている分、今後この二人がすれ違っていく話があるのか無いのか、気になるところです。
ルミナス三人の掘り下げに他の地方アイドル、スターライトに残ったアイドルのお話とやること沢山あるので、ののリサだけに構ってられないよなぁ。


Bパートは初オーディションに立ち向かう二人の姿をじっくり写し、彼女たちを支えるルミナスの説得力も作る展開。
凛&まどがが初登場した時もそうだったんですが、ののリサとルミナスの間に明確に引かれた先輩/後輩の線はこれまであかりちゃんが積み上げてきた経験と成長をハッキリさせ、お話を明確にしてくれます。
世界に溢れすぎた優しさが、気づけばその線引を無化してしまう傾向が強いのは、アイカツ世界の矛盾というか、やるせなさというか。
ドリアカがライバル関係を維持できなかったのも、この過剰な優しさの溶融性が原因だと思います。
ののリサは少なくとも暫くの間はルミナスを『手が届かない憧れ』としておいておいて、あかりジェネレーションの成長を見せる鏡として活用して欲しい気持ち。

現地に来るまでファン気分で浮かれていたののが、オーディションを前にして緊張し始め、それをあかりちゃん達が抜いて、自分たちのオリジンを思い出して勝つ。
Bパートの一連の流れは基本的ながら、それ故ベーシックな強さに満ちたいい話でした。
やっぱり自分たちの原典を思い出すことで勝つフラグを立てる流れは説得力があるし、それに導いていくあかりちゃん達にも、先輩としての落ち着きが感じられる。
スミレちゃんがお茶に誘った時は『このインスタントレズ製造装置……また大暴れか!』と思ったりもしたけど、それ以上にののリサのネットリした関係が強かったね。

実際のステージを見てみると、アイドルに欠ける真剣な気持ちが枷になって、リサのパフォーマンスがやや弱いのが面白い表現だった。
気持ちがあればこそ東京までやってきたんだけど、それが逆にハンディにもなるということを3Dモデリングで表現できてしまうのは、アイカツらしい強さ。
しかし入学オーディションでオーラは出す、スペシャルアピールは出すというののリサ、ヘタするといちあおクラスの逸材なんじゃないだろうか。

前回モチベーションの部分を丁寧にやった分、かなり素直に入学まで進んだののリサ編第二話でした。
後輩を夢に導くメンターとして、あかりジェネレーションも貫禄のあるアイカツを見せてくれた。
後輩の面倒を見ていると、最前線で夢を追いかけていた時とはまた別の良さ、強さが見えてくるってのは、わざわざ新展開に舵を切った理由を体感できて、スッゴク良いですね。
ののリサは新入り恒例のデザイナー回をやるようですが、これまでいろんな見せ方をしてきた題材、
どういう切り口で見せてくれるのか、今から楽しみです。
……再来週はユウちゃん回? マジでか!!?